学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第三話 ⑥ ~中間テストのルールを確認しました~

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 第三話  ⑥




 そして、ひと騒動あった昼休みを終えた。

 五時間目の体育はバスケだったので、それなりに練習していた俺は恥をかかない程度には活躍出来た。
 女子は同じ体育館でバスケだったので、俺がシュートを決める度に朱里が嬉しそうに手を叩いてくれた。
 可愛い。とりあえず、詩織さんとの約束に関しては、一応は納得してくれたようだ。
 まぁ、負けなければ良いだけの話だ。
 ……なんか、フラグのような気もするけど。

 ちなみになんだか朱里以外の女の子からも視線を貰ってるような気がしたけど……気にしないことにした。
 女たらしのハーレム王。なんて言われたせいで、他の女の子からの視線に敏感になってるのかもしれない。
 はぁ……困ってそうな人に手を貸してたらこんなことになるなんてなぁ

 六時間目の音楽は先生のピアノ演奏会だった。

『体育で疲れただろう?寝て良いぞ』

 そう言って先生は、曲名は分からないがゆったりとした曲を奏ていった。

『音楽とは癒しであり、君らが眠りにつくと言うのは私にとっても嬉しいことだ』

 なんてことを言ってる先生だ。
 まぁ、その分テストは甘くないが。

 俺は睡眠不足もありこの時間を爆睡して過ごした。

 そして、六時間目を終えるチャイムで目を覚ます。

 周りを見ると、みんな寝ていた。
 詩織さんですらすやすやと寝てしまっている。

 先生を見ると、少しだけ苦笑いを浮かべていたので、俺がみんなを起こすことにした。

 パンッ!!!!

 と両手を強く打ち鳴らす。

「みんな!!授業が終わったぞ!!」

 俺がそう言うと、みんなの目がパチッと開いた。

「はぁ……起きたか」

 俺は穏便にみんなを起こせたことに、安堵の息を吐いた。



 音楽室を出て、教室へと戻る最中に、詩織さんが話しかけてくる。

「すみません。悠斗くん。私としたことが寝過ごしてしまったようです」

 と詩織さんが申し訳なさそうに言ってくる。

「あはは、大丈夫だよ。俺も寝てたし。起きたのだって授業終了のチャイムでだからね」
「そうなんですか。ですが、良い睡眠が取れました」
「俺も同じかな。ちょっと今日は寝不足だったから、放課後に向けて良いリフレッシュになったよ」
「そうですか。それは良かったです。生徒会の予算の可否は悠斗くんにかかっていると言っても過言ではありませんからね」

「ははは。結構プレッシャーかけてくるね?」
「ふふふ。悠斗くんならきちんとやり遂げてくれると信じてますから。それに、あなたはプレッシャーがある方が実力を発揮するタイプだと思ってます」
「へぇ……」
「ですので、今回の中間テストの勝負は、私にとってもかなり厳しい戦いになると確信しています」

 詩織さんは俺の目を見て続けた。

「だからこそ。その悠斗くんに勝つことで、あなたの中に私を刻み込みたいと思いました」
「そうか。なら尚更負けられないな」

 俺はその目から逃げずに頷いた。

「ふふふ。覚悟してくださいね、悠斗くん。きっと私は全ての教科で満点を叩き出す予定ですから」
「それなら、同率首位になるだろうね」

 俺はすぐにそう言い返した。

「なるほど。引き分けの場合を決めてませんでしたね。……そうですね。もし同点なら私の負けで良いです」
「……良いのか?」

 俺はその言葉に意外さを感じた。

「ええ。もちろんです。彼女の居るあなたに浮気を持ちかけているのです。そのくらいのアドバンテージはあってしかるべきかと」
「そうか。わかったよ。それで行こうか」

 そこまで話したところで教室へと着いた。

「では、悠斗くん。学級日誌は私の方で書いておきます。あなたはSHRが終わったらそのまま新聞部に行ってください」

 と、詩織さんが扉の前でそう言った。

「わかった。新聞部からは必ず良い返事を貰ってくるように頑張るよ」
「はい。信じてます。私は学級日誌を出したら生徒会室に向かいます。その場で先輩方に予算の確認をしてもらいますので。終わったら生徒会室まで来てください」
「了解だ」

 そこまで話したところで教室へと入る。

 みんなはもう席に着いていた。

「なんだ、桐崎。黒瀬さんと密会か?」

 なんて石崎に言われたので、

「生徒会の件で少し話してたんだよ」
「ふーん。副会長も大変だな。なんかあったら言えよ?手伝えることがあるならやってやるから」
「ありがとな、石崎。そう言ってくれるやつがいると助かるよ」

 俺はなんだかんだ言って雑用とかに手を貸してくれる友達に感謝した。

「うーし。お前ら、席に着け……って桐崎だけか、座ってないのは?早く座れ」
「はーい」


 俺は先生に急かされ席に座る。

 さて、これが終わったら新聞部に行くか。

 ひと癖もふた癖もあるあの先輩をやり込めるためにも、頑張らないとな。

 俺は、頬をパンと叩いて気合いを入れた。
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