社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第二十七話 それぞれの思惑

②! 十人十色

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「まあ、そういわけでして。
 エゼルミアさんが協力頂けることになりました」

「…………」
「…………」

 所変わって、ここはリアさんの家。
 先程まで行っていた“会議”の内容を伝えに来たわけなのだが。
 リアさんも陽葵さんも、浮かない表情だ。

「――ねえ、クロダ。
 それ、大丈夫なの?」

「すげぇ信用できないんだけど」

「仰ることは理解できます」

 私だってエゼルミアさんがどこまで協力してくれるのか、半信半疑なのだ。

「しかし彼女のおかげで、陽葵さんが<次元迷宮>を攻略する比較的・・・安全な時間が確保できたのは間違いないわけです」

「……比較的・・・、なのか」

「まあ、そうですね」

 陽葵さんの確認に、頷く。

 エゼルミアさんのおかげで、当面勇者同士の戦いは起きない。
 すぐに陽葵さんの『所有権』が移るということは無い以上、ある程度の安全・・・・・・・は担保された。
 ただ、デュストの件でもあったように、『所有権』が無いからといって全く手が出せないわけではないのである。

 というより、陽葵さんの『所有権』というのは六龍が収まった後の『主導権』という意味合いが強く、余り陽葵さんの安全には関わりが無かったりするのだが。
 それでも、自分の“モノ”でない以上は、龍達とてそこまで無茶はしてこない――はずだ。

「しかし結局のところ、陽葵さんのすべきことは変わりません。
 己のレベルアップと、ケセドへの到達を可及的速やかに行って頂くだけです」

「……そう、か。
 そうだよなぁ。
 協力してくれるってんなら、ちゃちゃっとオレをレベルアップとかしてくれればいいのに」

「流石にそれは無茶でしょう」

 幾ら“全能”のエゼルミアといえど、そんなことはできない、と思いたい。
 六龍ならその限りではないが、奴らの協力などそう得られるものではないだろう。

「それと、もう一つ重要なことがあります」

「今度は何だ?」

 私は陽葵さんのリアさんの顔を交互に見つめてから、告げる。

「協力関係になったからと言って、エゼルミアさんへ会いに行くのは止めて下さい。
 彼女と面会したい場合、できれば美咲さん、最低でも私と同行をお願いします」

「……そりゃまた、どうして?」

 可愛らしく首を傾げる陽葵さんに、私ではなくリアさんが説明を始める。

「それだけエゼルミアが危険ってことでしょ。
 前にも話したこと無かったっけ?
 あいつ、魔族と見れば相手の事情関係なく殺してきたのよ。
 今回、ジェラルドさんに何の手出しもされなかったのが奇跡みたいなもんよ」

「そういや、龍と関係なく危険人物だったな……」

「そういうこと。
 ヒナタは魔族じゃないけど、魔王の息子だからね。
 何されるか分かったもんじゃないわ」

 私が言いたかったことをきっちり伝えてくれるリアさんだ。

「先程の会議では終始穏やかでしたが、それも美咲さんという“ストッパー”が横に居たからでしょう。
 エゼルミアさんと出会わないよう、細心の注意を払って下さい。
 そして、もし出会ってしまった場合――下手な抵抗は、しない方がよろしいかと」

「て、抵抗するなって言っても」

「命に係わるようなことをされない限り、素直に従っておいた方が得策ということです」

「命に係わるようなことをされたらどうすんだ?」

「……色々と覚悟を決めなければならないでしょう」

「そ、そうか」

 陽葵さんはかなり怯えているようだ。
 実際、それ位に危機感を持たなければならない相手でもある。

「ただ、美咲さんからは当面大丈夫だろうとの話も伺っています。
 魔族であるリアさんはともかく、器に過ぎない陽葵さんに危害を加えるようなことはしないだろう、と」

「あたしはともかく、なんだ」

「はい。
 なので、一番気を付けなればならないのはリアさんなのです」

「そりゃ、滅茶苦茶気を付けるけどね」

 肩を竦めるリアさん。
 彼女はエゼルミアさんの恐ろしさを私以上に知っているので、釈迦に説法といったところか。

「さて、では一旦私はこれで。
 他の方々にも話を伝えなければなりませんし」

 一通り話が終わったところで、私は席を立つ。
 先程の会議に参加していなかった他の関係者へも情報を渡さなければならないからだ。

 この辺り、少数での打ち合わせの欠点でもある。
 ただ、大人数で行うと話が纏まりにくいことが多いため、特に美咲さんは少人数での会議を好んでいた。

「え、もう行っちゃうの?」

 リアさんが意外そうな顔で私を見る。

「もう少し、ここに居てもいいんじゃ?」

 陽葵さんがそれに続いた。
 ……2人とも、“ナニか”を期待しているような目だ。

「どうかしましたか?」

 私は敢えてソレに気付かぬよう振る舞う。

「どうって、その――」

「ほ、ほら、いつもならさ、こう――」

 リアさんも陽葵さんも、要領を得ない。
 私と二人きりの時はもっと積極的だと言うのに――やはり、他に人がいると素直になりきれないのか。
 もう3Pもした仲なのだから、気にする必要もないと思うのだが。

「……何か、欲しいもの・・・・・でもあるんですかね?」

 2人をじっと見つめながら、告げる。
 そんな私の反応に、

「――――」
「――――」

 リアさんと陽葵さんは一度互いに目を見合わせてから、自分達が“欲しいモノ”を口にした。





「あっあっあっあっあっあっ!!
 コレ、コレがずっと欲しかったのっ!!
 もっと!! もっとおまんこ突いてぇっ!!
 あぁぁあああああああっ!!!」



「お、おおっ!! おぉおおおおおっ!!?
 ほ、ほじってるっ!!? 黒田のちんこが、オレのけつ穴ほじってるぅっ!!
 おっおっおっおっおっおっおおぉおおおっ!!!
 イクっ!! イクぅぅううううっ!!!」






「さて、では改めまして、私はそろそろお暇しますね」

 十分に堪能し終えてから、身だしなみを整えつつリアさんと陽葵さんにそう告げる。

「ひーっ……ひーっ……ひーっ……ひーっ……」

「お、おぉ……おぉおお……おおぉぉ……」

 ただ彼らの耳に届いているかどうか。
 2人は目の焦点も定まらぬまま、大きく息をつきながら床に倒れ伏していた。
 気をやってしまい、まだ正気に戻っていないのだ。

 ……この後、特に予定は入っていないと言っていたし、このまま放置してもおそらく大丈夫だろう。
 部屋の片づけも住んでいることだし。

 私はそう結論付け、リアさんの家を後にするのだった。






 次に訪れたのは、黒の焔亭だ。
 店長も勇者の件に関わりだしたのもあるが、今回重要なのはカマルさんの方である。
 彼女も魔族。
 エゼルミアさんに出くわすには、相当な危険を伴う。

「――と、こういう流れなのです。
 ご理解頂けましたでしょうか?」

「そ、れは、分かった――分かった、が――」

 カマルさんが息も絶え絶えといった様子で話しかけてくる。
 ポニーテールに結えた長い銀髪を振り乱しながら、

「な、なんで、こんなことをしながら――あぁあああああっ!!?
 こらっ! 突くなっ!! 激しく突くなぁっ!!
 あっあっあっあっあっあぁああっ!!」

 上半身を反らしながら喘ぐカマルさん。

 現状を説明すると、今私は彼女と2人きりで黒の焔亭の個室にいる。
 勇者の話は他に漏らすわけにはいかないため、店長に手配して貰ったのだが――ここで誤算があった。
 密室に1組の男女が籠れば、することは一つしかないのだ。
 つまり、セックスである。

「そんなわけあるかっ――あ、ああ、あぁあああっ!!?」

 カマルさんは、私に突っ込みを入れつつ私に突っ込まれる(性的な意味で)という、なかなか器用なことをやっている。

 いや、色々言っているが、彼女だって全裸になって私に向けて尻を突き出しているのだ。
 バックから挿入されたとして、いったい何の問題があろう?

「大事なことだからと言って、こんな格好させたんだろうが!
 まるでそれがしが誘ったような――あっあっあっあっ!」

「そうは言いますが、普通途中で気付きませんか?
 カマルさんだって、したかったんでしょう?」

「そ、それは――ん、んん、んぁ、ああああっ!!」

 台詞が艶声でかき消される。

 カマルさんの名誉のために敢えて指摘しないが、今の喘ぎは私が原因ではない。
 彼女が自ら腰を動かしだしたのだ。
 すべすべした無駄肉の無い尻が私の眼前でくねりだす。

 ……カマルさんとしても、現状に至った経緯を余り詮索されたくないようだ。
 であるならば、私も無粋なことはせず、ただ“今”を楽しむことにしよう。

「あひぃいいいっ!?」

 彼女の動きに合わせて腰を動かし、膣の奥へと肉棒を叩き込む。
 堪らず、カマルさんは大きな喘ぎを漏らした。

「おっ! あっあっあっあっあっあっ!!」

 青白い肌の身体がくねる。
 彼女の強さを物語る引き締まった肢体は、同時に淫猥さも醸し出している。
 その外見からの印象に違わず、カマルさんの女性器も力強く愚息を擦りあげてきた。

「いい塩梅ですよ、カマルさん。
 すぐに射精してしまいそうです」

「あっあっあっあっあっああっ!!
 そ、それなら――あっあぁああっ!――は、早く出してくれ!
 もう、某はイってしま――あぁああああっ!!」

 ふむ、カマルさんはそろそろ限界が近い様子。
 ならば――と、私は手を彼女の正面側へと回し。
 乳首とクリトリスを思い切り抓ってやった。

「おぁああああああああああっ!!?」

 絶叫が響く。

「おっ!!? あっ!!? あっ!!? あっ!!? ああああっ!!!?」

 ビクッビクッと肢体が震える。
 下からピチャピチャという音。
 股から愛液が大量に流れ出ていた。
 絶頂し、だらしなく蕩けた顔を振り向かせ、カマルさんは私に質問してきた。

「あっ!――あっ!――あっ!――な、なんで、イカ、せ、て――?」

「いえ、なんとなく、面白そうだったので」

 深い意味は無いのである。
 ただ、イった直後の彼女を責めたかった――それだけだ。

「というわけで、悶える姿をたくさん見せて下さいね」

「な、何が“というわけで”、だ!!
 あっ!? ああっ!!? あぁぁあああああああっ!!!?」

 今まで以上に腰を激しく振ってやると、カマルさんの不満はたちまち霧散したようで。

「おぅっ!! おぅっ!! おぅっ!! おぅっ!! おぅっ!!!」

 そこには、アへ顔を晒しながら獣のような鳴き声を上げる、一匹の美麗な雌の姿があった。






「カマルさんへの説明も済みましたし、店長にも話を通しておかなくてはなりませんね」

「はぁっ…はぁっ…あ、あれだけヤっておいて…はぁっ…何故、平然としていられるんだ。
 はぁっ…はぁっ…はぁっ…化け物め」

 荒く呼吸しながら私を睨み付けてくるカマルさん。
 行為が終わり、既に服(黒の焔亭のウェイトレス制服だ)も着ている。
 ただ、その太ももには膣から漏れ出た一筋の精液が垂れていた。

「あれだけと言われましても……3回しただけですよ?」

「はぁっ…はぁっ…普通、1回出せばスッキリするだろう」

 そうだろうか?
 寧ろ、1回した程度で終わっては生殺しな気分にすらなりそうなものだが。

 まあ、私のことは置いといて、店長だ。
 この時間、客の入りが少なくなるため、多少時間を貰っても大丈夫なはず。



 そんなわけで、店長に会うため店のホールの方へ向かったのだ――が。
 そこへ行くよりも早く、店長を見つけてしまった。



 「あっ!! あっ!! あっ!! あっ!! あっ!!」

 「おらっ!! もっとケツ振れ!! この肉便器がっ!!」

 「はいっ! はいぃっ!!
  あひっ!! あひぃぃいいいいっ!!」



 店長が居たのはすぐ隣の個室だった。
 先程までの私よろしく、女性を後ろからガンガン突きまくっている。

 「嬉しいかっ!? 俺のちんこ突っ込まれて、嬉しいんだろう!?」

 「嬉しいっ! 嬉しい、ですっ!! あっあっあっあっあっあっ!!
  もっと、もっといっぱい僕をハメ――あぁぁぁあああああああっ!!!」

 「馬鹿野郎!!
  便器の分際で人様にお願いできる立場だと思ってんのかよぉっ!!」 

 理不尽な言葉を吐きかけながら、腰を女性の尻にぶつけていく店長。

 ちなみに犯されているのは短い銀髪の女性――ミーシャさんである。
 少女と見紛う程の小柄な体躯である彼女と、筋骨隆々なゲルマン店長との対比は、どこか犯罪チックである。
 いや、やってることも犯罪まがいではあるのだが。

「……今日もやっているのか、あの男は」

 呆れたように、カマルさん。
 彼女の様子を見るに、この光景は珍しいものではないようだ。

「最近はいつもあんな調子で?」

「ああ。
 暇を見つけては毎日のようにあの少女を犯し抜いている。
 女も最初は抵抗する素振りを見せていたのだがな――今では、あのザマだ」

 ミーシャさんの凹凸の少ない肢体を店長に鷲掴みにしていた。
 そのまま、力任せに肉棒を突き立てているのだ。

 「あーっ!! あーっ!! あーっ!! あーっ!!」

 彼女の瞳からは理性の光が消えていた。
 股からは愛液が垂れ流しになっている。
 その容貌と相まって、ただ与えられた快楽に酔っているだけの、壊れた人形のようだ。

「……哀れだな。
 ああなってはもう、まともな生活は送れまい」

 それはどうだろうか?
 無数の触手による凌辱からも生還したミーシャさんだ。
 再び不死鳥のごとく立ち上がるかも――

 「出すぞっ!!
  しっかり味わえっ!!」

 「ああ、あぁぁあああああああっ!!!」

 そうこうしている内に、店長が射精しだした。
 ミーシャさんの膣に収まりきらない精液が、零れ落ちている。
 部屋の外で見ている私からも見える程だ。

 「おい、顔こっちに寄こせ」

 「は、はい」

 ミーシャさんもイったらしく、意識が朦朧としているようだが――そんな彼女の頭を店長は掴む。
 そして口の中へとイチモツをつっこんだ。

 「んんんむっ!――ん、んん――ん、ぺろぺろ――ん、んぅぅ」

 すぐにフェラを始めるミーシャさん。
 だが店長はそれを楽しむでもなく、

 「しっかり飲めよ」

 「――んぐっ!?
  ん、んん、んんんんぅぅうううううっ!!?」

 ミーシャさんが苦しそうに呻き出す。
 かなりの量の“液体”を口の中に注がれているようだ。
 これは射精ではなく、放尿か。
 彼女は店長の小便を飲まされているわけか。

 「んっんっんっんっん――!」

 ごくごくと喉を流しながら、ミーシャさんは尿を飲み干していく。
 ――しばしして、

 「ふぅ……あー、すっきりした」

 爽やかな笑顔の店長だ。
 一方でミーシャさんはというと、

 「――は。
  ――あ、は。
  ――アハ、アハハハハハ」

 なんだか、狂ったように笑っていた。
 ――流石のミーシャさんも、ここから立ち直るのはやはり不可能だろうか?

 「アハハハ、アハハハハハ――おぎぃいいいっ!!?」

 笑い声が中断した。

 「何笑ってやがんだっ!!」

 店長が、彼女の尻穴に指を突っ込んだからである。
 後ろの穴を指でぐりぐりとかき混ぜながら、

 「狂った“フリ”なんてしてんじゃねぇぞ!
  こっちは全部お見通しだからな!!
  そんな浅はかなこと二度と考えられないようにしてやる!
  お前の頭、かんっぺきにぶっ壊してやらぁ!」

 「おっ!? おおっ!? ご、ごめんなさい! ごめんなさいっ!!
  おぉおおおおおっ!!?」 

 部屋の中では、再度プレイが始まった。
 店長、今度は尻穴を使いだしたか。

 今回は大分“スパルタ”式に仕込んでいるようだ。
 それだけ、店長から見てミーシャさんが『逸材』ということなのだろう。
 “良い素材を見るとついつい張り切ってしまう”と、以前彼の口から聞いたことがある。
 彼女が冒険者であり、この店のバイトをできる期間が短いというのも、それに拍車をかけているのかもしれなかった。

 しかし、こんな状況では話も何もできそうにない。
 せっかく楽しんでいるのだ、邪魔は良くないだろう。

「仕方ないですね。
 店長には、カマルさんの方からお話をして頂けますでしょうか?」

「……某は、これを目の当たりにして眉一つ動かさぬお前が空恐ろしい」

 要領を得ない返事だが、一先ず承知して貰えたということでいいのだろう。
 私は後をカマルさんに託し、次の目的地へと向かった――――のだが。



 その判断が間違っていたことを、私はすぐに思い知らされた。






「…………」
「…………」

 部屋は、重苦しい空気で満ちていた。
 テーブルを挟んで、この部屋の主である女性と、私より前にその女性に会いに来ていた女性が睨み合っている。
 刺々しい雰囲気に、身動きすることすら躊躇われた。

「――それで、何のお話でしたか」

 部屋の主――ローラさんが口を開く。

「――とぼけるな。
 お前の企みは既に割れているんだ」

 対面する女性が応じる――美咲さんだ。
 2人の視線がぶつかり合い、火花の散る情景を幻視する。

 何故この人達が会うとこうなってしまうのか。
 いい加減いい大人なんだから、もう少し穏やかに話し合うことはできないのか?
 できないのか。
 そうか。

「企み、ですか?
 何のことでしょう」

「お前が、今日、誠一をこの部屋に泊めようとしていたことだ」

「そんな、誤解です!
 企むだなんて――クロダさんが私の部屋に泊まるのは、極々普通のことじゃないですか」

「――――っ」

 ビキッと何かが割れる音がした。
 見れば、美咲さんに掴まれた木製テーブルの端に亀裂が入っている。

「あ、あの、美咲さん?
 一応、そのテーブルは宿の備品で――」

「何か問題が?」

「――い、いえ、何でもありません」

 一睨みされて黙らせられる。
 所詮、私なんぞこの程度である。

 ちなみに、ここは蒼い鱗亭という宿で、エレナさんやジャンさん達が活動拠点としている場所だ。
 家が無くなって困っていたローラさんへ、エレナさんが紹介してくれたのである。

「……ふん。
 どちらにせよ、誠一はこんな宿に泊まらずとも自分の家があるんだ。
 意味もないの外泊を私は許容してやる気はないのでね」

「あらあら、キョウヤ様とクロダさんがご結婚されていたとは初耳ですね。
 いったいいつ婚姻なされていたのでしょう?
 何時何分何秒、太陽が何回上がった時!?」

「子供みたいなキレ方をするな!
 そういう真似が許される年齢としじゃないだろう!」

「わ、私はまだ25です!
 キョウヤ様より若いですよ!!」

「はっはぁっ!!
 残念だったな、私は23だ、この年増め!!」

「え、ええっ!?」

 実はそうなのである。
 美咲さん、ローラさんより若かったりするのだ。
 ……16歳で世界救うとか、宴会のネタにすらならない話だが。

 流石にローラさんは驚いて――しかし、次に彼女が放った言葉は私の想像を超えていた。


「キョウヤ様は、年上には敬語を使いなさいと習っていないのですか!?」


「―――っ!!!」

 テーブルが致命的な破壊音を発する。
 美咲さんが、端を握りつぶした・・・・・・のだ。

 やべぇ。
 やべぇよ。
 こんなことなら、店長が部屋から出て来るまで黒の焔亭で待っていれば良かった。
 カマルさんのアナルにも精液を注いで、店長とのセックスが終わったミーシャさんへさらに肉棒つっこんでアヘアヘ言わせていれば良かった!

「あ、あのー、お二人とも?
 もう少し、穏便にですね――」

「お前は黙ってろ」

「クロダさんには関係ありません」

「いや、しかし――」

 粘ろうとして、すぐに口をつぐむ。

 睨まれている。
 美咲さんとローラさん、2人に睨まれている。
 あぶら汗が止まりません。

「いいか、誠一」

 美咲さんの、ドスが効いた声。

「私はこれから、この女と大事な話し合いをする。
 それまで少し、席を外していろ」

 ――それは、話し合いで済む・・・・・・・のでしょうか?

「大丈夫ですよ。
 次にクロダさんがこの部屋へ訪れる時には、全ての決着がついていますから」

 それ絶対大丈夫じゃないヤツですよね、ローラさん。
 色々とつっこみたくはあるが、しかし場の空気がそれを許してくれなかった。
 というか、私にそんな度胸は無かった。

 私はただ、

「……はい」

 彼女らに、素直に従うだけである。
 ――ヘタレ野郎ですみません。




 部屋から追い出されたのはいいとして、さあ、これからどうしよう。
 帰宅する、という選択は躊躇われた。
 それをしたら、私は何かこう、とんでもない目に遭いそうな予感がするのだ。
 となれば、あの二人の“決着”がつくまで時間を潰す必要があるわけだが。

 と、そんな悩める私に声をかけてくる人が。

「あ、クロダ」

「おや?」

 栗色の髪をおさげにした、小柄な少女。
 長いスカートにエプロン姿な、典型的宿屋の従業員スタイル。
 年齢にそぐわない大きな胸がチャームポイント。
 そんな彼女は蒼い鱗亭の(自称)看板娘――

「――イルマさんじゃないですか。
 どうしました、こんなところで」

「どうしたもこうしたも、私はこの宿の娘なんですから。
 居るのは当たり前でしょう」

 それもそうか。

「クロダこそ、今日はどうしたんです?
 またエレナに会いに来たんですか。
 それなら残念でしたね。
 彼女、今留守ですよ」

「いえ、そういうわけではなく、ちょっとした用事があったのですが――色々あって時間が空いてしまいましてね」

「はぁ?
 よくわかんない状況ですね――んっ!」

 突如、彼女の口から甘い声が漏れた。

「それで、少々暇を持て余していたところだったのですが――」

「あっ!? あっあっ! あ、あぁああっ!!」

「――イルマさんが来てくれたなら、もう大丈夫ですね」

「ああぁぁぁああああっ!!」

 高い嬌声を上げるイルマさん。
 何故急にこうなったのかと言えば、私に“胸の先端”を抓られているからだ。
 ブラの上からでも十分に感じられるよう、強く力を込めて。
 彼女の大きな胸は、感度も良好なのである。

「はーっ…はーっ…はーっ……あっ」

 涙目になって呼吸を荒げるイルマさんを、抱き寄せる。
 年端も行かない少女の柔らかい感触が、腕の中に広がる。

 もう片方の手でスカートを捲る。
 小ぶりなお尻が露わになり――それを覆う綿のパンツが可愛らしい。

「いいですよね、イルマさん?」

「あ、あ――クロダ――で、でも私、今日はこの後ジャンと――」

 そうは言いながらも、彼女の頬は赤く染まっていく。
 その表情に、堪らずキスをしてしまう。

「んんっ――んちゅっ――ん、んんんん――」

 小さな唇の隙間に舌を差し込み、イルマさんの口内を蹂躙する。
 ほのかに甘い少女の味が食感を通じて私の快楽中枢を刺激してきた。

「ん、ん、ん、ん――んはぁぁああ――はぅぅぅ――」

 イルマさんも同じなのだろう。
 顔がたちまち蕩けていく。

「ああ――んぁああ――クロダ――」

 全身から力も抜けていき、完全に私へ身体を預けてきた。
 頃合いを見計らい、私はもう一度尋ねる。

「――いいですよね?」

「――は、い。
 いっぱい、セックスして、下さい」

 ゆっくり、しかし確実に、少女は頷いた。






「あぁああああああっ!!
 あっあっあっあっあっあっあっあっ!!
 すごいっ! すごいぃっ!!」

 抱えられたイルマさんが、腕の中で激しく喘ぐ。

 私達は、イルマさんの自室へと移動していた。
 人目につきやすい場所は流石にまずかろうという判断だ。
 私は別に見せつけてもいいのだが、彼女の場合は職場がここなだけに仕事へ影響が出てしまう可能性が高い。

「いい締まり具合ですよ、イルマさん」

「ひぃいいっ! ひぃいいっ! ひぃいいっ! ひぃいいっ!!」

 身体を強張らせて快楽に耽る彼女に、その称賛が届いているのかどうか。

 イルマさんの下半身は、胸と反比例するかのように――というより、年齢相応に――未成熟なままだった。
 太ももは細めだし、お尻も小さい。
 膣もまた、雄を完全に受け入れられる程には育ち切っておらず。

 しかしだからこそ、その“窮屈具合”が癖になりそうな程に私のイチモツを刺激するのだった。

「あぁああっ! あぁああっ! あぁああっ! あぁああっ!」

 駅弁の姿勢で私に揺らされるイルマさん。
 そして彼女の動きに合わせて揺れ動くおっぱい。
 こちらは成人女性もかくやという程に育っている。
 あどけない顔とのアンバランスさが、最高に背徳感を演出していた。

「あ、あぁあああっ!!? おっぱいっ!! おっぱい、イイっ!!」

 目の前でプルンプルンと揺れる胸に吸い付く。
 硬くなった乳首を、舌の上で転がした。

「ああ、あ、あ、ああ、あああっ!! あっ! あっ! あっ! あっ!」

 次いで、おっぱい全体を舐めていく。
 プリンのように滑らかで、若さゆえかハリも十二分にある少女の“丘”は、私の触感を楽しませてくれた。

「あぁあああっ!! イクッ!! あっ!! イクぅッ!!」

 彼女の肢体が仰け反り、痙攣を始める。
 絶頂したのだろう。
 だが、ここで止めるつもりは無い。

「あっ!! あっ!! あっ!! あっ!! あぁああああっ!!!」

 イったばかりのイルマさんを、さらに責め立てる。
 敏感になった彼女の身体は、さらなる快楽によって身もだえた。

 同時に膣が、痛みさえ感じる程に強く私の股間を締め付ける。
 いや、締めるというより、“穴”のサイズがさらに小さくなった感じだ。

「そろそろ、私もイキますよ――っと、そうだ」

 一度目の限界を迎えようとした時、私はあることを思いついた。
 そしてその思いつきを実行すべく、イルマさんを上手く支えながらズボンのポケットを探る。
 幸い、すぐに発見することができた。

「イルマさん、これを飲んで下さい」

 取り出したのは『赤い丸薬』。
 つい先刻カマルさんと会った際、彼女から頂いた・・・・・・・薬だ。
 それを、イルマさんの口へと放り込む。

「んぐっ?――ん、んぅっ――ん、ん――」

 幸いなことに、彼女は突然口内に入った異物をちゃんと飲み込んでくれた。
 ――これで良し。

「では改めて――」

 腰を激しく動かす。
 イルマさんは上下に揺さぶられ、獣のように鳴き叫んだ。

「あぁあああああっ!! あぁあああああああっ!!
 あぁああああああああっ!!!!」

 甲高い声に鼓膜が震える。
 一方で私の方も絶頂へと達し、

「さ、たっぷり出しますからね」

 そう告げてから、射精感を解放した。
 ドクドクと膣内へと精子を迸らせる。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ!!?
 んぁぁああああああああっ!!!」

 イルマさんは、またイケたようだ。
 先程よりもさらに激しく身体が震えていた。
 瞳が白目を剥き、口はだらしなく開けっ放し。

「――あ――うっ」

 ガクリと首が垂れる。
 手足も力なく落ちる。
 どうも、気を失ったようだ。

「しかし――」

 せっかく“薬”を飲ませたのだ。
 ここで終わらせるのはもったいない。
 もっと注いでやらなければ・・・・・・・・・

 そう考え、私は気絶したままのイルマさん相手に、なお腰を振り続けた。





 それから一時間ほど経っただろうか。

「――――あ。
 私、は――」

 ベッドに寝かせていたイルマさんが、ようやく目を覚ました。

「大丈夫ですか?
 途中で気を失っていたのですよ」

「そ、そうでしたか――あうぅぅぅ!?」

 変な声と共に、少女の股間からドロリを精液が零れ落ちた。
 散々射精したせいか、その量はかなりのものだ。

「はあぁぁぁぁ――すごい、いっぱい――♪」

 恍惚としているイルマさん。
 流れ出た精液を手ですくい、ペロペロと舐め始めた。
 悦んで頂けて何よりだ。

 そのまま彼女は、幸せそうに精子をすするのだが――

「―――――んぅっ!?」

 突如、苦悶の声を出した。

「あっ!――あっ!――お、お腹が、熱い――!?
 身体――身体が、変になっちゃっいました――!?」

 ベッドの上を転がりまわる。
 そんな少女を落ち着かせるべく、私は声をかける。

「大丈夫ですよ、イルマさん。
 変になんかなっていません。
 貴女は今、受精しているんです」

「じゅ、受精――?」

 行為中、彼女に飲ませた薬。
 あれは魔族が子作りする際に飲む『妊娠薬』だ。
 本来、子供を作りにくい魔族を孕みやすくするための薬なのだが、実は魔族以外の種族にも効果があるのだそうで。
 魔族に比べて受精率の高い他の種族が使えば――薬との相性もあるが――百発百中に近い確率で子供を身籠るとか。
 とはいえ、かなり貴重な薬なので、そうおいそれと他種族に使うことは無いらしい。

 カマルさんを快楽漬けにした際、ドサクサに紛れて1個だけ譲り受けたのだが――好奇心に抗えず、ついつい使ってしまった。
 ただ、イルマさんが年齢的にきちんと子供を作れる身体になっているかどうか。
 そこが心配だったのだが、杞憂だったようだ。

「わ、私、クロダの、子供を――――あ、あぁぁあああ!?
 熱いっ!! あ、熱いぃいいいっ!!」

 お腹を抱え、なおも悶えるイルマさん。
 この妊娠薬、他種族に使用すると効果が高いが副作用的なものも大きくなってしまうそうで。
 カマルさん曰くあくまで一時的な痛みとのことだが――この様子を見ると、少し不安になってしまう。

「あぁああ!――あぁあああ!――あぁあああああ!!」



 イルマさんの苦悶は、その後30分程度続いた。
 苦しみから解放された彼女は、体力の消耗からかそのまま眠りに落ちてしまった。






 その後。

「ふっ、勝った」

 ドヤ顔を決める美咲さんと共に、私は帰路についている。
 ちなみにローラさんはというと、部屋で真っ白に燃え尽きていた(物理的な意味でなく、精神的な意味で)。
 いったい2人の間にどんなやり取りがあったというのか。
 ――残念ながら尋ねる勇気はない。

「……だがあなどれん。
 あの女、どうやら“かつての自分”を取り戻しつつあるようだ。
 次に戦う時、果たして今日のように行くかどうか……」

 美咲さん、貴女はいったいローラさんの何を知っているというのですか。
 あとローラさん、美咲さんにここまで言わせるとかいったいどうしちゃったんですか。

 聞いたところによれば、裏の人間でさえ使用を躊躇う程の劇薬を使って調教されてなお、ローラさんは最後の一線を耐えきったとのこと。
 元々、美咲さんに迫る精神力の持ち主だったのかもしれない。
 ……今度、昔の話を聞いてみてもいいかもしれない。
 勿論、ローラさんが気を悪くしない範囲で。

「……それと」

 小さく呟く。

 イルマさんの子供についても、準備を進めておかなければ。
 まだ先の話とはいえ、出産や子育てには色々と入用だ。
 勇者との戦いも重要だが、このことを軽視してはいけない。
 万全のサポートを尽くす所存である。

 しかし、目下のところ。

「――美咲さん」

「あ」

 彼女の腰に手を回す。
 あんなにも“強い”女性だというのに、その肢体は華奢で、柔らかかった。

「今夜も、私の家に泊まるんですよね?」

「あ、当たり前だろう。
 あそこは、私の家みたいなものなのだから」

 照れて顔を赤くする姿が、とてつもなく愛おしい。

「――誠一」

 美咲さんもまた、腕を私の身体に絡ませてきた。
 彼女の温もりを全身で感じられる。

 私達は恋人のように――これはきっと比喩ではない――身を寄せ合いながら、日が沈んでいく道を歩くのだった。



 第二十七話③へ続く
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