学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第二話 ④ ~LHRで体育祭の参加種目を決めていきました~

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 第二話  ④




「はい。それでは五月末にある体育祭の参加種目を決めていこうと思います」

 五時間目を終えた六時間目。
 この時間は、ロングホームルームに割り振られていた。

 俺は教壇に立ち、クラスメイトに声を掛ける。

 俺の後ろには、詩織さんが書記として、黒板の前に立っている。

「先日決めた体育祭の実行委員の四人には、当日に向けたパンフレット作りや、前日のテント作りなどがあります。しかし、当日はフリーなので、参加種目には影響は無いと思います。ただ、二人三脚や大縄跳びなどの練習が必要なものは、外した方が良いかも知れません。100m走やリレー、綱引きとかがいいと思ってます」

 俺はそこまで言うと、軽く息を吸う。
 クラスメイトの反応は上々だ。
 興味無さげな人は居ない。
 皆、やる気がある良いクラスだ。

「ちなみに、一人あたりの参加には制限があります。でないと、一人のエースが全てに出る。みたいなことが起きてしまうからです。出来れば健に個人種目、団体種目、全員種目の全部やって欲しかったですが、それは無理でした」
「流石に疲れちまうよ、悠斗!!」

 ははは!!!!

 とみんなが笑う。

「ちなみに、出れる競技は個人では最大で三です。個人種目でひとつ。団体種目でひとつ。全員種目でひとつ。の計三つです」

 個人種目は
 男子の100m走と1000m走が各一名

 女子の50m走と500m走が各一名

 借り物競争が男女で各一名

 障害物競走も男女で一名ずつ

 団体種目は
 男子混合二人三脚を二ペア

 男女混合800mリレーを男女二名づつ

 大縄跳びを男子五名、女子五名

 全員種目は

 クラス対抗綱引き

「これらが種目になります!!」

 俺は、詩織さんが黒板に記入した種目を皆に確認してもらう。

「綱引きは全員参加ですが、それ以外は強制ではありませんが、決まらない場合はくじ引きになります!!」

 俺はニンマリと笑う。

「なんとなく楽なものを早めに選ぶのも手ですね」

 そこまで言ったあと、

「ちなみに健は、100m走と、男女混合リレーと、綱引きに出てもらいます」
「いいぜ!!多分それだと思ったからな!!」

 と、言って力こぶを見せる。

「男女混合二人三脚が他のクラスはでは、揉めそうな種目ですが、このクラスに限ってはそうでないと思います」

 と俺はクラスのカップルを見る。

「あまりいちゃつき過ぎると、自分みたいになりかねないことだけは注意してください」

 なんて言うと、みんなが笑っていた。
 朱里の視線と詩織さんの視線が痛い。

「では、まず個人種目から決めていきましょうか」

 俺はそう言って音頭をとりながら、種目の割り振りを行っていった。


 そして、しばらくすると。くじ引きの出番もなく、すんなりと種目の割り振りが終了した。

 俺は個人種目はスルー。二人三脚は他のカップルに譲り、男女混合リレーに参加。そして綱引きだ。

 朱里も個人種目はスルー。俺が参加しないので二人三脚はスルーし、リレーをすることに。そして綱引きだ。

 佐藤さんは個人種目を障害物走。団体をスルー。そして綱引きだ。

 詩織さんは本人の強い希望で、個人種目は借り物競争。団体をスルー。そして綱引きだ。

 詩織さんが借り物競争か……

 なんとなく……狙いがわかるけど。

「ありがとうございます!!皆がやる気を出してくれたので、ものすごくすんなり決まりました!!」

 俺はクラスメイトに頭を下げる。

「この中で練習が必要なのは大縄跳びだと思います。言ってくれれば、縄と回し手と練習場所の手配はやります!!当日は俺と健で縄を回すからな!!あと、石崎!!お前の方で音頭を取って練習のタイミングとかは俺の方に連絡してくれ」

 と、俺は石崎に実質的な大縄跳びリーダーを任命する。

「マジか!?俺なのか!!」
「そうだぞ!!ジャンプした女子の揺れるおっぱいが間近で見たいからって理由で立候補したってのは黙っててやるから、俺に協力しろよ?」

 笑う男子に冷たい目の女子。大縄跳びに参加する女子は胸を隠してる。

「おい!!桐崎!!口に出してるぞ!!」
「あ、わり!!めんごめんご!!」
 手を合わせる俺。

 仕方ねぇな。やってやるかぁ

 なんてことを言う石崎。
 まぁ、なんだかんだでしっかりやってくれるだろう。

「ねぇねぇ桐崎くん!!私たちの男女混合リレーもバトンの練習した方が良くない?」

 と言って提案してきたのは、混合リレーの参加者の斉藤さん。

 彼女は今は俺や詩織さんと同じ帰宅部だが、中学までは陸上の短距離だったそうだ。
 当然。脚は早い。

「確かにそうだね!!ただ、朱里の怪我が治ってからの練習になるかな。斉藤さんはその期間で全盛期に近づけるように頑張ってて欲しいかな」
「うん。わかったよ、桐崎くん!!」

 久しぶりに走り込むかなぁ

 なんて言ってる斉藤さん。

 本当に良いクラスだなと思った。

「ふふふ。悠斗くん。……良いクラスですね」

 と、詩織さんも同じことを思っていたのか。俺にそう話しかけてきた。

「そうだね。これなら良い成績を残せそうだね」

 俺は手応えを感じていた。

「去年はほとんど見てるだけでしたが、今年は頑張ろうと思います」
「うん。俺も良い成績が出せるように頑張るよ」



 クラスでの学年一位を目指して頑張ろう。
 俺はそう思ったのだった。
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