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第1章 前編
第十六話 ~お昼の時間は突然の来客の知らせがありました~
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第十六話
SHRでは今日の六時間目のLHRの時間を使い、各委員会を決める。
という話をされた。
学級委員などを決めるそうだ。
桐崎さん辺りが立候補しそうだなぁ……
なんてことを考えながら聞いていた。
そして、一時間目の国語の時間が終わり、休み時間がやってきた。
俺は席を立つと、凛音の元に行く。
「なぁ、凛音」
「なによ、霧都」
お、少し元気になったか?
返事をする声と、目に力が戻ってきたように見えた俺は、先程の話を凛音にすることにした。
「昨日の四人で学食で飯でも食わないか?」
「……アンタは、私と一緒でいいの?」
「は?」
凛音の良く分からない質問に、俺は疑問符を浮かべる。
「……いや、なんでもないわ。いいわよ、一緒に食べても構わないわ」
「OK。じゃあ北島さんと桐崎さんにも凛音は大丈夫だって伝えておくわ」
俺はそう言うと、凛音の席を離れる。
クラスが一緒だと話すのが楽でいいな。
なんてことを思っていた。
「凛音もOKだってさ」
俺は席に戻ると、二人にそう言う。
「朝よりは元気そうでしたね、南野さん」
「うん。まぁ、アイツの性格上素直に話すとは思えないけど、飯でも食えば元気になるだろ」
そんなことを言っていると、スマホの画面を見ていた桐崎さんがため息を吐いて、謝ってきた。
「……はぁ、二人とも。いや、三人になるのかな……ごめん」
「ど、どうしたの、桐崎さん。なんかすごい申し訳なさそうな感じだけど」
「一緒にご飯を食べられなくなった。とかですか?」
俺と北島さんの質問に、桐崎さんは首を横に振る。
「昼ご飯。おにぃも一緒に食べるって言ってきた」
「「えぇ!?」」
桐崎先輩が俺たちと!?一体なんで!?
「理由は何となくわかるかな……ねぇ、良いかな?」
「お、俺は構わないかな……」
「わ、私も平気です」
問題は……凛音のだろ。アイツは桐崎先輩をかなり嫌悪してる様な気がしていたから。
「私も構わないわよ」
「「え?」」
いつの間にか後ろに居た凛音が、了承をしていた。
「桐崎さんの様子がおかしいように見えたから、こっちに来てみたのよ。そしたら話してる内容が聞こえたのよ」
「そうか。なら聞く手間が省けたな」
俺がそう言うと、予鈴が鳴った。
「じゃあ、席に戻るわ。昼ご飯、楽しみにしてるわよ」
凛音はそう言うと席に戻って行った。
「ホント、元気が無いように見えます。どうしたんですかね?」
「うーん、まぁそういう日なのかもしれないな」
女の子には月の日があるし。それかもしれねぇな。
そんなことを言うのは下世話だし、口にはしないけど。
そして、四時間目が終わるチャイムが鳴った。
「よーし!!食堂へ行こうか!!」
お兄さんとお昼ご飯を食べることに対して開き直ったのか、桐崎さんは元気にそう言った。
「俺、食堂の場所を良く知らないんだ」
「私もです」
「私も知らないのよ」
そんな俺たち三人に、桐崎さんは笑いながら言う。
「よーし!!それじゃあ私に着いてこーい!!」
先陣を切って歩く桐崎さんの後を、俺たち三人にはぞろぞろとついて行った。
『食堂』
桐崎さんについて行くこと五分ほど。
俺たちは食堂へと辿り着いた。
中はそこそこ混みあってはいたが、座る場所に困る。ということは無さそうだった。
ふと、中を見渡すと、誰もが座ることを躊躇っているような、近づくことを恐れているような、『丸テーブル』があった。
なんだアレ。オーラでも出てるのか?
「ねぇ、桐崎さん。なんでみんなあの丸テーブルを避けてるの?」
俺は何となく事情を知ってそうな桐崎さんに聞いてみた。
「あはは……あれは『指定席』みたいなもんなんだよね」
「「「指定席?」」」
俺たち三人には首を傾げる。
「おにぃたちが良く使ってるテーブルでね、もうみんなはそこに近づかない。近づけるのは二つ名持ちだけって暗黙のルールになってるんだ」
「マジかよ……」
とんでもねぇな桐崎さんのおにぃさん。
そんな人と飯を食うのかよ……
「ここに立ってても邪魔になるわよ。さっさとどっかに座りましょ。立ってるのも疲れるわ」
と凛音が言ってきたので、俺は中を見渡して良さげな大きさのテーブルを見つける。
あれなら四人から五人くらいが座れそうだ。
「あのテーブルにしようか」
と俺は目当てのテーブルを指さした。
「うん。いいと思うよ!!私はお弁当だから先にあそこに座って席を確保してるね!!」
桐崎さんはそう言うと、俺が指さしたテーブルへと向かった。
「さ、私たちもさっさとご飯を買いましょ。私、お腹がすいたわ」
「そうですね。私、学食って初めてなので楽しみです!!」
「そうだな。俺も初めてだから楽しみだわ」
俺たち三人はそう言うと、昼ご飯を買うために券売機へと足を運んだ。
SHRでは今日の六時間目のLHRの時間を使い、各委員会を決める。
という話をされた。
学級委員などを決めるそうだ。
桐崎さん辺りが立候補しそうだなぁ……
なんてことを考えながら聞いていた。
そして、一時間目の国語の時間が終わり、休み時間がやってきた。
俺は席を立つと、凛音の元に行く。
「なぁ、凛音」
「なによ、霧都」
お、少し元気になったか?
返事をする声と、目に力が戻ってきたように見えた俺は、先程の話を凛音にすることにした。
「昨日の四人で学食で飯でも食わないか?」
「……アンタは、私と一緒でいいの?」
「は?」
凛音の良く分からない質問に、俺は疑問符を浮かべる。
「……いや、なんでもないわ。いいわよ、一緒に食べても構わないわ」
「OK。じゃあ北島さんと桐崎さんにも凛音は大丈夫だって伝えておくわ」
俺はそう言うと、凛音の席を離れる。
クラスが一緒だと話すのが楽でいいな。
なんてことを思っていた。
「凛音もOKだってさ」
俺は席に戻ると、二人にそう言う。
「朝よりは元気そうでしたね、南野さん」
「うん。まぁ、アイツの性格上素直に話すとは思えないけど、飯でも食えば元気になるだろ」
そんなことを言っていると、スマホの画面を見ていた桐崎さんがため息を吐いて、謝ってきた。
「……はぁ、二人とも。いや、三人になるのかな……ごめん」
「ど、どうしたの、桐崎さん。なんかすごい申し訳なさそうな感じだけど」
「一緒にご飯を食べられなくなった。とかですか?」
俺と北島さんの質問に、桐崎さんは首を横に振る。
「昼ご飯。おにぃも一緒に食べるって言ってきた」
「「えぇ!?」」
桐崎先輩が俺たちと!?一体なんで!?
「理由は何となくわかるかな……ねぇ、良いかな?」
「お、俺は構わないかな……」
「わ、私も平気です」
問題は……凛音のだろ。アイツは桐崎先輩をかなり嫌悪してる様な気がしていたから。
「私も構わないわよ」
「「え?」」
いつの間にか後ろに居た凛音が、了承をしていた。
「桐崎さんの様子がおかしいように見えたから、こっちに来てみたのよ。そしたら話してる内容が聞こえたのよ」
「そうか。なら聞く手間が省けたな」
俺がそう言うと、予鈴が鳴った。
「じゃあ、席に戻るわ。昼ご飯、楽しみにしてるわよ」
凛音はそう言うと席に戻って行った。
「ホント、元気が無いように見えます。どうしたんですかね?」
「うーん、まぁそういう日なのかもしれないな」
女の子には月の日があるし。それかもしれねぇな。
そんなことを言うのは下世話だし、口にはしないけど。
そして、四時間目が終わるチャイムが鳴った。
「よーし!!食堂へ行こうか!!」
お兄さんとお昼ご飯を食べることに対して開き直ったのか、桐崎さんは元気にそう言った。
「俺、食堂の場所を良く知らないんだ」
「私もです」
「私も知らないのよ」
そんな俺たち三人に、桐崎さんは笑いながら言う。
「よーし!!それじゃあ私に着いてこーい!!」
先陣を切って歩く桐崎さんの後を、俺たち三人にはぞろぞろとついて行った。
『食堂』
桐崎さんについて行くこと五分ほど。
俺たちは食堂へと辿り着いた。
中はそこそこ混みあってはいたが、座る場所に困る。ということは無さそうだった。
ふと、中を見渡すと、誰もが座ることを躊躇っているような、近づくことを恐れているような、『丸テーブル』があった。
なんだアレ。オーラでも出てるのか?
「ねぇ、桐崎さん。なんでみんなあの丸テーブルを避けてるの?」
俺は何となく事情を知ってそうな桐崎さんに聞いてみた。
「あはは……あれは『指定席』みたいなもんなんだよね」
「「「指定席?」」」
俺たち三人には首を傾げる。
「おにぃたちが良く使ってるテーブルでね、もうみんなはそこに近づかない。近づけるのは二つ名持ちだけって暗黙のルールになってるんだ」
「マジかよ……」
とんでもねぇな桐崎さんのおにぃさん。
そんな人と飯を食うのかよ……
「ここに立ってても邪魔になるわよ。さっさとどっかに座りましょ。立ってるのも疲れるわ」
と凛音が言ってきたので、俺は中を見渡して良さげな大きさのテーブルを見つける。
あれなら四人から五人くらいが座れそうだ。
「あのテーブルにしようか」
と俺は目当てのテーブルを指さした。
「うん。いいと思うよ!!私はお弁当だから先にあそこに座って席を確保してるね!!」
桐崎さんはそう言うと、俺が指さしたテーブルへと向かった。
「さ、私たちもさっさとご飯を買いましょ。私、お腹がすいたわ」
「そうですね。私、学食って初めてなので楽しみです!!」
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俺たち三人はそう言うと、昼ご飯を買うために券売機へと足を運んだ。
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