282 / 292
第2章
第十一話 ~詩織との二回目のデート~ ②
しおりを挟む
第十一話 ~詩織との二回目のデート~ ②
愛車を無料の駐輪場に停めたあと、防犯対策をしっかりと済ませた上で駅へと歩く。
道行く若い女性からは、かなりの視線を受けているのがわかる。
よし。悪くない手応えだな。
やはり、オシャレを意識した眼鏡を持っていて正解だったな。佐々木さん兄妹には感謝しないとな。
そんなことを考えながら、駅の構内を進む。
時間を確認すると八時五十分。
あと十分程で到着する電車に、詩織さんには乗っていてくれ。そう話をしてある。
これから向かう場所は、現地集合するには遠いと思っている。なので、そのに向かう時間も二人で過ごすことで楽しもう。
そう考えていたからだ。
そして、構内で時間を潰しているとスマホにメッセージが届いた。
『そろそろ到着します。今から悠斗くんに会えるのでとても嬉しい気持ちでいっぱいです』
ははは。可愛いメッセージが来たな。
『俺も詩織に会えるのを楽しみにしてるよ』
俺は彼女にそうメッセージを返信して、スマホをポケットの中にしまった。
ちょうどそのタイミングで、電車がやって来た。
「来たか」
俺がそうつぶやくと、目の前で止まった電車のドアが開く。
そこには顔を赤くした絶世の美少女がスマホを片手に佇んでいた。
彼女は白いワンピースに麦わら帽子。
前回のデートでも履いていたミュールという洋装だった。
やばいな。俺の好みのど真ん中だ。
恐らく『狙ってきた』
「おはよう『詩織』。とても素敵な格好だね。現世に天使が舞い降りたかと思ったよ」
俺がそう言うと、詩織はさらに顔を赤くする。
うん。とても可愛いね。
「そ、その……悠斗くん……な、名前」
あはは。そうだね、今日は君の名前を呼び捨てでいくつもりだよ。
俺は電車に乗りこみ、彼女の身体を抱きしめる。
他の乗客からの視線を一身に浴びている。
男性からは嫉妬の視線を感じているのがわかる。
あはは。お前らには指一本触れさせないからな。
本当なら想像の中ですら彼女を穢すことを許したくないが、その位なら俺は『寛容な男だから』許可してやるさ。
俺は詩織の耳元で囁く。
『今日は君に俺の心を少しだけあげる。そういう話だからな。覚悟しておいてくれよ、詩織』
俺がそう言って顔を離すと、詩織は顔を真っ赤にして首を縦に振った。
「今日はどこに連れて行ってくれるんですか?」
走り出した電車の中。詩織が首を傾げながら俺に聞いてきた。
「今日は君を『プラネタリウム』に連れて行こうと思ってるんだ」
「わぁ!!もしかして、最近出来たと話題になっていた場所ですか!!??」
詩織はそう言うと、手を合わせて喜びを示してくれた。
そう。この電車の終点の駅の前に、ひと月ほど前に新しくプラネタリウムが出来た。
朱里と行くことも考えたが、星の名前とか由来とか言われても楽しめないと思った。
俺だけが楽しんでしまう気がしたので断念していたデートスポットだった。
だが、俺と知識量が似通っている詩織となら星の名前や星座の由来など、会話が弾むと考えた。
『非日常を楽しむ』
デートの鉄則だと思ってるが、彼女とならプラネタリウムでそれを存分に満喫出来るだろう。
「お洒落なミュールを履いて来てくれる。そう思ってたからね。あまり歩き回るような場所もどうかと思っていたんだ」
「ふふふ。配慮していただいてありがとうございます」
詩織はそう言うと、ふわりと頬笑みを浮かべてくれた。
「ちなみに、駅前に到着するのは九時半くらいを予定してるんだ」
「えと……確かプラネタリウムは十時からでしたよね?三十分程時間があまりそうですね」
首を傾げる彼女に俺は言う。
「実は駅前に美味しいカフェのお店があると聞いていてね。そこで少しお茶をしながら『ライトノベル談義』を君としたいなと思っていたんだ」
「悠斗くん……わ、私はとても嬉しく思ってます……」
あはは。これで彼女は理解してくれた感じかな?
今日一日は『朱里とは出来ないことをする』
そういうプランで動く予定だ。
詩織は俺にとって本当に『特別な女性』だ。
そんな彼女に対して、俺の気持ちを余すことなく伝えていく。
そんな一日にしていく。
さて、そろそろ終点に到着しそうだな。
「じゃあそろそろ降りる駅だな。扉の段差に気をつけてね」
「は、はい……」
俺は彼女と手を握り、電車から降りる。
さぁ、詩織との二回目のデートの始まりだ。
今日は二人で楽しく過ごしていこう。
彼女の手を握りしめ、俺はそう思った。
愛車を無料の駐輪場に停めたあと、防犯対策をしっかりと済ませた上で駅へと歩く。
道行く若い女性からは、かなりの視線を受けているのがわかる。
よし。悪くない手応えだな。
やはり、オシャレを意識した眼鏡を持っていて正解だったな。佐々木さん兄妹には感謝しないとな。
そんなことを考えながら、駅の構内を進む。
時間を確認すると八時五十分。
あと十分程で到着する電車に、詩織さんには乗っていてくれ。そう話をしてある。
これから向かう場所は、現地集合するには遠いと思っている。なので、そのに向かう時間も二人で過ごすことで楽しもう。
そう考えていたからだ。
そして、構内で時間を潰しているとスマホにメッセージが届いた。
『そろそろ到着します。今から悠斗くんに会えるのでとても嬉しい気持ちでいっぱいです』
ははは。可愛いメッセージが来たな。
『俺も詩織に会えるのを楽しみにしてるよ』
俺は彼女にそうメッセージを返信して、スマホをポケットの中にしまった。
ちょうどそのタイミングで、電車がやって来た。
「来たか」
俺がそうつぶやくと、目の前で止まった電車のドアが開く。
そこには顔を赤くした絶世の美少女がスマホを片手に佇んでいた。
彼女は白いワンピースに麦わら帽子。
前回のデートでも履いていたミュールという洋装だった。
やばいな。俺の好みのど真ん中だ。
恐らく『狙ってきた』
「おはよう『詩織』。とても素敵な格好だね。現世に天使が舞い降りたかと思ったよ」
俺がそう言うと、詩織はさらに顔を赤くする。
うん。とても可愛いね。
「そ、その……悠斗くん……な、名前」
あはは。そうだね、今日は君の名前を呼び捨てでいくつもりだよ。
俺は電車に乗りこみ、彼女の身体を抱きしめる。
他の乗客からの視線を一身に浴びている。
男性からは嫉妬の視線を感じているのがわかる。
あはは。お前らには指一本触れさせないからな。
本当なら想像の中ですら彼女を穢すことを許したくないが、その位なら俺は『寛容な男だから』許可してやるさ。
俺は詩織の耳元で囁く。
『今日は君に俺の心を少しだけあげる。そういう話だからな。覚悟しておいてくれよ、詩織』
俺がそう言って顔を離すと、詩織は顔を真っ赤にして首を縦に振った。
「今日はどこに連れて行ってくれるんですか?」
走り出した電車の中。詩織が首を傾げながら俺に聞いてきた。
「今日は君を『プラネタリウム』に連れて行こうと思ってるんだ」
「わぁ!!もしかして、最近出来たと話題になっていた場所ですか!!??」
詩織はそう言うと、手を合わせて喜びを示してくれた。
そう。この電車の終点の駅の前に、ひと月ほど前に新しくプラネタリウムが出来た。
朱里と行くことも考えたが、星の名前とか由来とか言われても楽しめないと思った。
俺だけが楽しんでしまう気がしたので断念していたデートスポットだった。
だが、俺と知識量が似通っている詩織となら星の名前や星座の由来など、会話が弾むと考えた。
『非日常を楽しむ』
デートの鉄則だと思ってるが、彼女とならプラネタリウムでそれを存分に満喫出来るだろう。
「お洒落なミュールを履いて来てくれる。そう思ってたからね。あまり歩き回るような場所もどうかと思っていたんだ」
「ふふふ。配慮していただいてありがとうございます」
詩織はそう言うと、ふわりと頬笑みを浮かべてくれた。
「ちなみに、駅前に到着するのは九時半くらいを予定してるんだ」
「えと……確かプラネタリウムは十時からでしたよね?三十分程時間があまりそうですね」
首を傾げる彼女に俺は言う。
「実は駅前に美味しいカフェのお店があると聞いていてね。そこで少しお茶をしながら『ライトノベル談義』を君としたいなと思っていたんだ」
「悠斗くん……わ、私はとても嬉しく思ってます……」
あはは。これで彼女は理解してくれた感じかな?
今日一日は『朱里とは出来ないことをする』
そういうプランで動く予定だ。
詩織は俺にとって本当に『特別な女性』だ。
そんな彼女に対して、俺の気持ちを余すことなく伝えていく。
そんな一日にしていく。
さて、そろそろ終点に到着しそうだな。
「じゃあそろそろ降りる駅だな。扉の段差に気をつけてね」
「は、はい……」
俺は彼女と手を握り、電車から降りる。
さぁ、詩織との二回目のデートの始まりだ。
今日は二人で楽しく過ごしていこう。
彼女の手を握りしめ、俺はそう思った。
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説


十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

腹ぺこお嬢様の飯使い ~隣の部屋のお嬢様にご飯を振舞ったら懐かれた件~
味のないお茶
恋愛
「お腹が空きました。何か食べさせてください」
春休みの最終日。俺、海野凛太郎(うみのりんたろう)の部屋に同年代くらいの一人の女が腹を空かせてやって来た。
そいつの名前は美凪優花(みなぎゆうか)
今日。マンションの隣の部屋に母親と一緒に引っ越して来た奴だった。
「なんで初対面の人間に飯を振る舞わなきゃなんねぇんだよ?」
そう言う俺に、
「先程お母さんに言ったそうですね。『何か困り事があったら言ってください。隣人同士、助け合いで行きましょう』と」
と笑顔で言い返して来た。
「まさか、その言葉を言って数時間でこんな事になるとは思いもしなかったわ……」
「ふふーん。こんな美少女にご飯を振る舞えるのです。光栄に思ってくださ……」
パタン
俺は玄関の扉を閉めた。
すると直ぐに
バンバンバン!!!!
と扉を叩く音
『ごめんなさい!!嘘です!!お腹ぺこぺこなんです!!助けてください!!隣人さん!!』
そんな声が扉を突きぬけて聞こえて来る。
はぁ……勘弁してくれよ……
近所の人に誤解されるだろ……
俺はため息をつきながら玄関を開ける。
そう。これが俺と彼女のファーストコンタクト。
腹ぺこお嬢様の飯使いになった瞬間だった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる