18 / 55
受付嬢としての仕事?
突然変異
しおりを挟む
あれから、マルクが迎えに来たときに慌てて殿下から逃げてギルドに帰ればユユとレオディオが私のことを待っていてくれた。
私の顔が青いせいか、かなり心配されたがいい加減に誤魔化した。
そして今日、昨日出来なかった分の受付嬢の仕事をしなければならない。
「すいませーん、ミッシェルさん!」
朝早くからたまりに溜まった書類。その片付けをしていれば、ギルド員の人に声をかけられた。
「どうか致しまして?」
近くに行って笑顔で対応する。みよ、これこそスーパースマイルだ!!
心の中でバカをやりながら、笑顔で対応すれば二枚の依頼を見せてきた。
「この依頼やりたくてさ、確認お願いします。」
Aランク ドンキーコングリ二体討伐
Bランク ヤマトうさぎの捕獲
ヤマトうさぎ、そう言えば書類にも載っていたな。
「最近、ヤマトうさぎが人気ですね。」
ギルド員の人に言われてようやくハッとした。
そう言えば、ヤマトうさぎは最近突然変異が多くなってるよな。
普段は白く枕位の大きさなのだが、突然変異のものは黒く椅子ぐらいの大きさで顎の力が強いという。
「このヤマトうさぎの依頼、最近突然変異がおこりやすくなっているそうなので、転移石を持っていってください。」
ギルド専用の転移石を渡せば、いい返事をして仲間と一緒に行ってしまった。
「シェル?突然変異ってなぁに?」
隣で仕事をしていたユユが私の話を盗み聞きしていたらしい。
「普通の生き物が何らかの理由で違う生物になってしまうことだよ。」
過去の例で言えば、ゴブリンが小鬼という角の生えたものになってしまったことがある。
理由は、私達の魔力によって濁った草木を食べたからなんだけど。
「もしかしたら、国の依頼として出てくるかもしれないなー。」
ポツリと声を出して言えば、ユユは残念そうに口をすぼませた。
「えー、またシェル外に行っちゃうのー?」
いつも私が外で仕事をしているため、ユユはその分ギルドで仕事をすることが多くなっているらしい。
「たまには、外の依頼し、た、いー!」
ジタバタと暴れだしたユユの頭をなでて、ポケットに入っていた飴玉を上げる。
「レオディオから許可が貰えたら一緒に行きましょ?」
パクリと飴玉を食べて、コクリと頷いたユユに笑顔を向けて、書類整理をまたし始めた。
「すいません、依頼をしたいのですが……。」
「え、あ、…はい、かしこまりましたわ。」
突然、目の前に現れたフードをかぶった人。足音や気配が感じられなかった……。
「どのような依頼ですか?」
相手に悟られないように、笑顔で対応すればペラリと紙を渡された。
「……ヤマトうさぎ、突然変異した物の捕獲?」
依頼額はかなり多く、それに加えてヤマトうさぎの量も多い。
十匹か…、群れで暮らしていたら集まりそうだな。
ふとそう思って、許可を出そうとしてハッとした。
「すいません、名前と身分証明できるものを……。」
名前の欄には何も書いておらず、身分証明書も提出していない。
「ああ、ムラサキです。これが、身分証明書。」
目の前に置かれたものを見れば、国家魔法使いと書かれていた。
お偉いさん、か…。(自分もなかなかに偉い)
「ありがとうございます、確認いたしました。」
頭を下げて、また前を見ればそこにいた筈のムラサキさんは居らず、一輪の桔梗がおいてあった。
私の顔が青いせいか、かなり心配されたがいい加減に誤魔化した。
そして今日、昨日出来なかった分の受付嬢の仕事をしなければならない。
「すいませーん、ミッシェルさん!」
朝早くからたまりに溜まった書類。その片付けをしていれば、ギルド員の人に声をかけられた。
「どうか致しまして?」
近くに行って笑顔で対応する。みよ、これこそスーパースマイルだ!!
心の中でバカをやりながら、笑顔で対応すれば二枚の依頼を見せてきた。
「この依頼やりたくてさ、確認お願いします。」
Aランク ドンキーコングリ二体討伐
Bランク ヤマトうさぎの捕獲
ヤマトうさぎ、そう言えば書類にも載っていたな。
「最近、ヤマトうさぎが人気ですね。」
ギルド員の人に言われてようやくハッとした。
そう言えば、ヤマトうさぎは最近突然変異が多くなってるよな。
普段は白く枕位の大きさなのだが、突然変異のものは黒く椅子ぐらいの大きさで顎の力が強いという。
「このヤマトうさぎの依頼、最近突然変異がおこりやすくなっているそうなので、転移石を持っていってください。」
ギルド専用の転移石を渡せば、いい返事をして仲間と一緒に行ってしまった。
「シェル?突然変異ってなぁに?」
隣で仕事をしていたユユが私の話を盗み聞きしていたらしい。
「普通の生き物が何らかの理由で違う生物になってしまうことだよ。」
過去の例で言えば、ゴブリンが小鬼という角の生えたものになってしまったことがある。
理由は、私達の魔力によって濁った草木を食べたからなんだけど。
「もしかしたら、国の依頼として出てくるかもしれないなー。」
ポツリと声を出して言えば、ユユは残念そうに口をすぼませた。
「えー、またシェル外に行っちゃうのー?」
いつも私が外で仕事をしているため、ユユはその分ギルドで仕事をすることが多くなっているらしい。
「たまには、外の依頼し、た、いー!」
ジタバタと暴れだしたユユの頭をなでて、ポケットに入っていた飴玉を上げる。
「レオディオから許可が貰えたら一緒に行きましょ?」
パクリと飴玉を食べて、コクリと頷いたユユに笑顔を向けて、書類整理をまたし始めた。
「すいません、依頼をしたいのですが……。」
「え、あ、…はい、かしこまりましたわ。」
突然、目の前に現れたフードをかぶった人。足音や気配が感じられなかった……。
「どのような依頼ですか?」
相手に悟られないように、笑顔で対応すればペラリと紙を渡された。
「……ヤマトうさぎ、突然変異した物の捕獲?」
依頼額はかなり多く、それに加えてヤマトうさぎの量も多い。
十匹か…、群れで暮らしていたら集まりそうだな。
ふとそう思って、許可を出そうとしてハッとした。
「すいません、名前と身分証明できるものを……。」
名前の欄には何も書いておらず、身分証明書も提出していない。
「ああ、ムラサキです。これが、身分証明書。」
目の前に置かれたものを見れば、国家魔法使いと書かれていた。
お偉いさん、か…。(自分もなかなかに偉い)
「ありがとうございます、確認いたしました。」
頭を下げて、また前を見ればそこにいた筈のムラサキさんは居らず、一輪の桔梗がおいてあった。
0
お気に入りに追加
507
あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる