学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第五話 ③ ~激戦の予算会議~ 深夜 聖女様視点

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 第五話  ③



 聖女様視点



『月曜日の朝。七時半に生徒会室に集合をよろしくお願いします。予算会議に向けた最終ミーティングをしたいと思っています。その時に、自分が追加で考えたプランの説明もしたいと思っています。朝早い時間ですが、よろしくお願いします。』


 日曜日の深夜に、悠斗くんからメッセージがありました。
 生徒会のグループに投じられたそのメッセージに、私はすぐに了承しました。と返信をしました。

 すると、すぐに悠斗くんから私個人に向けたメッセージが届きました。

『詩織さんだけにお願いしたいことがあるんだけどいいかな?』

 ふふふ。嬉しいことを言ってくれますね。
 私があなたのお願いを断るはずが無いじゃないですか。

『どのようなご要件でしょうか?悠斗くんからのお願いなら何でも聞きますよ?』

 と返信をしました。
 えっちなお願いでも悠斗くんなら許してあげますよ?

『詩織さんには明日、ノートパソコンを学校に持参して欲しいんだ。山野先生にはすでに許可を取ってある。当日に作って欲しいモノがあるんだ』

 ……なるほど。

 金曜日。新聞部の記事を読みましたが、やはりそれに対応するようなものでしょうかね。
 きっと、彼の言う新しいプランの一部であると思われますね。

『了解しました。私のノートパソコンは薄型なので、持ち運びも苦ではありません。それに悠斗くんのパソコンの中のようにえっちなデータも入ってませんので』

 と、私は冗談を混じえて返信をしました。

『男のパソコンとスマホの中身は余りツッコまないで欲しいなぁ……』
『ふふふ。悠斗くんならどんなえっちな趣味をしてても許してあげますよ?』
『も、もうこの話は辞めようか!!』

 ふふふ。いじわるが過ぎたようですね。

 私はからかうのはこのくらいにして、別の話をすることにしました。

『ちなみに、悠斗くん。私もお願いしたいことがあります』
『え?何かな。結構俺からお願いしてることが多いから、叶えられる範囲でなら何でもいいよ?』

 叶えられる範囲でなら。

 と言うのが、ポイントですね。

『二人きりで恋人のようなデート。では無く、友人として出掛けることは可能ですか?二人で本屋さんに行って、オススメのライトノベルを買ったり、その後は喫茶店で食事をしながらライトノベルについて話をしたいと思っています』
『手を繋いだり、キスをしたり。そういうことをするつもりはないですよ?』
『ふふふ。悠斗くんが求めてきたら、その限りではありませんが?』

 とメッセージを送りました。

 大切な友人。と悠斗くんは私を表現してくれました。

 でしたら、友人として出掛けることは、叶えられる範囲。になるのでは無いですかね。

 そう考えていると、悠斗くんから返信がありました。

 多分、断られるでしょうね……

 なんて思いながらメッセージを読むと。

『わかった』

 と、返信がありました、

 ほ、本当にですか!!??

『そ、それは、了承した。という意味ですか?』

 私は震える指でそう返信しました。
 すると直ぐに、

『そうだよ。詳しい日程や時間や場所は予算会議が終わったら話そうか』

 悠斗くんから返信がありました。

 ですが、追記がありました。

『でも、朱里がダメって言ったらダメだから。中間テストの件は了承してるけど、今回の件はまだここだけの話だからね?』
『それはわかってますよ。ですが、悠斗くんが了承してくれるのは意外でした』

 そう。彼なら断ると思っていたからです。
 ですが、彼は私が思う以上に、私を大切にしてくれているようでした。

『俺はね、詩織さんが思ってる以上に、君との関係は大切にしたいと思ってるんだ。変な策略とか打算とかそう言うのをしないって話の上でなら、別に趣味の話をしたり、買い物をしたりとか、そう言うのなら楽しめるって思ってる』
『もちろん。俺が一番好きなのは朱里だし、彼女を裏切るような真似はしたくないし、しない。でもそれとは違うベクトルで、詩織さんのことは好意的に思ってる』
『だから、そんな俺の信頼を裏切るようなことはしないで欲しいかな?』

 悠斗くんのメッセージを読んで、少しだけ目頭が熱くなりました。
 ここまで……ここまで、私のことを思ってくれてたのですね。

『えぇ。悠斗くんの信頼を裏切るようなことはしない。そう約束します。ですが、中間テストの結果は別の話ですからね?』
『うん。それはそれだからね。まぁ、負けるつもりは無いよ?』


 私は時刻を確認しました。

 時計の針は零時になる頃でした。

『それでは悠斗くん。いい時間ですので私はそろそろ寝ますね』
『うん。わかったよ。明日もよろしくね』
『はい。悠斗くんの期待に応えられるように尽力します』
『おやすみ、詩織さん』
『おやすみなさい、悠斗くん』



 悠斗くんとのメッセージのやり取りを終え、私はスマホを充電器に繋ぎます。
 そしてベッドに寝転び、布団を被りました。
 枕元に置いてあるリモコンで電気を全て消し、真っ暗の状態にします。




「悠斗くん……大好きです……」


 私はそう呟いて、目を閉じました。

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