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第2章 後編
第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑬
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第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑬
「はぁ……はぁ……イケメンリア充にもうひと泡吹かせてやろうと思ったけど、負けちまったか……」
「い、石崎……」
ゴールテープを切った後、死力を尽くした俺は大の字になってグラウンドに横になっていた。
そんな俺を見下ろすように、悔しそうな表情をした石崎が居た。
彼は俺に手を伸ばしてきたので、俺はその手を取って立ち上がる。
「勝者がいつまでも寝てるなよ」
「悪いな、助かるよ」
『男女混合リレーの一位でと二位が互いの健闘を称え合うように、今握手をしています!!皆さん!!大きな拍手をよろしくお願いします!!』
大きな拍手がグラウンドで巻き起こった。
俺は軽く手を挙げてそれに応えた。
視線の先では永久が満面の笑みで拍手をしていたので、期待に応えられて本当に良かったと思った。
「なぁ、桜井。やっぱり部活には入らない感じか?」
「悪いな、石崎。俺は生徒会で頑張るって決めてるからさ」
再度勧誘を受けたけど、俺はそれを断った。
「そうか。雪菜の方も桐崎さんの勧誘に失敗してたみたいだしな。有望な部員が増えれば、出来高の達成も容易になると思ってたんだけどなぁ」
「あはは…………え?」
い、今……石崎の奴。白雪さんのことを『名前』で呼んでなかったか?
「じゃあな、桜井。まぁ考え方に寄るけど、赤組のワンツーフィニッシュだと思えば悪くない。あと一年四組の学年優勝は諦めてないからな!!最後の綱引きで逆転してやるよ!!」
「あ、あぁ!!こっちも負けないからな!!」
手を振りながら去って行く石崎。
何となく聞きそびれてしまったけど……あいつも『リア充』なんじゃないのか?
そんなことを考えながら、俺は自分のクラスメイトが待つ場所へと歩いて行った。
「お疲れ様です、霧都!!とてもかっこ良かったです!!」
「ありがとう、永久。君に期待に答えられて本当に良かったと思うよ」
満面の笑みで出迎えてくれた愛しの嫁から、俺は冷えたスポーツドリンクとタオルを受け取った。
「飲んでください!!あとこちらはタオルですね」
「ありがとう、助かるよ」
俺はストローでドリンクを飲みながらタオルで汗を拭う。
「お前たちを見ると、恋人が欲しくなる……」
後ろから鷲宮の恨めしそうな声が聞こえてきた。
「お前だってもう少し下ネタ好きを直せば、女子人気が出そうな気がするけどな」
背だって低くない。顔立ちだって悪くない。
身だしなみにも気を使ってる。
俺と同じで勉強は苦手だけどそこは愛嬌みたいなもんだろう。
そんなことを考えてると、鷲宮が笑いながら言った。
「下ネタ好きは俺のアイデンティティだからな。それは無くせないな!!」
「あはは。俺はお前のそういう所が大好きだ」
そして、視線の先では桐崎さんと流が仲良さそうに話してる姿も見えた。
永久と同じように、流は桐崎さんにタオルとドリンクを渡していた。
応援の時に、彼女の『名前』を叫んでいたこと。
彼なりの勇気を感じたな。
「私も喉が渇いたわ。あんたのそれを寄越しなさい」
「……あ」
少しだけ油断していた俺の隙を狙って、凛音がスポーツドリンクの入ったボトルを奪った。
そして、俺が飲んでいたストローをそのまま使ってドリンクを飲んでいた。
「ぷはぁ!!やっぱり身体を動かしたあとのドリンクは美味しいわね!!」
「人の物を勝手に奪うなよ……」
「回し飲みなんて昔から良くやってたじゃない?なによ、霧都。今更恥ずかしいとか気にする訳?」
「いや、そういう訳じゃ無いけどな……」
ボトルを返してもらった俺は、何となくそのまま飲むのも永久に悪いと思ったので、飲み口を軽く指で拭ってから続きを飲んだ。
それを見ていた凛音が少しだけ表情を歪ませていたけど、気にしないことにした。
「お疲れ様、桜井くん!!見事にリベンジを果たしたね!!」
「はい。ありがとうございます。三郷先輩も実況お疲れ様です。とても良い放送だったと思います」
放送席に戻った俺を、先輩は笑顔で迎えてくれた。
「桐崎くんも本職の陸上部を抜いてリレーで一位になってたからね。生徒会では何か秘密のトレーニングでもしてるのかな!?」
「あはは。そんなのは無いですよ」
そう。桐崎先輩も俺と同じで男女混合リレーに参加していた。
短距離走は武藤先輩に譲ってたみたいだけど。
そして、二年連続でアンカーを務めて、二年連続で同じ陸上部の短距離走選手を抜いて一位になっていたようだ。
勉強も運動も出来て、彼女と愛人も居る。
なんて言うか、ハーレムラブコメの主人公みたいな人だよな。
「あとは残すところは綱引きだけですね。赤組優勢な感じですけど、勝敗はまだ分かりませんね」
「そうだね。この綱引きで全てが決まる!!まずは一年生から始まるからね。頑張ってね、桜井くん。組の垣根を超えて応援してあげるよ!!」
三郷先輩はそう言って拳を握って笑顔で言ってくれた。
「ありがとうございます、三郷先輩。俺も三年生の試合の時には組の垣根を超えて先輩を応援しますよ!!」
「それは嬉しいね。じゃあ桜井くん、怪我をしないように気をつけて。桐崎くんは去年この種目で倒れて救急車で運ばれたからね」
「あはは。二年連続でそんなことにはならないように気を付けます」
俺はそう言って三郷先輩に別れを告げた。
そして、最後の種目。綱引きのために自分のクラスへと足を運んだ。
「はぁ……はぁ……イケメンリア充にもうひと泡吹かせてやろうと思ったけど、負けちまったか……」
「い、石崎……」
ゴールテープを切った後、死力を尽くした俺は大の字になってグラウンドに横になっていた。
そんな俺を見下ろすように、悔しそうな表情をした石崎が居た。
彼は俺に手を伸ばしてきたので、俺はその手を取って立ち上がる。
「勝者がいつまでも寝てるなよ」
「悪いな、助かるよ」
『男女混合リレーの一位でと二位が互いの健闘を称え合うように、今握手をしています!!皆さん!!大きな拍手をよろしくお願いします!!』
大きな拍手がグラウンドで巻き起こった。
俺は軽く手を挙げてそれに応えた。
視線の先では永久が満面の笑みで拍手をしていたので、期待に応えられて本当に良かったと思った。
「なぁ、桜井。やっぱり部活には入らない感じか?」
「悪いな、石崎。俺は生徒会で頑張るって決めてるからさ」
再度勧誘を受けたけど、俺はそれを断った。
「そうか。雪菜の方も桐崎さんの勧誘に失敗してたみたいだしな。有望な部員が増えれば、出来高の達成も容易になると思ってたんだけどなぁ」
「あはは…………え?」
い、今……石崎の奴。白雪さんのことを『名前』で呼んでなかったか?
「じゃあな、桜井。まぁ考え方に寄るけど、赤組のワンツーフィニッシュだと思えば悪くない。あと一年四組の学年優勝は諦めてないからな!!最後の綱引きで逆転してやるよ!!」
「あ、あぁ!!こっちも負けないからな!!」
手を振りながら去って行く石崎。
何となく聞きそびれてしまったけど……あいつも『リア充』なんじゃないのか?
そんなことを考えながら、俺は自分のクラスメイトが待つ場所へと歩いて行った。
「お疲れ様です、霧都!!とてもかっこ良かったです!!」
「ありがとう、永久。君に期待に答えられて本当に良かったと思うよ」
満面の笑みで出迎えてくれた愛しの嫁から、俺は冷えたスポーツドリンクとタオルを受け取った。
「飲んでください!!あとこちらはタオルですね」
「ありがとう、助かるよ」
俺はストローでドリンクを飲みながらタオルで汗を拭う。
「お前たちを見ると、恋人が欲しくなる……」
後ろから鷲宮の恨めしそうな声が聞こえてきた。
「お前だってもう少し下ネタ好きを直せば、女子人気が出そうな気がするけどな」
背だって低くない。顔立ちだって悪くない。
身だしなみにも気を使ってる。
俺と同じで勉強は苦手だけどそこは愛嬌みたいなもんだろう。
そんなことを考えてると、鷲宮が笑いながら言った。
「下ネタ好きは俺のアイデンティティだからな。それは無くせないな!!」
「あはは。俺はお前のそういう所が大好きだ」
そして、視線の先では桐崎さんと流が仲良さそうに話してる姿も見えた。
永久と同じように、流は桐崎さんにタオルとドリンクを渡していた。
応援の時に、彼女の『名前』を叫んでいたこと。
彼なりの勇気を感じたな。
「私も喉が渇いたわ。あんたのそれを寄越しなさい」
「……あ」
少しだけ油断していた俺の隙を狙って、凛音がスポーツドリンクの入ったボトルを奪った。
そして、俺が飲んでいたストローをそのまま使ってドリンクを飲んでいた。
「ぷはぁ!!やっぱり身体を動かしたあとのドリンクは美味しいわね!!」
「人の物を勝手に奪うなよ……」
「回し飲みなんて昔から良くやってたじゃない?なによ、霧都。今更恥ずかしいとか気にする訳?」
「いや、そういう訳じゃ無いけどな……」
ボトルを返してもらった俺は、何となくそのまま飲むのも永久に悪いと思ったので、飲み口を軽く指で拭ってから続きを飲んだ。
それを見ていた凛音が少しだけ表情を歪ませていたけど、気にしないことにした。
「お疲れ様、桜井くん!!見事にリベンジを果たしたね!!」
「はい。ありがとうございます。三郷先輩も実況お疲れ様です。とても良い放送だったと思います」
放送席に戻った俺を、先輩は笑顔で迎えてくれた。
「桐崎くんも本職の陸上部を抜いてリレーで一位になってたからね。生徒会では何か秘密のトレーニングでもしてるのかな!?」
「あはは。そんなのは無いですよ」
そう。桐崎先輩も俺と同じで男女混合リレーに参加していた。
短距離走は武藤先輩に譲ってたみたいだけど。
そして、二年連続でアンカーを務めて、二年連続で同じ陸上部の短距離走選手を抜いて一位になっていたようだ。
勉強も運動も出来て、彼女と愛人も居る。
なんて言うか、ハーレムラブコメの主人公みたいな人だよな。
「あとは残すところは綱引きだけですね。赤組優勢な感じですけど、勝敗はまだ分かりませんね」
「そうだね。この綱引きで全てが決まる!!まずは一年生から始まるからね。頑張ってね、桜井くん。組の垣根を超えて応援してあげるよ!!」
三郷先輩はそう言って拳を握って笑顔で言ってくれた。
「ありがとうございます、三郷先輩。俺も三年生の試合の時には組の垣根を超えて先輩を応援しますよ!!」
「それは嬉しいね。じゃあ桜井くん、怪我をしないように気をつけて。桐崎くんは去年この種目で倒れて救急車で運ばれたからね」
「あはは。二年連続でそんなことにはならないように気を付けます」
俺はそう言って三郷先輩に別れを告げた。
そして、最後の種目。綱引きのために自分のクラスへと足を運んだ。
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