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第2章
第五話 ⑬ ~激戦の予算会議~ 昼 聖女様視点 後編
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第五話 ⑬
聖女様視点
「……納得いきません!!」
「まぁまぁしおりん。仕方ないよ」
「……ふぅ……まぁ、わがままを言っても仕方ありません。カルビ弁当が取扱がないことは我慢しましょう」
「そうそう。カツ丼だって立派なお肉だよー?」
「……玉ねぎがシャキシャキなのは好きじゃないんです」
「あはは!!しおりんの意外な一面がたくさん見れて、私は嬉しいよー」
私たちはそんな会話をしながら、購買で買ったお弁当を片手に、生徒会室へと向かいます。
彩さんはかき揚げ弁当を、私はカルビ弁当を買おうとしたら、取り扱いが無いと言われました!!
ありえません!!
仕方なく、私は比較的お肉率が高めのカツ丼を買いました。
見た感じ、玉ねぎが私のあまり好きじゃない、キチンと火が通って無いシャキシャキしてるタイプです。
キツネ色になるまできちんと火が通っていれば嫌いでは無いのですが……
……はぁ、頑張って食べましょう。
『生徒会室』
しばらく歩いていると、目的の場所へと辿り着きました。
私は預かっている合鍵で部屋の扉を開けました。
「失礼します」
「お邪魔しまーす」
私たちは誰も居ない生徒会室へと入りました。
「私は副会長の席に座りますので、彩さんは隣の会長の席にどうぞ」
「しれっと桐崎くんの席を確保するしおりん、可愛いね!!」
「ふふふ。せっかくの機会ですので、座っておこうと思いました」
と、私は『副会長』と書かれた席に座りました。
そして、彩さんはその隣に座ります。
「そう言えば、今は桐崎くんと生徒会長が放送で話してるんだよね?聞かなくていいの?」
そう聞いてくる彩さんに、私は答えます。
「はい。話す内容は知ってますので。なので、放送のボリュームをこの部屋は下げてあります」
それよりも、私としては、悠斗くんとのことを彩さんと話したいと思っていますので。
と、私は言いました。
「なるほど。しおりんがそこまで言うとは……これは何かあったね?」
と、彩さんはかき揚げをかじりながらそう言いました。
「はい。つい先程、この部屋で、朱里さんから宣戦布告を受けました」
「……宣戦布告」
「……はい」
既に私から彼女へは行っていましたが、彼女から改めてされるとは。彼女の覚悟を感じました。
私はカツをかじりながら、先程のやり取りを彩さんに話しました。
それを聞いた彩さんは、
「はぁ……あかりん本気だなぁ」
と、少しだけ驚いたように声を上げました。
「最近の私はすこし現状に満足して、腑抜けていたように思えます」
「確かに。ちょっと大人しいなぁとは思ってた」
「……ただ、やり過ぎてしまうと、嫌われてしまいます」
「そうだね。前回はそれで失敗してるし」
私はちょんちょん。と玉ねぎを端に追いやりながら言います。
「その……どうしたらいいですか?」
そういう私に、彩さんは笑いながら言いました。
「まずは好き嫌いを無くして玉ねぎを食べようか?」
「そ、それは関係ないですよね!?」
私は思わず声を荒らげてしまいました。
「あはは。子供じゃないんだからさ。まぁ嫌いなら私が食べるよ」
そう言って彩さんは私が弾いた玉ねぎを食べてくれました。
「き、キチンと火が通ってれば食べられるんです。こういうシャキシャキしたのは好きじゃなくて……」
「そういう人多いよね。私は好きだよ?シャキシャキの玉ねぎ」
そう言う彩さんは、私に言いました。
「少しだけ、ボディータッチを増やしていこうよ」
「……ボディータッチ、ですか?」
「うん。あまり不自然にならない程度にね」
「そ、それはどうしてですか?」
私の質問に、彩さんは答えます。
「さっきさ。しおりんが『現状に満足してる』って言ってたじゃん?それって桐崎くんにも言えることだと思うんだよね」
「彼女のあかりんと仲直りして、可愛いしおりんとは彼女公認で毎朝読書して、美味しいご飯を食べて、勉強して、バイトして、デートして、生徒会副会長になって、順風満帆な感じしない?」
「そうなってくると、桐崎くん側からなにかして来るって無いよね?となるとある程度はこっちから動く必要があると思うんだ」
「それが、ボディータッチ……ですか?」
「そうそう。ぶっちゃけさ、しおりんの方があかりんよりおっぱい大きいじゃん?」
と、彩さんは私の胸を指さします。
「…………はい」
「予算会議が終わったタイミングがいいよね?『お疲れ様でした』みたいな感じでハグして上げたらおっぱい当るじゃん。桐崎くんには効くと思うよ?」
なんて言うか、露骨じゃないラッキー的なえっちな出来事って彼は好きだからさ。
風のいたずらのパンチラとか好きなんだよね。桐崎くん。
「そ、そうなんですか……知らなかったです」
そういう私に、彩さんは笑います。
「伊達に去年一年友達やってないよー。あかりん除いたら、異性で仲良いの私が一番だったと思うし」
た、確かに。去年も悠斗くんと話してる姿を見てた気がします。
「桐崎くんはしおりんを『大切な友達』って枠に入れようとしてるけどさ、そうさせちゃダメだよね。もっとしおりんの『女』の部分を意識させていく必要があるよね」
「そ、そうですか……」
女の部分……
「桐崎くんに『詩織さんは朱里より胸が大きいんだな』って思わせたら勝ちよ」
「そ、そういうものですか!!??」
動揺する私を彩さんは笑いました。
「あはは。でもさ、しおりんがやりたいことは何でもして良いって話なんだからさ、少しずつそういうのを増やしていこうよ」
「わ、わかりました……」
私はそう言うと、最後のカツを口に入れました。
…………ボディータッチ。なるほど、そうですね。
確かに、悠斗くんはおっぱい好きですし。少しずつ増やしていこうと思います。
私は彩さんに言われたことを半陶しながら、今後の行動を少し考えていきました。
聖女様視点
「……納得いきません!!」
「まぁまぁしおりん。仕方ないよ」
「……ふぅ……まぁ、わがままを言っても仕方ありません。カルビ弁当が取扱がないことは我慢しましょう」
「そうそう。カツ丼だって立派なお肉だよー?」
「……玉ねぎがシャキシャキなのは好きじゃないんです」
「あはは!!しおりんの意外な一面がたくさん見れて、私は嬉しいよー」
私たちはそんな会話をしながら、購買で買ったお弁当を片手に、生徒会室へと向かいます。
彩さんはかき揚げ弁当を、私はカルビ弁当を買おうとしたら、取り扱いが無いと言われました!!
ありえません!!
仕方なく、私は比較的お肉率が高めのカツ丼を買いました。
見た感じ、玉ねぎが私のあまり好きじゃない、キチンと火が通って無いシャキシャキしてるタイプです。
キツネ色になるまできちんと火が通っていれば嫌いでは無いのですが……
……はぁ、頑張って食べましょう。
『生徒会室』
しばらく歩いていると、目的の場所へと辿り着きました。
私は預かっている合鍵で部屋の扉を開けました。
「失礼します」
「お邪魔しまーす」
私たちは誰も居ない生徒会室へと入りました。
「私は副会長の席に座りますので、彩さんは隣の会長の席にどうぞ」
「しれっと桐崎くんの席を確保するしおりん、可愛いね!!」
「ふふふ。せっかくの機会ですので、座っておこうと思いました」
と、私は『副会長』と書かれた席に座りました。
そして、彩さんはその隣に座ります。
「そう言えば、今は桐崎くんと生徒会長が放送で話してるんだよね?聞かなくていいの?」
そう聞いてくる彩さんに、私は答えます。
「はい。話す内容は知ってますので。なので、放送のボリュームをこの部屋は下げてあります」
それよりも、私としては、悠斗くんとのことを彩さんと話したいと思っていますので。
と、私は言いました。
「なるほど。しおりんがそこまで言うとは……これは何かあったね?」
と、彩さんはかき揚げをかじりながらそう言いました。
「はい。つい先程、この部屋で、朱里さんから宣戦布告を受けました」
「……宣戦布告」
「……はい」
既に私から彼女へは行っていましたが、彼女から改めてされるとは。彼女の覚悟を感じました。
私はカツをかじりながら、先程のやり取りを彩さんに話しました。
それを聞いた彩さんは、
「はぁ……あかりん本気だなぁ」
と、少しだけ驚いたように声を上げました。
「最近の私はすこし現状に満足して、腑抜けていたように思えます」
「確かに。ちょっと大人しいなぁとは思ってた」
「……ただ、やり過ぎてしまうと、嫌われてしまいます」
「そうだね。前回はそれで失敗してるし」
私はちょんちょん。と玉ねぎを端に追いやりながら言います。
「その……どうしたらいいですか?」
そういう私に、彩さんは笑いながら言いました。
「まずは好き嫌いを無くして玉ねぎを食べようか?」
「そ、それは関係ないですよね!?」
私は思わず声を荒らげてしまいました。
「あはは。子供じゃないんだからさ。まぁ嫌いなら私が食べるよ」
そう言って彩さんは私が弾いた玉ねぎを食べてくれました。
「き、キチンと火が通ってれば食べられるんです。こういうシャキシャキしたのは好きじゃなくて……」
「そういう人多いよね。私は好きだよ?シャキシャキの玉ねぎ」
そう言う彩さんは、私に言いました。
「少しだけ、ボディータッチを増やしていこうよ」
「……ボディータッチ、ですか?」
「うん。あまり不自然にならない程度にね」
「そ、それはどうしてですか?」
私の質問に、彩さんは答えます。
「さっきさ。しおりんが『現状に満足してる』って言ってたじゃん?それって桐崎くんにも言えることだと思うんだよね」
「彼女のあかりんと仲直りして、可愛いしおりんとは彼女公認で毎朝読書して、美味しいご飯を食べて、勉強して、バイトして、デートして、生徒会副会長になって、順風満帆な感じしない?」
「そうなってくると、桐崎くん側からなにかして来るって無いよね?となるとある程度はこっちから動く必要があると思うんだ」
「それが、ボディータッチ……ですか?」
「そうそう。ぶっちゃけさ、しおりんの方があかりんよりおっぱい大きいじゃん?」
と、彩さんは私の胸を指さします。
「…………はい」
「予算会議が終わったタイミングがいいよね?『お疲れ様でした』みたいな感じでハグして上げたらおっぱい当るじゃん。桐崎くんには効くと思うよ?」
なんて言うか、露骨じゃないラッキー的なえっちな出来事って彼は好きだからさ。
風のいたずらのパンチラとか好きなんだよね。桐崎くん。
「そ、そうなんですか……知らなかったです」
そういう私に、彩さんは笑います。
「伊達に去年一年友達やってないよー。あかりん除いたら、異性で仲良いの私が一番だったと思うし」
た、確かに。去年も悠斗くんと話してる姿を見てた気がします。
「桐崎くんはしおりんを『大切な友達』って枠に入れようとしてるけどさ、そうさせちゃダメだよね。もっとしおりんの『女』の部分を意識させていく必要があるよね」
「そ、そうですか……」
女の部分……
「桐崎くんに『詩織さんは朱里より胸が大きいんだな』って思わせたら勝ちよ」
「そ、そういうものですか!!??」
動揺する私を彩さんは笑いました。
「あはは。でもさ、しおりんがやりたいことは何でもして良いって話なんだからさ、少しずつそういうのを増やしていこうよ」
「わ、わかりました……」
私はそう言うと、最後のカツを口に入れました。
…………ボディータッチ。なるほど、そうですね。
確かに、悠斗くんはおっぱい好きですし。少しずつ増やしていこうと思います。
私は彩さんに言われたことを半陶しながら、今後の行動を少し考えていきました。
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