十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶

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第2章 前編

第九話 ~永久さんとの二回目のデート・様変わりした夢の国に少しだけ驚きました~

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 第九話




「初めての経験だったけど、写真を撮ってもらうってのは意外と楽しいと思ったよ」
「そうですね。私も最初は少し緊張してしまいましたけど、最後は少しノリノリになってしまいました」

 電車に乗って夢の国はと向かう途中。俺と永久さんは、先程の撮影会のことを思い出していた。


『うん!!ありがとう、二人とも。お陰で良い写真が撮れたよ!!』

 佐々木さんは、そう言うと笑顔で二枚のチケットを俺に渡してきた。

『ありがとうございます。ありがたく使わせてもらいます』
『あはは。浮いたお金でうちの雑誌でも買ってくれたら嬉しいよ』

『はい。是非、買わせてもらいますね!!』
『来月号の『街角で見つけたラブラブカップル』という企画に載せさせて貰う予定だから』

『あはは。少し恥ずかしいですけど、貴重な体験が出来ました。ありがとうございます』

 俺はそう言って佐々木さんに頭を下げた。

『それじゃあ桜井くん、北島さん。デートを楽しんで来てくれたまえ!!』

 佐々木さんはそう言うと、手を振りながら俺たちの前から立ち去った。


「まぁでも、貴重な体験が出来て良かったよね」
「はい。そうですね。それに、このペアチケットも買ったら結構なお値段がしますよ」

「雑誌一冊分では到底届かない値段だよね。まぁでも、ありがたく使わせてもらおうか」
「はい!!」

 そうしているの、乗り換えの駅に着く。

「ここで乗り換えだね」
「そうですね、乗る電車を間違えないようにしましょう」

 俺と永久さんは手を繋いで電車を降りる。

 そして、スマホの乗り換えナビを確認しながら、次の電車に乗り換える。

「これで合ってるね」
「はい。大丈夫だと思います」

 車両の中にある路線図を確認して、浜舞駅に向かっていることを確認する。

「あとはこの電車に乗ってれば着くね」
「はい。今から楽しみです!!」

 俺と永久さんは会話を楽しみながら電車の中で時間を過ごす。

「そう言えば、あそこは食べ物の持ち込みが禁止なんだよね」
「そうなんです。ピクニックエリアと言うパークの外でなら食べられるのですが、再入園とか手続きか大変なので持って来てません」

 永久さんはそう言うと、少しだけ小さくため息をついた。

「本当はお弁当を持参して、霧都くんに私の手料理を振る舞いたかったのですが、残念です」
「あはは。永久さんの手料理はまたの機会に楽しみにしてるよ」

「はい!!自慢の料理を霧都くんにお出ししますね!!」

 なんて話をしていると、最寄り駅に到着した。



『浜舞駅』


 俺と永久さんは手を繋いで電車を降りる。

 改札口で料金を支払い、しばらく歩くと夢の国の入り口が見えてきた。

 耳をつけた人や夢の国をモチーフにした服装をした人がかなり多く見える。

 こういうのを見ると、ここに来たなという気分になるよな。

 俺と永久さんはエントランスで係の人にチケットを見せる。

「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

『はい。確認出来ました。どうぞ素敵な旅のひと時をお楽しみください』

 俺と永久さんは係の人に見送られ、中へと足を踏み入れる。

「「わぁー」」

 目の前に広がる夢の国。現実世界でありながら、異世界のような雰囲気に、俺と永久さんは感嘆の息を吐いた。

「テンションが上がりますね!!」
「そうだね。じゃあまずはエントリー受付をして、スタンバイパスを取ろうか……」

 スマホを出してアプリを起動する。
 事前にダウンロードしておくのが基本だ。

「ショーは夕方の方の時間帯で登録を希望でいいかな?」
「はい。お楽しみは最後に取っておくタイプです」

「あはは……俺もそうなんだよね……あ、結果が出た ……うん。良かった。抽選が通ったよ」
「私が子供の時にした時と、随分と使用が変わりましたよね」

「そうだね。俺の時はファストパスってのを取ってたよ。今はそれが無くなってるからね」

 事前にこのアプリをダウンロードするのだって初めて知ったからな。
 調べておいて本当に良かった。

「よし、じゃあスタンバイパスで取れたアトラクションから楽しんで行こうか!!」
「はい!!」


 俺と永久さんは随分と様変わりした夢の国を、スマホ片手に楽しんで行った。


『マウンテン・スプラッシュ』


「まずはこれに乗らないと始まらないよね」
「そうですね。ここに来たらやはりコレです」

 俺と永久さんは目玉アトラクションに胸を躍らせていた。

「永久さんは絶叫系とかは平気はタイプ?」
「そうですね、過激なのは少し苦手ですが、正直な話。このアトラクションを絶叫系と呼ぶのはちょっと違うかなと思いますよね」

「あはは。確かにそうだよね。テラー・タワーとかの方がもう少し怖いかもね」
「そうですね。これに乗ったらそっちも行きましょう!!」

 そんな話をしながら、俺と永久さんはアトラクションを楽しんでいく。

 時間を忘れるような楽しいひととき。

『耳を買って着けようと思います』
『あはは、とても良く似合ってるよ!!』

『チュロスは二人で違う味を買って食べ比べをしようか』
『はい!!私はシナモンを買いますね』

『あ!!○ッ○ーが居た!!写真を撮りに行こうよ!!』
『はい!!あれはなかなか会えませんからね!!』




 そうしていると、お昼ご飯を食べるような時間になっていた。

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