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第2章
第一話 ⑩ ~放課後~ 聖女様視点
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第一話 ⑩
聖女様視点
放課後。学級日誌は悠斗くんにお願いをして、私は斉藤さんと一緒に喫茶店……スタバに来ていました。
昼休みの最後に、私の方から斉藤さんに本日もお話がしたい。と持ちかけたところ、二つ返事でOKを頂けました。
そして、その斉藤さんは私の前で再び呪文を唱えています。トールサイズのなんとかフラペチーノと言っているような気がしました。
そして、私の番になりました!!
「ご注文をどうぞ」
「は、はい!!」
ぜ、前回とは違い、キチンと自分で注文してみせます!!
私は意気込んで注文表を見ました。
「……ひぇ」
あまりの品数に何を選んだら良いかわかりません!!
こ、こんなものをスパッと決めたのですか、斉藤さんは!!??
「え、えぇーと……」
あ、あまり時間はかけられません!!後ろにも人がいますから……
私は悩んだ結果。店員さんに伝えました。
「……店員さんのオススメでお願いします」
「ふふふ。かしこまりました。では……」
と、優しい店員さんは私が好きな、甘めに仕上げたカフェモカを用意してくれました。
見たただけで好みがわかるのでしょうか?
そして、出来上がった飲み物をお会計を済ませて受け取ります。
既に斎藤さんは席に座っていました。
私は彼女の正面に座りました。
そして、彼女は私の飲み物を見て笑顔になります。
「おお、『しおりん』はカフェモカにしたんだー。ビターな感じが美味しいよねぇ」
「し、しおりんですか?」
私は斉藤さんのフレンドリーな呼び名に困惑します。
「えー?だって、恋バナをしたらもう友達でしょ?友達ならあだ名で呼ぶのフツーだよね?」
「な、なるほど……」
「だから、しおりんも私を彩って呼んでいーよ?」
そう言って彼女は笑いました。
「わ、わかりました。『彩さん』」
「うふふー彩さんだって。やっぱりしおりん面白いねぇ」
彩さんはそう言って飲み物を飲んでます。
「で?しおりんの話は桐崎くんのことかな?」
「……はい」
頷く私に、彩さんは言いました。
「桐崎くんがあかりんの付き合ってたのはびっくりしたけど、あそこまでやるとはねぇ」
「まぁ、そうでもしないと、あの雰囲気は覆せなかったと思います」
「あはは、桐崎くんもはっちゃけてたよね」
でさ、しおりん?
と彩さんが聞いてきます。
「諦めんの?」
「諦めません」
私は即答します。
「強いねぇ。でもそうだよね。簡単に諦められるような恋じゃないように思えたし。だからこそ手を貸したわけだし」
「斉藤さんには感謝してますよ」
「あはは。あの後お父さんにバレて大変だったけど……」
あ、だからあの後メッセージが無かったんですね。
「まぁ、外散歩してた。って言って許してもらったよ。でさ、しおりん。これからどうするの?」
そんな彩さんの質問に私は答えます。
「…………どうしたら、良いですかね?」
私はカフェモカをひと口飲みます。
少しだけ苦味が口に残りました。
「うーん。……これは私の意見だけどいい?」
「はい。お願いします」
私がそう言うと、彩さんは口を開きます。
「桐崎くんにはあまり罠にはめるとか、策略を巡らせるとかよりも、もっと正攻法の方が効くと思うんだ」
「……なるほど」
「うん。なんて言うのかな、今回の一件で、桐崎くんは『しおりんは何か策略を巡らせてくる』ってイメージが出来てると思う。そうなってくると、次ってなかなか難しいよね?」
「はい」
「とするならばさ、残るは正攻法じゃん?」
彩さんは飲み物をひと口飲みます。
「正攻法とは……なんでしょうか?」
私の問いに、彩さんが笑います。
「しおりんは自分がどれだけ女としての武器をたくさん持ってるかを知らないの?」
しおりんがちょっと笑って、腕組んで、胸でも当てて、上目遣いでもしたら、大抵の男は落ちるよ。
「悠斗くんは……大抵の男ではないかと」
「それで落ちるとは思えないけど、ダメージはあるよ?だって桐崎くんも男子高校生だからね」
「つまり、正攻法とは、性欲を刺激する方向に行く。という事ですか?」
ぶふっ!!と彩さんが吹き出します。
「ま、まぁ、そうだね。性欲って……その英語の授業の時にやってたようなこととか効果的だよね?」
「……見えてました?」
「私は角度的に見えたけど、多分他は先生くらいしか見えてないと思うよ?」
ただ、あまりそういうのは他の男子の目もあるから、教室では辞めた方がいいよ?
「先生にも言われました。辞めます」
「それがいいよ。そう言うのって好きな人以外には見せない方がいいし」
「はい。もちろん、他の有象無象には見せたくありません」
吐き気がします。
「ちなみにさ、しおりん」
「なんですか?」
私が聞くと、彩さんは少しだけ恥ずかしそうに言います。
「こういう友達と放課後に恋バナをする場ってさ、ちょっと憧れてたからさ。また機会があったら誘って欲しいな」
「もちろんです!!彩さんの意見は参考になります」
私が力強く頷くと、彩さんは嬉しそうに笑います。
「あかりんには悪いけど、私はしおりんにつくよ」
「ふふふ。ありがとうございます。心強いです」
まあ向こうには優ちゃんがついてるから、お相子だよね。
と、彩さんが呟いてました。
ふふふ……朱里さん。
私も頼もしい仲間と一緒に、あなたと戦いますからね!!
聖女様視点
放課後。学級日誌は悠斗くんにお願いをして、私は斉藤さんと一緒に喫茶店……スタバに来ていました。
昼休みの最後に、私の方から斉藤さんに本日もお話がしたい。と持ちかけたところ、二つ返事でOKを頂けました。
そして、その斉藤さんは私の前で再び呪文を唱えています。トールサイズのなんとかフラペチーノと言っているような気がしました。
そして、私の番になりました!!
「ご注文をどうぞ」
「は、はい!!」
ぜ、前回とは違い、キチンと自分で注文してみせます!!
私は意気込んで注文表を見ました。
「……ひぇ」
あまりの品数に何を選んだら良いかわかりません!!
こ、こんなものをスパッと決めたのですか、斉藤さんは!!??
「え、えぇーと……」
あ、あまり時間はかけられません!!後ろにも人がいますから……
私は悩んだ結果。店員さんに伝えました。
「……店員さんのオススメでお願いします」
「ふふふ。かしこまりました。では……」
と、優しい店員さんは私が好きな、甘めに仕上げたカフェモカを用意してくれました。
見たただけで好みがわかるのでしょうか?
そして、出来上がった飲み物をお会計を済ませて受け取ります。
既に斎藤さんは席に座っていました。
私は彼女の正面に座りました。
そして、彼女は私の飲み物を見て笑顔になります。
「おお、『しおりん』はカフェモカにしたんだー。ビターな感じが美味しいよねぇ」
「し、しおりんですか?」
私は斉藤さんのフレンドリーな呼び名に困惑します。
「えー?だって、恋バナをしたらもう友達でしょ?友達ならあだ名で呼ぶのフツーだよね?」
「な、なるほど……」
「だから、しおりんも私を彩って呼んでいーよ?」
そう言って彼女は笑いました。
「わ、わかりました。『彩さん』」
「うふふー彩さんだって。やっぱりしおりん面白いねぇ」
彩さんはそう言って飲み物を飲んでます。
「で?しおりんの話は桐崎くんのことかな?」
「……はい」
頷く私に、彩さんは言いました。
「桐崎くんがあかりんの付き合ってたのはびっくりしたけど、あそこまでやるとはねぇ」
「まぁ、そうでもしないと、あの雰囲気は覆せなかったと思います」
「あはは、桐崎くんもはっちゃけてたよね」
でさ、しおりん?
と彩さんが聞いてきます。
「諦めんの?」
「諦めません」
私は即答します。
「強いねぇ。でもそうだよね。簡単に諦められるような恋じゃないように思えたし。だからこそ手を貸したわけだし」
「斉藤さんには感謝してますよ」
「あはは。あの後お父さんにバレて大変だったけど……」
あ、だからあの後メッセージが無かったんですね。
「まぁ、外散歩してた。って言って許してもらったよ。でさ、しおりん。これからどうするの?」
そんな彩さんの質問に私は答えます。
「…………どうしたら、良いですかね?」
私はカフェモカをひと口飲みます。
少しだけ苦味が口に残りました。
「うーん。……これは私の意見だけどいい?」
「はい。お願いします」
私がそう言うと、彩さんは口を開きます。
「桐崎くんにはあまり罠にはめるとか、策略を巡らせるとかよりも、もっと正攻法の方が効くと思うんだ」
「……なるほど」
「うん。なんて言うのかな、今回の一件で、桐崎くんは『しおりんは何か策略を巡らせてくる』ってイメージが出来てると思う。そうなってくると、次ってなかなか難しいよね?」
「はい」
「とするならばさ、残るは正攻法じゃん?」
彩さんは飲み物をひと口飲みます。
「正攻法とは……なんでしょうか?」
私の問いに、彩さんが笑います。
「しおりんは自分がどれだけ女としての武器をたくさん持ってるかを知らないの?」
しおりんがちょっと笑って、腕組んで、胸でも当てて、上目遣いでもしたら、大抵の男は落ちるよ。
「悠斗くんは……大抵の男ではないかと」
「それで落ちるとは思えないけど、ダメージはあるよ?だって桐崎くんも男子高校生だからね」
「つまり、正攻法とは、性欲を刺激する方向に行く。という事ですか?」
ぶふっ!!と彩さんが吹き出します。
「ま、まぁ、そうだね。性欲って……その英語の授業の時にやってたようなこととか効果的だよね?」
「……見えてました?」
「私は角度的に見えたけど、多分他は先生くらいしか見えてないと思うよ?」
ただ、あまりそういうのは他の男子の目もあるから、教室では辞めた方がいいよ?
「先生にも言われました。辞めます」
「それがいいよ。そう言うのって好きな人以外には見せない方がいいし」
「はい。もちろん、他の有象無象には見せたくありません」
吐き気がします。
「ちなみにさ、しおりん」
「なんですか?」
私が聞くと、彩さんは少しだけ恥ずかしそうに言います。
「こういう友達と放課後に恋バナをする場ってさ、ちょっと憧れてたからさ。また機会があったら誘って欲しいな」
「もちろんです!!彩さんの意見は参考になります」
私が力強く頷くと、彩さんは嬉しそうに笑います。
「あかりんには悪いけど、私はしおりんにつくよ」
「ふふふ。ありがとうございます。心強いです」
まあ向こうには優ちゃんがついてるから、お相子だよね。
と、彩さんが呟いてました。
ふふふ……朱里さん。
私も頼もしい仲間と一緒に、あなたと戦いますからね!!
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