学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第八話 ② ~二回目のデート・待ち合わせ場所には世界一可愛い美少女大天使が居ました~

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 第八話  ②




 日曜日の朝。車通りはあまり無く、トラックなどもほとんど走っていない。
 道路の端をポチでスムーズに走っていく。
 やはり、隣をビュンビュントラックに追い抜かれるのは怖くて仕方ない。

 二十分程走らせ、無料の駐輪場に盗難対策をしっかりと済ませてポチを停める。

 駅へと向かう途中、若い女性から幾つかの視線を貰っていた。

 よし。今回もそれなりにイケてるようだ。

 自分の装いにある程度の自信を持ち、俺は駅へと向かう。

 駅へと入り、九時発の電車に乗れることを確認する。

 改札口にカードを押し付け、構内へと入る。

 残金は先日チャージしたので前回同様五千円ほど入れてある。

 程なくしてやってくる電車が、乗る電車で間違いないことをしっかりと確認した上で乗車する。

 電車の席は疎らに空いていた。

 ジーンズは別にシワを気にする服では無いので椅子に座ることにした。

 椅子に座り、カバンからスマホを取りだし、俺は小説投稿サイトを開く。

 お気に入りの作者の新作がそっちにアップされているようだった。

 その時。どこからか視線を感じた気がしたが、スマホから目を切り、顔を上げて軽く周りを見ても特になにか見られてるとかはなかった。

 ……気のせいか。

 まぁ、それなりにカッコよく仕上げてきたつもりだ。

 若い女性からある程度くらい視線を集められるレベルでないと、朱里さんの隣は歩けない。

 俺は周りを気にするのをやめて、読書に戻った。





 そして、三十分程電車に揺られると、目的の駅に着いた。
 黒瀬さんとは違うので、俺はしっかりとその駅で降りる。

 構内を歩き、改札口にカードを押し付け、バスターミナルのある方の駅口へと向かう。

 時刻は九時半。
 待ち合わせ場所時間丁度になってしまったな。

 駅の外に出ると、ピンクのトップスとデニムのスカート。手首には初デートで俺が上げたブレスレットを身につけたとても可愛い朱里さんが既に待っていた。

「おはよう朱里さん。ごめんね、時間ちょうどになっちゃった」

 俺はそう言いながら、キュートな朱里さんに近づく。

 その声に振り向いた世界一可愛い彼女は、俺の顔を見て笑顔を見せてくれる。

「ううん、大丈夫!!私も今来たところ」

 俺はその言葉に甘えることにした。

「そうなんだね、ありがとう。それと朱里さん。今日の服、初デートの時に買ってやつだね、とても似合っていて素敵だよ。それに、ブレスレット。つけてくれて嬉しいよ」

 と、俺はしっかりとめちゃくちゃ魅惑的な朱里さんを褒める。
 てかほんと可愛いな俺の彼女。
 よくナンパとかされてなかったな。
 まぁ……されてたらしっかりと追い払うけど。

「ありがとう、悠斗くん!!悠斗くんもかっこいいね!!それにそのデニムのジーンズ。私のにあわせてくれたのかな?お揃いだね!!」
「うん。多分朱里さんはデニムのスカートかなぁって思ってたから。お揃いのサプライズを狙ってみました」
「えへへ、嬉しいな!!」

 そうして話していると、九時四十分の水族館行きのバスが来る。

「あ、バスが来たね!!このバスだよね」
「そうだよ、乗ろうか」

 バスが停車し、扉が開く。

 俺は先にバスに乗り、アイドルのような朱里さんに手を出す。

「はい。足元気をつけて朱里さん」
「えへへ、ありがとう悠斗くん」

 俺の手を取り、バスへと乗り込む朱里さん。
 笑顔が可愛い。

 なんだろう。さっきから頭がやられてる気がする。

 ちょっと思考回路を落ち着けよう。

 軽く息を吐き、俺は朱里さんを窓際の席に案内し、俺は通路側に座る。

「おぉ!!このボタンを押す役目は私だなぁ!!」

 朱里さんはそう言って降車ボタンを指さす。

「ははは、イタズラしたらダメだよ?」
「はい、お母さん!!」
「……健みたいなこと言わないでほしいな」
「あはは、悠斗くんは武藤くんの保護者だもんねー」

 そんな話をしていると、バスが発車する。

「大体二十分位で着くと思うから、その間に少しパンフレットとか見て、何を見るかとか決めていこうか」

 そう言うと俺はカバンの横ポケットから水族館のパンフレットを取り出す。

「私はイルカショーは外せないかな!!」
「まぁそれは外せないよね。十二時と十六時があるけど、どっちにする?」

 十八時もあるけど、彼女の帰宅時間も考えてそれは選択肢から外した。
 一応彼女は十八時には帰したい。
 あまり遅いと危険だし、それに彼女の両親の覚えも悪いだろう。

「私は楽しみは最後に取っておくタイプだから十六時かな!!」
「おっけー。じゃあまずは水族館に入ったら右から回って行って、ペンギンを見たあたりで多分いい時間だから、ここの休憩スペースでお昼にしようか」

 パンフレット片手にそう提案する俺に、朱里さんが言う。

「ねぇねぇ悠斗くん!!実は私、お弁当を用意してきました!!」
「え!!??ホント!!やった!!」

 やべぇ!!マジ嬉しい!!
 俺の彼女最高じゃね!?

「えへへー。何を作ってきたかは、お昼のお楽しみで!!」

 可愛い

「楽しみが増えたよ。ありがとう朱里さん!!」
「あ、あとね悠斗くん。しっかりと味見したから、味も保証だよ!!」

 朱里さんにメシマズ属性はないようだ。

「せっかく大好きな人に食べてもらうんだから、美味しいの食べてもらいたいよねー」

 かわいー

 ちょーかわいー

 のーがとける

 ピンポーンと鳴った音で俺は現実に戻る。

「悠斗くん、降りる場所だよー」
「あ、ごめん。朱里さんの可愛さに意識失ってた」
「も、もー!!馬鹿なこと言ってないでおりるよー!!」
「ははは、ごめんね」

 俺はそう言うと通路に出て先に支払いを済ませて、バスを降りる。

 そして、その後に支払いを済ませた朱里さんに手を差し伸べる。

「ありがとう悠斗くん」
「どういたしまして」

 バスを降りた俺たちの目の前に、大きな水族館の入り口が見えた。

 よし。今日も楽しく過ごせるように彼女をエスコートしよう。
 一番の肝はイルカショーで彼女を絶対に濡らさないこと。
 あとは、昼ごはんを食べる場所を絶対に確保すること。
 休憩スペースの状況を見て、埋まりが早いようなら早めにするかを考えよう。

 俺はざっとプランを頭の中で整理した。

「よーし、悠斗くん!!水族館デートの始まりだ!!」

 そう言って朱里さんは俺の手を引いて受付へと歩いて行った。
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