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第5話 二人の旅路

③ 特訓(H)

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・用意するもの
 水:適量
 革袋:1個

 ①部屋の真ん中に水を入れた革袋を吊るします。
 ②革袋に手を添えます。
 ③身体を引き絞ります。
 ④“震撃”を加減して・・・・放ちます。


 ――革袋は木端微塵に破裂した。

 床は水浸し、ついでにヴィルも水塗れ。
 その惨状を見て、

「全然ダメじゃないの!?」

「加減が難しいんだ!!」

 エルミアの駄目だしに、怒鳴り声で反論する。

 いきなり“震撃”プレイを彼女に試して何かあったらまずいということで、まずは水袋で試してみたのだ。
 結果として、その選択は間違っていなかったと言える。

「なに?
 ヴィルは、私を殺したいわけ?」

「そもそも人を殺すための技術なんだよ!!」

 快楽を得るための技術では断じて無いのだ。
 ヴィルの身体能力が軒並み人類の最高値・・・・・・であることも、多少は影響しているかもしれないが。

「――これは、特訓しかないわね」

「なっ!?
 もう終わりでいいんじゃないか?
 “震撃”を遊びに使うのは止めましょう、という教訓を得たということで」

「それでいいわけないでしょ!
 ヴィルは見たくないの!?
 貴方の震える手でアヘアヘになっちゃってる私の姿が!!」

「そ、それは正直見てみたい、が――自分で言うか?」

 とりあえず。
 この宿場町では食料などを買い足す必要があるということで。
 その買い出しを全てエルミアがやり、その間ヴィルは“震撃”の手加減を練習する、という流れになった。






 破裂する水袋。
 ままならない成果。
 だが、青年は不思議と“遣り甲斐”を感じていた。
 何かを壊す、誰かを殺すためでは無く。
 人を悦ばすために技術を磨くのは、初めてのことだったから。



 ――プロジェクトB
 ――B――B――B――

 ~~♪~~♪~~~~♪



「それはもういいっ!
 あと人を殺戮兵器か何かみたいに言うのは止めろ!!
 人命救助のための技術だって色々学んでるんだよ!!」

「えー?」

 エルミアは不満顔だった。






 昼。
 買い物をある程度片付け、エルミアが宿に戻ってくると。

「できたぞ」

「早っ!?」

 何のことも無さげに、ヴィルは言った。

「ちょっと、こういうのってもっとしっかりトレーニングして、ようやく完成させるものなんじゃないの!?
 失敗はっ!? 挫折は!? 打つ手が無くなってからの、発想を逆転させる閃きはっ!?」

「そんなもの知らん」

「な、なんてドラマが無い……」

 ぶつぶつ文句を言う彼女は置いて、青年は釣り下がる水袋に手で触れる。

「――よっと」

 軽い掛け声と共に、“震撃”を放った。
 革袋が、ブルブルと小さく、しかし高速に振動する。

「おおー、すごーい!」

「どんなもんだ」

 パチパチ拍手するエルミアと、胸を張るヴィル。
 目的を考えると、そんな誇れるようなモノではないのだけれど。

 一しきり手を叩いてから、少女がふと質問してくる。

「ところでコレ、どれ位できるの?」

「どれ位とは?」

「今、一瞬しか震えてなかったじゃない。
 どれだけの“時間”震えさせられるのかって」

「…………」

 ヴィルは押し黙る。
 視線を彷徨わせた後に、

「――い、一秒くらい?」

「短っ!?」

 エルミアが思った通りの反応をした。

「ちょっと!
 そんな短い時間で女の子を満足させられると思ってんの!?
 貴方、女を舐めてない!?」

「仕方ないだろうっ!!
 瞬間的に超振動を生み出す技なんだから!!
 長時間、振動させることなんてコンセプトに組み込まれてないんだ!!」

「はー、ぬか喜びした私がバカだったわ」

 少女はため息の後、やれやれと首を振る。

「これはまた特訓して貰うしかないわね。
 ちゃんと長い時間振動を保てるようにしておきなさい?」

「――何で上から目線で言われなければならないんだ」

 イラっと来るのをどうにか抑え、ヴィルは練習を再開した。






 ――プロジェクトB
 ――B――B――B――


「だからしつこいんだよっ!!」

「天丼は基本なのに」

 何の話だ。






 革袋が揺れている。
 細かい振動は、既に数十秒続いていた。

「うわー。
 ホントに一日でできちゃった」

 顔を輝かせるエルミア。
 そんな少女をしり目に、

「――俺、何やってんだろう」

 ヴィルは現実に立ち戻りつつあった。

「そこで冷静にならないでよ!」

「いや、うん、なんだろうな。
 俺、もう“帝国”に帰らない方がいいのかも……」

「それは好都合!――じゃ、なくて。
 大丈夫でしょ、これくらいなら。
 技術は日進月歩するものなんだし」

「……そうかなぁ」

 流石に納得しづらい。

「そ・ん・な・こ・と・よ・り・も!」

 無理やり話題を終わらせると、エルミアはベッドにぽすっと座る。
 そして自ら上着を開けていくと、

「ほらほら、早速やってみましょ♪」

 胸を露わにしながら、ヴィルを誘う。

「そんな開けっ広げな――」

 呆れたように呟くものの、青年の視線は彼女のおっぱいに釘つけだった。

 小柄な体躯にも関わらず、しっかりと育った2つの果実。
 サイズは同じでも、他の女性より大きく見える。
 それでいて、描く曲線は極上のモノ。
 釣鐘のような形状の先には、ツンと上向きになった薄い桜色の突起。
 その全てが、ヴィルの欲情を無性に掻き立てた。

「――あ、あの」

「ん?」

 胸ばかり見ていると、エルミアに声をかけられる。
 すぐに少女の方を見れば――彼女はもじもじとして顔を赤らめて、

「そんなに、ジロジロ見ないで下さい。
 ……は、恥ずかしくて」

「うぉっ!?」

 いきなりのことに、仰け反ってしまう。

(ここで、聖女になるのか!?)

 何時の間にやら、エルミアは性女モードから聖女モードへと切り替わっていた。

「あー、そっちの状態で、ヤるのか?」

「は、はい。
 ご迷惑でしょうか……?」

「いや、そんなことは無いが――」

「――でしたら、お気兼ねなく。
 私の胸を、存分に弄って下さい」

「……わ、分かった」

 ヴィルはエルミアの隣に座る。
 少女の銀糸のような髪が、青年の身体にかかる。
 女性の甘い匂いが鼻孔をくすぐった。

 そして青年は、美麗な胸へと手を伸ばし、そっと触る。

「――あ」

 少女の口から小さな吐息。
 手には柔らかくすべすべした感触。
 軽くもんで、その弾力を確かめる。

「――ん、ふっ」

 甘い息が漏れる。
 蕩けるように色っぽい声と、手の平へかかる弾力を感じてから。
 ヴィルは、“震撃”を使用した。

「――あ、あぁあああっ」

 プルプルと震えだすおっぱい。
 まるで美味しいプリンのよう。

「ああ、あぁああ――気持ち、良い、ですっ――ああああ――
 胸全体が震えて――あぁああああっ」

 エルミアはうっとりと呟く。
 その声は実に艶めかしかった。
 ヴィルは“震撃”を使っている手をゆっくりと動かし――乳首を指で挟む。

「はっ!? あぁぁあああああっ!!」

 ビクッと、少女は身体全体を揺らす。

「はっあっあっあっあっ!
 すごいっ!! コレ、すごい、ですっ!!
 乳首がっピリピリしてっ――あ、あぁあああああっ!!」

 “先端”へ振動を当てられ、エルミアは大きな嬌声を上げた。
 顔も一気に蕩けだし、煽情的な表情を作る。

(もっと、もっと、その顔が見たい!)

 自分の中に沸いてくる欲望に従い、ヴィルは空いている手でもう一つの乳首にも触った。
 ――両乳首への、“震撃”。

「はぁあああああああんっ!?」

 少女が上半身を大きく仰け反らせる。

「あっあっあっあっあっあっ!!
 もうっ――もうっ、おっぱいがおかしくなっちゃいますっ――あっああっあっあああっ!!」

 瞳を閉じ、口は半開き。
 恍惚とするエルミア。
 おっぱいは、“震撃”によって振動し続けている。

「はぁああああっ!――あぁあああああっ!!
 イキ、そう、ですっ――もう、私、イ、ク――――!」

 少女が、身体を硬直させた。
 全身が、小さく震える。

(――イった、のか)

 胸だけで、こうも簡単にイかせられるとは。
 “震撃”の効果はなかなかのものだった。

「……良い感じ、かな。
 この技は」

「は、はい、軽く絶頂へ達してしまいました……」

 涙目で、エルミアは頷く。
 だがそれだけでは終わらず、

「――ヴィル。
 その、今度は、下の方にも――」

 少女はスカートを捲り始める。
 すぐに、スラリとした白い脚とその付け根を包んだショーツが露わになる。

「お願い、します。
 下も――私の、クリトリスにも、あの技を頂けませんでしょうか――」

 発情した顔で、彼女は告げてくる。
 ……応えないわけにはいかなかった。

 ヴィルは、純白のショーツの中へ手を滑り込ませる。

「――もう濡れてるんだな」

「だ、だって――さっき、イってしまいました、から……」

 気恥ずかし気に、少女は返事する。
 目を反らす仕草が、抱きしめたくなる程に可愛い。
 その衝動を堪え、青年の手は愛液に塗れた彼女の恥丘を探索していった。

「――んぅ」

 絶頂の後だからか、軽く撫でただけでエルミアは艶のある声を出した。

(……コレ、か)

 陰核はすぐに見つかった。
 濡れた股間の中、ぷっくりと膨らんでいる。
 目で見ずとも、それがクリトリスであることが分かる。
 ヴィルはその“豆”をそっと抓むと、

「いくぞ」

「……はい、やって下さい」

 少女が首肯するのを見てから、“震撃”を放つ。

「――うっ!? あっ!!?」

 途端に、彼女の表情が強張る。
 ガクガクと肢体を揺らしながら、

「あっ!! うっ!! あっ!!
 こっれっ――すっごっいっ――あっあっあっあっ!!
 あっ!! あっ!! あっ!! あっ!!」

 その悶えようは、胸の時の比では無かった。
 ベッドに倒れ込み、シーツを握り締めて、嬌声を上げ続ける。
 彼女の動きに合わせ、繊細な銀髪が波打った。
 水でもかけたかのように、ショーツが濡れていく。

「あっ!! あっ!! イクっ!!
 もっもうっ!! イキますっ!! あっ!! あっ!! あっ!!」

 超振動するクリトリスから齎される快楽で、エルミアは再度絶頂への階段を駆け上がっていた。
 さっきイッたばかりだというのに、だ。

(す、凄いな、“震撃”)

 効能の高さに、戦慄すら走る。
 そうこうしている内に、少女の喘ぎは大きくなっていき――

「――あっ!! あっ!! あっ!! イクっ!!
 イクっ!! イクっ!! イクっ!! イッ――クッ――――っ!!!!!」

 先程よりも大きい痙攣が起きた。
 陰核を弄る手に、暖かい液体がかかる。
 彼女の潮、だろう。

「はぁっ――はぁっ――はぁっ――はぁっ――」

 仰向けでベッドに転がったまま、荒く呼吸するエルミア。
 綺麗な形の乳房が、上下に揺れる。
 その様を見ていると、ヴィルは自分の鼓動が早まっていくのを感じた。

「エルミア、その――」

「はぁっ――はぁっ――だ、大丈夫、です。
 私の、中で――はぁっ――はぁっ――ヴィルも、気持ち良くなって下さい」

 言い難そうな気配を察してか、少女の方から切り出してきた。
 両手を広げ、ヴィルを迎え入れようとする。
 辛抱堪らず、彼女へと覆いかぶさる。

「エルミア――エルミア――!」

「ああぁ、ヴィル――」

 互いに抱き合い、口づけを交わす。
 最初は唇同士の軽いキス。
 それが、次第に舌を絡ませた濃厚なモノへと変貌していく。

「――は、あ――ん、んぅ――れろ、れろ――ん、んむぅ――」

 エルミアの唾液が口内へ染み渡る。
 彼女の体液は、どんなものであってもヴィルの好物だった。
 じっくりと堪能してから、顔を離す。

「――挿れる、からな」

「はい。
 何時でも、構いません」

 にっこりと、幸せそうに笑う少女。
 その笑顔が青年を逸らせる。
 一刻も早く、エルミアの膣を味わいたい。

 急いでベルトを外し、ズボンを降ろし、自分の性器を取り出す。
 熱く勃起したソレを少女の股へ――彼女の“入口”に添えると。
 間髪入れず、腰をエルミア向けて突き出した。

「あぁぁあああああっ!!」

 彼女の口から艶声。
 同時に、股間が暖かさに包まれる。
 膣のヒダがイチモツに絡みつき、全体を絞めてきた。
 搾るような締め付けが、ヴィルの快楽をさらに煽る。

「――動かすぞ!」

「はいっ――いっぱいっ――いっぱい、して下さい!」

 欲求に抗おうとはせず、前後に腰をグラインドし出す。
 膣に扱かれる快感が、青年の全身を駆け回った。


 この時。
 少女は――いや、当の青年自身すら、甘く見ていた。
 ヴィルの、底知れぬ才能を。


「――あっ!!?
 あっ!!? あぁあああああああああああああっ!!!?」

 突如、エルミアの絶叫が響く。

「――お、おおっ!?」

 ヴィルも、戸惑いだした。
 何故なら――股間が“震えだした”からだ。

「あひっ!!? あっ!! あっ!! あああっ!!
 ふ、ふ、震えっ!?――中が、震えてっ!!?――あぁああああああああっ!!!」

 エルミアが痙攣した。
 絶頂したのだ。

 だがそれも無理もない。
 身体の中へ、直接・・“震撃”を打たれては。

(――こ、これはっ!?)

 ヴィルは自身に起きていることを理解した。
 元より、彼は全身、あらゆる打撃、武器による攻撃にすら“震撃”を乗せられる・・・・・
 そして今日、何時間にも及ぶ反復訓練によって、ちょっとした弾みで“加減した震撃”を行ってしまうができてしまったのだ。

 その結果が、コレ。
 愚息を使った“震撃”――否、“チン撃”か。

(上手いこと言ったつもりか!?)

 自分で自分につっこみを入れる。

「あひっ!? あひっ!? はひっ!
 ――ヴぃ、ヴィルっ――止めてっ――止めて、下さいっ!!
 あっ!! あっ!! あっ!! ああっ!!!
 おかしく、なるっ――私、おかしくなるっ!!――やぁあああああああっ!!?」

 絶叫しながら、中止を懇願する少女。
 彼女の身は、ブリッジでもするような勢いで反らされている。
 “内側”からの超振動は、エルミアをして耐えられない刺激のようだ。

「わ、分かった、すぐに――!?」

 そこで気付く。
 自分の身体が、制御できない。
 “チン撃”が、止まらない!

(何故だっ!?)

 心で叫ぶも、理由は明らかだった。
 ――気持ち、良いのだ。
 凄まじい快楽なのだ。
 振動した剛直で少女の膣を抉る行為は。

「あっ!! あっ!! あっ!! イクっ!! イクっ!!
 イクぅぅぅううううううううっ!!!」

 エルミアは激しく震える。
 瞳は白目を剥き、涙が流れ落ちた。
 それを見て止めようと努めるも――止まらない。

 超振動する肉棒が、少女の膣肉を震えさせ。
 その震えが、ヴィル自身へさらなる快楽として跳ね返ってくる。
 膣壁による、締め付けと振動の二重奏。
 理性ではとても抑えられない悦楽であった。

「あぁあああああああああああっ!!!
 イグっ!! イグぅぅぅううううううううっ!!!」

 そうこうしている間にも、少女は絶頂を続ける。
 大きく開けた口からは、泡まで噴き始めていた。
 最早、一刻の猶予も無い。

(――お、俺も、イクしかない!)

 射精すれば昂りは静まり、“チン撃”も収まるはず。
 そう信じて、青年はピストン運動を再開した。

 ――性器を引き抜けばいいだけじゃないのか、というツッコミを行える者は、この場に誰もいなかった。

「――あっ!!――あっ!!!――あっ!!!」

 もうほとんど余力が無いのか、エルミアは途切れ途切れに喘ぐのみ。
 だが、声を出すたびに肢体には痙攣が起き、彼女の絶頂地獄が終わっていないことを分からせてくれる。

(俺も、すぐ、イクぞ――!)

 自身が動くことで、少女の膣から貰える快楽はさらに増す。
 彼女を解放するため、一心不乱に腰を振った。
 ――亀頭が、子宮口を叩きだしていることにも気づかず。

「――かっ!!?――はっ!!?――あっ!!?」

 子宮を直接振動させられ、エルミアの苦悶の色が変わる。
 しかしヴィルはそれを意に介さず、股間を彼女に叩き込んだ。
 痙攣した膣は痛い程に肉棒を絞め。
 そこへ超振動が加わり、快感で脳が焼ききれそうだ。
 まるで股間が無くなっているような錯覚すら覚える。

(も、もう少し、で)

 全身の血が“一か所”へ集中していく。
 射精感が限界にまで高まっていった。
 絶頂まであと僅か。
 ――と、そんな時。

「――あ」

 剛直が、とうとう子宮内に滑り込む。
 子宮へ、女体の一番奥底へ、超振動が打ち込まれた。

「――あ――が――は――――――――
 ――――――ぁぁぁぁぁああああああああああああああああっ!?!!?」

「う、お、お、イクっ!?」

 喉が張り裂けんばかりの叫びが、エルミアから飛び出す。
 それと時同じく、ヴィルは射精した。
 精液が、少女の子宮に流れ込んでいく。

「あああああああ!!!――――あああああああああ!!!!」

 訳の分からぬ呻き声を出して、ソレを受け止めるエルミア。
 とうに意識を失っていることは明らかだ。

「――――あ――――あ――――――――あ」

 …………。
 青年の射精が終わると、部屋は静まり返っていた。
 我に返ったヴィルの目の前には、

「――――」

 微動だにせぬ、小柄な少女。
 目からは光が失われ。
 身体の穴という穴から液体が垂れ流しになり。
 全身汗まみれ。
 銀色の長髪も、これ以上ない程に乱れていた。

 そんな姿であっても、“美しい”と思えてしまうのは、彼女の美貌故か、それとも単なる男の性か。

「へ、平気か、エルミア?」

 揺さぶる。
 返事は無い。

「――エルミア?
 ――エルミアぁっ!!!」

 寝室には、男の悔恨に満ちた声だけが木霊した。






 結局、エルミアが目覚めたのは。
 ヴィルが、死んで詫びようかと首吊り用の縄を用意した頃合いであった。
 幸い、後遺症は無かったようである。






 朝。
 眩しい太陽の光は、昨日の惨劇を何となく忘れさせてくれるような気がした。

(……封印だな、あの技は)

 窓から快晴の空を見上げながら、ヴィルは決意する。
 そんな彼へ向かって、

「ねぇねぇ、ヴィル!」

 徹底的に嬲られた割には結構元気なエルミア(性女モード)が話しかけてきた。
 昨夜のことから気後れしてしまうものの、どうにか返事する。

「……どうした?」

「私、色々考えてみたんだけど――」

 一拍間を置いて、

「あの工事担任者が言うには、“徹打てつうち”って技もあるらしいじゃない?」

「え?」

「相手の体内へ、衝撃を徹すっていうヤツ」

「え?」

「ソレを上手く使えば、ちんこ挿れなくても膣や子宮が弄れるんじゃないの!?
 しかも周囲からはお腹擦ってるようにしか見えないから、白昼堂々町のど真ん中でプレイができちゃったり!
 これ凄くないっ!?」

「…………」

 お望み通り、ヴィルは“徹打”をエルミアの頭にかまして、彼女を昏倒させた。
 ――再び目覚めたときには、彼女が何もかも全て忘れてくれていることを信じて。


 完
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