34 / 55
天族と国
過去の話
しおりを挟む
イゼフ視点(幼少期)
ボロボロの布切れを着て、俺は倒れていた。空からは雪が降っており、石畳の床が足を鋭く刺している。
「う、……ぁっ。」
腹が減って、体中が痛くて、寒い。
先程腹を満たすために、パンを盗もうとした。上手く行ったが、路地裏で食べようとした途端に後ろから殴られた。
俺が一瞬の空きを作れば、周りからパンを取られ立つこともできないまでに殴られた。
悔しいくやしいクヤシイクヤシイクヤシイ!
ぐっと唇を噛んで、何とか立ち上がろうとする。
しかし、足が折られている様で立つことができない。たとうとすれば、膝カックンされた様に力が抜ける。そして、倒れる。
「オヤ?……ガキンチョ、こんなところで何してんだ。」
ふと、視界に人の足が映った。靴一つ見るだけで、身なりのいい人だと分かる。
「う、あ…。」
______お前は、誰だ?
言葉が上手く発せないが、きっと言ったとしても聞いてくれなかったと思う。
俺のことなんか気にしずに、体を姫抱きにしてくる。
「ふーん…。ガキンチョ、お前は哀れだな。」
「!?」
「俺は、ムラサキ。俺に気に入られたお前は運のツキだ。」
これはまだ、とある受付嬢に合う前の
神に見放された二人の出会い。
ボロボロの布切れを着て、俺は倒れていた。空からは雪が降っており、石畳の床が足を鋭く刺している。
「う、……ぁっ。」
腹が減って、体中が痛くて、寒い。
先程腹を満たすために、パンを盗もうとした。上手く行ったが、路地裏で食べようとした途端に後ろから殴られた。
俺が一瞬の空きを作れば、周りからパンを取られ立つこともできないまでに殴られた。
悔しいくやしいクヤシイクヤシイクヤシイ!
ぐっと唇を噛んで、何とか立ち上がろうとする。
しかし、足が折られている様で立つことができない。たとうとすれば、膝カックンされた様に力が抜ける。そして、倒れる。
「オヤ?……ガキンチョ、こんなところで何してんだ。」
ふと、視界に人の足が映った。靴一つ見るだけで、身なりのいい人だと分かる。
「う、あ…。」
______お前は、誰だ?
言葉が上手く発せないが、きっと言ったとしても聞いてくれなかったと思う。
俺のことなんか気にしずに、体を姫抱きにしてくる。
「ふーん…。ガキンチョ、お前は哀れだな。」
「!?」
「俺は、ムラサキ。俺に気に入られたお前は運のツキだ。」
これはまだ、とある受付嬢に合う前の
神に見放された二人の出会い。
0
お気に入りに追加
507
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
おっさん、勇者召喚されるがつま弾き...だから、のんびりと冒険する事にした
あおアンドあお
ファンタジー
ギガン城と呼ばれる城の第一王女であるリコット王女が、他の世界に住む四人の男女を
自分の世界へと召喚した。
召喚された四人の事をリコット王女は勇者と呼び、この世界を魔王の手から救ってくれと
願いを託す。
しかしよく見ると、皆の希望の目線は、この俺...城川練矢(しろかわれんや)には、
全く向けられていなかった。
何故ならば、他の三人は若くてハリもある、十代半ばの少年と少女達であり、
将来性も期待性もバッチリであったが...
この城川練矢はどう見ても、しがないただの『おっさん』だったからである。
でもさ、いくらおっさんだからっていって、これはひどくないか?
だって、俺を召喚したリコット王女様、全く俺に目線を合わせてこないし...
周りの兵士や神官達も蔑視の目線は勿論のこと、隠しもしない罵詈雑言な言葉を
俺に投げてくる始末。
そして挙げ句の果てには、ニヤニヤと下卑た顔をして俺の事を『ニセ勇者』と
罵って蔑ろにしてきやがる...。
元の世界に帰りたくても、ある一定の魔力が必要らしく、その魔力が貯まるまで
最低、一年はかかるとの事だ。
こんな城に一年間も居たくない俺は、町の方でのんびり待とうと決め、この城から
出ようとした瞬間...
「ぐふふふ...残念だが、そういう訳にはいかないんだよ、おっさんっ!」
...と、蔑視し嘲笑ってくる兵士達から止められてしまうのだった。
※小説家になろう様でも掲載しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
東方並行時空 〜Parallel Girls
獣野狐夜
ファンタジー
アナタは、“ドッペルゲンガー”を知っていますか?
この世には、自分と全く同じ容姿の人間“ドッペルゲンガー”というものが存在するそう…。
そんな、自分と全く同じ容姿をしている人間に会ってみたい…そう思ってしまった少女達が、幻想入りする話。
〈当作品は、上海アリス幻樂団様の東方Projectシリーズ作品をモチーフとした二次創作作品です。〉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる