学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

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第2章

第八話 ~放課後~ 詩織視点

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 第八話  ~放課後~  



 詩織視点





 朱里さんと喫茶店で別れたあと、私は自宅へと帰ってしました。

「ただいま」

 誰も居ない部屋に挨拶をして、部屋の電気を付けます。

 そして、部屋の真ん中に設置してあるガラスのテーブルの上には、ひとつの封筒が用意されています。


 これが、私の『切り札』です。

「ふふふ。今日は朱里さんと思いの外楽しめました。それにあの約束。彼女は私の行動を縛ったつもりでしょうけど、『一度だけ』を許してしまっている時点でおしまいですよ……」

 私はそう独りで呟くと、封筒の中から一枚の紙を取り出します。

『愛している人』

 と書かれた紙。これは、体育祭での催し物。借り物競争で使う封筒と、中身を模した物です。
 これを本番。私が自分の物とすり替えることで、悠斗くんをお題の相手として連れ出す。
 これが私の作戦です。

 そして、ゴールをして、お題を確認してもらうタイミングで、『キス』をします。

『一度だけ』人目があるところで行為を許してもらえてますからね。約束を破ってはいませんよ?

 私はお題の書かれた紙を丁寧に封筒にしまいます。


「さて。中間テストに向けて勉強をしましょうか」

 私は悠斗くんとの本気の勝負のため、毎日勉強をしています。狙うは全教科100点満点です。

 そして、夏休み。後半にある『花火大会』の日。この日をターゲットにしています。
 この日なら、朱里さんも旅行から帰って来てますので、『解禁』になっている筈です。

 私の『身体』で悠斗くんを虜にしてみせます。



「ふふふ……今から楽しみですね……」

 去年より明らかに知識の吸収の効率がいいと感じながら、私は試験勉強を続けていきました。
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