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第2章 前編
第十話 ~永久さんとの二回目のデート・俺が知らないところで色々と話が進んでいました~
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第十話
「昼ごはんなんだけど、ここで取ろうと思うんだ」
「ランド・テラスですね。ここは結構お手頃な価格ですからね」
俺と永久さんはそう話をして、ファーストフードが有名なお店に入った。
ここは学生にも人気の高いリーズナブルな食事が出来る場所。そして、もうひとつ。ここの店のテラス席は穴場になっている。
俺と永久さんは昼ごはんを買って、テラス席へと移動する。
「俺が調べた時なんだけど、ここのテラス席。パレードが観れるんだって。ちょうどパレードが始まる時間だからさ、観ながら食べようよ」
「色々調べてくれているんですね!!ありがとうございます!!」
「あはは。このくらい当然だよ」
そんな会話をしながら食事をしていると、
「あ!!パレードです!!」
「本当にここからだと良く見えるね」
ここのテラス席は確かにパレードを観るには絶好の場所と言えた。
「ふふふ。霧都くん。私、すごく楽しいです」
「うん。俺もすごく楽しいよ。来て良かったね」
食事を終えた俺と永久さんは、少しだけのんびりとしながら、席に座っていた。
「この後はアトラクションを回って、ショーを観たらお土産を買って帰る感じだね」
俺が飲み物をストローで吸いながらそう言うと、永久さんが微笑みながら言ってきた。
「実は、今日は霧都くんと泊まります。と両親には話をしてあります」
「………………え?」
す、少し荷物の量が多いかなぁとは思ってたけど、女の子はそう言うものなのかなと思ってた……
「そ、そんな話は初めて聞いたんだけど……その、夢の国のホテルってめちゃくちゃ高いよ?」
「はい。泊まるのは霧都くんのご自宅です。美鈴さんは私の自宅に泊まるので、今は向かっているところです。私の両親が彼女のことを気に入っているようですので。ふふふ。ヤキモチを妬いてしまいます」
……え?それって俺の家に永久さんと二人っきりになるってこと!?
「ま、待って!!ほんとそれ本気なの!?俺が知らないところでめちゃくちゃ話が進んでるのなんで!?」
「サプライズです」
サプライズって言えば全部許されると思われてないかな!?
「ゆ、夕飯とかは……」
「ふふふ。私の手料理を振る舞いたいと思います」
「え、えーと。その、明日は学校なんだけど……」
「制服も持ってきています」
「通学とかは……」
「一緒に家を出ましょう?」
だ。ダメだ……逃げ場が無いぞ……
「そ、その……高校生の男女が二人で一晩過ごすのは」
「交際してるのですから普通かと思いますよ?」
そこまで言ったところで、永久さんが少しだけ寂しそうな表情をする。
「霧都くんは……その、嫌ですか……?」
「い、嫌じゃないよ!!」
俺がそう言うと、永久さんは安心したように息を吐いた。
「良かったです……少し、不安でした」
「その……俺も男だし……健全な男子高校生だからさ……」
俺のその言葉に、永久さんがニタリと嗤う。
……え。君のそんな笑い顔。初めて見た。
「ふふふ。私は構いませんよ?」
「……いや」
「好きな人に求められたい。という気持ちは女の子にだってあるんですよ?」
「…………そうか」
俺はそう言うと、氷を入れて無いぬるくなったコーラを飲み干した。
「さて、そろそろお店を出ないと他のお客さんに迷惑になってしまいますね」
「そうだね、そろそろ他のアトラクションとかも回ってみようか」
俺と永久さんはそう言って席を立つ。
パレードも終わったのでお店の前に居た人集りも落ち着いてきた頃だった。
そして、手を繋いで外に出た。
「えっと……次は……」
俺がそう言ってスマホを取りだして、画面を見ていると、
「隙ありです」
チュッ
「……あ」
俺の頬に永久さんがキスをしてきた。
「ふふふ。霧都くん、大好きです」
「あはは。俺も大好きだよ、永久さん」
こういう可愛いサプライズなら大歓迎なんだけどな。
その、いきなりお泊まりとか、二人きりっていうのはちょっと……
そんなことを考えながら俺と永久さんは時間の許す限りのアトラクションを楽しんだ。
「昼ごはんなんだけど、ここで取ろうと思うんだ」
「ランド・テラスですね。ここは結構お手頃な価格ですからね」
俺と永久さんはそう話をして、ファーストフードが有名なお店に入った。
ここは学生にも人気の高いリーズナブルな食事が出来る場所。そして、もうひとつ。ここの店のテラス席は穴場になっている。
俺と永久さんは昼ごはんを買って、テラス席へと移動する。
「俺が調べた時なんだけど、ここのテラス席。パレードが観れるんだって。ちょうどパレードが始まる時間だからさ、観ながら食べようよ」
「色々調べてくれているんですね!!ありがとうございます!!」
「あはは。このくらい当然だよ」
そんな会話をしながら食事をしていると、
「あ!!パレードです!!」
「本当にここからだと良く見えるね」
ここのテラス席は確かにパレードを観るには絶好の場所と言えた。
「ふふふ。霧都くん。私、すごく楽しいです」
「うん。俺もすごく楽しいよ。来て良かったね」
食事を終えた俺と永久さんは、少しだけのんびりとしながら、席に座っていた。
「この後はアトラクションを回って、ショーを観たらお土産を買って帰る感じだね」
俺が飲み物をストローで吸いながらそう言うと、永久さんが微笑みながら言ってきた。
「実は、今日は霧都くんと泊まります。と両親には話をしてあります」
「………………え?」
す、少し荷物の量が多いかなぁとは思ってたけど、女の子はそう言うものなのかなと思ってた……
「そ、そんな話は初めて聞いたんだけど……その、夢の国のホテルってめちゃくちゃ高いよ?」
「はい。泊まるのは霧都くんのご自宅です。美鈴さんは私の自宅に泊まるので、今は向かっているところです。私の両親が彼女のことを気に入っているようですので。ふふふ。ヤキモチを妬いてしまいます」
……え?それって俺の家に永久さんと二人っきりになるってこと!?
「ま、待って!!ほんとそれ本気なの!?俺が知らないところでめちゃくちゃ話が進んでるのなんで!?」
「サプライズです」
サプライズって言えば全部許されると思われてないかな!?
「ゆ、夕飯とかは……」
「ふふふ。私の手料理を振る舞いたいと思います」
「え、えーと。その、明日は学校なんだけど……」
「制服も持ってきています」
「通学とかは……」
「一緒に家を出ましょう?」
だ。ダメだ……逃げ場が無いぞ……
「そ、その……高校生の男女が二人で一晩過ごすのは」
「交際してるのですから普通かと思いますよ?」
そこまで言ったところで、永久さんが少しだけ寂しそうな表情をする。
「霧都くんは……その、嫌ですか……?」
「い、嫌じゃないよ!!」
俺がそう言うと、永久さんは安心したように息を吐いた。
「良かったです……少し、不安でした」
「その……俺も男だし……健全な男子高校生だからさ……」
俺のその言葉に、永久さんがニタリと嗤う。
……え。君のそんな笑い顔。初めて見た。
「ふふふ。私は構いませんよ?」
「……いや」
「好きな人に求められたい。という気持ちは女の子にだってあるんですよ?」
「…………そうか」
俺はそう言うと、氷を入れて無いぬるくなったコーラを飲み干した。
「さて、そろそろお店を出ないと他のお客さんに迷惑になってしまいますね」
「そうだね、そろそろ他のアトラクションとかも回ってみようか」
俺と永久さんはそう言って席を立つ。
パレードも終わったのでお店の前に居た人集りも落ち着いてきた頃だった。
そして、手を繋いで外に出た。
「えっと……次は……」
俺がそう言ってスマホを取りだして、画面を見ていると、
「隙ありです」
チュッ
「……あ」
俺の頬に永久さんがキスをしてきた。
「ふふふ。霧都くん、大好きです」
「あはは。俺も大好きだよ、永久さん」
こういう可愛いサプライズなら大歓迎なんだけどな。
その、いきなりお泊まりとか、二人きりっていうのはちょっと……
そんなことを考えながら俺と永久さんは時間の許す限りのアトラクションを楽しんだ。
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