学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

番外編 ③ ~星くんの恋愛相談~

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 番外編  ③



 四時間目が終わるチャイムが鳴った。

 俺はグッと身体を伸ばすと、いつものメンバーに声を掛ける。

「なぁ、みんな。ちょっといいか?」

 俺のその言葉に、朱里が返事をした。

「どうしたの、悠斗。もしかして、さっきの星くんの件?」

 そう言う朱里に、俺は首を縦に振る。

「うん。ちょっとさっき相談を受けてね。詳しい話をご飯を食べながらしよう。って話になったんだ」
「ねぇ、いーんちょー。本当は予算の話なんかじゃないんでしょ?」

 と、鋭い佐藤さんは俺に本当のことを求めてきた。

「その事について話しながら食堂に行こうか」

 俺はそう言うと、席から立ち上がって食堂へと向かうことにした。






「なぁ、悠斗。星からなんの相談を受けたんだ?」

 食堂へと向かう途中で、健が俺に聞いてきた。

「あぁ、実は恋愛相談を受けたんだ」

「「「恋愛相談!?」」」

 詩織さん以外の三人が驚いて声を上げた。

「……あまり大きな声で言わないようにな。結構デリケートな案件だから」

 俺は周りを少し見ながらそう言う。

 幸い、周りに人は居なかった。

「サッカー部のエースストライカーで、学園の王子様が女たらしのハーレム王のいーんちょーに恋愛相談?」

「おい……まあ、俺も驚いたけどさ。なんでも最近部長たちの相談を解決してたら、怜音先輩が俺に相談すれば何でも解決してくれる!!みたいな噂を流してるみたいでな」

「あはは……あの先輩らしいね」

「というわけで、今日は星くんと一緒にご飯を食べながら話を聞く予定。一応、彼にはみんなにも一緒に相談に乗って貰うことに了承を得てる」

「なるほどね。で、いーんちょーは知ってるの?学園の王子様が恋慕してるお相手をさ」

 そう言う佐藤さんに俺は首を縦に振る。

「聞いてるよ。ただ、それは本人の口から言ってもらおうかな」

 俺がそう言ったところで食堂へとたどり着いた。

「ここだと誰が聞いてるか、わからないからね」

 俺はそう言うと、雫のお弁当を持って丸テーブルへと向かう。

 そこには既に星くんが座っていた。

「やぁ、星くん。待たせてごめん」

 俺はそう言うと、雫のお弁当をテーブルの上に乗せる。

「いや、俺も今来たところだよ。ところで……それが噂の愛妹弁当かな?」
「……噂になってるのか。まぁそうだよ。俺の可愛い妹が作ってくれたとっても美味しい最高の弁当だな。……あげないぞ?」

 俺がそう言うと、星くんは楽しそうに笑う。

「あはは。噂通りのシスコンぶりだね。さて、君たちも来たことだから、俺も注文をしてくるよ」

 星くんはそう言うと、注文をしにテーブルを離れていった。




 そして、少しすると皆が昼ご飯を買ってテーブルへと戻ってきた。



 詩織さんはいつもの焼き肉。健はラーメンに炒飯。佐藤さんと朱里は日替わり定食。星くんはカレーだった。

「……星の王子さま」

 なんて健が言ったのを、俺は聞いてしまって、笑ってしまった。

「……おい、武藤くんに、桐崎くん。後で覚えていろよな」
「ご、ごめんな星くん。わざとじゃないんだ。全部健が悪い」
「おい、悠斗!!そりゃないだろ!!」

 そんなやり取りをしながら俺たちは丸テーブルへ座った。

「じゃ、じゃあ、食べようか!!」

 俺は声を張り上げて、いただきます。と音頭をとった。




『おい、あそこのテーブルまたやべぇことになってるぞ』
『いつものメンバーだけでもやべぇのに、星くんまで座ってるぞ……』
『学園の王子様レベルじゃねぇとあそこには近寄れねぇよな……』
『この学園の美男美女を全部集めました。みたいになってるな……』



「……なぁ、桐崎くん」
「ん、どうしたんだ星くん?」

 俺は雫の作ってくれた卵焼きを頬張りながら聞く。

「いつもはこのテーブルを見てる立場だったけど、こうして座って見るとやばいくらいに視線を受けるね……」
「あはは。いつもはここまでじゃないよ。今日は君も座ってるからだと思うよ?」

 俺が苦笑いを浮かべながらそう言うと、星くんは申し訳なさそうな顔をする。

「す、すまない。昼の時間を邪魔してしまって……」
「気にしないでいいよ。で、星くん。そろそろ話してくれるのかな?」

 俺はそう言うと、星くんは水をひと口飲んだ。

「桐崎くんからはどこまで話してるんだい?」
「君から恋愛相談を受けた。とまで話してる。君が誰を好きなのか?までは話してない」

 人の目もあったけど、それは他人の言伝で知るようなものでは無いとも思ってたからね。

 俺がそう言うと、星くんは神妙な顔をして呟いた。

「……こういう所なんだろうなぁ」
「ん。なんか言ったか?」

 俺が首を傾げると、星くんは苦笑いを浮かべる。

「いや、何でもないよ。君がモテる理由の一端を見ただけだよ」
「……君から言われると嫌味にしか聞こえないな」

 俺が半眼で睨むと星くんは笑った。

「あはは。許してくれ。さっきの星の王子さまはこれで水に流してあげるよ」

 星くんはそう言うと俺たちを見渡した。

 そして、食事が終わっていることを確認すると、話をする決意を固めたようだった。



「桐崎くんには既に話しててね、君たちにとっては去年のクラスメイトだったと思う。俺が好きなのは」


 サッカー部のマネージャー。首藤美月さんなんだ。


 彼は顔を真っ赤にしながらそう言うのだった。
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