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第1章
最終話 ~気持ちの伝え方・俺は藤崎朱里を世界で一番愛している~ 後編
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最終話 後編
「……ん」
涙で濡れた朱里に俺は初めての口付けをした。
そして、俺は唇を離す。
「…………」
「…………」
少しの無言。そして、朱里が口を開く。
「……最低」
「……っ!!」
胸に突き刺さる言葉。冷たい表情の彼女がそこに居た。
「……最初のキスは、もっとロマンチックで、情緒に溢れてて、幸せな気持ちでしたかった」
「……ごめん」
「許さない」
「……っ!!」
き、嫌われ……
「悠斗くんのデートはいつも幸せいっぱいで、100点のデートだった」
「……」
「悠斗くんの行動や言動はいつも私を幸せにしてくれて100点だった」
「……」
「でも、このキスは、0点だよ」
冷めた目でそう言う彼女。
初めて見るその表情に、俺は何も、言えなかった。
そして、朱里はつづけた。
「だから、忘れないで」
「え?」
「悠斗くんは私を失望させた、悲しませた、がっかりさせた、不安にさせた、嫌な思いをいっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいさせたんだって!!」
「ありえない!!君には彼女が居るのに!!ほかの女の子と仲良くして!!それなのに!!キスしたら許してくれるとでも思ったの!!」
「許してやんない!!こんなんで許してやるもんか!!何度だって思い出せ!!私のファーストキスは、君のせいで台無しだって!!忘れるな!!」
「……」
俺に何かを言う資格はなかった……
そして、そんな俺に彼女が告げる。
「だからさ、悠斗くん……これから先の行動で、取り返してよ」
「……え」
「私のファーストキスを台無しにした責任を取ってよ。いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい幸せにしてよ!!」
「朱里……」
「じゃなきゃ!!絶対に許してやんないんだから!!」
彼女はそう言うと俺の目を睨みつけて、叫ぶ。
「歯を食いしばれ!!桐崎悠斗!!」
「……っ!!」
彼女はそう言うと、思いっきり左手を振りかぶる。
バチーーーーーーン!!!!!!
雫に叩かれたのとは反対側を思いっきり叩かれた。
「こんなんじゃ足りないくらい痛かった!!」
「うん」
「利き腕であと千発は叩いてやりたい!!」
「うん」
そう言うと、朱里はニコリと笑う。
「一生かけて叩いてやるんだから!!」
彼女はそう言うと、俺に抱きついてきた。
そして、
「私も大好き!!愛してるよ!!悠斗!!」
そう言って、俺の唇に、自分の唇を重ねてきた。
二人の女の子に叩かれた頬の痛みを忘れるほどに、このキスは甘く、俺の心と身体を溶かしていった。
第一章 最終話 ~気持ちの伝え方・俺は藤崎朱里を世界で一番愛している~
~完~
エピローグへ続く
「……ん」
涙で濡れた朱里に俺は初めての口付けをした。
そして、俺は唇を離す。
「…………」
「…………」
少しの無言。そして、朱里が口を開く。
「……最低」
「……っ!!」
胸に突き刺さる言葉。冷たい表情の彼女がそこに居た。
「……最初のキスは、もっとロマンチックで、情緒に溢れてて、幸せな気持ちでしたかった」
「……ごめん」
「許さない」
「……っ!!」
き、嫌われ……
「悠斗くんのデートはいつも幸せいっぱいで、100点のデートだった」
「……」
「悠斗くんの行動や言動はいつも私を幸せにしてくれて100点だった」
「……」
「でも、このキスは、0点だよ」
冷めた目でそう言う彼女。
初めて見るその表情に、俺は何も、言えなかった。
そして、朱里はつづけた。
「だから、忘れないで」
「え?」
「悠斗くんは私を失望させた、悲しませた、がっかりさせた、不安にさせた、嫌な思いをいっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいさせたんだって!!」
「ありえない!!君には彼女が居るのに!!ほかの女の子と仲良くして!!それなのに!!キスしたら許してくれるとでも思ったの!!」
「許してやんない!!こんなんで許してやるもんか!!何度だって思い出せ!!私のファーストキスは、君のせいで台無しだって!!忘れるな!!」
「……」
俺に何かを言う資格はなかった……
そして、そんな俺に彼女が告げる。
「だからさ、悠斗くん……これから先の行動で、取り返してよ」
「……え」
「私のファーストキスを台無しにした責任を取ってよ。いっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい幸せにしてよ!!」
「朱里……」
「じゃなきゃ!!絶対に許してやんないんだから!!」
彼女はそう言うと俺の目を睨みつけて、叫ぶ。
「歯を食いしばれ!!桐崎悠斗!!」
「……っ!!」
彼女はそう言うと、思いっきり左手を振りかぶる。
バチーーーーーーン!!!!!!
雫に叩かれたのとは反対側を思いっきり叩かれた。
「こんなんじゃ足りないくらい痛かった!!」
「うん」
「利き腕であと千発は叩いてやりたい!!」
「うん」
そう言うと、朱里はニコリと笑う。
「一生かけて叩いてやるんだから!!」
彼女はそう言うと、俺に抱きついてきた。
そして、
「私も大好き!!愛してるよ!!悠斗!!」
そう言って、俺の唇に、自分の唇を重ねてきた。
二人の女の子に叩かれた頬の痛みを忘れるほどに、このキスは甘く、俺の心と身体を溶かしていった。
第一章 最終話 ~気持ちの伝え方・俺は藤崎朱里を世界で一番愛している~
~完~
エピローグへ続く
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