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第2章 前編
第十七話 ~彼女から俺がどれだけモテてるかを力説されました~
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第十七話
一時間目の授業が終わり、俺は先程話していたように、永久さんと一緒に放送部の部長の居る三年生の教室へと向かった。
桐崎さんには原稿を依頼している。
きっと堅苦しいだけでなく、少しだけのユーモアを含んだものを作ってくれると思う。
真面目。とは言ってるものの、それ一辺倒では飽きられてしまう。そこら辺の塩梅は、お兄さん譲りの能力で上手くやってくれると思ってる。
『三年一組』
放送部の部長。三郷(みさと)先輩の居る三年一組の教室へと辿り着く。
以前。予算会議の時の案内の時に挨拶をしたのは記憶に新しい。
それと、この三郷先輩は俺が生徒会室の窓ガラスを割ってしまった時、桐崎先輩に頭を下げてるのを見てから、
『桜井くんを支援しよう会』
を作ってくれた人だ。
お陰で割った窓ガラス代はその支援のお陰で払うことが出来た。まぁ、俺に請求されるってことは無かったそうだけど。
そんなこともあり、俺はこの人にはかなりの恩義を感じている。
ガラリと教室の扉を開け、俺は中に居る先輩たちに声をかける。
「おはようございます!!生徒会の庶務をしています、桜井霧都です!!三郷先輩はいらっしゃいますか?」
そんな俺を見た桐崎先輩は満足そうに笑ってくれている。
やはりきちんと挨拶に来たのは正解だったんだな。
そう思っていると、
「おはよう、桜井くん。私をお呼びかな?」
そう言って俺のところに歩いてきたのは、三郷由美(みさとゆみ)先輩だ。
「はい。桐崎先輩から既に話は伺っているかと思いますが、予算会議の告知放送についてです」
「今日の放課後の件だね。生徒会長から言われてる通り、きちんと今日の昼の放送枠は確保してあるよ。去年は飛び入りだったから、大変だったけどね」
三郷先輩はそう言うと、桐崎先輩に視線を飛ばした。
それを先輩は
『前任の部長は好きな子に良い格好を見せられたんだから良かったんじゃないかな?』
と笑いながら言い返した。
「はぁ。まぁ一年前の話はいいよね。で、その話でどうしたのかな?」
「その昼の放送ですが、自分たち一年生組で行うことになりました。ここにはその挨拶に来ました」
俺のその言葉で、永久さんも横に来て三郷先輩に頭を下げた。
「お初にお目に掛かります。生徒会の会計をしております。北島永久と申します。桜井霧都くんとは男女交際をしている間柄です」
「と、永久さん!?」
『ぶは!!』
『あはは。北島永久さんって結構面白い子だね』
『ふふふ。私のアドバイスを守ってる可愛い後輩ですよ』
彼女のその言葉に俺は驚き、桐崎先輩は吹き出して笑っていた。
「あはは。なかなか個性的な一年生が生徒会には入ってるね……」
三郷先輩は永久さんのその言葉に苦笑いを浮かべている。
「霧都くんの支援会を作ってくれたのは感謝しております。お陰で多数の女性の先輩からたくさんの支援金が彼に集まってきてますから」
「彼が桐崎くんに頭を下げてるのを見たからね。何とかしてあげようと、先輩として一肌脱いであげただけだよ」
「他意は無い……と?」
「と、永久さん!?」
結構失礼な発言かと思うけど、三郷先輩は笑いながら答える。
「私には一応付き合ってる彼氏がいるんだよね。どっかの二股ハーレムクソ野郎の生徒会長みたいに浮気をするつもりは無いから安心して欲しいかな?」
『俺は浮気はしてないぞー』
『浮気はしてないよね』
『二股ハーレムクソ野郎は事実ですが』
なんて言う声が聞こえてきたけど、無視しておこう……
「なるほど。それは失礼しました」
永久さんはそう言うと、三郷先輩に頭を下げた。
「あはは。私も北島さんの気持ちはわかるからさ。彼氏に近寄る女は気になるよね」
「そうですね。霧都くんはかっこいいので」
……もうつっこむのも疲れたよ
そして、休み時間の終わりを知らせる予鈴が鳴った。
「それでは三郷先輩。失礼します」
「うん。じゃあ昼は頑張ってね。桜井くん、北島さん」
「はい。どうもありがとうございました」
俺と永久さんは一礼して三年一組の教室を後にした。
三年生の教室を後にして、自分のクラスへと戻る途中。
永久さんに俺は笑いながら話をした。
「突然永久さんが交際してますって言ったのは驚いちゃったよ」
「霧都くんの周りには色々な女性が寄ってきてますからね。先手先手で動いて行かないといけないと思っています」
「か、買いかぶりだと思うんだけどなぁ……」
「はぁ……霧都くんは自分がどれだけモテてるかわかってないんですね……」
いや。モテてるのは永久さんとか桐崎さんとか、あとはまぁ凛音とかだと思うんだけどなぁ……
「背が高くて筋肉質な身体。清潔感もあって制服の着こなしも模範的。素直な性格で発言もハキハキしていて聞き取りやすいです。そして明るくて元気です。こういう人を好む女性は少なくないです」
「な、なるほど……」
「特に年上の女性は霧都くんみたいな男の子を好みやすいです。ふぅ……ライバルは南野さんだけでは無いという訳ですね」
「まぁ、俺が好きなのは君だけだし。桐崎先輩みたいに二股とかするつもりは微塵も無いよ」
「ありがとうございます。それを聞けて少しだけ安心しました」
「少しだけ。なんだね。もっと安心させてあげたいかな?」
俺はそう言うと、永久さんの身体を抱きしめる。
「キスしていい?」
「ふふふ。いいですよ?」
誰も見ていない廊下の片隅で、俺と永久さんはキスをした。
俺が愛してるのは君だけだよ。
そう、気持ちを込めて。
一時間目の授業が終わり、俺は先程話していたように、永久さんと一緒に放送部の部長の居る三年生の教室へと向かった。
桐崎さんには原稿を依頼している。
きっと堅苦しいだけでなく、少しだけのユーモアを含んだものを作ってくれると思う。
真面目。とは言ってるものの、それ一辺倒では飽きられてしまう。そこら辺の塩梅は、お兄さん譲りの能力で上手くやってくれると思ってる。
『三年一組』
放送部の部長。三郷(みさと)先輩の居る三年一組の教室へと辿り着く。
以前。予算会議の時の案内の時に挨拶をしたのは記憶に新しい。
それと、この三郷先輩は俺が生徒会室の窓ガラスを割ってしまった時、桐崎先輩に頭を下げてるのを見てから、
『桜井くんを支援しよう会』
を作ってくれた人だ。
お陰で割った窓ガラス代はその支援のお陰で払うことが出来た。まぁ、俺に請求されるってことは無かったそうだけど。
そんなこともあり、俺はこの人にはかなりの恩義を感じている。
ガラリと教室の扉を開け、俺は中に居る先輩たちに声をかける。
「おはようございます!!生徒会の庶務をしています、桜井霧都です!!三郷先輩はいらっしゃいますか?」
そんな俺を見た桐崎先輩は満足そうに笑ってくれている。
やはりきちんと挨拶に来たのは正解だったんだな。
そう思っていると、
「おはよう、桜井くん。私をお呼びかな?」
そう言って俺のところに歩いてきたのは、三郷由美(みさとゆみ)先輩だ。
「はい。桐崎先輩から既に話は伺っているかと思いますが、予算会議の告知放送についてです」
「今日の放課後の件だね。生徒会長から言われてる通り、きちんと今日の昼の放送枠は確保してあるよ。去年は飛び入りだったから、大変だったけどね」
三郷先輩はそう言うと、桐崎先輩に視線を飛ばした。
それを先輩は
『前任の部長は好きな子に良い格好を見せられたんだから良かったんじゃないかな?』
と笑いながら言い返した。
「はぁ。まぁ一年前の話はいいよね。で、その話でどうしたのかな?」
「その昼の放送ですが、自分たち一年生組で行うことになりました。ここにはその挨拶に来ました」
俺のその言葉で、永久さんも横に来て三郷先輩に頭を下げた。
「お初にお目に掛かります。生徒会の会計をしております。北島永久と申します。桜井霧都くんとは男女交際をしている間柄です」
「と、永久さん!?」
『ぶは!!』
『あはは。北島永久さんって結構面白い子だね』
『ふふふ。私のアドバイスを守ってる可愛い後輩ですよ』
彼女のその言葉に俺は驚き、桐崎先輩は吹き出して笑っていた。
「あはは。なかなか個性的な一年生が生徒会には入ってるね……」
三郷先輩は永久さんのその言葉に苦笑いを浮かべている。
「霧都くんの支援会を作ってくれたのは感謝しております。お陰で多数の女性の先輩からたくさんの支援金が彼に集まってきてますから」
「彼が桐崎くんに頭を下げてるのを見たからね。何とかしてあげようと、先輩として一肌脱いであげただけだよ」
「他意は無い……と?」
「と、永久さん!?」
結構失礼な発言かと思うけど、三郷先輩は笑いながら答える。
「私には一応付き合ってる彼氏がいるんだよね。どっかの二股ハーレムクソ野郎の生徒会長みたいに浮気をするつもりは無いから安心して欲しいかな?」
『俺は浮気はしてないぞー』
『浮気はしてないよね』
『二股ハーレムクソ野郎は事実ですが』
なんて言う声が聞こえてきたけど、無視しておこう……
「なるほど。それは失礼しました」
永久さんはそう言うと、三郷先輩に頭を下げた。
「あはは。私も北島さんの気持ちはわかるからさ。彼氏に近寄る女は気になるよね」
「そうですね。霧都くんはかっこいいので」
……もうつっこむのも疲れたよ
そして、休み時間の終わりを知らせる予鈴が鳴った。
「それでは三郷先輩。失礼します」
「うん。じゃあ昼は頑張ってね。桜井くん、北島さん」
「はい。どうもありがとうございました」
俺と永久さんは一礼して三年一組の教室を後にした。
三年生の教室を後にして、自分のクラスへと戻る途中。
永久さんに俺は笑いながら話をした。
「突然永久さんが交際してますって言ったのは驚いちゃったよ」
「霧都くんの周りには色々な女性が寄ってきてますからね。先手先手で動いて行かないといけないと思っています」
「か、買いかぶりだと思うんだけどなぁ……」
「はぁ……霧都くんは自分がどれだけモテてるかわかってないんですね……」
いや。モテてるのは永久さんとか桐崎さんとか、あとはまぁ凛音とかだと思うんだけどなぁ……
「背が高くて筋肉質な身体。清潔感もあって制服の着こなしも模範的。素直な性格で発言もハキハキしていて聞き取りやすいです。そして明るくて元気です。こういう人を好む女性は少なくないです」
「な、なるほど……」
「特に年上の女性は霧都くんみたいな男の子を好みやすいです。ふぅ……ライバルは南野さんだけでは無いという訳ですね」
「まぁ、俺が好きなのは君だけだし。桐崎先輩みたいに二股とかするつもりは微塵も無いよ」
「ありがとうございます。それを聞けて少しだけ安心しました」
「少しだけ。なんだね。もっと安心させてあげたいかな?」
俺はそう言うと、永久さんの身体を抱きしめる。
「キスしていい?」
「ふふふ。いいですよ?」
誰も見ていない廊下の片隅で、俺と永久さんはキスをした。
俺が愛してるのは君だけだよ。
そう、気持ちを込めて。
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