学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第一話 ⑦ ~昼休み~ 朱里視点

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 第一話  ⑦




 朱里視点


 やっと……やっと……四時間目が終わるチャイムが鳴った……

 き、昨日は昨日で嫌な空気だったけど、今日は今日で本当に恥ずかしいことばっかりだった……

 いや。わがまま言っちゃいけない。だって悠斗と付き合ってるって空気にしないと、また昨日みたいなことになっちゃうから。


「ふぅ……さぁて。俺は山野先生に呼ばれてるから進路指導室に行かないと」

 で、でもさぁ!!これはちょっとやりすぎだよね!!

「……ねぇ、悠斗」

 私はこの教室から逃げようとしてる悠斗の退路を塞ぐ。

 ひと言いわないとちょっとねぇ!!

「この空気の中に残される私の気持ちってわかってる!?ねぇ!!付き合ってるって触れ回るにも限度ってあるよね!!??」
「いやー、なんて言うか嬉しくなっちゃって」

 う、嬉しくなったって……そ、そりゃあ私も嬉しいけど……

「…………あぅ」

 私はどんどん威勢が失われていくのを感じる。

「ダメだよ朱里。いーんちょーの頭のネジぶっ飛んでるからなに言っても無駄とだよ」
「うぅ……ゆーこちゃん……」

 今日のゆーこちゃんは優しいなぁ……
 なんて思ってたら、詩織ちゃんが話しかけてきた。

「ふふふ。仲が良さそうで何よりですね?それより悠斗くん。そろそろ行かないと山野先生にまた怒られますよ?」
「あ、確かに。今日は雫の弁当も無いし。パンを買って行こう」

 彼女の言葉に頷いた悠斗はそのまま教室を出ていった。
 まぁ、咲ちゃん先生にもこってりやられるだろうけど。

「さて、皆さん。もし良ければ本日もご飯を一緒させていただいても平気ですか?」

 と、詩織ちゃんが持ちかけてきた。

 昨日よりも、随分と険が取れたように見える。

 多分。これが素なんだと思った。

「一緒に食べようよ詩織ちゃん」

 私は一番にそう言って彼女を迎え入れる。

「そうだね。というかもう許可とか取らなくても一緒に食べようよ黒瀬さん」

 ゆーこちゃんも続いてくれた。
 多分、私と同じこと思ったんだろうな。

「……また俺一人だけ男か……まぁ明日は悠斗も来るだろうし、それまでは」

 あはは。確かに二日連続で男の子一人は可哀想だったかも……

「なんだよ武藤。ハーレムだぞ?喜べよ」

 と、言って武藤くんをからかうゆーこちゃん。
 は、ハーレムって……

「一人は彼氏持ち。一人は闇深。一人はがさ……ぐふぅ!?」
「んー武藤。誰がガサツだって?」
「武藤さん。闇深とはどう言う意味でしょうか?」
「い、いえ……なんでも」

 ゆーこちゃんがガサツかはともかくとして、詩織ちゃんが闇深いのは少しわかる気が……



 私たちはそんな他愛ない会話をしながら食堂へと向かった。




 私たちがいつも使ってる丸テーブルはやっぱり空いていた。

 暗黙の了解とかになりつつあるのかもしれない。

 なんか悪い気もするけど、こうしてみんなで食べるには都合がいいからよしって思うことにしよう!!

 私は今日の昼ご飯をは日替わり定食。

 サラダとハムカツと味噌汁とご飯。

 これで500円だから学食って安いよねぇ。

 って、詩織ちゃん……また焼肉……

 本当に毎日焼肉なんだなぁ……

 それでそのスタイルって……ズルくない?

「ねぇねぇ詩織ちゃん。そんなにお肉ばかりで栄養かたよんない?てかタレいっぱいの焼肉で太んないの?」

 私はちょっと詩織ちゃんに聞いてみた。
 そしたらとんでもない答えが返ってきた。

「そうですね。野菜から取れる栄養素が不足していることは自覚してますので、不足分はサプリで補充してます。あとは家でトレーニングはしてますが、運動部の皆さんよりは少ないと思います。ですがそうですね。お腹周りとかにはあまりお肉はつかないです」

 えぇーーー!!!!!????
 お、お腹周りにお肉がいかない!!!???

「ま、まさか黒瀬さん……食べたものが胸に行くとかそういう神様みたいなこと言わないわよね?」

 ゆーこちゃんも同じことを思ったみたいで、私が聞きたいことを聞いていた。

「そうですね。だいたい胸かおしりに行きます。……男性からの視線が煩わしい。と言うのを我慢すれば、他の女性からは羨ましがられるとは思ってます」

 う、羨ましいに決まってるよ!!
 な、なにそれ!!まあ、胸が大きくて男の視線が嫌になるって何となくわかるけど……
 で、でも羨ましい……
 てか、すごく美味しそうに焼肉食べてるね、詩織ちゃん……

「私もなぁ……もう少し胸があったらなぁ……」

 私は自分の胸を触ってみる。
 AよりのB
 うーん……
 詩織ちゃんはF……いやG?
 いいなぁ……

「朱里は胸が無いからバスケでいい動きが出来るのよ!!」

 た、確かに!!大きいと動くのに邪魔になりそう!!
 でも……

「うぅ……バスケを取るか、色気を取るか……」

「…………あのさぁ、俺が居ること忘れてない?」

 あ!?

 あははー……確かにちょっとデリカシー無かったかなぁ……

「なぁ、武藤。いーんちょーは大きい方が好きなん?」

 何気ないゆーこちゃんの質問!!
 こ、これで大きいのが好きって言われたら……
 ちょっと……
 あ!!??詩織ちゃんが興味深そうに耳を傾けてる!!
 む、胸を使って誘惑とかしちゃうのかなぁ……
 ま、負けない……っ!!

「あぁ……あいつかぁ。あいつは胸と言うよりは脚なんだよなぁ……」
「「「脚!!??」」」

 びっくりだよ!!
 胸はちょっと自信ないけど、私脚なら自信あるよ!!

「今朝はおっぱ……胸の話で盛り上がってたけど、あいつのパソコンには脚の画像が多いからな」

 ミニスカートとかホットパンツとニーソックスがあいつの性癖だよ。

「……なかなかニッチな趣味してんねいーんちょー」

 ゆ、ゆーこちゃん……

「ま、まぁ。何が好きかは人によるしね……」

 どんな性癖してても悠斗なら許せるよ!!

「ふむ。絶対領域というものですね。そう言えば悠斗くんから借りたラブコメライトノベルにはそういうヒロインが必ず居たように思えます」

 詩織ちゃんも興味深そうにそう言っていた。
 たしかに、詩織ちゃんの脚もふっくらしてて柔らかそう……っ!!

「俺がこの話したって言うなよ?怒られるから」

 武藤くんはそう言って苦笑いを浮かべてた。


「だから、あいつを魅了したければ脚を見せてやればいいと思うぜ」



 そ、そうか……脚……



 詩織ちゃんを見ると、少しだけ笑みを浮かべながら、スカートをちょんちょんってたくし上げてた。

 白いふっくらした太ももが見えてえっちだった……



『私はまだ彼を諦めてませんからね?』


 と、朝言ってた。

 私も自分の脚を見てる。

 詩織ちゃんとは違って部活で鍛えたすらっとした脚だった。

 大丈夫!!胸は勝てないけど、脚なら自信あるよ!!

 私は早速次の時間から悠斗にアプローチをかけて行こうって決意した。


 詩織ちゃん!!

 負けないよ!!
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