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第2章
第四話 ⑤ ~三回目のデート・言い分に腹が立ったので説教しました~
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第四話 ⑤
「ど、どうする。悠斗?」
めちゃくちゃ怯えている朱里を見て、俺は怒りに震えた。
あのクソ野郎。俺の彼女を怯えさせやがって。
絶対に許さない……
俺はそう決意すると、扉を開ける。
「なんの用だよ?勝手に他人の部屋を叩くなんてマナーが無いな。あ、連コインに死体蹴りしたり、UFOキャッチャーを占拠するやつにマナーを説いても無駄か?」
と、敬語も使わずに俺はおっさんに抗議する。
「……お前のようなリア充に、俺の気持ちはわかるまい!!」
「……リア充ね」
カチンときた。
「他人を妬むのは構わないが、アンタは何か努力でもしてきたのか?」
「な、なにぃ……」
俺はおっさんの醜く突き出た腹を指さす。
「俺は別に最初からこうした格好が出来るようになった訳じゃない。今の彼女と付き合うために努力してきた。ひょろひょろの陰キャオタクだった俺は、肉体を変えるために筋トレもしたし、陰キャでコミュ障を直す為にバイトをしてコミュニケーション能力を鍛えたし、だっさい服しか持って無かったからファッション雑誌を見てオシャレを学んだ。全部全部全部、彼女に振り向いてもらうためにした自分の努力だ。アンタは何かひとつでも努力したんか?こんな醜く突き出た腹で、何を頑張ってきたんだ?」
「ぐ、ぐぅ……」
「結果だけ見れば、アンタには俺がパリピのリア充に見えるだろうな。だがな、そこに至るまでには俺は努力してきた、頑張ってきた、意識を変えたんだよ。そういう過程を無視して結果だけを妬んでばかりいるからアンタは何も変わらないんだよ」
俺は続ける。
「見た目は内面の一番外側なんだよ。清潔感もない、不摂生、ヨレヨレの服を着て何も思わない。そんな人間に誰が惚れるんだ?他人を妬んでる暇があるなら自分を変えろ。毎日風呂に入れ。髭を剃れ。鼻毛を出すな。髪型や眉毛を整えろ。毎日歯を磨いてるか?口臭が酷いぞ。服装にも気を使え。少しは運動をして健康的な身体にしろ。まずはそこからだろ」
さらに続ける。
「こんな年下の男にここまで言われて悔しいと思うなら見返してみろ。くだらないことで喧嘩を吹っ掛けてる暇があるなら自分磨きをしてこい」
俺はそこまで言うと、口をパクパクさせてるおっさんの目の前で扉をバタンと閉める。
「……悠斗」
少しだけ頬を赤くしてる朱里に俺は笑いかける。
「よし、店員さんを呼ぼう!!」
「……え?」
俺は部屋の電話を取ると、店員さんを呼び出す。
「……はい。お待たせしました。何かご注文ですか?」
「いえ。部屋の前にやばいおっさんが居るので、自分の彼女が脅えてます。店の外に追い出して貰えますか?」
俺がそう言うと、店員さんは防犯カメラを見たのか少し息を飲む感じがした。
「大変申し訳ございません。あのお客様は度々他のお客様に迷惑をかける人でして……」
……は?なんで出禁にしてないんだよ。
そんな俺の心を読んでいたかのような返答が続く。
「出禁にしていたんですが、受付をしたのが新人で、そこまで教育が行き届いていませんでした。大変申し訳ございません。すぐにスタッフを向かわせます」
少しするとスタッフが二人ほど来て、おっさんを連れていった。
なにか叫んでいたようだけど、気にしないでおこう。
いいたいこと言えてスッキリしたわ。
「驚かせてごめんね。でももう大丈夫だよ」
はぁ……アイツのせいでせっかくのデートが台無しだ。
俺はそんな内面を出さないように、朱里に笑いかける。
「ううん。ありがとう悠斗。あの人に抗議してる姿はカッコよかったよ」
「……あはは。そう言って貰えると嬉しいな」
俺は照れ笑いを浮かべながら、朱里の隣に腰を下ろす。
「さーて。気分転換に何か歌おう……」
「ねぇ、悠斗?」
「……ん、なに」
彼女に呼ばれ、振り向いた時。
チュッ
唇にキスを貰う。
「……悠斗。好きだよ」
「朱里……」
唇を離し、朱里が言う。
「悠斗が私のためにいっぱいいっぱい、頑張ってくれたんだってこと、すごく嬉しいんだよね。だからそのお礼」
「うん。頑張って良かったなって思うよ」
その努力はこれからも続けていかなければならないと思ってる。
世界一可愛い彼女に相応しい自分なる為に。
いつまでも彼女から好きでいて貰えるように。
俺は自分磨きを続けていこうと思っていた。
「ど、どうする。悠斗?」
めちゃくちゃ怯えている朱里を見て、俺は怒りに震えた。
あのクソ野郎。俺の彼女を怯えさせやがって。
絶対に許さない……
俺はそう決意すると、扉を開ける。
「なんの用だよ?勝手に他人の部屋を叩くなんてマナーが無いな。あ、連コインに死体蹴りしたり、UFOキャッチャーを占拠するやつにマナーを説いても無駄か?」
と、敬語も使わずに俺はおっさんに抗議する。
「……お前のようなリア充に、俺の気持ちはわかるまい!!」
「……リア充ね」
カチンときた。
「他人を妬むのは構わないが、アンタは何か努力でもしてきたのか?」
「な、なにぃ……」
俺はおっさんの醜く突き出た腹を指さす。
「俺は別に最初からこうした格好が出来るようになった訳じゃない。今の彼女と付き合うために努力してきた。ひょろひょろの陰キャオタクだった俺は、肉体を変えるために筋トレもしたし、陰キャでコミュ障を直す為にバイトをしてコミュニケーション能力を鍛えたし、だっさい服しか持って無かったからファッション雑誌を見てオシャレを学んだ。全部全部全部、彼女に振り向いてもらうためにした自分の努力だ。アンタは何かひとつでも努力したんか?こんな醜く突き出た腹で、何を頑張ってきたんだ?」
「ぐ、ぐぅ……」
「結果だけ見れば、アンタには俺がパリピのリア充に見えるだろうな。だがな、そこに至るまでには俺は努力してきた、頑張ってきた、意識を変えたんだよ。そういう過程を無視して結果だけを妬んでばかりいるからアンタは何も変わらないんだよ」
俺は続ける。
「見た目は内面の一番外側なんだよ。清潔感もない、不摂生、ヨレヨレの服を着て何も思わない。そんな人間に誰が惚れるんだ?他人を妬んでる暇があるなら自分を変えろ。毎日風呂に入れ。髭を剃れ。鼻毛を出すな。髪型や眉毛を整えろ。毎日歯を磨いてるか?口臭が酷いぞ。服装にも気を使え。少しは運動をして健康的な身体にしろ。まずはそこからだろ」
さらに続ける。
「こんな年下の男にここまで言われて悔しいと思うなら見返してみろ。くだらないことで喧嘩を吹っ掛けてる暇があるなら自分磨きをしてこい」
俺はそこまで言うと、口をパクパクさせてるおっさんの目の前で扉をバタンと閉める。
「……悠斗」
少しだけ頬を赤くしてる朱里に俺は笑いかける。
「よし、店員さんを呼ぼう!!」
「……え?」
俺は部屋の電話を取ると、店員さんを呼び出す。
「……はい。お待たせしました。何かご注文ですか?」
「いえ。部屋の前にやばいおっさんが居るので、自分の彼女が脅えてます。店の外に追い出して貰えますか?」
俺がそう言うと、店員さんは防犯カメラを見たのか少し息を飲む感じがした。
「大変申し訳ございません。あのお客様は度々他のお客様に迷惑をかける人でして……」
……は?なんで出禁にしてないんだよ。
そんな俺の心を読んでいたかのような返答が続く。
「出禁にしていたんですが、受付をしたのが新人で、そこまで教育が行き届いていませんでした。大変申し訳ございません。すぐにスタッフを向かわせます」
少しするとスタッフが二人ほど来て、おっさんを連れていった。
なにか叫んでいたようだけど、気にしないでおこう。
いいたいこと言えてスッキリしたわ。
「驚かせてごめんね。でももう大丈夫だよ」
はぁ……アイツのせいでせっかくのデートが台無しだ。
俺はそんな内面を出さないように、朱里に笑いかける。
「ううん。ありがとう悠斗。あの人に抗議してる姿はカッコよかったよ」
「……あはは。そう言って貰えると嬉しいな」
俺は照れ笑いを浮かべながら、朱里の隣に腰を下ろす。
「さーて。気分転換に何か歌おう……」
「ねぇ、悠斗?」
「……ん、なに」
彼女に呼ばれ、振り向いた時。
チュッ
唇にキスを貰う。
「……悠斗。好きだよ」
「朱里……」
唇を離し、朱里が言う。
「悠斗が私のためにいっぱいいっぱい、頑張ってくれたんだってこと、すごく嬉しいんだよね。だからそのお礼」
「うん。頑張って良かったなって思うよ」
その努力はこれからも続けていかなければならないと思ってる。
世界一可愛い彼女に相応しい自分なる為に。
いつまでも彼女から好きでいて貰えるように。
俺は自分磨きを続けていこうと思っていた。
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