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第2章
第五話 ⑭ ~激戦の予算会議~ 昼 悠斗視点 後編
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第五話 ⑭
「まず最初に、自分が生徒会に入会した時に、蒼井生徒会長からされた話は『予算が足りない』と言う話でした」
俺は、その言葉をマイクの前で言うと、ポケットの中からスマホを取りだし、メッセージアプリを開く。
そう。放送室からでは外の様子が分からないが、朱里が食堂での様子を教えてくれることになっている。
それによって、少しは会話プランの見直しとかもして行こうと考えていた。
そして、俺が朱里とのやり取りの画面を開くと、そこには
『悠斗のバカ!!』
「…………っ!!??」
あ、あぶねぇ!!声に出すところだった。
送られた時間からして、最初の自己紹介のくだりで『朱里は俺の彼女!!』と自慢したのがいけなかったのかもしれない。
……まぁ、いいか!!
俺は朱里に向けて
『チュ!!』
とキスをするスタンプを送る。
メッセージを打ち込んでいる時間は無いので、スタンプでやり取りをするよ。と事前に話をしてある。
そして、すぐに朱里から返信があった。
『話を聞く空気は食堂内にある。みんなちゃんと聞いてる』
『予算が足りない。って聞いたら空気が凍った気がする』
『……後で話があるから』
……お、おーけー!!
俺は朱里に
『OK』
とスタンプを送る。
そして、話を続けた。
「蒼井生徒会長。予算が足りなくなった理由ですが、自分から説明しても良いですか?」
「そうだね。よろしく頼むよ」
「はい。了解しました」
俺はひとつ息を吸い、しっかりと発音を意識して話をする。
「まず、先程の予算ですが、生徒の皆さんから集めたお金の他に、卒業生からの支援金、そして前年度の予算の余りである、前年度繰越金。これらが主です。しかし、近年の部活動予算の増加、また少子化による生徒の減少により、前年度の繰越金が今年は0円になってしまいました」
生徒数の減少の件は俺の独自の判断だ。
これを言えば、部活動だけが原因じゃないぞ!ってパフォーマンスにも繋がるからだ。
「そして、前年度の予算ではこの繰越金が100万円程ありました。しかし、今年からはこの100万円がありません」
「この100万円という少なくない金額が、足りない予算。という話です」
俺はここまで話すと、スマホを見る。
『みんな真剣に聞いてるよ』
『少しだけ部活に入ってない人が、部活に入ってる人を悪く言いそうな気配はあるかな』
『ちょっとフォローが必要かも?』
やはりそう言う風潮になって来てるか。
俺は朱里に『OK』とスタンプを送る。
「さて、ここまでの話だと。自分のような帰宅部の人間の金を部活をしている人間が食いつぶしてるだろ!?って思ってしまうかも知れません」
俺のこの言葉に、蒼井さんがギョッとした顔で見る。
大丈夫です!!考えてます。
「しかし、それは誤解です。近年増加傾向にある部活の一例としては野球部、サッカー部、バスケ部が挙げられますが、今の部活は最近の活躍は目覚しく、特に野球部においては、前年度の成績ではあと一歩で甲子園。というところまで来ていました。サッカー部やバスケ部においても、例年最高の成績を残しています。そう言った部活への支援と言うのは、必要経費だと考えて居ます」
『食堂の空気良くなったよー』
『バスケ部フォローしてくれてありがとう』
そのメッセージを確認した俺はホッと一安心する。
こういうのを確認しながら話せるのはやはり強い。
俺は朱里に『グッ』と親指を立てるスタンプを送る。
「君の言い分は良くわかった。活躍している部活への支援は確かに必要だ。しかし、桐崎くん。実際問題として、予算が足りないのは事実だ。私は君に先日言ったね?『この予算の問題を何とかしてくれないか?』と。答えは出たのかい?」
ちょうど良いタイミングで、問題提起をしてくれる蒼井さん。
俺はその言葉にしっかりと答える。
「はい。その件に関しては全て解決する腹案を用意してあります!!」
「…………全て解決する。大きく出たじゃないか」
『みんな興味津々だよ!!』
『食堂の空気は悪くないよ!!』
俺はそのメッセージを見て、ニヤリと笑う。
よし、掴みはOKだ!!
「蒼井生徒会長。その腹案は『予算会議の場』で話していこうと思います」
「くくく。そうか、桐崎くん。君もエンターテイナーだね」
「では、この放送を聞いている生徒の皆さん!!予算が足らないこの問題。どう解決するのか?それに興味が出た方は、是非とも放課後に行われる『オンライン予算会議』を見てください!!見る方法は、十六時になったら学園のホームページから指定のURLに飛んでもらうだけです。是非よろしくお願いします!!」
『みんな見る気満々だよ!!』
『早速学園のホームページ開いてる人もいる!!』
『とりあえず昼の放送は成功だね!!』
ふう……何とかなったか。
俺は朱里に『ありがとう』とスタンプを送った。
「それではこの辺で失礼します!!ご清聴ありがとうございました!!」
「この放送は生徒会長蒼井空と」
「生徒会副会長桐崎悠斗がお送りしました!!」
「「放課後の予算会議をよろしくお願いします!!それでは、さよなら!!」」
こうして、昼の放送は成功に終わった。
「まず最初に、自分が生徒会に入会した時に、蒼井生徒会長からされた話は『予算が足りない』と言う話でした」
俺は、その言葉をマイクの前で言うと、ポケットの中からスマホを取りだし、メッセージアプリを開く。
そう。放送室からでは外の様子が分からないが、朱里が食堂での様子を教えてくれることになっている。
それによって、少しは会話プランの見直しとかもして行こうと考えていた。
そして、俺が朱里とのやり取りの画面を開くと、そこには
『悠斗のバカ!!』
「…………っ!!??」
あ、あぶねぇ!!声に出すところだった。
送られた時間からして、最初の自己紹介のくだりで『朱里は俺の彼女!!』と自慢したのがいけなかったのかもしれない。
……まぁ、いいか!!
俺は朱里に向けて
『チュ!!』
とキスをするスタンプを送る。
メッセージを打ち込んでいる時間は無いので、スタンプでやり取りをするよ。と事前に話をしてある。
そして、すぐに朱里から返信があった。
『話を聞く空気は食堂内にある。みんなちゃんと聞いてる』
『予算が足りない。って聞いたら空気が凍った気がする』
『……後で話があるから』
……お、おーけー!!
俺は朱里に
『OK』
とスタンプを送る。
そして、話を続けた。
「蒼井生徒会長。予算が足りなくなった理由ですが、自分から説明しても良いですか?」
「そうだね。よろしく頼むよ」
「はい。了解しました」
俺はひとつ息を吸い、しっかりと発音を意識して話をする。
「まず、先程の予算ですが、生徒の皆さんから集めたお金の他に、卒業生からの支援金、そして前年度の予算の余りである、前年度繰越金。これらが主です。しかし、近年の部活動予算の増加、また少子化による生徒の減少により、前年度の繰越金が今年は0円になってしまいました」
生徒数の減少の件は俺の独自の判断だ。
これを言えば、部活動だけが原因じゃないぞ!ってパフォーマンスにも繋がるからだ。
「そして、前年度の予算ではこの繰越金が100万円程ありました。しかし、今年からはこの100万円がありません」
「この100万円という少なくない金額が、足りない予算。という話です」
俺はここまで話すと、スマホを見る。
『みんな真剣に聞いてるよ』
『少しだけ部活に入ってない人が、部活に入ってる人を悪く言いそうな気配はあるかな』
『ちょっとフォローが必要かも?』
やはりそう言う風潮になって来てるか。
俺は朱里に『OK』とスタンプを送る。
「さて、ここまでの話だと。自分のような帰宅部の人間の金を部活をしている人間が食いつぶしてるだろ!?って思ってしまうかも知れません」
俺のこの言葉に、蒼井さんがギョッとした顔で見る。
大丈夫です!!考えてます。
「しかし、それは誤解です。近年増加傾向にある部活の一例としては野球部、サッカー部、バスケ部が挙げられますが、今の部活は最近の活躍は目覚しく、特に野球部においては、前年度の成績ではあと一歩で甲子園。というところまで来ていました。サッカー部やバスケ部においても、例年最高の成績を残しています。そう言った部活への支援と言うのは、必要経費だと考えて居ます」
『食堂の空気良くなったよー』
『バスケ部フォローしてくれてありがとう』
そのメッセージを確認した俺はホッと一安心する。
こういうのを確認しながら話せるのはやはり強い。
俺は朱里に『グッ』と親指を立てるスタンプを送る。
「君の言い分は良くわかった。活躍している部活への支援は確かに必要だ。しかし、桐崎くん。実際問題として、予算が足りないのは事実だ。私は君に先日言ったね?『この予算の問題を何とかしてくれないか?』と。答えは出たのかい?」
ちょうど良いタイミングで、問題提起をしてくれる蒼井さん。
俺はその言葉にしっかりと答える。
「はい。その件に関しては全て解決する腹案を用意してあります!!」
「…………全て解決する。大きく出たじゃないか」
『みんな興味津々だよ!!』
『食堂の空気は悪くないよ!!』
俺はそのメッセージを見て、ニヤリと笑う。
よし、掴みはOKだ!!
「蒼井生徒会長。その腹案は『予算会議の場』で話していこうと思います」
「くくく。そうか、桐崎くん。君もエンターテイナーだね」
「では、この放送を聞いている生徒の皆さん!!予算が足らないこの問題。どう解決するのか?それに興味が出た方は、是非とも放課後に行われる『オンライン予算会議』を見てください!!見る方法は、十六時になったら学園のホームページから指定のURLに飛んでもらうだけです。是非よろしくお願いします!!」
『みんな見る気満々だよ!!』
『早速学園のホームページ開いてる人もいる!!』
『とりあえず昼の放送は成功だね!!』
ふう……何とかなったか。
俺は朱里に『ありがとう』とスタンプを送った。
「それではこの辺で失礼します!!ご清聴ありがとうございました!!」
「この放送は生徒会長蒼井空と」
「生徒会副会長桐崎悠斗がお送りしました!!」
「「放課後の予算会議をよろしくお願いします!!それでは、さよなら!!」」
こうして、昼の放送は成功に終わった。
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