学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

蒼井side ① ~新聞を読んで思うこと~

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 蒼井side ①




「あはは。なかなか面白いことを書かれてるな、桐崎くんは」

 金曜日の夜。僕は新聞部が発行している新聞を読みながら笑っていた。

 新聞部に協力を取り付けられた変わりに、失うものがあった。

 と、桐崎くんは話していたけど、恐らくはこれのことだろう。

 それにしても、ペテン師とは。そんな事を言われるなんて、彼もなかなか面白い。

「思えば、クラスメイトの怜音が彼のことを話しているのを聞いたのが始まりだったか」

 そう。昨年の夏あたりに、怜音が桐崎くんについていろいろと調べていた。
 なんでも彼は学年の女子のほとんどから好意的に思われていたらしい。
 とんでもない事だとは思ったよね。

 そして、いろいろと調べた結果。ほとんどの女の子に彼は親切をしていたようだ。そこから怜音は彼のことを
『女たらしのハーレム王』
 と呼ぶようになった。

 なかなか不名誉な二つ名だと思ったのを覚えている。

 そして、今年に入って生徒会の人員不足が深刻な問題になってきた時に、私は彼のことを思い出した。

 困ってる女子に手を貸す彼のことだ。僕が困ってるって話をすれば手を貸してくれるのではないか?

 もしも彼が、面食いだったとしても、僕は多少なりとも見た目には自信があるし、級友と一緒に誘えば角も立たないのでは?

 そう考えた私は、生徒会の顧問の山野先生に泣きついた。
 そして、桐崎くんに私が興味を持っているとそれとなく伝えて欲しい。と。

 そして、昼休みの邂逅を経て、こうして彼は生徒会へと入ってくれた。

 その後の彼の考えや発言や行動には驚かされてばかりだ。

 予算に関して言えば、もうどうしたら良いかわからないくらいだったのに、あっさりと解決策を出してきた。
 そして、彼にとってはほとんど面識が無かったはずの怜音まで説得して、協力を取り付けてきた。
 黒瀬さんもあっとゆう間に予算の枠組みを作ってきていた。


 私と琴音しかいなかったら破綻していたことが、あの二人のおかげで何とかなるように目処が立った。

「まったく。なぜ彼はフリーじゃないんだ」

 僕は優秀な男が好きだ。
 見た目がかっこいいとか、お金持ちとか、そういうのはどうでも良くて、自分が困っている時に、しっかりと助けてくれるような男が好きだ。

 はぁ……黒瀬さんのように彼女が居るのに彼に対してアプローチをかけるようなことは出来ないよな。

 まったく。言い寄ってくるのはくだらない男ばかりで、ようやくまともな男に出会えたかと思えば彼女持ち。

 人生とは上手くいかないもんだな。


 僕は自分の運命を嘆きながらも、目前に迫った来週の予算会議のことを考え眠りについた。
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