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第2章
第四話 ⑧ ~三回目のデート・キチンと全部話したら安心してくれたので良かった~
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第四話 ⑧
「まず最初なんだけどさ、こないだの金曜日に新聞部が発行した新聞って読んだかな?」
俺がそう問いかけると、朱里は首を縦に振る。
「うん。読んだよ。悠斗がペテン師だって書かれてて笑っちゃった」
「あはは……予算会議で不利になるようなことは書かれたくなかったんだけどね。まぁ怜音先輩からの試練みたいなものだろうと思うことにしたよ」
スッ……
朱里の目が細くなる。
「……なんだか随分と仲良くなったみたいだね?」
「……仲良くなったということは無いと思うけど、少しは信用されたかな。とは思うかな」
「……ふーん」
な、なんだろう。なんかすごい胃がキリキリするけど続けよう。
「その、生徒会には今お金が無いってのは朱里も知ってるよね?」
「うん。だから、予算は減るのかなぁ……とは思ってる」
「そうだね。一応足りない金額ってのが約100万円なんだ」
「……っ!!」
お店の中なので声を抑えた彼女だが、金額に驚いたようだ。
「前年度繰り越し金って言って、前の年に余った予算の金額は、次年度に持ち越す。って事があるんだけど、近年増加傾向にあった部活動の予算に耐えられなくなってね。遂に去年、前年度繰り越し金が0円になったんだ」
「……そうなんだ」
「ちなみにその金額が約100万円。簡単に言えば、去年と同じ予算を組めば、100万円が足りないことになる」
「……無理だよね?」
彼女のその言葉に俺は首を縦に振る。
「そうだね。だから、俺と詩織さんがそのことを始めに聞いた時に蒼井さんが『足りないお金を稼ぐ為に、僕は夜の街に行くよ』なんてことまで言ってた」
「……夜の街……」
「……まぁ、冗談だろうとは思うけど、そう言ったのは事実だよ」
俺はそう言うと、コーヒーをひと口飲む。
「そこで考えたんだ。何とかする案ってやつをね」
「……何とか出来るの?」
その言葉に俺は首を縦に振る。
「部長たちが生徒会の言うことを信じてくれるなら……ね」
そう前置きをして、俺は朱里に説明をした。
出来高制のこと、部活動支援募金という名の投げ銭機能のこと、新聞部と手を組んで部活動の内容を拡散すること、生徒会の活動内容を周知させて支援を募ること。そして、今年から予算会議はリアルタイムのオンライン配信をすること。
その全てを話した時、朱里は少しだけ思案する。
「……悠斗がやろうとしてることは理解出来た。上手く行けば私たちくらいの部活なら前年度以上に予算を手にすることも出来ると思う。でもさ、それだと結局のところ、生徒会のお金って足りなくなりそうな気がするよ?」
その言葉に、俺はニヤリと笑う。
「そう。やっぱりそこに気がついてくれるよね?」
「……え?」
訝しげな表情の彼女に、俺は言う。
「俺はその質問を受けるために、予算会議をリアルタイムのオンライン配信にしたんだ」
「……どういうこと?」
「生徒会にお金が足りてないことは、ここまで聞いてれば全校生徒がわかってることなんだ。そこで俺が全校生徒に対して言うんだ。『生徒会には予算足りないんです。このままだと、出来高が払えなくなることもあると思います。俺が生徒会に入った時に蒼井会長から言われました。お金が足りなければ、僕は夜の街に行くよ。と。そうはしたくありません!!どうか、皆さん……蒼井会長を助けてくれませんか?』ってさ」
「……うわぁ」
朱里がなんだか微妙な表情をする。
「夜の街に行くってことは、蒼井さんが自分で言ったことだからね」
俺がそう言うと、彼女は苦笑いをする。
「……蒼井さんはこの事知ってるの?」
「知らないよ。その方がリアリティある驚きをしてくれると思うから」
これを知ってるのは、俺と詩織さんと怜音先輩と今話した朱里だけだよ。
俺がそう言うと、朱里はちょっとだけ思案したあと、ひとつ頷いた。
「うん。わかった。悠斗たちが何をしようとしてるのか」
「これが詩織さんが知ってて朱里が知らなかったことだよ」
「ありがとう。話してくれて。でもひとつだけ分かったことがあるよ」
「なにかな?」
首を傾げる俺に、朱里が笑いながら言う。
「確かに悠斗はペテン師だ!!」
と。
「まず最初なんだけどさ、こないだの金曜日に新聞部が発行した新聞って読んだかな?」
俺がそう問いかけると、朱里は首を縦に振る。
「うん。読んだよ。悠斗がペテン師だって書かれてて笑っちゃった」
「あはは……予算会議で不利になるようなことは書かれたくなかったんだけどね。まぁ怜音先輩からの試練みたいなものだろうと思うことにしたよ」
スッ……
朱里の目が細くなる。
「……なんだか随分と仲良くなったみたいだね?」
「……仲良くなったということは無いと思うけど、少しは信用されたかな。とは思うかな」
「……ふーん」
な、なんだろう。なんかすごい胃がキリキリするけど続けよう。
「その、生徒会には今お金が無いってのは朱里も知ってるよね?」
「うん。だから、予算は減るのかなぁ……とは思ってる」
「そうだね。一応足りない金額ってのが約100万円なんだ」
「……っ!!」
お店の中なので声を抑えた彼女だが、金額に驚いたようだ。
「前年度繰り越し金って言って、前の年に余った予算の金額は、次年度に持ち越す。って事があるんだけど、近年増加傾向にあった部活動の予算に耐えられなくなってね。遂に去年、前年度繰り越し金が0円になったんだ」
「……そうなんだ」
「ちなみにその金額が約100万円。簡単に言えば、去年と同じ予算を組めば、100万円が足りないことになる」
「……無理だよね?」
彼女のその言葉に俺は首を縦に振る。
「そうだね。だから、俺と詩織さんがそのことを始めに聞いた時に蒼井さんが『足りないお金を稼ぐ為に、僕は夜の街に行くよ』なんてことまで言ってた」
「……夜の街……」
「……まぁ、冗談だろうとは思うけど、そう言ったのは事実だよ」
俺はそう言うと、コーヒーをひと口飲む。
「そこで考えたんだ。何とかする案ってやつをね」
「……何とか出来るの?」
その言葉に俺は首を縦に振る。
「部長たちが生徒会の言うことを信じてくれるなら……ね」
そう前置きをして、俺は朱里に説明をした。
出来高制のこと、部活動支援募金という名の投げ銭機能のこと、新聞部と手を組んで部活動の内容を拡散すること、生徒会の活動内容を周知させて支援を募ること。そして、今年から予算会議はリアルタイムのオンライン配信をすること。
その全てを話した時、朱里は少しだけ思案する。
「……悠斗がやろうとしてることは理解出来た。上手く行けば私たちくらいの部活なら前年度以上に予算を手にすることも出来ると思う。でもさ、それだと結局のところ、生徒会のお金って足りなくなりそうな気がするよ?」
その言葉に、俺はニヤリと笑う。
「そう。やっぱりそこに気がついてくれるよね?」
「……え?」
訝しげな表情の彼女に、俺は言う。
「俺はその質問を受けるために、予算会議をリアルタイムのオンライン配信にしたんだ」
「……どういうこと?」
「生徒会にお金が足りてないことは、ここまで聞いてれば全校生徒がわかってることなんだ。そこで俺が全校生徒に対して言うんだ。『生徒会には予算足りないんです。このままだと、出来高が払えなくなることもあると思います。俺が生徒会に入った時に蒼井会長から言われました。お金が足りなければ、僕は夜の街に行くよ。と。そうはしたくありません!!どうか、皆さん……蒼井会長を助けてくれませんか?』ってさ」
「……うわぁ」
朱里がなんだか微妙な表情をする。
「夜の街に行くってことは、蒼井さんが自分で言ったことだからね」
俺がそう言うと、彼女は苦笑いをする。
「……蒼井さんはこの事知ってるの?」
「知らないよ。その方がリアリティある驚きをしてくれると思うから」
これを知ってるのは、俺と詩織さんと怜音先輩と今話した朱里だけだよ。
俺がそう言うと、朱里はちょっとだけ思案したあと、ひとつ頷いた。
「うん。わかった。悠斗たちが何をしようとしてるのか」
「これが詩織さんが知ってて朱里が知らなかったことだよ」
「ありがとう。話してくれて。でもひとつだけ分かったことがあるよ」
「なにかな?」
首を傾げる俺に、朱里が笑いながら言う。
「確かに悠斗はペテン師だ!!」
と。
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