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第1章
~エピローグ~ 聖女様視点
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~エピローグ~
聖女様視点
「………っ」
私は、何を見せられているのでしょうか。
昨日までは完璧な流れでした。
クラスの空気を操り、私と悠斗くんが交際間近と言う雰囲気を作り出しました。
斉藤さんと手を結び、効果的な写真で更にその雰囲気を加速させることが出来ました。
悠斗くんのスマホを使い、藤崎さんの心にダメージを与えることも出来ました。
そして、この公園で二人の破局を見届け、悠斗くんを手に入れる。
その流れが出来ていたはずです。
なのに、この光景はなんですか……っ!!
会話の内容は盗聴器で聴いていました。
明らかに藤崎さんの心は限界だったはずです。
悠斗くんの心も、昨日のままならそれに寄り添えるような状態では無かったはずです。
そう、誰かが悠斗くんを立ち直らせる一撃を与えていたのです。
…………妹の存在ですか……っ!!
悠斗くんの頬には紅葉が咲いていました。
きっとあれは妹……雫さんの仕業でしょう。
……余計なことをっ!!
私は歯噛みしました。
一度目のキス。
「俺は、桐崎悠斗は、藤崎朱里を世界で一番愛している……」
盗聴器から聞こえる、彼の声。
聞きたくもない、二人が触れ合う音。
私はイヤホンを握りつぶしたくなりましたが、我慢しました。
そして、藤崎さんの言葉。
あれは、彼女の心が限界だったことが良くわかりました。
彼女の本気のビンタからのキス。
なんですか、あれは。ライトノベルじゃないですか……っ!!
悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい
「勿論。俺の一生をかけて、朱里を幸せにする」
イヤホンから聞こえてくる声に、
「幸せにしてね、悠斗。信じてる」
「あぁ、絶対に。約束するよ」
私は、思わず足音を鳴らしてしまいました。
その音に気がついた藤崎さんと、目が合いました。
「……え?どうしたの。もしかして後ろにお父さん?」
悠斗くんの声。
ふふ、私を見たら動揺してしまうでしょうかね?
「見ちゃダメ!!」
「え?」
藤崎さんは悠斗くんの頭を掴み、抱き寄せました。
そして、三度目のキスを……
「……ん」
「…………」
私の存在を忘れさせるように、強く口付けをしていました。
「…………っ」
「…………んぅ」
あの女、こんな早朝の公園で、舌を入れているっ!!
唾液が絡み合うその音に、私はイヤホンを地面にたたきつけ、踏み潰しました。
これ以上あんな音を聞いてたら、私は冷静ではいられないでしょう。
『…………っ』
藤崎さんと目が合いました。
そして、その目がニヤリと歪みます。
彼は渡さない。
そう言っているようでした。
面白い……っ!!
私は踵を返し、その場を後にします。
この場は引きましょう。
ですが、私は諦めません。
それに、昨日までの教室の空気をどうするつもりなのか。
ふふふ、見せてもらいましょうか。
まだまだ、私たちの勝負は始まったばかりですっ!!
第二章へ
聖女様視点
「………っ」
私は、何を見せられているのでしょうか。
昨日までは完璧な流れでした。
クラスの空気を操り、私と悠斗くんが交際間近と言う雰囲気を作り出しました。
斉藤さんと手を結び、効果的な写真で更にその雰囲気を加速させることが出来ました。
悠斗くんのスマホを使い、藤崎さんの心にダメージを与えることも出来ました。
そして、この公園で二人の破局を見届け、悠斗くんを手に入れる。
その流れが出来ていたはずです。
なのに、この光景はなんですか……っ!!
会話の内容は盗聴器で聴いていました。
明らかに藤崎さんの心は限界だったはずです。
悠斗くんの心も、昨日のままならそれに寄り添えるような状態では無かったはずです。
そう、誰かが悠斗くんを立ち直らせる一撃を与えていたのです。
…………妹の存在ですか……っ!!
悠斗くんの頬には紅葉が咲いていました。
きっとあれは妹……雫さんの仕業でしょう。
……余計なことをっ!!
私は歯噛みしました。
一度目のキス。
「俺は、桐崎悠斗は、藤崎朱里を世界で一番愛している……」
盗聴器から聞こえる、彼の声。
聞きたくもない、二人が触れ合う音。
私はイヤホンを握りつぶしたくなりましたが、我慢しました。
そして、藤崎さんの言葉。
あれは、彼女の心が限界だったことが良くわかりました。
彼女の本気のビンタからのキス。
なんですか、あれは。ライトノベルじゃないですか……っ!!
悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい
「勿論。俺の一生をかけて、朱里を幸せにする」
イヤホンから聞こえてくる声に、
「幸せにしてね、悠斗。信じてる」
「あぁ、絶対に。約束するよ」
私は、思わず足音を鳴らしてしまいました。
その音に気がついた藤崎さんと、目が合いました。
「……え?どうしたの。もしかして後ろにお父さん?」
悠斗くんの声。
ふふ、私を見たら動揺してしまうでしょうかね?
「見ちゃダメ!!」
「え?」
藤崎さんは悠斗くんの頭を掴み、抱き寄せました。
そして、三度目のキスを……
「……ん」
「…………」
私の存在を忘れさせるように、強く口付けをしていました。
「…………っ」
「…………んぅ」
あの女、こんな早朝の公園で、舌を入れているっ!!
唾液が絡み合うその音に、私はイヤホンを地面にたたきつけ、踏み潰しました。
これ以上あんな音を聞いてたら、私は冷静ではいられないでしょう。
『…………っ』
藤崎さんと目が合いました。
そして、その目がニヤリと歪みます。
彼は渡さない。
そう言っているようでした。
面白い……っ!!
私は踵を返し、その場を後にします。
この場は引きましょう。
ですが、私は諦めません。
それに、昨日までの教室の空気をどうするつもりなのか。
ふふふ、見せてもらいましょうか。
まだまだ、私たちの勝負は始まったばかりですっ!!
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