十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶

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第2章 後編

第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ③

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 第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ③




 教室でこの上なく不道徳な行為を楽しんだ後、俺と永久さんは生徒会室へとやって来た。

「じゃあ、ノックをしてから入ろうか」
「ふふふ。そうですね」

 俺と永久さんはそう言うと、生徒会室の扉をノックした。

 コンコン

 と叩くと、中から
『気を使わせて悪かったな!!入ってきていいぞ』
 と桐崎先輩の声が聞こえてきた。

「あはは……わかってたみたいだね」
「そうですね。ですが先輩方のお陰で、霧都くんと逢瀬を楽しめたので良かったとも思えます」

 そ、そうか……

 俺は少しだけ苦笑いを浮かべながら、生徒会室の扉を開けた。

「おはようございます。桐崎先輩」
「おはようございます。詩織先輩」

 朝の挨拶をしながら中に入ると、『少しも衣類が乱れていない』二人の先輩が居た。

「おはようございます。永久さん。ふふふ、存分に楽しめたようですね?」
「はい。詩織先輩のお陰です。ありがとうございます」

 黒瀬先輩の言葉に、永久さんがお礼と共に頭を下げていた。

 ……いつの間にか名前で呼ぶ間柄になっていたんだな。

 そして、二人のそんな会話を聞いて俺は理解した。

 そうか……
『生徒会室での二人の蜜月の時間を邪魔しないため』
 というのは建前だったんだな。

 いや、もしかしたら黒瀬先輩と手を組んでいたのかもしれない。

 永久さんは元々俺と教室でああいう事をするつもりで、最初からいたんだな。

 はあ……してやられたというかなんと言うか……

「どうした、桜井。朝から疲れた顔をしてるな」
「いえ、女の子って凄いなぁって思ってただけですよ」

 俺がそう言うと、桐崎先輩はケラケラと笑いながら言葉を返した。

「そりゃあそうだろ。俺だって朱里と詩織さんには全く頭が上がらないんだからな」

 そして、そんな会話をした後に、生徒会としての確認業務が始まった。




 二十分程の時間をかけて、一通りの確認業務を終えたあと、俺は桐崎先輩に話を振った。

「そう言えば桐崎先輩。当日には俺になにか仕事を振る。と言う話をしていましたね。一体何をすればいいんですか?」
「あぁ、そうだったな。済まない、伝えるのを忘れていたな」

「選手宣誓の挨拶をする。とかを予想してましたが、どうでしょうか?」

 俺がそう言うと、桐崎先輩は笑いながら手を振った。

「いや、最初はそれにしようかと思ったが、流石に選手宣誓を庶務にやらせるのは問題があると思ったからな。それは俺がやることにした」
「な、なるほど……」

 俺がそう言うと、桐崎先輩はニヤリと笑って言葉を続けた。

 あ、とても嫌な予感がする……

「桜井には放送席に行ってもらって、体育祭の実況をやって貰おうと考えている。ちなみに、相方は放送部の三郷さんだ」
「…………マジですか」

 放送席で体育祭の実況をやる。
 それだけでも頭が痛いのに、その相方が三郷先輩なのか……

 隣の永久さんをちらりと覗き見ると、

「ふふふ。そうですか、三郷先輩と一緒に放送席で実況ですか……」

 ハイライトの消えた瞳で、永久さんがそう呟いていた。

「と、永久さん。特に何があるとかそう言うのは無いから安心して欲しいかな?」
「そうですね。この程度のことでモヤモヤしていては正妻としての余裕が足りてないと思いますからね」

 俺の言葉に、永久さんはそう言って頬笑みを浮かべていた。

「よし。それでは生徒会としての仕事はこれで終わりだ。桜井と北島さんはこの後は実行委員としての仕事だったな?」
「はい、そうです」
「はい。この後はグラウンドに行って各種の確認業務になります」

 桐崎先輩の言葉に俺と永久さんは首を縦に振った。

「この部屋の戸締りは俺と詩織さんでやっておくからな。お前たちはそのままグラウンドに行って構わないぞ」

 あはは……これは体よく追い出されてるな……

 隣の永久さんを見ると、同じように苦笑いを浮かべていた。

「了解しました。それでは自分と永久さんはこれで失礼します」
「桐崎先輩に黒瀬先輩。戸締りはよろしくお願いします」

 俺と永久さんはそう言って生徒会室を後にした。

 そして、少しすると……

 ガチャリ……

 と内側から鍵が掛る音が廊下に響いた。

「…………教室で君とキスをするのも不道徳だと思ったけど、あの先輩たちに比べたら全然なのかもしれない。とか思うのは、毒されてるのかな……」
「ふふふ。私は霧都くんが求めてくれるのでしたら、どこでも構いませんが?」


 そんなことを言う永久さんだったが、俺は彼女の目を見て答えた。


「俺以外に君の淫らな姿は見せたくないな。だから人目は十分に気をつけたいとは思ってる」
「ふふふ。そうですね。キス以上の行為は、私も貴方以外の人には見られたくありませんから」

 そんな会話をしながら廊下を歩く。

「霧都くん……誰も居ませんよ?」
「…………そうだね」

 永久さんはそう言うと、俺の身体をギュッと抱きしめる。

「…………この後はもう出来ませんからね。最後にもう一度お願いしてもいいですか?」
「あはは……良いよ。君に求められて、嬉しくないわけがないじゃないか」

 俺はそう言って、永久さんと唇を重ね合う。

 今日だけで何回目だろうな……
 もうわからないや。

 そんなことを思いながら、俺は彼女の味を堪能した。
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