傍観していたい受付嬢

湖里

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探すのはモノ?ヒト?

約束

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「【転移】」
とにかく早く離れたくて、そく逃げればそこはレオディオのもとだった。


「は?ミッシェル?」
「……っあ、れ、レオディオ……。」
反射とはいえ、受付嬢としてあるまじき行為をしてしまった。
驚いて駆け寄ってきたレオディオは未だにカタカタと震えている私の体をポンポンとあやす様に撫でてくれた。終いには、抱き上げて自分の膝の上に乗せてきた。

「ご、ごめんな……ごめんなさい。し、任務……から、にげ、逃げて……」
「大丈夫だから。大丈夫、俺がいる。ミッシェルの周りには仲間がたくさんいるから。……独りじゃねぇよ、安心しろ。」
口がうまく回らない中で懸命に話そうとすれば、我慢していた涙がホロホロ、ホロホロと溢れ始めた。手で拭って止めようとするが、未だに止まらない。
「独りは、恐い……。」
「そうだな。」
ぎゅう、としがみついて呟けばただただ肯定の意がレオディオから発せられた。


「約束しただろ?……俺らは仲間で、独りじゃない。」
「うん、……うん。」












「______目をリボンで隠した男?」
「ええ。」
落ち着いたあと、改めてレオディオにすべて話せば驚いた様に聞き返した。肯定すれば、悩ましげに眉間に皺が寄った。
眉間を揉んでやれば元に戻ったが、顔は悩んだままだ。

「エクスリュート神国には、相談役っていう教皇の悩みを聞いたり、解決したりする奴がいるらしいんだが。……その相談役とミッシェルの話したリボン男は姿が似てるな。」
「前の外交でコーリドとレオディオが話してた方?」
頷かれて、幾つか噂を教えてもらった。

何でも、
100年以上前から相談役は代替わりしていないとか。
裏では暗殺者として敵を始末しているとか。
全てを知るらしいとか。
目を見ると石になるとか。
もしもの為の下準備が誰よりも用心深いとか。
神々から嫌われて死ねないとか。
















実は魔族の四天王とか。

「……四天王?」
「可能性としては高いな。……ユユが目覚めたっていうのは力が戻ったって事だろ。」
レオディオの膝から降りて、お茶を用意すれば考えたことの無かった可能性を言われた。
確かにユユが私達のギルド【銀の盃】に加担しているのなら、他の四天王だって別の国やギルドに加担する可能性だって大いにある。
もちろん、魔族は未だに人々から恐れられる事が多いためそうそう難しいことだが。


しかし、それだと辻褄が合わない。
普通、魔力が戻っていない魔族は眠っている状態だ。しかし、噂の100年前からというのが本当なら。
魔力の戻っていない状態でもその魔族は起きて、生活していた事になる。
「そんなこと、あるのかしら?」
「……まだ実態がハッキリと確認されていないからな。取り敢えず、ミッシェル。お前は侍女として潜入し続けろ。」

助っ人を派遣する。
ギルドマスターであるレオディオが下した判断だった。
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