1 / 55
始まり
日常
しおりを挟む
前々から、思っていたこと。それは少々、受付嬢の地位が高すぎる気がする。
「ミッシェル。今度の月例会は強制参加だそうだ。ちゃんと来いよ?」
いつもの様にクリスタ王国にある最大のギルド【銀の盃】で受付嬢として働いていた。
#01 ミッシェル=ニル
【銀の盃】唯一の受付嬢 SSSランク
「レオディオ…。何度も言ってるけど、月例会に私が行く必要はないと思うの。」
ギルドマスターであり、私の相棒でもあるレオディオに言うとケタケタと笑われた。
「そんなこと言ってもなぁ。この世界にSSSランクなんて10人もいないぜ?ミッシェルはその一角なんだからな。」
02# レオディオ=サルーゼ
【銀の盃】ギルドマスター Xランク
前世の漫画や物語では、ギルドマスターは基本やる気ゼロの気だるげキャラなのだが、彼は違う。
かと言って、戦闘狂と言うわけでもない。どちらかと言うと、お母さんキャラである。
要するに面倒見が良いのである。
「それならば、Xランクの人はこの世界に3人しかいませんよ?」
幼なじみと言うことで、頭をよく撫でてきますがずっと撫でられていれば腹がたちます。
頭の上に乗っているレオディオの手を払い除ければ、何をするんだと恨みがましい目で見られた。
それは私がするべき目である。お前がするな。
「んー、だとしても、だ。……どうやら今度、勇者召喚についての会議らしいからな。国王陛下のご命令だ。」
さっきまでのおちゃらけた雰囲気を壊てし、スッとこちらを見つめてくる。
そして、私に向かって肩をすくめてみせた。
「残念だが、殿下の命令無視なんて出来ないからな。引っ張ってでも連れてくことになるからな。」
「うぇー。」
嫌だとブーイングをすれば、今度は軽くチョップされた。コイツのチョップはなかなかに痛い。Xランクなだけはあるよな。
「貴方のチョップは痛いのよ。もう少し手加減してちょうだい。」
思ったことをそのまま話せば、少し申し訳なさそうに優しく、優しく頭を撫でられた。
だ、か、ら、頭を撫でられるのも嫌なんだって。
その気持ちを込めて、もう一度手を払えば両手で顔を持ち上げられた。
そのまま、上を向けられる。
キレイな銀髪に涼し気な水色の瞳に私の灰色の瞳が映る。
本当にコイツは顔だけはいいよな。
この世界に来て、学校に行っていたころもコイツの隣にいただけで数々の試練を乗り越えてきたと思う。
「___と言うか、いい加減に離しなさいよ。レオディオには、執務室にやるべき書類が置いてあるわ。」
アホなことをしているレオディオを足で軽く蹴りながら急かすと、残念そうに唇を尖らせた。
「ちぇー。大抵の女ならここで顔を赤くして、俺の言うこと聞いてくれるのに…。」
性格悪いな、オイ。
そのまま、レオディオは1階から2階に上がっていき、執務室に行きながらブツブツと文句を言っていた。
どうせ、女の子らしいところもないですよーだ。
レオディオにイライラしながら、受付口に行けば総帝がボーッと立っていた。
「……あ、ミッシェル。久しぶりだね。」
フードを被って顔は見えないが、彼は私とレオディオの同級生である。
コチラもクールと言うわけでなく、心優しく何処かのんびりとしている。
03# コーリド=アーマン
【銀の盃】総帝 Xランク
「ほんとに久しぶりよ、総帝。一体どこに行っていたの?」
このギルドに所属だが、時々1ヶ月ぐらい何処かに行ってしまうことなんてしばしばある。
周りから見たら、重度の変人として見られているやつだ。
「ん~、ちょっとだけね?ダンジョンに行ったんだ。」
このような感じである。
「ふぅーん。元気にしてるならいいけれど……。しばらくはここに居るの?」
ふわぁあ、と欠伸をしている総帝に聞けばコクリと頷きが帰ってきた。
「勇者召喚もあるしねー。もしかしたら、教育係になる可能性もあるし。」
教えるの下手くそなんだけどなぁ。と嫌そうな顔をしているが、彼がほんとに嫌だと思うなら消えるなり、裏工作するなり、何なりするのでまだ容量範囲なんだろう。
「そーいえば、レオディオどこに居る?」
「2階にの執務室。誰もいないはずだから、久しぶりに挨拶してきたら?」
私の提案に乗り気なのかそのまま上へ行ってしまった。
さて、私も仕事をしなくては。
休憩気分であった気持ちを、頬を叩いて切り替えさせる。
そして、今来ている簡易ドレスに汚れがないのかしっかりと確認をする。
受付嬢とは、そのギルドのいわば顔なので馬鹿なことはできない。
今一度、気持ちを引き締めて前を向く。そして、受付にようがある人たちの方へ歩いていった。
今日も、この国は平和である。
「ミッシェル。今度の月例会は強制参加だそうだ。ちゃんと来いよ?」
いつもの様にクリスタ王国にある最大のギルド【銀の盃】で受付嬢として働いていた。
#01 ミッシェル=ニル
【銀の盃】唯一の受付嬢 SSSランク
「レオディオ…。何度も言ってるけど、月例会に私が行く必要はないと思うの。」
ギルドマスターであり、私の相棒でもあるレオディオに言うとケタケタと笑われた。
「そんなこと言ってもなぁ。この世界にSSSランクなんて10人もいないぜ?ミッシェルはその一角なんだからな。」
02# レオディオ=サルーゼ
【銀の盃】ギルドマスター Xランク
前世の漫画や物語では、ギルドマスターは基本やる気ゼロの気だるげキャラなのだが、彼は違う。
かと言って、戦闘狂と言うわけでもない。どちらかと言うと、お母さんキャラである。
要するに面倒見が良いのである。
「それならば、Xランクの人はこの世界に3人しかいませんよ?」
幼なじみと言うことで、頭をよく撫でてきますがずっと撫でられていれば腹がたちます。
頭の上に乗っているレオディオの手を払い除ければ、何をするんだと恨みがましい目で見られた。
それは私がするべき目である。お前がするな。
「んー、だとしても、だ。……どうやら今度、勇者召喚についての会議らしいからな。国王陛下のご命令だ。」
さっきまでのおちゃらけた雰囲気を壊てし、スッとこちらを見つめてくる。
そして、私に向かって肩をすくめてみせた。
「残念だが、殿下の命令無視なんて出来ないからな。引っ張ってでも連れてくことになるからな。」
「うぇー。」
嫌だとブーイングをすれば、今度は軽くチョップされた。コイツのチョップはなかなかに痛い。Xランクなだけはあるよな。
「貴方のチョップは痛いのよ。もう少し手加減してちょうだい。」
思ったことをそのまま話せば、少し申し訳なさそうに優しく、優しく頭を撫でられた。
だ、か、ら、頭を撫でられるのも嫌なんだって。
その気持ちを込めて、もう一度手を払えば両手で顔を持ち上げられた。
そのまま、上を向けられる。
キレイな銀髪に涼し気な水色の瞳に私の灰色の瞳が映る。
本当にコイツは顔だけはいいよな。
この世界に来て、学校に行っていたころもコイツの隣にいただけで数々の試練を乗り越えてきたと思う。
「___と言うか、いい加減に離しなさいよ。レオディオには、執務室にやるべき書類が置いてあるわ。」
アホなことをしているレオディオを足で軽く蹴りながら急かすと、残念そうに唇を尖らせた。
「ちぇー。大抵の女ならここで顔を赤くして、俺の言うこと聞いてくれるのに…。」
性格悪いな、オイ。
そのまま、レオディオは1階から2階に上がっていき、執務室に行きながらブツブツと文句を言っていた。
どうせ、女の子らしいところもないですよーだ。
レオディオにイライラしながら、受付口に行けば総帝がボーッと立っていた。
「……あ、ミッシェル。久しぶりだね。」
フードを被って顔は見えないが、彼は私とレオディオの同級生である。
コチラもクールと言うわけでなく、心優しく何処かのんびりとしている。
03# コーリド=アーマン
【銀の盃】総帝 Xランク
「ほんとに久しぶりよ、総帝。一体どこに行っていたの?」
このギルドに所属だが、時々1ヶ月ぐらい何処かに行ってしまうことなんてしばしばある。
周りから見たら、重度の変人として見られているやつだ。
「ん~、ちょっとだけね?ダンジョンに行ったんだ。」
このような感じである。
「ふぅーん。元気にしてるならいいけれど……。しばらくはここに居るの?」
ふわぁあ、と欠伸をしている総帝に聞けばコクリと頷きが帰ってきた。
「勇者召喚もあるしねー。もしかしたら、教育係になる可能性もあるし。」
教えるの下手くそなんだけどなぁ。と嫌そうな顔をしているが、彼がほんとに嫌だと思うなら消えるなり、裏工作するなり、何なりするのでまだ容量範囲なんだろう。
「そーいえば、レオディオどこに居る?」
「2階にの執務室。誰もいないはずだから、久しぶりに挨拶してきたら?」
私の提案に乗り気なのかそのまま上へ行ってしまった。
さて、私も仕事をしなくては。
休憩気分であった気持ちを、頬を叩いて切り替えさせる。
そして、今来ている簡易ドレスに汚れがないのかしっかりと確認をする。
受付嬢とは、そのギルドのいわば顔なので馬鹿なことはできない。
今一度、気持ちを引き締めて前を向く。そして、受付にようがある人たちの方へ歩いていった。
今日も、この国は平和である。
0
お気に入りに追加
507
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
レイブン領の面倒姫
庭にハニワ
ファンタジー
兄の学院卒業にかこつけて、初めて王都に行きました。
初対面の人に、いきなり婚約破棄されました。
私はまだ婚約などしていないのですが、ね。
あなた方、いったい何なんですか?
初投稿です。
ヨロシクお願い致します~。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる