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第1章
第三話 ② ~新学期・聖女様とまともな会話を初めてしました~
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第三話 ②
愛車のポチを走らせ、駅へと向かう。
二十分程で駅に到着し、無料の駐輪場に盗難対策をしっかりとした上で停めておく。
駅へと向かうと、真新しい制服に身を包んだ初々しい学生がちらほらと見える。
あぁ、俺も一年前はあんな感じだったんだよな。
そんな事を考えながら改札口のリーダーに定期券を押し当てる。
ピッ!!
という音と共にバーが上がる。
時刻表を確認すると、そこまで待たずに電車が来そうだ。
構内に降り、スマホにダウンロードしてある電子書籍を開いた所で電車が来た。
少しだけピークの時間をずらしてある電車は、座れはしないものの満員で寿司詰め状態みたいな事にはなっていなかった。
電車に乗り込み、ドアの近くにもたれ掛かるようにしていると、視線の先には漆黒の髪の美少女が目に留まる。
聖女様だな。
春休み中に見かけた時と同じように、椅子に座ってハードカバーの小説を読んでいた。
そのまるで絵画のような姿に、周りの人達がちらちらと彼女を見ていた。
あぁ言う視線に毎日晒されるなんて大変だな。
なんてことを思いながら、俺は彼女から視線を切るとスマホにダウンロードしてある電子書籍を開く。
お気に入りの作者の糖分過多のラブコメ漫画を読んでいると、降りる駅のアナウンスが聞こえる。
俺は、スマホ画面を閉じてポケットの中へとしまう。
そこで不思議な光景が目に映る。
もう降りる駅だと言うのに、聖女様はまだ本を読んでいる。
別にそんなの無視すればいいのに、何故か俺はその時声をかけてしまった。
「なぁ、もう降りる駅だぞ?」
「.....え?」
声をかけた俺に、聖女様が顔を上げる。
すげぇ美少女
目が合った彼女にそんな感想を抱きながら、
「まぁ、この時間なら乗り過ごしても遅刻にはならないだろうけど、気になったから声をかけた」
と説明する。
そんな俺に彼女は、なるほど、もうそんな時間でしたかと言って本をカバンへとしまった。
それと同時に電車のドアが開く。
それなりの数の学生が降りるので、少し落ち着いてから降りようかなと思っていると、
「桐崎くん。ありがとうございます」
「.....え?」
後ろからそんな声が聞こえてきた。
俺の名前知ってるのか?
そんな事を思っていると、
「乗り過ごしてもいいように計算していましたが、乗り過ごさないに越したことはありません。声がけ助かりました」
「あ、あぁ.....」
軽く微笑を浮かべながら、彼女は俺を追い抜き、電車から降りる。
俺もそれに続くように降りる。
「流石は去年の学級委員ですね。同じクラスでしたので、気配りが出来る方だと知っておりました」
「それは.....ありがとう」
そんな所まで見てたんだな。
「では、私は少し寄る所がございますのでここで。また今年も同じクラスでしたらよろしくお願いします」
「あ、はい」
ペコりと頭を下げる彼女の行先を確認するのは少し失礼だろうと考え、俺はそのまま駅の出口へと歩く。
何か、今のひとときだけで去年一年間より会話量が多かったんじゃないか?
そんことを考えながら俺は駅前の有料駐輪場へと足を運んだ。
愛車のポチを走らせ、駅へと向かう。
二十分程で駅に到着し、無料の駐輪場に盗難対策をしっかりとした上で停めておく。
駅へと向かうと、真新しい制服に身を包んだ初々しい学生がちらほらと見える。
あぁ、俺も一年前はあんな感じだったんだよな。
そんな事を考えながら改札口のリーダーに定期券を押し当てる。
ピッ!!
という音と共にバーが上がる。
時刻表を確認すると、そこまで待たずに電車が来そうだ。
構内に降り、スマホにダウンロードしてある電子書籍を開いた所で電車が来た。
少しだけピークの時間をずらしてある電車は、座れはしないものの満員で寿司詰め状態みたいな事にはなっていなかった。
電車に乗り込み、ドアの近くにもたれ掛かるようにしていると、視線の先には漆黒の髪の美少女が目に留まる。
聖女様だな。
春休み中に見かけた時と同じように、椅子に座ってハードカバーの小説を読んでいた。
そのまるで絵画のような姿に、周りの人達がちらちらと彼女を見ていた。
あぁ言う視線に毎日晒されるなんて大変だな。
なんてことを思いながら、俺は彼女から視線を切るとスマホにダウンロードしてある電子書籍を開く。
お気に入りの作者の糖分過多のラブコメ漫画を読んでいると、降りる駅のアナウンスが聞こえる。
俺は、スマホ画面を閉じてポケットの中へとしまう。
そこで不思議な光景が目に映る。
もう降りる駅だと言うのに、聖女様はまだ本を読んでいる。
別にそんなの無視すればいいのに、何故か俺はその時声をかけてしまった。
「なぁ、もう降りる駅だぞ?」
「.....え?」
声をかけた俺に、聖女様が顔を上げる。
すげぇ美少女
目が合った彼女にそんな感想を抱きながら、
「まぁ、この時間なら乗り過ごしても遅刻にはならないだろうけど、気になったから声をかけた」
と説明する。
そんな俺に彼女は、なるほど、もうそんな時間でしたかと言って本をカバンへとしまった。
それと同時に電車のドアが開く。
それなりの数の学生が降りるので、少し落ち着いてから降りようかなと思っていると、
「桐崎くん。ありがとうございます」
「.....え?」
後ろからそんな声が聞こえてきた。
俺の名前知ってるのか?
そんな事を思っていると、
「乗り過ごしてもいいように計算していましたが、乗り過ごさないに越したことはありません。声がけ助かりました」
「あ、あぁ.....」
軽く微笑を浮かべながら、彼女は俺を追い抜き、電車から降りる。
俺もそれに続くように降りる。
「流石は去年の学級委員ですね。同じクラスでしたので、気配りが出来る方だと知っておりました」
「それは.....ありがとう」
そんな所まで見てたんだな。
「では、私は少し寄る所がございますのでここで。また今年も同じクラスでしたらよろしくお願いします」
「あ、はい」
ペコりと頭を下げる彼女の行先を確認するのは少し失礼だろうと考え、俺はそのまま駅の出口へと歩く。
何か、今のひとときだけで去年一年間より会話量が多かったんじゃないか?
そんことを考えながら俺は駅前の有料駐輪場へと足を運んだ。
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