学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第七話 ⑥ ~友人の好きな人が誰なのか少し気になりました~

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 第七話  ⑥





「よし、これでホームルームを終わりにする。桐崎、号令だ」
「はい」

 俺は朝とは違い、山野先生の声にしっかりと反応する。

 俺の号令に従い、クラスメイトが挨拶をする。

「よし。では帰っていいぞ」

 山野先生はそう言うと教室から出ていった。

「悠斗くんは今日はこれからアルバイトかな?」
「うん。朱里さんは部活だよね。頑張ってね」
「えへへ、ありがとう悠斗くん。じゃあまた後でメッセージ送るね!!」

 バイバイ!!と手を振りながら朱里さんは部活へと向かって行った。

 可愛い。

「いーんちょーの目がはーとだ」
「いや、今のは可愛すぎだろ?」
「わかる。朱里ちょーかわいい」
「とりあえず、昨日より元気になってくれて良かったよ」
「まぁね。昨日の部活でも空元気かなーって感じはヒシヒシとしてたよ」

 と、言う佐藤さん

 そんな彼女に言う。

「これはまだ朱里さんには内緒なんだけど、今日の夜にメッセージで今度の日曜日にデートしようって誘おうかなって」
「お?いいじゃん。いーんちょーやるねぇ」

 と、興味を示す佐藤さん。

「まぁ、何処に行こうかとかはまだ詰めてないけど、とりあえずバイトしながら考えようかなって」
「最高だと思うよ。朱里もきっと喜ぶよ」

 じゃあね、いーんちょー!!

 そう言うと、佐藤さんは部活へと向かって行った。

「そろそろ話しかけても平気か?」
「なに気を使ってんだよ健?」
「いやー人気者は辛いよな」
「何言ってんだよ。女子人気はお前の方があるだろ?」

 俺はそう言うと、健の胸に拳を入れる。

「どうでもいい女に好かれてもなんとも思わん」
「お?という事は、気になる女の子でも出来たのか?」

 という俺に、健は珍しく言葉を濁す。

「まぁ……そうだな」

 その様子に俺は少し驚く。

 その相手が佐藤さんならいいな。なんて思いながらも、

「気になる女の子にカッコイイとこ見せたい。ってのは男の最大のモチベーションだからな。部活頑張れよ、健」
「ああ、そうだな」

 俺のその言葉、奴は首を縦に振ると、部活へと向かっていった。

 あいつは体育館で部活してるから俺の様子は見れねぇんだよな。

 なんて声が聞こえてきたが、なるほど、気になる女の子は体育館部活か。

 佐藤さんの可能性がちょっと高まったことに、俺は少し喜びを感じる。

「それでは桐崎くん。本日分の学級日誌を書き終えたので山野先生に渡してきますね」
「ありがとう、黒瀬さん。明日は俺が書くね」
「はい。了解です。交代で書いていきましょう」

 学級日誌をパタリと閉じ、黒瀬さんが立ち上がる。

「では、桐崎くん。アルバイト頑張ってください」
「うん。ありがとう、黒瀬さん」

 黒瀬さんはそう言ってペコりと頭を下げる。

「今日の夜に、読んだライトノベルの感想を送るかと思います」
「うん。二十二時までバイトだからそれ以降ならいつでも返事出来るよ」
「はい。ではそのように」

 背筋を伸ばし、黒瀬さんはゆっくりと教室から出て行く。

「よし。俺も帰るか」

 誰も居なくなった教室の扉を閉め、俺はバイトへと向かった。

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