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第2章
第十話 ~狂乱の体育祭~ ⑬
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第十話 ⑬
綱引きに向けて、自分のクラスへと向かった俺。
殴られて腫れたほっぺたに関しては、やはり追求があった。
「どうしたんだよ、桐崎。めちゃくちゃイケメンになってるじゃないかよー」
ニタニタ笑いながら石崎が話しかけてきた。
こういう所がこいつの良いところだと思ってる。
「嫉妬に狂った先輩に呼び出しを喰らって、体育館裏で殴られたよ。まぁ殴り返したりとかはしてないし、写真も根岸先生に見せたから。かなりきつい罰を与えると思うぜ」
と俺は本当のことを混じえながら話をした。
「なるほどねーお前も大変だな」
なんて言いながら、石崎は去っていった。
それと入れ替わりに、
「ねぇ、悠斗?」
「お話があります」
と朱里と詩織さんがやって来た。
「体育館裏に呼ばれたのは、なんでかな?」
「蒼井さんに付きまとう男性が居るから、それに対処して欲しい。とお願いされてね」
朱里の質問に俺がそう答える。
「どうやって『対処』したんですか?」
詩織さんが微笑みながらそう聞いてくる。
……こ、これは。
知ってるのか……
「あぁ、さっき根岸先生が悠斗の『武勇伝』を話してくれてるからね?」
「流石は私たちの悠斗くんです。感涙しましたね」
「…………あはは」
や、やばい……これはとてもやばいやつだ……
二人はそう言うと、俺の横にスっと近寄ってくる。
そして、
『今夜は詩織ちゃんの家に来てね』
『朱里さんも私の家に泊まることになってますから』
『『おしおきだから』』
「……はい」
耳元で囁かれたその言葉に、俺は背中に嫌な汗をたっぷりとかいたのだった。
『綱引き 決勝戦』
「どうしたんだい、桐崎くん。随分と顔色が悪いじゃないか?」
「あはは……ちょっと疲れてるのかなぁ……」
順調に勝ち進んだ俺のクラスは、綱引きの決勝で星くんのクラスと対戦することになった。
この時点で俺たちの所属する赤組の勝利は確定している。
あとは学年優勝。現状は僅差でうちのクラスが勝っているが、二位は星くんのクラス。
つまり、この綱引きの勝者が学年優勝だ。
「先輩に呼び出されて殴られたって聞いたよ。痛むのかい?」
「そうだね。お腹が痛いよ……」
「……え?殴られたのはお腹かい?腫れてるのは顔に見えるけど」
「あはは……」
そんな会話をしていたが、そろそろ勝負の時間になった。
「桐崎くん。悪いが今回も勝たせてもらうからね?」
「首藤さんのことかい?」
俺がそう言うと、星くんは首を縦に振った。
「学年優勝を引っさげて、彼女をデートに誘うつもりだよ」
「なるほどね。前回の食事会でその約束を取り付けたかんじかな?」
「そうだよ。だからこそ、負ける訳には行かないんだよね」
「君の勝利の価値を落とさないためにも、全力を尽くすよ」
そして、勝負の時が来た。
『それでは縄を持ってください』
審判は蒼井さんが行ってくれることになった。
『頑張ってね、悠斗くん』
『あはは。ありがとうございます、空さん』
小さくそう言ってくれた空さんに俺は笑って返した。
「桐崎くん。君の女性関係には口を出さないことにするよ……」
「あはは……助かるよ……」
『さぁ!!二年生の綱引き決勝戦!!二股ハーレムクソ野郎の桐崎悠斗副会長と学園の王子様の星明くんの対戦です!!』
怜音先輩のアナウンスがグラウンドに響いた。
「あはは。言われてるね」
「君こそ。学園の王子様はあきらめたのかな?」
『時間いっぱいになりました!!この勝負に勝ったクラスが学年優勝です!!熱い戦いが期待出来そうです!!』
『それでは行きます』
空さんはそう言ってピストルを天に構える。
そして、
パーン!!!!
と打ち鳴らした。
『うおおおおおお!!!!!!』
『だぁあああああ!!!!!!』
掛け声とともに、名和を全力で引っ張る!!
オー・エス!!オー・エス!!
と力を揃えて引っ張り合う。
練習の時と同じように互角の戦い!!
だが、練習の時は俺が怜音先輩のせいで力が抜けて負けてしまった。
今回は何を言われても対処出来るように心構えを…………
『悠斗くーん!!頑張ってーーー!!勝ったら新聞部の部室でチューしてあげる!!』
なんて怜音先輩の声が聞こえてきた。
「辞めてください怜音先輩!!それは内緒の話でしょ!!」
思わず手を離してしまった俺。
「……あ」
一人分の力が無くなってしまったうちのクラスは、星くんのクラスに負けてしまった……
ま、また戦犯は俺じゃないか……
負けた言い訳と、怜音先輩の発言に対する言い訳と……
頭が痛いことばかりでちょっとお腹がほんとに痛くて仕方ない……
あれ、ちょっとこれはマジで痛い……痛い……痛い……
「桐崎くん!?」
『悠斗くん大丈夫かい!!??』
『どうしたんだよ悠斗くん!?』
「悠斗!!!???」
「悠斗くん、大丈夫ですか!!!???」
あまりのお腹の痛みに、俺はグラウンドに倒れ込んだ。
綱引きに向けて、自分のクラスへと向かった俺。
殴られて腫れたほっぺたに関しては、やはり追求があった。
「どうしたんだよ、桐崎。めちゃくちゃイケメンになってるじゃないかよー」
ニタニタ笑いながら石崎が話しかけてきた。
こういう所がこいつの良いところだと思ってる。
「嫉妬に狂った先輩に呼び出しを喰らって、体育館裏で殴られたよ。まぁ殴り返したりとかはしてないし、写真も根岸先生に見せたから。かなりきつい罰を与えると思うぜ」
と俺は本当のことを混じえながら話をした。
「なるほどねーお前も大変だな」
なんて言いながら、石崎は去っていった。
それと入れ替わりに、
「ねぇ、悠斗?」
「お話があります」
と朱里と詩織さんがやって来た。
「体育館裏に呼ばれたのは、なんでかな?」
「蒼井さんに付きまとう男性が居るから、それに対処して欲しい。とお願いされてね」
朱里の質問に俺がそう答える。
「どうやって『対処』したんですか?」
詩織さんが微笑みながらそう聞いてくる。
……こ、これは。
知ってるのか……
「あぁ、さっき根岸先生が悠斗の『武勇伝』を話してくれてるからね?」
「流石は私たちの悠斗くんです。感涙しましたね」
「…………あはは」
や、やばい……これはとてもやばいやつだ……
二人はそう言うと、俺の横にスっと近寄ってくる。
そして、
『今夜は詩織ちゃんの家に来てね』
『朱里さんも私の家に泊まることになってますから』
『『おしおきだから』』
「……はい」
耳元で囁かれたその言葉に、俺は背中に嫌な汗をたっぷりとかいたのだった。
『綱引き 決勝戦』
「どうしたんだい、桐崎くん。随分と顔色が悪いじゃないか?」
「あはは……ちょっと疲れてるのかなぁ……」
順調に勝ち進んだ俺のクラスは、綱引きの決勝で星くんのクラスと対戦することになった。
この時点で俺たちの所属する赤組の勝利は確定している。
あとは学年優勝。現状は僅差でうちのクラスが勝っているが、二位は星くんのクラス。
つまり、この綱引きの勝者が学年優勝だ。
「先輩に呼び出されて殴られたって聞いたよ。痛むのかい?」
「そうだね。お腹が痛いよ……」
「……え?殴られたのはお腹かい?腫れてるのは顔に見えるけど」
「あはは……」
そんな会話をしていたが、そろそろ勝負の時間になった。
「桐崎くん。悪いが今回も勝たせてもらうからね?」
「首藤さんのことかい?」
俺がそう言うと、星くんは首を縦に振った。
「学年優勝を引っさげて、彼女をデートに誘うつもりだよ」
「なるほどね。前回の食事会でその約束を取り付けたかんじかな?」
「そうだよ。だからこそ、負ける訳には行かないんだよね」
「君の勝利の価値を落とさないためにも、全力を尽くすよ」
そして、勝負の時が来た。
『それでは縄を持ってください』
審判は蒼井さんが行ってくれることになった。
『頑張ってね、悠斗くん』
『あはは。ありがとうございます、空さん』
小さくそう言ってくれた空さんに俺は笑って返した。
「桐崎くん。君の女性関係には口を出さないことにするよ……」
「あはは……助かるよ……」
『さぁ!!二年生の綱引き決勝戦!!二股ハーレムクソ野郎の桐崎悠斗副会長と学園の王子様の星明くんの対戦です!!』
怜音先輩のアナウンスがグラウンドに響いた。
「あはは。言われてるね」
「君こそ。学園の王子様はあきらめたのかな?」
『時間いっぱいになりました!!この勝負に勝ったクラスが学年優勝です!!熱い戦いが期待出来そうです!!』
『それでは行きます』
空さんはそう言ってピストルを天に構える。
そして、
パーン!!!!
と打ち鳴らした。
『うおおおおおお!!!!!!』
『だぁあああああ!!!!!!』
掛け声とともに、名和を全力で引っ張る!!
オー・エス!!オー・エス!!
と力を揃えて引っ張り合う。
練習の時と同じように互角の戦い!!
だが、練習の時は俺が怜音先輩のせいで力が抜けて負けてしまった。
今回は何を言われても対処出来るように心構えを…………
『悠斗くーん!!頑張ってーーー!!勝ったら新聞部の部室でチューしてあげる!!』
なんて怜音先輩の声が聞こえてきた。
「辞めてください怜音先輩!!それは内緒の話でしょ!!」
思わず手を離してしまった俺。
「……あ」
一人分の力が無くなってしまったうちのクラスは、星くんのクラスに負けてしまった……
ま、また戦犯は俺じゃないか……
負けた言い訳と、怜音先輩の発言に対する言い訳と……
頭が痛いことばかりでちょっとお腹がほんとに痛くて仕方ない……
あれ、ちょっとこれはマジで痛い……痛い……痛い……
「桐崎くん!?」
『悠斗くん大丈夫かい!!??』
『どうしたんだよ悠斗くん!?』
「悠斗!!!???」
「悠斗くん、大丈夫ですか!!!???」
あまりのお腹の痛みに、俺はグラウンドに倒れ込んだ。
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