学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第九話 ~蒼井さんとの初めてのお出掛け~ ③

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 第九話  ③


 ラウンズの店内に入り、カウンターへと進んだ俺たちは、受付を済ませる。


「いらっしゃいませ。ご利用時間はどうなさいますか?」
「大人二人。フリータイムでお願いします」
「かしこまりました」
「割引券があるんですが、お願い出来ますか?」
「えぇと……はい。期間内ですので大丈夫です」

 ふぅ……良かった。

 変に取得ルートとか聞かれたらあれかな?と思ったけど。それなりに利用者が居る割引券みたいだ。

「それでは割引券を使用した上での金額はこちらです。先払いになりますのでよろしくお願いします」
「はい。了解です」

 と、俺が最初に払っておく。

「ありがとうございます。こちらがリストバンドになります。お帰りの際はカウンターまでお戻し下さい」

 二人分のリストバンドを受け取る。

「館内にある利用施設の使用ルールはこちらに記載しております。目を通していただきたいと思います」
「はい。了解です」

 二人分の利用マニュアルを受け取る。

「では、ごゆっくりとお楽しみください」

 俺は受付の人に頭を下げると、後ろに居た空さんに、リストバンドとマニュアルを渡した。

「リストバンドと利用マニュアルです。マニュアルはエレベーターでの移動になると思うので、その間に軽く目を通して起きましょう」
「なるほど。それで、僕の分のお金は君にいつ渡せば良いかな?」

 空さんの質問に、俺は軽く笑う。

「空さん。これは『デート』なんですよね?だったら男の俺に、少しくらいは格好をつけさせてください」

 俺がそう言うと、彼女も軽く笑った。

「ははは。なるほどね、わかったよ。君の好意に甘えることにしよう」

 俺たちはそう言うと、エレベーターを使って五階へと向かう。

 五階と六階がアミューズメント施設となっており、野球やフットサル、バスケやテニスなどはもちろん。
 ボーリングやカラオケ、果てはアーチェリーまである。
 一日身体を動かすのはもってこいの場所だ。

 それに、今日は少し天気が崩れそうだ。
 室内で遊べるのでその点でも良かっただろう。

 そんなことを考えていると、五階へとたどり着いた。

「さて、悠斗くん。何からしようか?」

 そう言う空さんに、俺はあらかじめ考えていたことを話す。

「バスケの1on1で軽く勝負をしませんか?」

 俺のその言葉に、空さんがニヤリと笑った。

「へぇ。僕が中学時代はバスケ部だったと言うのを知ってのことかな?」

 そう。知ってのこと。

 男と女の体格差を考えると、単純な勝負だと俺が勝ってしまうのが目に見えている。

『良い勝負』を演じるとなると、『経験』で勝る空さんと
『体格』で圧倒する俺ならバスケの勝負が良いと思った。

 それに、俺は朱里から薫陶(くんとう)を受けているので、全くの素人という訳でも無い。

 やるからには勝つつもりだが、圧勝するのは難しいだろう。

 空さん的にも、経験者としての力を見せたいところだと思う。

 そうしたこともあり、俺はまず最初にバスケを選んだ。

「もちろんですよ。経験者の空さんを体格で勝る俺がどこまで食い下がれるか。もしくは、俺がそれを活かして空さんに勝つのか。良い勝負になると思いませんか?」
「確かに、僕もこの勝負。どっちに転ぶかわからないからね。良いチョイスをしたね、悠斗くん」
「ありがとうございます」


 俺たちはバスケ勝負をすることを決めると、コートの前で入念に準備体操とストレッチをする。
 肉離れなんかしたら笑えないからな……

 そして、全力で動ける身体にしたところで、

「よし。じゃあ……やろうか!!」
「はい!!負けませんよ!!」

 俺と空さんの1on1の勝負が幕を開けた。
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