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第1話 聖女エルミア

③ 誘われて(H)

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「んんっ!?」

 再度行われる口づけ。
 先程との違いは、互いに・・・求め合っている・・・・・・・ということだろうか。

「んっ! んちゅっ! んんっ! あっ! あふっ! んんっ!」

 ヴィルも、エルミアも。
 少しでも相手を味わおうと、懸命に舌を動かした。
 青年の舌が少女の口内を、少女の舌が青年の口内を、それぞれ蹂躙していく。

「んっ! れろ、れろっ――んんっ! んっ! んっ!!」

 エルミアの顔が、たちまち蕩けていった。
 彼女の身体から力が抜けていく。

「あ、あふっ! あっ! れろ、えろっ――んふっ! んんっ! ん――っ!!」

 十分にキスを堪能したヴィルは、標的を変更する。

「はぁっ――はぁっ――はぁっ――あ?」

 エルミアが身に着けているドレスをずり下ろし、胸を露わにする。
 純白のブラジャーに包まれたおっぱいが、姿を現した。
 あどけなさのある顔立ちに反して、“そこ”は十分に育っている。

「……綺麗だな」

 一言零してから、ヴィルはブラジャーを力任せに外した。
 ひょっとしたらどこか壊れてしまったかもしれないが、それに気遣う余裕はもう無い。

 下着を無くしてなお、エルミアの胸は綺麗な形を崩さなかった。
 先端は、薄い桜色。
 初雪のような白さを持つ肌との対比が、実に美しかった。

 ヴィルはその双丘の片方を揉み、片方を舐める。

「あっ! あ、ああっ! あぁああんっ!」

 喘ぎ始めるエルミア。

 彼女のおっぱいは柔らかく、それでいてしっかりとしたハリを持っていた。
 まるで、手に吸い付いてくるような感触。

 同様の感覚が、舌にも伝わってくる。
 突けばプルンと揺れ、しかしすぐ元に戻る。
 極上のデザートを味わっているかのように錯覚してしまう。

「気持ち、いい…! あ、ああっ! 気持ち、いいよぉ…! ああんっ!」

 うっとりとした少女は口調で呟く。

「ヴィル、乳首も――あっあっ――乳首も、弄ってぇっ!」

 言われるまでも無かった。
 胸の先端を、指で抓み、口で吸いだす。

「はぁああああんっ! あっ! ああっ! ああぁあぁああっ!!」

 エルミアはさらに甲高い嬌声を上げた。
 乳首は既にコリコリに固くなっており、彼女が感じていることを如実に表している。

「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!
 ――ああぁああああああっ!!!?」

 艶声が大きくなる。
 ヴィルが、乳首を噛んだからだ。
 さらに増した刺激に、彼女の性感は昂っていった。

「あっ! あっ! 凄いっ! あっ! あっ! 凄いのっ!
 もっと! もっと! 気持ち良くしてぇっ!!」

 故意なのか、無意識なのか。
 エルミアは自らの股間を、青年の身体に擦り付けてくる。
 その“意図”が分からない、ヴィルではなかった。

 おっぱいへの責めは続けたまま、空いている手を彼女のスカートの中へ突っ込むと、そのまま股間を弄ってやる。

「――ああぁああっ!!!」

 欲していた快感を与えられ、エルミアは嬉しそうに喘ぐ。
 彼女の股は、もう愛液でびちょびちょだった。
 少し弄るだけで、水音がたってしまう程に。

「はぁんっ! ああっ! ああっ! んぁあああっ!!」

 胸と股間を同時に責められ、感極まった声を出すエルミア。
 このままいけば、すぐに絶頂するだろうが――

(――駄目だ!)

 それではヴィルが満足できない。
 もう彼の男根はどうしようも無くそそり立ち、早く女へ入りたい・・・・・・・・と訴えかけてきているのだ。
 コレを突き立てる前に、彼女にイかれてしまう訳にはいかない。

 ヴィルは、一旦彼女を責める手を止めた。
 身体を少しだけ彼女から離す。
 そうした方が、“作業”しやすいからだ。

「あ、ん―――?
 はぁっ……はぁっ……ど、どうしたの?」

 訝しむ彼女を無視して、スカートを捲り上げた。
 ブラジャーに同じく、純白のショーツが視界に入った。
 高級そうな、シルクの下着だ。

 だがそれを鑑賞する暇は、ヴィルに無かった。
 股間は痛い程に勃起し、彼をせっついてくる。
 今、用があるのは、その中身・・なのだ。

 ショーツを、乱暴に脱がす。

「――んぅっ」

 ヴィルが何を求めているのか、エルミアも分かっているのだろう。
 彼女は促されるまでも無く、股を開いてきた。

 濡れそぼった女性器をじっくりと見る間も無く、青年は再びエルミアの上にのしかかる。
 数秒でも早く、彼女を感じたいのだ。
 少女の耳元に口を近づけ、そっと囁いた。

「――挿れるぞ」

「――うん、来て」

 それを合図に。
 ヴィルは自らの愚息を、一気に膣内へと侵入させた。
 彼の股間が、暖かい感触に包まれた。

「―――――あっっっ!?」

 エルミアの身体が硬直する。
 直後、ビクッビクッと小さく痙攣しだした。

(……これは、まさか)

 ヴィルの頭に、ある可能性が浮上する。

「……イっちゃったのか?」

「あ、うっ――ご、ごめんっ――こ、これ――凄くって――」

 涙を流しながら、息も絶え絶えに答えるエルミア。
 本当に挿入しただけで、絶頂してしまったらしい。

(そういえば、禁欲生活が長いと言っていたな)

 久しぶりの快感で、あっという間に気をやってしまったのだろう。
 ただ、彼女がイったからと言って、ここで止まるわけにはいかなかった。

「動くからな」

「――え?」

 聞き返してくるエルミアに何も答えず。
 ヴィルは、腰を振り出した。

「あ、あぁあああああっ!!!」

 絶頂したばかりで敏感になっているのか、叫んでいるかのような喘ぎが彼女から飛び出す。
 表情が歪み、苦しいような、それでいて気持ちが良さそうな、絶妙な顔つきとなる。
 それがまた、素晴らしいほど淫猥であった。

「あっ!! あっ!! あひっ!?
 ヴィルっ!! 待って!! あぅっ! ああっ! ちょっと待ってぇっ!! あぁあああんっ!!」

 懇願されるが、止まらない、止められない・・・・・・
 最早、ヴィルの意思でもこの行為を中断できなくなっていた。

(……なんだ、これは!
 この、快感は……!!)

 エルミアの膣は絶品だった。
 男根全体に絡みつき、締め付け、扱きあげてくる。
 気を抜けば、あっという間に絶頂へ導かれてしまいそうだ。

 ヴィルの思考と無関係に、彼の身体は快楽を求めて動いていた。

「あぁああっ! ああっ! やぁあああっ!!
 私、イクっ!! また、イっちゃうぅううっ!!!」

 どうしようもない悦楽を与えられているのは、エルミアも同じの様だ。
 イったばかりだというのに――いや、イったばかりだからか――もう次のオーガズムが押し寄せてきているらしい。

 彼女の表情から、“苦しさ”はもう抜け落ちていた。
 ただただ恍惚と喘ぐ、女の顔だ。
 “聖女”が決してしてはならない、雌の顔だ。

「ああ、いいぞ。
 イケっ! エルミアっ!
 また、イクんだっ!!」

 彼女の嬌声が、ヴィルのピストン運動を加速させる。
 早く動かせば動かす程、エルミアの膣はより強い快楽を与えてくれた。

「あぁあああああっ!!
 凄いっ!! 凄すぎるのっ!!
 ヴィルのおちんぽ、おっきすぎて――深いぃっ!!
 あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」

 エルミアが抱き着いてくる。
 止めどなく与えられる快感に堪えきれないのか、抱きしめる腕には強い力がかかっていた。

「叩いてるぅっ!! ヴィルが、私の奥、ガンガン叩いてるぅっ!!
 も、ダメっ! イクっ! イクのっ! 私っ! イクっ!!」

「ああ、イケっ!!
 俺も、イクぞっ!!」

 絶頂に達しそうなのは、ヴィルも同じこと。
 女性器による快感は股間から脳に伝わり、我を忘れさせていた。
 今の青年は、ただの腰振り人形だ。

 ――そして、享楽を貪る2人は、同時に“終わり”を迎えた。

「さあ、イケっ!! イケっ! イケっ!! イケぇっ!!」

「あうっ!! あっ!! あっ!! イクっ!! イクっ!!
 イク、イク、イク、イク、イクぅううううううううううっ!!!!!!」

 エルミアは、全身を仰け反らせ、硬く強張る。
 ヴィルは、彼女の最奥へ精を解き放った。

「あっ――あっ――あっ――あっ――」

 オーガズムの余韻で、彼女は白目を剥きながらビクンッビクンッと大きく震える。
 そしてエルミアが痙攣する度に、膣は強く締まり――

「……う、ぐっ」

 ヴィルの精液を、一滴残らず搾っていく。
 まるで、連続で射精しているかのようだ。

「あっ――あっ――あっ――あ――――――――」

 幾度目かの痙攣を終えたところで、エルミアは脱力し、動かなくなる。

「…………」

 ヴィルもまた、疑似的な連続絶頂で体力を奪われ、意識を失った。






 目が覚めて。

「……やってしまった」

 ヴィルは、頭を抱えた。

 日はもう高く上がっている。
 出発の予定時間は、とっくに過ぎていた。

(まさか、あんなに熱中してしまうとは――)

 仕方がない。
 心が高鳴る程に好みな外見の女の子と、致したのだ。
 時が経つのを忘れてしまうのも、仕方がないことなのである。

「と、とにかく、エルミアを起こさなければ――」

 横で寝ている彼女を揺さぶる。
 その時。

「あーーーーーっ!!!?」

 絶叫する。
 あり得ないモノを、見てしまった。

「ふぁあああ……
 おはよ、ヴィル。
 どうしたの、大きな声出して?」

 その叫びで、エルミアは起きたようだ。
 だが、ヴィルはそれどころでは無かった。

「き、君っ! 君は――っ!!」

 見つけたモノを指し示しながら、

「――しょ、処女、だったのか!?」

 ……ヴィルが見たモノ。
 それは、ベッドに付いた“血”の染みだった。
 ちょうど、昨夜“行為”をしていたところに付いている。
 それが意味するもの。
 つまり――彼女は、“初めて”だったということ。

 昨夜、イチモツを挿入した際、彼女が震えたのも、涙を流したのも。
 ――絶頂したからではなく、破瓜の痛みに耐えてのものだったのだ。

 しかし、動転するヴィルをよそに、エルミアは涼しい顔だ。

「そうよ。
 分からなかったの?」

「分からなかったって――分かるわけないだろう!?
 そっちから誘ってきたんだし、やたらと手慣れてたし!!」

「本とか読んで練習してたの。
 あとはこう、杖を使って、こんな感じに――」

「おい止めろ!?
 仮にも神聖な代物使ってナニしてんだ!!」

 エルミアが杖で“実演”しようとしだしたので、慌てて止める。

「だいたいね、私は聖女なのよ?
 ただでさえ教会はエッチなことにうるさいし。
 “そういうこと”する自由なんて無かったんだってば」

 あっけらかんとした物言いだ。

「いやー、でも、私の才能も大したもんよね。
 処女だってことに気付かれなかったんだから」

「……そ、そういう問題じゃなくてだな」

 ただ自分が慌てているだけの現状に、脱力を感じながら。
 しかし、ヴィルは彼女に問い質す。

「君は、初めてが俺なんかで、良かったのか」

「――貴方だから、良かったの」

「っっっっ!!?」

 その言葉は。
 青年を一瞬で撃沈させるに十分な破壊力だった。
 しかし、

「貴方のちんぽ、凄く気持ちよかったからねー。
 オナニーとは偉い違い!
 もう、オナニーじゃ満足できないかも♪」

「いきなりはしたない話になるなよ!!」

 頬を染めて身体をくねらせるエルミアに、ツッコミを入れる。
 なんかこう、色々とダメだ、この女は。

「ねぇ――私の、“初めての男”になった気分はどう?」

「――っ!?」

 いきなり聞かれ、言葉に詰まってしまう。

「あはははは、わっかりやすーい!
 そんなに嬉しそうな顔しなくったって♪」

「や、やかましい!!」

 怒鳴る。
 怒鳴って、誤魔化す。

「と、と、とにかく!
 もう予定時刻は大幅に過ぎているんだ!!
 すぐ、出発するぞっ!!!」

 気恥ずかしさや、情けなさ――そして、“嬉しさ”を隠すため、敢えて大声で宣言する。

「ええー、もう?」

「今から行けば、宿場町は無理でも次の休憩所には無理なく到着できるんだ!」

「休憩所だったら、ちょい余裕があるんじゃない?
 処女卒業の記念に、もう一回くらいヤっときましょうよ。
 昨日は、最後の方わけわかんなくなっちゃったから」

「するかぁっ!!!」

 申し出を一蹴する。
 するとエルミアは、急にしおらしくなって――

「――私を抱いては、下さらないのですか?」

「っっっっ!?!!?」

 “聖女”の顔だった。
 出会った最初に見た、ヴィルが本気で一目惚れした、あの少女の顔だった。
 その少女が、自分を抱いて欲しいと、潤んだ瞳で懇願している。

「…………………する」

 ヴィルは、陥落した。

「あはは、この正直者め。
 じゃ、時間も無いことだし早速ヤりましょ!」

 笑顔でエルミアが抱き着いてくる。
 その肢体の柔らかさに、青年の愚息は勝手に勃起し始めた。

「……畜生。
 畜生ーーーーっ!!!」

 そんな叫び敗北宣言と共に。
 ヴィルは、エルミアを押し倒した。






 とりあえず。
 日が暮れる前に、次の休憩所には辿り着けたことを、最後に記しておく。



 完
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