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第2章 前編
第七話 ~流から恋愛相談を受けました~
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第七話
夜。夕飯と風呂を終えた俺は自室へと戻って来ていた。
父親と母親はまだ戻ってきていない。
多分来週くらいになるだろう。ってメッセージが来ていた。まぁ、特に問題なく生活は出来るので、しっかりとした作品を世に出して欲しいとは思う。
美鈴は自室に戻って勉強をしている。
出来の悪い俺と違って、かなり優秀な美鈴。
来年は海皇高校を受験する。と公言している。
『お兄ちゃんと同じ高校に行くのは当然だよ!!』
と言っていた。美鈴の学力なら問題無く受験は成功すると思っている。
『待たせたな、流。いつでも電話して平気だぜ』
俺はそうメッセージを送った。
彼からの相談はいつもライジンのチャットで行っていた。
こうしてリアルを通して友人……いや親友になれたので、電話でやり取りをすることになった。
『ありがとう、霧都。じゃあ今から電話するよ』
と返信が来た。
そして、すぐに俺のスマホが流からの着信を伝える。
俺はすぐにそれに応えた。
『こんばんは。夜分にごめんね、霧都』
「気にすんなよ、流。親友だろ?」
申し訳なさそうな声の流に、俺は笑いながらそう話した。
『あはは。そう言ってくれると助かるよ』
「それで、俺に相談したいことってなんだよ?」
俺がそう話を切り出すと、流は少しだけ言いにくそうに話を始めた。
『そ、その……恋愛相談をしたいんだ』
「なるほどね。桐崎さんとどうしたら仲良くなれるか?って所かな」
『な、なんで相手がわかるのかな!?』
動揺する流。もう答えを言ってるようなものじゃないか。
「いや、あの様子を見てわからないほど、俺はバカじゃないし……」
『そ、そんなにわかり易かったかな?』
「うん。俺も永久さんも見て一発でわかったよ」
『あはは……』
「それで?休日にショッピングモールで仲よくご飯を食べるくらいに仲良しの二人に、俺は何を助言すれば良いんだ?」
『そ、そこまで見ていたのかよ!?』
驚く流に俺は笑いながら言う。
「その日にさ、俺も永久さんとショッピングモールでデートをしてたんだよ。たまたまご飯の時間が合ってたんだろうな。お前と桐崎さんの一幕は見てたよ」
『あはは……てことはさ、わかるだろ……』
情けないところを見せてしまった。俺はもっと強くなりたい。力が欲しいんだ。
「厨二病はまだ卒業出来てない感じか?」
『あまりからかわないでくれないかな!!』
「あはは。ごめんごめん。どうしてもチャットの時の感覚が抜けなくてさ」
『その気持ちはわかるけどさ。俺も本気なんだ』
「内気な性格を治すために、体育祭の実行委員になったりもしてたな」
『そうなんだ。あとはさ、筋肉を付けて、舐められないようにしたい』
「なるほどね。確かに流はひょろっちいよな」
『返す言葉も無いよ……』
「恋愛相談の前にトレーニング方法とか聞きたい感じ?」
『そうだね。とりあえず君を目標に身体を鍛えたいと思ってるんだ』
「俺を目標に!?」
『うん。君は背も高いし、身体もしっかりしてる。俺の理想なんだよね』
「それは照れるな。でも……そうだな。俺を目指すって言うなら……一緒にトレーニングするか?」
『良いのかい!?』
「うん。俺もちょっと鍛え直そうかなって思ってたからね」
武藤先輩にホームランを叩き込まれたのは悔しい。
次は勝ちたいからな。
もう少し自主トレの強度を上げていこうと思ってた。
「体育祭もあるからな。そうだ、永久さんや桐崎さんも誘って皆でトレーニングするか」
凛音はバスケ部の朝練があるだろうからな。
『親睦を深めることも出来て、身体も鍛えられる。一石二鳥だね!!』
「あはは、だろう?」
俺はちょっといい気分になりながらそう話した。
「あとはさ、流はもう少し飯を多く食べた方がいいぞ」
『ご飯を?それはなにか理由があるのか』
「筋肉をつけるにはまずは元になる『肉』が無いとつかないんだよ。しっかりと食べて身体に肉をつけていかないと、俺みたいにがっしりとした身体にはならない。『細マッチョ』を目指してるなら話は別だけどさ」
『体質的に肉が付きにくい部分はあるけど、そうだね。もっと沢山食べることにするよ』
「あとはさ、お兄さんから話を聞いた方が良いよ」
『明兄さんから?』
「そうそう。サッカー部のエースストライカーだろ?絶対自主トレはしてるはずだよ。自宅で出来るトレーニングは詳しいと思う。それに、兄弟仲は悪くないだろ?」
『あぁ。兄さんは俺が尊敬している人の筆頭だ』
「俺は妹が居るけど、下から頼られるとやっぱり嬉しいものだよ。コミュニケーションの一つとして話をするといいよ」
『わかった。ありがとう、霧都。参考になったよ』
「あはは。流の助けになれたのなら良かったよ」
俺はそう言うと、時計を見た。
時間は二十一時だった。
うん。悪くない時間だな。
「よし、『スター』!!」
『OK『ブラザー』!!』
「『ライジンやろうぜ!!』」
俺と流は電話を切ると、それから二時間ほどオンラインゲームをして遊んだ。
永久さんに話をして、明日から早朝トレーニングをしないか?と聞いてみよう。
場所は……あの公園にしようかな。
四人が身体を動かすにはちょうど良いスペースだと思うし。
そんなことを考えながらライジンをプレイしていた。
夜。夕飯と風呂を終えた俺は自室へと戻って来ていた。
父親と母親はまだ戻ってきていない。
多分来週くらいになるだろう。ってメッセージが来ていた。まぁ、特に問題なく生活は出来るので、しっかりとした作品を世に出して欲しいとは思う。
美鈴は自室に戻って勉強をしている。
出来の悪い俺と違って、かなり優秀な美鈴。
来年は海皇高校を受験する。と公言している。
『お兄ちゃんと同じ高校に行くのは当然だよ!!』
と言っていた。美鈴の学力なら問題無く受験は成功すると思っている。
『待たせたな、流。いつでも電話して平気だぜ』
俺はそうメッセージを送った。
彼からの相談はいつもライジンのチャットで行っていた。
こうしてリアルを通して友人……いや親友になれたので、電話でやり取りをすることになった。
『ありがとう、霧都。じゃあ今から電話するよ』
と返信が来た。
そして、すぐに俺のスマホが流からの着信を伝える。
俺はすぐにそれに応えた。
『こんばんは。夜分にごめんね、霧都』
「気にすんなよ、流。親友だろ?」
申し訳なさそうな声の流に、俺は笑いながらそう話した。
『あはは。そう言ってくれると助かるよ』
「それで、俺に相談したいことってなんだよ?」
俺がそう話を切り出すと、流は少しだけ言いにくそうに話を始めた。
『そ、その……恋愛相談をしたいんだ』
「なるほどね。桐崎さんとどうしたら仲良くなれるか?って所かな」
『な、なんで相手がわかるのかな!?』
動揺する流。もう答えを言ってるようなものじゃないか。
「いや、あの様子を見てわからないほど、俺はバカじゃないし……」
『そ、そんなにわかり易かったかな?』
「うん。俺も永久さんも見て一発でわかったよ」
『あはは……』
「それで?休日にショッピングモールで仲よくご飯を食べるくらいに仲良しの二人に、俺は何を助言すれば良いんだ?」
『そ、そこまで見ていたのかよ!?』
驚く流に俺は笑いながら言う。
「その日にさ、俺も永久さんとショッピングモールでデートをしてたんだよ。たまたまご飯の時間が合ってたんだろうな。お前と桐崎さんの一幕は見てたよ」
『あはは……てことはさ、わかるだろ……』
情けないところを見せてしまった。俺はもっと強くなりたい。力が欲しいんだ。
「厨二病はまだ卒業出来てない感じか?」
『あまりからかわないでくれないかな!!』
「あはは。ごめんごめん。どうしてもチャットの時の感覚が抜けなくてさ」
『その気持ちはわかるけどさ。俺も本気なんだ』
「内気な性格を治すために、体育祭の実行委員になったりもしてたな」
『そうなんだ。あとはさ、筋肉を付けて、舐められないようにしたい』
「なるほどね。確かに流はひょろっちいよな」
『返す言葉も無いよ……』
「恋愛相談の前にトレーニング方法とか聞きたい感じ?」
『そうだね。とりあえず君を目標に身体を鍛えたいと思ってるんだ』
「俺を目標に!?」
『うん。君は背も高いし、身体もしっかりしてる。俺の理想なんだよね』
「それは照れるな。でも……そうだな。俺を目指すって言うなら……一緒にトレーニングするか?」
『良いのかい!?』
「うん。俺もちょっと鍛え直そうかなって思ってたからね」
武藤先輩にホームランを叩き込まれたのは悔しい。
次は勝ちたいからな。
もう少し自主トレの強度を上げていこうと思ってた。
「体育祭もあるからな。そうだ、永久さんや桐崎さんも誘って皆でトレーニングするか」
凛音はバスケ部の朝練があるだろうからな。
『親睦を深めることも出来て、身体も鍛えられる。一石二鳥だね!!』
「あはは、だろう?」
俺はちょっといい気分になりながらそう話した。
「あとはさ、流はもう少し飯を多く食べた方がいいぞ」
『ご飯を?それはなにか理由があるのか』
「筋肉をつけるにはまずは元になる『肉』が無いとつかないんだよ。しっかりと食べて身体に肉をつけていかないと、俺みたいにがっしりとした身体にはならない。『細マッチョ』を目指してるなら話は別だけどさ」
『体質的に肉が付きにくい部分はあるけど、そうだね。もっと沢山食べることにするよ』
「あとはさ、お兄さんから話を聞いた方が良いよ」
『明兄さんから?』
「そうそう。サッカー部のエースストライカーだろ?絶対自主トレはしてるはずだよ。自宅で出来るトレーニングは詳しいと思う。それに、兄弟仲は悪くないだろ?」
『あぁ。兄さんは俺が尊敬している人の筆頭だ』
「俺は妹が居るけど、下から頼られるとやっぱり嬉しいものだよ。コミュニケーションの一つとして話をするといいよ」
『わかった。ありがとう、霧都。参考になったよ』
「あはは。流の助けになれたのなら良かったよ」
俺はそう言うと、時計を見た。
時間は二十一時だった。
うん。悪くない時間だな。
「よし、『スター』!!」
『OK『ブラザー』!!』
「『ライジンやろうぜ!!』」
俺と流は電話を切ると、それから二時間ほどオンラインゲームをして遊んだ。
永久さんに話をして、明日から早朝トレーニングをしないか?と聞いてみよう。
場所は……あの公園にしようかな。
四人が身体を動かすにはちょうど良いスペースだと思うし。
そんなことを考えながらライジンをプレイしていた。
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