傍観していたい受付嬢

湖里

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始まり

受付嬢2号

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「ただいま帰りましたよ、レオディオ。」
転移でギルドマスターの執務室に行けば本を読んでいるようだった。

「おう。おかえり、ミッシ……オイ、ソイツ何だ?」
ユユのことを指さし、眉をひそめている。何だ、と聞くあたりもう薄々人間ではないことが分かるのだろう。

一方で私の後ろに隠れているユユは、何だと聞かれた糸に気づかないようだ。
「?、ユユはユユだよ!」
あの時とは違い、元気一杯に挨拶をしてくれた。もちろん、私の後ろから。

「お嬢ちゃん、アンタ人間じゃねぇだろ。魔族の四天王…であってるか?」
本を閉じて私達の方を改めて向くと机に肘をおき、深い深いため息をついた。
何か悪いことしたかな?

「レオディオの言う通り。四天王のユユ。私が終わりの森に行ったら居た。魔族との架け橋になってもらいたくて。」
話をすれば、ワナワナと唇を震わせてレオディオは四つん這いになってしまった。そんなに深刻ではないと思うのだけど……。

「そうだった。ミッシェルは、学生の頃からこういう奴なんだ。俺がウッカリしてた。ハァー、殿下になんて言おう…。」

パチパチと目を瞬いて、じっとレオディオを見ているユユは不思議そうにしている。
「シェル!もしかして、レオディオはワーリドみたいにマイナス思考なの?」

「うん、そうだよ。」
ワーリドと言うのが誰かわからないが、恐らくは今のレオディオと同じような感じなのだろう。
いつもはこんな感じではないのだが…。
へんなレオディオを横目にこれからに付いてユユと話し合う事にする。
「ユユは、これから架け橋になる訳だから政治についての勉強はするとして。それまで、何をしていようか?」

何万年も生きている訳だけど、見た目はまだまだ子供、前世で言う小学4年生ぐらいなので一人前の仕事は任せられない。
だから、私やレオディオ、コーリドの目の見える範囲にいてほしい。

「シェルは、なんのお仕事してるの?」
ひとりでに悩んでいるとユユがレオディオを突きながら聞いてきた。っておい、そんな物突いちゃいけません。
レオディオを立ち上がらせ、ユユを抱き上げると嫌そうに暴れだした。

「ちょっと!ユユはまだ、子供だけど、魔族の、四天王何だから。」
子供扱いされるのは嫌なのね。
ユユの扱いを理解しながら、下ろせばまた上機嫌になる。分かりやすすぎないですか、四天王さん?

「ミッシェルは、このギルドの受付嬢をやってるぞ。…そう言えば、仕事量が多いって言ってたな。なんなら、ユユ?に手伝ってもらえよ。」

元に戻ったレオディオの口添えもあって、ユユものりきのようだ。確かに、ひとり増えるだけでかなり仕事は効率的になる。

「お願いしてもいいかしら、ユユ?」
改めて聞けば、嬉しそうに首を縦にブンブンと振ってくれた。ニコニコの笑顔で万歳三唱までしてくれるとは…。
コチラもその姿を見て何だか嬉しくなった。

「うん!ユユは、ミッシェルのお手伝いする。」



_________________________________________
たくさんの方々にお気に入り指定していただきありがとうございます。作者の励みになり、とても嬉しいです。

この『傍観している受付嬢』の中で、
「このキャラクターのここが知りたい!」
「このキャラクターが出て欲しい!」

などの思いがあれば、ぜひ教えてください。出来る限りお答えしようと思います。


これからも、この小説を楽しんでいただけるように作者は最善を尽くす所存です。
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