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第1章 後編
エピローグ ~凛音side~
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エピローグ ~凛音side~
日曜日の夕方。私は散歩をしようと思ったわ。
筋肉痛もかなり和らいできたし、少しは身体を動かした方が治りが早い。という話も聞いている。
私は部屋着に着替えて、髪型を整えて、部屋を出る。
居間にはお母さんが居たので、
「少し外を歩いてくるわ。そんなに遅くならないと思うわ」
と言っておいた。
「変な人にあったら直ぐに逃げるのよ」
「ふん。返り討ちにしてやるわよ」
なんてやり取りをして、私は外に出た。
何処か行こうなんて、決めていなかった。
ただ何となく歩いていると、ふと昔のことを思い出した。
霧都と遊んだ公園。
はしゃいだあいつが砂場でずっこけて、砂まみれになったのを覚えてる。
そうね、とても間抜けな顔に、バカバカしくて……笑ってしまったのよ……
その時思ったわ。
この男の子と『家族』になりたいと。
笑うことが出来なくなっていた私を、笑わせてくれた、この男の子と。
そんなことを考えていると、自然とその公園へと足が向かっていた。
「……あれ?誰か居るのかしら」
公園のベンチに、誰かが座っているのが見えたわ。
それも二人……
「……え?霧都と……北島永久」
段々とその姿が私の目にもはっきりと映る。
あれは霧都と北島永久だわ!!
あの二人、私と霧都の思い出の場所で一体何をしてるのよ!!??
そう思い、私は公園の入り口へと走る。
すると、
「……え、な、な、な、」
何してるのよ!!!!!!!!!!
霧都と北島永久は、私の目の前でキスをしていた!!!!
ふ、ふざけんじゃないわよ!!
私たちの思い出の場所を穢すんじゃないわよ!!
驚きと憤怒の気持ちで二人を睨みつけると、北島永久が私の存在に気が付いたわ。
そして、北島永久のその様子から霧都が私の方を振り向こうとしたわ。
そうよ!!あいつが私の存在を知ればあんな行為は今すぐにでも辞めさせられる!!
そう思う私の目の前で、あの女は、霧都に無理矢理キスをしたわ!!!!
あ、あんの女!!舌を入れてる!!!!
悔しい!!悔しい!!悔しい!!悔しい!!
絶対に許さない!!
私の目の前で霧都を相手にそんなことをするあの女が!!
そして、いちばん許せないのは!!そんなことをさせてしまっている自分自身が!!
そんな私を嘲笑うかのように、北島永久の目が嗤う。
『貴女に彼は渡さない』
『ここはもう貴女の場所じゃない』
『もう勝負は着きました。諦めてくださいね?』
そんなあいつの声が聞こえてきた。
まだよ!!まだ勝負はついてない!!
私はまだ負けてない!!
仮にあの二人が恋人同士になったとしても、結婚していないのなら『他人』よ!!
そう思う私の頬を……涙が伝った……
「う、嘘でしょ……」
私の目の前では、霧都と北島永久が……舌を絡めながら、キスをしてる。その音が私の頭に響く……
やだ……やだ……やだ……やだやだやだぁ!!!!
聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!!!!
私はその場から逃げるように走り出した。
私は頬に流れた涙を拭う。
まだ終わってない!!まだチャンスは残ってる!!
私は絶対に諦めない!!
でも、どうしたらいい。
……わからない。
どうしたらあの二人の間に割り込める!!??
誰に助言を求めればいい!!??
藤崎朱里?
ダメよ!!あいつは『恋人』の立場の人間。
私とは立場が違う。適切なことなんか言えないわ。
だとしたら……
「黒瀬……詩織……」
桐崎悠斗と藤崎朱里が恋人同士という状況下で『とても大切な女性』という唯一無二の立場を得た女。
私よりスタートラインが後ろの中で、その立場を得た手腕は……役に立つんじゃないかしら……
『まぁあとは私よりも『横恋慕の達人』に心構えとか聞いてみたらどう?』
『詩織ちゃんには話をしておくわ』
『ばいばーい』
藤崎朱里は、あの女に話をしておくと言っていたわ。
私は直ぐにスマホで藤崎朱里に電話をしたわ。
無限にも感じるような長さの呼び出し音を聞いていると、
『もしもし。藤崎朱里です。南野さんどうし……』
「藤崎先輩!!」
私はようやく電話に出た藤崎朱里に叫ぶ。
「黒瀬詩織にアポイトメントを取ってちょうだい!!その人が指定する時間と場所に私が向かうわ!!」
北島永久!!まだ戦い終わってない!!
私はまだ諦めない!!
勝ち誇ってるのは今のうちよ!!
最後に勝つのはこの私!!南野凛音なんだから!!
十年間片思いしていた幼馴染に告白したら「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」と振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
第一章 後編
~完~
第二章へ続く
日曜日の夕方。私は散歩をしようと思ったわ。
筋肉痛もかなり和らいできたし、少しは身体を動かした方が治りが早い。という話も聞いている。
私は部屋着に着替えて、髪型を整えて、部屋を出る。
居間にはお母さんが居たので、
「少し外を歩いてくるわ。そんなに遅くならないと思うわ」
と言っておいた。
「変な人にあったら直ぐに逃げるのよ」
「ふん。返り討ちにしてやるわよ」
なんてやり取りをして、私は外に出た。
何処か行こうなんて、決めていなかった。
ただ何となく歩いていると、ふと昔のことを思い出した。
霧都と遊んだ公園。
はしゃいだあいつが砂場でずっこけて、砂まみれになったのを覚えてる。
そうね、とても間抜けな顔に、バカバカしくて……笑ってしまったのよ……
その時思ったわ。
この男の子と『家族』になりたいと。
笑うことが出来なくなっていた私を、笑わせてくれた、この男の子と。
そんなことを考えていると、自然とその公園へと足が向かっていた。
「……あれ?誰か居るのかしら」
公園のベンチに、誰かが座っているのが見えたわ。
それも二人……
「……え?霧都と……北島永久」
段々とその姿が私の目にもはっきりと映る。
あれは霧都と北島永久だわ!!
あの二人、私と霧都の思い出の場所で一体何をしてるのよ!!??
そう思い、私は公園の入り口へと走る。
すると、
「……え、な、な、な、」
何してるのよ!!!!!!!!!!
霧都と北島永久は、私の目の前でキスをしていた!!!!
ふ、ふざけんじゃないわよ!!
私たちの思い出の場所を穢すんじゃないわよ!!
驚きと憤怒の気持ちで二人を睨みつけると、北島永久が私の存在に気が付いたわ。
そして、北島永久のその様子から霧都が私の方を振り向こうとしたわ。
そうよ!!あいつが私の存在を知ればあんな行為は今すぐにでも辞めさせられる!!
そう思う私の目の前で、あの女は、霧都に無理矢理キスをしたわ!!!!
あ、あんの女!!舌を入れてる!!!!
悔しい!!悔しい!!悔しい!!悔しい!!
絶対に許さない!!
私の目の前で霧都を相手にそんなことをするあの女が!!
そして、いちばん許せないのは!!そんなことをさせてしまっている自分自身が!!
そんな私を嘲笑うかのように、北島永久の目が嗤う。
『貴女に彼は渡さない』
『ここはもう貴女の場所じゃない』
『もう勝負は着きました。諦めてくださいね?』
そんなあいつの声が聞こえてきた。
まだよ!!まだ勝負はついてない!!
私はまだ負けてない!!
仮にあの二人が恋人同士になったとしても、結婚していないのなら『他人』よ!!
そう思う私の頬を……涙が伝った……
「う、嘘でしょ……」
私の目の前では、霧都と北島永久が……舌を絡めながら、キスをしてる。その音が私の頭に響く……
やだ……やだ……やだ……やだやだやだぁ!!!!
聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!!!!
私はその場から逃げるように走り出した。
私は頬に流れた涙を拭う。
まだ終わってない!!まだチャンスは残ってる!!
私は絶対に諦めない!!
でも、どうしたらいい。
……わからない。
どうしたらあの二人の間に割り込める!!??
誰に助言を求めればいい!!??
藤崎朱里?
ダメよ!!あいつは『恋人』の立場の人間。
私とは立場が違う。適切なことなんか言えないわ。
だとしたら……
「黒瀬……詩織……」
桐崎悠斗と藤崎朱里が恋人同士という状況下で『とても大切な女性』という唯一無二の立場を得た女。
私よりスタートラインが後ろの中で、その立場を得た手腕は……役に立つんじゃないかしら……
『まぁあとは私よりも『横恋慕の達人』に心構えとか聞いてみたらどう?』
『詩織ちゃんには話をしておくわ』
『ばいばーい』
藤崎朱里は、あの女に話をしておくと言っていたわ。
私は直ぐにスマホで藤崎朱里に電話をしたわ。
無限にも感じるような長さの呼び出し音を聞いていると、
『もしもし。藤崎朱里です。南野さんどうし……』
「藤崎先輩!!」
私はようやく電話に出た藤崎朱里に叫ぶ。
「黒瀬詩織にアポイトメントを取ってちょうだい!!その人が指定する時間と場所に私が向かうわ!!」
北島永久!!まだ戦い終わってない!!
私はまだ諦めない!!
勝ち誇ってるのは今のうちよ!!
最後に勝つのはこの私!!南野凛音なんだから!!
十年間片思いしていた幼馴染に告白したら「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」と振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
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