社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第二十九話 ジャン・フェルグソンの不幸な一日

③! 夜までの話

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■再び午後



 話は数時間ほど遡る。

「誰、あんた?」

 陽葵の家を訪れたジャンにかけられたのは、そんな言葉であった。

「え、あ、その、ヒナタの友達、なんですけど……」

 返す言葉がどもってしまう。
 それもそのはず、

「へー、友達、ねぇ?」

 陽葵の家――のはずだった場所から現れた“少女”が、ジャンのことを思い切り睨んでいるからだ。
 セミショートの茶髪を持った可愛らしい美貌から、きつい視線が投げかけられる。

(こ、こんなはずでは――!?)

 想定では今頃、ベッドの上で陽葵とイチャイチャしているはずだったのに。
 まさかの事態である。
 あまりにも想定が甘すぎたとも言える。

「いや、あのですね。
 本当に俺はヒナタの友達で、今日は遊びに来ただけでして」

「あんたの言う“友達”ってのは――」

 ジャンの弁明を、少女がぴしゃりと遮る。

「――“ようヒナタ、今日はいっぱいエッチしちゃおうぜぇ!”とか開口早々に言っちゃうような関係のことなの?」

「えっと、それは……」

 少女の(意外と似てる)声真似の前に、ジャンは二の句が継げなくなる。

 痛恨のミスであった。
 陽葵とのセックスが待ちきれず、ついつい先走った台詞を零してしまったのだ。

(ヒナタ以外の人が居ることも考えておくべきだったー!!)

 いや、陽葵しか居なかったとしても、その挨拶は如何なものか。
 どう控えめに見積もっても、ただの変態である。

「で、話はもう終わり?
 まだしたいって言っても断るけど。
 気持ち悪いからさっさと帰って」

「いや、いやいやいや、変なジョーク口走ったことは謝るけどさ、本当に友達なんだって、俺とヒナタは!」

「信じられない。
 仮に万に一つそうだったとしても、あんたみたいな気持ち悪い奴、ヒナタに近づけたくないっての。
 というかあたしの傍にも居て欲しくないから、早く立ち去りなさいよ、気持ち悪いの」

「そ、そんなに気持ち悪い気持ち悪い連呼しなくても――!?」

 有無を言わせぬ辛口トークにジャンの心はボロボロだった。
 こちらの言葉など、何も聞いて貰えそうにない。

(ここは一時退散した方がいいか!?)

 とてもではないが説得できそうにない。
 何より、この少女が居ては陽葵とアレやコレするのにも支障がある。
 今日は日が悪かったということで、諦めるべきだろう。

(…………んん?)

 と、心が折れかけたところで、ジャンはある“引っ掛かり”に気付く。

(この子、どこかで会ったような――?)

 目の前の少女を見れば見る程、既視感のようなものが湧いてくるのだ。
 自分は彼女とどこかで会ったことがあるような。
 そんな感覚を覚える。

(どこだったかな?)

 記憶の本棚をひっくり返す。
 正直なところ、この少女もまた相当な美人さんだ。
 顔を険しく歪ませ、加えてTシャツとスパッツという酷くラフな格好をしているにもかかわらず、彼女の持つ美しさはまるで損なわれていないように感じる。
 つまり、そういうマイナス点を鑑みても十分美麗だと思える程の美貌を持っているわけで。
 これだけの美少女、一度見ればそうそう忘れるはずが無いのだが……?

(――ああっ!!・・・・・ そうだっ!!・・・・・・

 そこで閃く。
 ようやくジャンは理解した。
 彼女が“何者”なのかを。

(そうと分かれば!)

 改めて少女へと向き直り、話しかける。

「……なあ、お前・・

「ん? 何よ?
 あたし、さっさと消えてって言ったの。
 分からない?」

 何時まで経っても動こうとしなジャンに、少女はかなり苛立っているようだ。
 しかし、今のジャンはそのことに何の痛痒も覚えない。
 彼は目の前の女の子に詰め寄ると、

「なに、肉便器の分際・・・・・・で俺に意見してるんだよ」

「――――え?」

 きょとん、とする少女。
 初めて怒り以外の表情を現したが、ジャンにとってはどうでもよいことだ。
 だって彼女は肉便器――男に奉仕するだけ・・・・・・・・の存在・・・なのだから。

「おらよっ」

「あうっ!?」

 無造作に少女の胸を揉む。
 Tシャツ越しに、柔らかくて張りのある感触が手に伝わる。

「へー、肉便器のくせにいい身体してんなぁ。
 むっちり肉が詰まってやがる」

「な、なにをっ!?――――あっあぅ、や、あぁっ!?」

 両手でぐにぐにと彼女のおっぱいを揉みしだく。
 触って初めて分かったのだが、少女はノーブラだった。
 この辺りも、実に肉便器らしい。

「だ、だめっ――あ、あ、あ、あ、あっ――や、やめなさいよっ――んん、んぁ、あ、あぅ――」

 口で嫌がりつつも、身体は抵抗してこない。
 ジャンの手を払いのけようともしないし、ジャンから逃げようともしない。
 まあ、彼女は肉便器なのだから当然の反応だ。

「んで?
 ヒナタは何時ぐらいに返ってくるんだ?」

「そ、そんなことあんたに――」

「いいから言えよ!
 肉便器が反抗するんじゃねぇ!!」

 生意気な物言いをする少女の乳首を、思い切り抓ってやる。

「あ、あひぃいいいいっ!!?」

「言えっ!
 ヒナタは何時になったら来るんだ!?」

「あっあっあっあっあっ!?
 あ、あと、30分くらいで――あっあっあっあっああああっ!!?」

 人の形をした便器が、ビクビクと肢体を震わせながら答えてくる。
 ジャンはそれを聞いて、

(あと30分か……ちょっとあるなぁ)

 少し思案する。
 ただ待つだけでは、持て余してしまう時間だ。
 彼はちょっと考えてから、

「しょうがない、おいお前、真っ裸になれ」

「え、え?」

 投げた言葉に、便器が戸惑う。
 頭の回らない奴である。
 ジャンは苛立ちを隠そうともせず、再度乳首を思い切り捻った。

「んひぃあああああああっ!!?」

「ヒナタが来るまで、お前で時間を潰してやるっつってんだよ!
 いいからさっさと服脱げや!!」

「あっ! ああっ! あっ!!
 分かった!! 分かったからっ!!」

 必死に首を縦に振るのを見て、一旦手を離す。
 少女型便器はその場でいそいそと服を脱ぎだした。
 まずはTシャツ。
 薄い生地が捲られると、プルンと実った美しい果実が姿を現す。

「おい」

「な、何よ」

 ジャンの言葉に便器が怪訝な顔をした。

「なんでここで脱ぎだしてんだよ」

「ぬ、脱げって言ったのはあんたじゃない!」

「こんな外から丸見えの場所で俺にセックスしろってのかよ!
 誰かに見られたら恥ずかしいだろ!?
 早く家の中に入れろ、中に!!」

 それを聞いて、美少女を形どった便器は呆れたようにため息を吐く。

「……こんなことしといて恥ずかしいとか」

「何か文句あんのか!?」

 綺麗な桃色に染まった乳首をぎゅうっと掴む。
 堪らず、肉便器は悲鳴を上げ――いや、喘ぎ始めた。

「あ、あぁぁあああああっ!?」

「いいから家の中に入れろよ!」

「わ、分かったってばっ!! 入ればいいでしょっ!?」

 悶える便器に案内され、室内へ上がるジャン。
 家の中は、ヒナタのような美少女が住んでいるにしては、やや質素な印象を受ける内装だ。

「――なんなのよ、もうっ」

 そして中に入るや、美しい少女に似た精液処理施設は誰に促されるでも無く、全裸になった。
 口は悪いが躾は行き届いているようだ。

「へぇー、便器の癖して綺麗な身体してんな。
 胸も尻もプリっとしてやがる」

 そんな肉便器の肢体を弄るジャン。
 多くの男から精の捌け口として使われているはずだが、この身体の美しいこと。
 スタイル抜群――という程ではないものの、女としては十分に魅力のある大きさのおっぱいと、ハリのあるお尻。
 無駄肉が無いのに柔らかい二の腕に太もも。
 どこもかしこも型崩れなどせず、均整を保っていた。
 肌には染みの一つもない。
 便器には不似合いな恥じらいのある表情も、ジャンの欲情をそそる。

「んっ…ふっ…あっ…あっ…」

 少し触っただけだというのに、少女型便器はもう軽く喘ぎ始めていた。
 とんでもない淫乱だ。

「よし、じゃあまずはフェラして貰おうか」

「あっ…あっ…………う、うん」

 その命令に、便器はおずおずと従った。
 ゆっくりと躊躇いがちにジャンの前で膝立ちになり――しかし慣れた手つきでズボンを脱がせてくる。
 程なくして、まだ勃っていない男性器がぼろんと姿を現す。

「んっ――ふっ――」

 柔らかく小さい男根が目の前にぶら下げられた性処理用の雌便器は、迷いなくソレを口に含んだ。
 熱く、滑らかな触感が股間に広がる。

「んんっ――ちゅぱっ――じゅぽじゅぽっ――んっ――あぅっ――れろ、れろれろっ――」

 ジャンの性器は肉便器の口の中でこねくり回された。
 舌で舐められ、転がされ、口全体で吸われる。

「んむっ――んぅっ――じゅぽっ――ぺろぺろっ――んむぅっ――じゅぽじゅぽっ――」

「おお、上手い上手い。
 もう勃起しちまったぜ。
 何本の男を咥えたんだか」

 股間に血が集中し、イチモツがむくむくと膨らんでいくのが分かった。
 準備は整ったと言える。

「おし、もういいぞ」

「んっんっ――――ぷはっ」

 便器の肩を掴んで無理やり引き離す。
 物欲しそうな顔をこちらに向けてくる精液用便女に、ジャンは新たな命令を下した。

「こっちに尻向けて股開け」

「……は、はい」

 今度は素直に従った。
 ジャンに背中を向け、足を広げつつお尻を突き出す。
 これまでと違うその態度を僅かに訝しんだが、その女性器を見てその疑問はすぐに氷解する。

「……んだよ、まんこがもうびちょびちょじゃないか」

 思わず口にする。
 便女の股間は洪水になっていたのだ。
 こちらは何もしていないというのに、サーモンピンクの膣口からはだらだらと愛液が垂れている。

 ジャンはワザとらしく男根を見せつけ、目の前の雌便器に告げた。

「ほれ、これが欲しいんだろ?
 おねだりしてみろ」

「……あ、あんたのちんぽを、あたしのまんこに、挿れてっ」

 待ちきれないのか、腰をいやらしくくねる肉便器。
 そんな彼女の尻をジャンは思い切り引っ叩いた。

「あひぃっ!!?」

「口の利き方がなってねぇだろ!
 ちゃんと敬語使え、敬語!!」

 便器の桃尻がパァンッ、パァンッ、といい音を立てる。
 白い肌に赤い紅葉が張り付けられていった。

「あっ!? あぅっ!? あぁあんっ!」

 苦しげで、しかし甘い声色が発せられた。
 公衆便女は改めて懇願してくる。

「う、あっ――あ、貴方様のおちんぽを、あたしのまんこに、どうか挿入して下さいっ」

「――そうそう、それでいいんだ。
 別にお前のことを嫌ってるわけじゃないけど、お互い立場の違いってのはちゃんと理解しておかないとな」

 満足げに頷くジャン。
 イチモツに手をやり、肉便器のまんこへ挿入しようと――

「じゃ、恵んでやるとするか――――んんっ?」

 ――したところで、表情を歪ませた。
 パァンッという肉を叩く音が、再び部屋に響く。

「はひぃっ!?」

 雌の悲鳴。
 直後、男の怒声が響く。

「おいっ!!
 まんこの位置が低いぞ!
 これじゃ俺が屈まなけりゃならないじゃないか!!
 もっと高くしろっ!!」

 その怒りに対して便器女はぼそっと、

「……こ、細かい」

「なんか言ったか!?」

 ジャンは腕を思い切り振りかぶって尻へ張り手をかます。

「あひぃいいいっ!?」

「お前、さっきから、微妙に一言多いんだよ!」

 バシィッ、バシィッ、という音と共に、尻が赤く染まっていく。
 先程よりも甲高い悲鳴を便女が鳴らす。

「あっ! あっ! あっあっあっ!!
 ごめん! ごめん、なさいっ!!」

 瞳に涙をためて謝る性処理用雌を見て、ジャンは溜飲を下げる。
 叩くのを止めてやると、便器女はつま先立ちになってくいっと尻を上へ向けた。

「――――これで、いいんでしょ!」

「……ま、こんなもんか」

 乱暴な物言いが気に障らないでも無かったが、いい加減挿入したいのでぐっと堪える。

(まったく、俺も甘い男だぜ)

 一般的な男性であれば、躾と称してこの肉便器へさらなる制裁を加えていたところだ。
 自分の寛大さに酔いしれながら、青年は自らの愚息を膣口にあてがい、中へと押し込んでいった。

「あ、ああ、あ、あぁあああっ!!」

「――おっ? お、お、おっ!?
 すげぇ、滑り込んでいくぜ!?」

 十分に濡れた膣は、剛直をあっさりと受け入れた。
 ……いや、飲み込んだ、という表現が正しいか。
 まるで腰が引っ張られるかのように、ジャンのイチモツは女性器へと収まったのだから。

「――はぁぁぁあああああ」

「や、やっばいな、これ!
 まだ動いてないってのに、超気持ちいい!?
 おおおお! めちゃくちゃビクビクしてんな、お前のまんこっ!!」

 膣壁が蠢動し、肉棒を刺激してくる。
 この快感だけで、射精してしまいそうな程だ。
 こんな状態で腰を振ったらどうなってしまうのか?

「ええい、ままよっ!
 やってやるぜ!!」

「ふぁっ!? あっああっあぁあああっ!!!?」

 覚悟を決めて、ピストン運動を始めた。
 肉棒を押し込むたびに膣肉が絡まり、引き抜けば竿全体が絞られる。

(やべっ! やべっ! いいな、コレっ! 凄くいいっ!!)

 つい先ほどでまぐわったミーシャよりも――性処理用便女風情と比べるなんて、彼女に失礼千万であることは承知だが――さらに至極の快楽がここにあった。
 一突きするごとに、快感で頭が蕩けそうになる。

「あっ! あっ! ああっ! ああっ!! あぁああっ!!」

 便器の発する甘い嬌声がソレを加速する。
 股間と耳で快楽を味わいつくした。

「ぐっ!――――出るっ!!」

「あっあっあっああっあああっ!――――え、早っ!?」

 肉便器がつい本音を零すのと、

「うぅっ!」

 ジャンが精を解き放つのは、ほぼ同時であった。
 イチモツからびゅるびゅると、大量の精液が迸っていく。

「は、あぁああ、あああぁぁぁぁぁ――」

 一方で便女は、子宮へと精子が注がれる感触に浸っていた。
 足がガクガクと震えているところを見るに、ただソレだけでイキかけたようだ。

「ふぅ、早速一発やっちまったな――ってぇっ!?」

 そこでジャンは、はたと気付く。

「どうすんだよっ!
 これからヒナタとヤりまくるつもりだったのに、射精しちまったじゃないか!?」

「そ、そんなこと言われても――」

 あんまりと言い分に、肉便器も目を白黒させた。
 ジャンはそれに構わず、ぶつぶつと文句を続ける。

「あーあ、精液を一発分無駄にしちまったぜ……」

「……む、無駄。
 あたしに精液出したのが、無駄って……」

 呆れて口が塞がらない様子の少女型便器。
 まあ、大事な人室坂陽葵に注ぎたかった精子を肉便器に使ってしまったのだ、彼の気持ちも慮れるものだろう。

「……ヒナタはそろそろ帰ってくるからな。
 ポーション使うしかねぇか。
 高いんだけどなぁ、コレ」

「……いや、確かに値は張るけどそこまで高い物でも。
 仮にも冒険者なんでしょ、あんた」

「う、うるせぇな!!
 全部、お前のせいなんだぞ!!」

「あたしに責任転嫁しな――あひゃぁああああっ!!?」

 便女の台詞は最後まで続かなかった。
 ジャンが飲み終わったポーションの瓶を、雌の女性器へと力任せに突っ込んだからだ。

「だからっ! 肉便器が人を不快にさせる言動するなっての!
 男を悦ばしてなんぼだろうが、お前は!!」

「おっ!? おっ!? おっ!!?
 おひぃいいいいいいいいっ!!!?」

 ぐりぐりと瓶を雌穴へねじ込んでいく。
 公衆便女は、白目を剥きながら悦んでいるようだ。

「おらっ! おらっ!! おらぁっ!!」

「おっ!! おぁっ!! んぉおおおっ!!!?」

 これでもかという程――どんなに力をかけても、これ以上入っていかない程に――瓶を押し込む。
 最奥へ到達してなお、瓶を捩じって膣内を責めた。

「うぁあっ!!? あぅっ!!? んぁああっ!! んがぁあああああああっ!!!!」

 無茶苦茶に膣内を掻き混ぜられ、苦悶の悲鳴が上がる。
 しかしジャンは構わず、瓶を我武者羅に動かし続けた。

「おっおっおっおおっおっ!? おっ!!? おっ!!? ごぁあああああああっ!!!?」

 愛液が噴き出る。
 普通の女性であれば膣や子宮が壊れてもおかしくない責めでも、不都合無く感じているらしい。
 流石は肉便器か。
 しかしそんな便女も、ついには――

「んぐっ!!? いぎっ!!? がっ!!? あっ!!? あぁあああああああああああっ!!!!」

 ――果てた。
 踏ん張ることができなくなった脚が膝から崩れ、その場にへたり込む。
 膣からは愛液が湧き水のように溢れ出ていた。
 瞳は焦点が合わず、歯をガチガチと鳴らしている。

 そんな便女を心配するでもなく、ジャンはこう告げた。

「……これはペナルティが必要だな。
 人様にツッコミ入れるとか、肉便器に有るまじき行動だろ」

「はーっ…はーっ…はーっ…はーっ…」

 こちらの言葉を聞いているのかいないのか、精液用トイレは荒く息をつくのみ。
 しかし青年は青年で、便器の容態を気にしていないため、お互い様か。

「いいか?
 これから俺とヒナタがイチャついてる間、お前はずっとその瓶でオナニーしてろ。
 場所は……トイレでいいか」

 言うや否や、ジャンは公衆便女の腕を掴んで無理やり立たせ、お手洗いへと案内させた。
 トイレのドアを開けてすぐ、性処理用雌の背中を押して中へと押し入れる。
 力づくで動かしたからだろう、少女型便器はたたらを踏み、トイレの中へと倒れた。
 ちょうど、便器に便器が重なる形だ。
 その光景に、ジャンは思わず笑ってしまった。

「はは、ま、便器同士仲良くしてくれ。
 ――絶対に手を緩めるんじゃないぞ。
 俺が来るまで、ずっとオナニー続けるんだからな」

「……は、はひ、ぃ」

 彼の命令に、肉便器は弱々しく頷くのであった。






■再び夕方



 時間は戻る。
 夕暮れ時、ヒナタとの蜜月の時を終えたジャンは再びトイレに赴いていた。

「あ……あ、ひっ……お……お、お……」

 肉便器――陽葵によればリアとかいう名称らしいが――とにかくその肉便器は逃げ出すことなく未だ全裸で便器の上に倒れている。
 くっきりとした瞳は虚ろに、綺麗だった顔は涙と涎で汚れ、均整の取れた身体にはもう力が無い。
 それでもなお、だらりとした腕をどうにか動かして、便女はオナニーを続けていた。
 ゆっくりと、ゆっくりと、瓶をまんこに出し入れしている。

「ん……お……お、ほ……お……」

 瓶が挿し込まれ、引き抜かれ、その度に愛液がぼたぼたと零れた。
 トイレの床が、肉便器から溢れた雌汁で水浸しになっている程だ。

 最早意識も無いのだろうが、言われたことを健気に実行している。
 そんなリアを見てジャンが抱いた感情は――

「――ちっ」

 苛立ち、であった。

「手を緩めるなって言ったじゃないかよ。
 なにチンタラやってんだ……!」

 命令を守っていなかった。
 どれだけ頑張っていようと、それは事実である。
 肉便器が、男にただ服従するだけの存在が、またしても自分を侮辱した。
 ジャンはそう感じたのだ。

「いい加減にしろよ、お前!」

 瓶を掴む。
 肉便器の手を払いのける。
 そして思いのたけをぶつけるように、瓶を力任せに突っ込んだ。

「――――お”っ!!?!?!!!?」

 途端、リアからなんとも形容できない声が発せられる。

「ほらみろ!
 まだ全然元気じゃねぇかよっ!!」

「お”っ!? ごっ!? がっ!? あ”っ!!?」

 ジャンが腕を動かすと、大きな奇声が響く。
 弛緩していた肉便器の肢体は硬直し、手足がピンと張られた。
 瞳は白目を剥き、口から泡が噴き始めた。

「ほらほらぁっ!!
 これ位思いっきりオナニーすんだよぉっ!!」

「がぁっ!!? あ”あ”っ!!? お”ごぁっ!!? がぎゃあ”っ!!!?」

 プシャァッ、プシャァッ、と女性器から潮が噴く。
 ひょっとしたら尿も混じっているかもしれない。

「あ”あ”っ!!? あ”あ”っ!!? あ”あ”っ!!? あ”あ”あ”っ!!?」

 瓶はこれ以上進めない程深くへ刺さっている。
 その状態でジャンはさらに奥へと押し込んでいるのだ。
 今、瓶の先端が叩いているのは膣ではなく、子宮だ。
 子宮の、奥壁。
 身体の一番奥の肉を、ぐりぐりとガラスの瓶で抉っているのだ。

「そらそら! そらぁっ!!」

「お”お”っ!!? お”っ!!!? あ”っあ”っあ”っあ”っあ”っあ”っ!!!?」



 ――――――――あ



 停止した。
 肉便器の身体が、完全に停止した。

 手足がだらりと落ちる。
 首が垂れ、口は何も発しない。
 瞳の光が完全に消え去る。

「あれ?」

 訝しんだジャンが、瓶で突いても反応が無い。
 というより、瓶を動かしても抵抗が来ない。
 膣が絡まってくる感触が無いのだ。

 ――膣肉すら、活動を止めた。

「……なんだ、壊れたのか」

 つまらなそうに呟く。
 もう少し遊ぶつもりだったのだが。

「仕方ない、帰ろう」

 公衆便女への関心は、その一言をもって失くした。
 ジャンはトイレの扉を閉めると、陽葵の家を後にする。



「―――――――――」

 男が居なくなっても、リアは目覚めない。
 暗闇の中、忘れ去られた肉便器が一つ、転がっていた。






 ――それから。

「あっ!」

 道を歩いている時、ジャンは気付く。

(あの子、前に黒の焔亭で会った、あのウェイトレスじゃん!!)

 何となく感じていた既視感はコレだったのだ。
 陽葵の家で会った少女は、黒の焔亭で色々とサービスしてくれたウェイトレスなのだ。

(そうと知っていれば!
 お願いしたら色々させてくれたかも・・・・・・・・・・しれないのに・・・・・・!!)

 陽葵に加えて、あんな美少女とまでアレコレできていた可能性を見出し、がっくりと肩を落とす。
 いや、そう上手くいくとも限らないのだが。

(ま、まあ、次があるさ、次が!)

 前向きに考える。
 また陽葵に会いに行ったとき、あの少女――確か、リアという名前・・――と顔を会わせる機会もあるだろう。

(その時に頼めば!
 土下座とかすれば、或いは――!)

 希望が湧いてくる。
 陽葵だけでなくリアとも深い付き合いができる、かもしれない。

(――しかし、ヒナタとリアちゃん、か。
 あんな美少女二人が一つ屋根の下で暮らしてるだなんてね。
 世の男共が知ったら、連日あの家に通っちまうんじゃないか?)

 容易に想像できる。
 あのレベルの美貌を持つ女の子達(厳密には違う)と知り合えるなら、相当の労力も惜しまないだろう。

(……うん、余り人には知られないようにしとこう。
 別に俺が独り占めしたいとかそういうわけじゃなくて)

 迷惑をかけたくないという、あくまで善意からの判断である。
 独善に限りなく近いとか指摘してはいけない。

 と、その時。

(…………あれ)

 ジャンの胸が、チクリと痛んだ・・・・・・・

(なんだろ、これ)

 心がざわつく。
 変な違和感がある。

(すごく、悪いことをしちゃったような――)

 自分は何か、取り返しがつかない程・・・・・・・・・・酷いこと・・・・をやってしまったのではないか。
 そんな気持ちになる。

(いやでも、そんなこと無い、よな?)

 どう思い返しても、そんな覚えは無かった・・・・・・・・・・
 ジャンは決して善人ではないが、しかし少女を悲しませて楽しむような悪人でもない――はずだ。

(気のせい、だよな?
 気のせい……)

 胸の内に浮かんだモヤモヤを、そう思い込むことで有耶無耶にする。
 急に“女の子を悲しませてしまった”と思い浮かんだこと自体、不自然なのだが。
 ジャンは、そのこともまた気にしないことにした。


 ――もし。
 もしここで、彼が“違和感”をさらに追求していたのなら。
 “これから先の物語”に関わることもできたのだろう。

 それが幸せなことなのかは別として。






■夜



「あー、すっかり暗くなっちまった」

 もうすっかり日が落ちてから、ジャンは蒼の鱗亭へ戻ってきた。

「……まだ良くなってないみたいだな、イルマ」

 イルマの父親――この宿の店主から、彼女がまだ部屋から出てこないことを聞いている。

「まあ、買い物が無駄にならなかったのは、不幸中の幸いか」

 風邪に効く薬や、体に良い飲み物を買ってきていたのだ。
 別にこの一日、遊び歩いていただけではないのである。

「少しは良くなってるかな」

 イルマの部屋の前に立ち、ドアをノックする。
 すると、中から声が。

「んっ――ふっ――だ、誰、ですか?」

 イルマだ。
 やはり体調が悪いようで、声の調子がいつもと大分違う。

「あ、俺。
 ジャンだけど。
 あんま、良くないみたいだな」

「あっあっあっ――ジャン、です、か。
 ん、ふぅぅ――何の、用事、で?」

「用事っていうか、見舞いに来たんだよ。
 ほら、薬やドリンク、勝ってきたんだぜ」

「そ、そうでしたか――んぉ、おっおっおっおっ――」

 無理をしているのか、どうにも声がしっかりとしていない。

「これ、渡したいんだけどさ、入ってもいいか?」

「は、入って――?
 そ、それは、ダメ――おほぉおおおおおっ!!?」

 少女の甲高い声。

「どうした、イルマ?」

「――あっ――かっ――はっ――な、なんでも、ない、です――ん、んぅううっ!
 ――あっあっあっ――は、はい、分かり、ました――だから――あっあぁあああっ!」

 なんとなく、中で誰かと話しているようにも聞こえる、が。
 そんなわけはない。
 イルマは部屋で一人寝ているのだから。

「――ん、ジャン、来て――ん、おっおっおっおっ――部屋に、入って来てくだ、さ、い――あぅぅぅぅ――」

「お、そうか。
 分かった」

 許可を得て、ジャンはドアノブに手をかける。
 それを捻って扉を開けると――



「――――――――――――――え?」



 ――呼吸が止まる。
 部屋の中には。

「おほっ!! おほっ!! あっ!! ああっ!! あぁああああああんっ!!!」

 極太の巨根に貫かれ、悦びの嬌声を上げる全裸のイルマと。

「よ、大分遅い到着だな、短小ボーイ♪」

 その巨根の持ち主――全身を白い毛で覆われた、“巨大な狼”が居た。



 第二十九話④へ続く
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「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

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