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第2章
第六話 ⑤ ~教室でお出掛け計画の話をしました~
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第六話 ⑤
「それじゃあ、部活に行ってくるね!!」
「頑張ってね、朱里!!病み上がりだから、あまり無理しないように気をつけてね」
「うん。心配してくれてありがとう悠斗!!」
学校に着いた俺たちは、自転車を置いて二手に別れる。
朱里は体育館へ。俺は教室へ。
そして、いつものように俺は教室へと向かう。
ガラリ
と、教室の扉を開けると、
「おはようございます。悠斗くん」
「おはよう、詩織さん。今日は早いね」
中には既に詩織さんがライトノベルを片手に座っていた。
「ふふふ。今日は少しでも長く悠斗くんとお話をしたい。そう考えていたら、いつもより早く学校に来てしまいました」
そう言うと、詩織さんはふわりと笑みを浮かべた。
最近の彼女は本当に険がとれて非常に魅惑的に見えて仕方ない。
……はぁ。と心の中で俺はため息をひとつ吐く。
二番目に好き。朱里が居なかったら付き合ってた。
不誠実の極みにしか見えない。
でも、そんな俺でも朱里は好きだと言ってくれた。俺に出来ることはそんな彼女を裏切らないこと。
一番好きなのは朱里。それは絶対に変わらない。
だけど、
「……?なんですか、悠斗くん。そんなにじっと見つめて。……ふふふ。照れてしまいます」
「い、いや、ごめん」
はぁ……こんなに可愛い女の子に好きだとアピールをされ続けて、なんとも思わないほど枯れてはいない。
男子高校生の性欲ってやつは、正直なところ理性より強い。
若さ。に責任を押し付けて、俺は詩織さんの隣に座った。
「ところでさ。来週の日曜日ってさ、詩織さんは空いてるかな?」
俺はカバンを机の横にひっかけ、隣に座る詩織さんに話しかける。
「はい。空いてます。というか、アルバイトとかをしている訳では無いので、基本的に予定はありません」
まぁ、本を買いにどこかへ出かける。と言うのはありますが。それを『予定』とは言わないと思いますので。
そう言う詩織さんに、俺はお出掛けの誘いをする。
「それじゃあ、その日に一緒に本を買いに行かないか?」
「行きます!!」
即答する詩織さん。
「あはは。先日約束したからね。それに、予算会議では詩織さんにたくさんお世話になったからさ」
「その約束を、私からではなく、悠斗くんから誘っていただけたことがとても嬉しいです」
そう言うと、詩織さんは栞をライトノベルを挟んで閉じる。
そして、カバンからオシャレな手帳を取り出す。
机の上に広げたその手帳の日曜日の欄に
『悠斗くんとデート』
と記入しているのが見えた。
そして、その予定を見て、ふわりと笑っていた。
……やべぇ。めちゃくちゃ可愛いな。
俺が見ていたのに気が付いたのか、詩織さんは顔を赤くしながら手帳を閉じる。
「あ、あまり見ないでください。その……予定も何も無いまっさらな手帳なんて、女の子としては情けないです……」
「そ、そうか……」
それに、と詩織さんは続ける。
「ゆ、悠斗くんには、その気はなくても、私は『デート』だと思ってるだなんて、浮かれてるみたいで恥ずかしいです……」
「…………」
はぁ……
え?いつからこんなにこの子は可愛くなったんだ……
最初の頃は、無口で他人に対して壁のある人だと思っていた。
その後は策略や打算で人を罠にはめたりするような人だった。
そして、いつの間にかこんなに可愛い女の子に変わっていた。
俺はカバンの中から一冊のライトノベルを取り出す。
この一冊のライトノベルから始まったんだよな。
俺はもう一度隣を見ると、詩織さんは読書に戻っていた。
『あまり無理はしないで、今を楽しみなさい』
そんな勇さんの言葉が頭をよぎった。
別にこれは二人の女の子と仲良くすることを許容する言葉では決してない。
だけど、あまり無理はしすぎないで、心のままに生きて行こう。そう思った。
朱里を一番好きなのも俺。
彼女と身体を重ねたいと思ったのも俺。
詩織さんを可愛いと思ってしまうのも俺。
困ってる人に手を伸ばしてしまうのも俺。
そんな俺を認めてあげよう。
その上で、今を楽しもう。
俺はそう結論付けると、手にしていたライトノベルに視線を落とした。
「それじゃあ、部活に行ってくるね!!」
「頑張ってね、朱里!!病み上がりだから、あまり無理しないように気をつけてね」
「うん。心配してくれてありがとう悠斗!!」
学校に着いた俺たちは、自転車を置いて二手に別れる。
朱里は体育館へ。俺は教室へ。
そして、いつものように俺は教室へと向かう。
ガラリ
と、教室の扉を開けると、
「おはようございます。悠斗くん」
「おはよう、詩織さん。今日は早いね」
中には既に詩織さんがライトノベルを片手に座っていた。
「ふふふ。今日は少しでも長く悠斗くんとお話をしたい。そう考えていたら、いつもより早く学校に来てしまいました」
そう言うと、詩織さんはふわりと笑みを浮かべた。
最近の彼女は本当に険がとれて非常に魅惑的に見えて仕方ない。
……はぁ。と心の中で俺はため息をひとつ吐く。
二番目に好き。朱里が居なかったら付き合ってた。
不誠実の極みにしか見えない。
でも、そんな俺でも朱里は好きだと言ってくれた。俺に出来ることはそんな彼女を裏切らないこと。
一番好きなのは朱里。それは絶対に変わらない。
だけど、
「……?なんですか、悠斗くん。そんなにじっと見つめて。……ふふふ。照れてしまいます」
「い、いや、ごめん」
はぁ……こんなに可愛い女の子に好きだとアピールをされ続けて、なんとも思わないほど枯れてはいない。
男子高校生の性欲ってやつは、正直なところ理性より強い。
若さ。に責任を押し付けて、俺は詩織さんの隣に座った。
「ところでさ。来週の日曜日ってさ、詩織さんは空いてるかな?」
俺はカバンを机の横にひっかけ、隣に座る詩織さんに話しかける。
「はい。空いてます。というか、アルバイトとかをしている訳では無いので、基本的に予定はありません」
まぁ、本を買いにどこかへ出かける。と言うのはありますが。それを『予定』とは言わないと思いますので。
そう言う詩織さんに、俺はお出掛けの誘いをする。
「それじゃあ、その日に一緒に本を買いに行かないか?」
「行きます!!」
即答する詩織さん。
「あはは。先日約束したからね。それに、予算会議では詩織さんにたくさんお世話になったからさ」
「その約束を、私からではなく、悠斗くんから誘っていただけたことがとても嬉しいです」
そう言うと、詩織さんは栞をライトノベルを挟んで閉じる。
そして、カバンからオシャレな手帳を取り出す。
机の上に広げたその手帳の日曜日の欄に
『悠斗くんとデート』
と記入しているのが見えた。
そして、その予定を見て、ふわりと笑っていた。
……やべぇ。めちゃくちゃ可愛いな。
俺が見ていたのに気が付いたのか、詩織さんは顔を赤くしながら手帳を閉じる。
「あ、あまり見ないでください。その……予定も何も無いまっさらな手帳なんて、女の子としては情けないです……」
「そ、そうか……」
それに、と詩織さんは続ける。
「ゆ、悠斗くんには、その気はなくても、私は『デート』だと思ってるだなんて、浮かれてるみたいで恥ずかしいです……」
「…………」
はぁ……
え?いつからこんなにこの子は可愛くなったんだ……
最初の頃は、無口で他人に対して壁のある人だと思っていた。
その後は策略や打算で人を罠にはめたりするような人だった。
そして、いつの間にかこんなに可愛い女の子に変わっていた。
俺はカバンの中から一冊のライトノベルを取り出す。
この一冊のライトノベルから始まったんだよな。
俺はもう一度隣を見ると、詩織さんは読書に戻っていた。
『あまり無理はしないで、今を楽しみなさい』
そんな勇さんの言葉が頭をよぎった。
別にこれは二人の女の子と仲良くすることを許容する言葉では決してない。
だけど、あまり無理はしすぎないで、心のままに生きて行こう。そう思った。
朱里を一番好きなのも俺。
彼女と身体を重ねたいと思ったのも俺。
詩織さんを可愛いと思ってしまうのも俺。
困ってる人に手を伸ばしてしまうのも俺。
そんな俺を認めてあげよう。
その上で、今を楽しもう。
俺はそう結論付けると、手にしていたライトノベルに視線を落とした。
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