社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第二十五話 新たなる幕開け

① 日常への帰還

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 ――冬の最中、雪の降る日だった。



 いつものように会社に向かい、いつものように信号を待っていた時のこと。

 本を片手に開いた女性が一人、横断歩道を渡っていった。
 信号は赤なのに。
 トラックが高速で走ってくるのが見えた。
 信号は青だから。
 トラックが女性に気付き、ブレーキを踏んだが、スピードが緩まない。
 雪が積もっていたから?
 女性はトラックに気付かない。
 本を読むのに没頭していたから?
 私は、咄嗟に飛び出し、女性を突き飛ばした。
 ……これは未だに理由が分からない。


 嘘だ。
 分かってる。
 今は理解しているし、きっと当時も心のどこかで察していた。

 彼女を助けようとした理由。
 それは、私がその女性のことを、一目で――――












 深夜。
 ここは、病院の病室。
 ゲブラーとの戦いの後、私達はほぼ全員が入院するはめになった。
 比較的軽傷で済んだ人は即日退院できたのだが、私を含め数人はスキルやマジックアイテムによる治療があったにも関わらず、数日の入院が必要となった。

 ……驚いたことに、私が一番重傷と診断されていたりする。
 まだまだ動けるかと思っていたのだが、いや、自分のことは意外と分かっていないものだ。

 そんなわけで、一日も早い完治のため、私はベッドの上で安静にしているわけだ――が。

「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」

 部屋には、女性の声が響いている。
 私の上に跨っている・・・・・・・・・女性のものだ。

「はっ! あっ! あっ! ああっ!
 療養中だというのに――あっあっあっ!?
 何故、ココはこんなに元気なのだ――あっあっあっあっあっ!!」

「結構溜まっていましたからね。
 イチモツも頑張ってしまうというものです」

 彼女の問いかけに返事する。

 仰向けになった私の腰に乗っている女性。
 銀色の髪をポニーテールに結えた、鋭い目つきの女の人だ。
 瞳はやや斜に構えているものの、顔つき全体は凛々しく整っており、美人といって差し支えない。
 スタイルも豊満。
 筋肉質ながらも、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。
 引き締まった健康的な肢体が、逆に艶めかしい。

 だが一番の特徴は――青白い肌だろうか。

「貴女こそ、そんなに早く“子作り”したかったのですか、カマルさん?」

「気が、変わって欲しくなかったからな――あっああっあっあっ!!
 今思えば、杞憂にも程があったが――あっやだっおいっ激しいっあっあっ!!」

 私が下から突き上げてやると、思いのほか可愛らしい声を披露してくれる。

 そう、今私が抱いているのは、魔族のカマルさんだ。
 ゲブラーとの戦いで、協力の見返りとして彼女を孕ませる約束したのだが、早速それを果たそうとしていた。
 私が退院するまで待てなかったとは、せっかちな方である。

 まったくもって拒む理由は無いため、彼女が病室を訪ねて来るや、勃起した肉棒を贈呈してあげた。

「あっ! あっ! ひっ! はっ! ああっ!
 奥、にっ! あ、当たるっ!! あっ! あっ! うっ! んんっ!!」

 大きなおっぱいをプルンプルンを震わせて、カマルさんは上下に身体を揺らしていた。
 月光に照らされる蒼白な肢体は幻想的で、なんとも現実感を失わせる。
 ただ、私の下半身にかかる“重さ”と、男根を搾る“圧”が、これが幻ではないと気づかせてくれる。

「うっ! あっ! あっ!
 そ、そろそろ、それがしは、イク、ぞっ!
 あっあっあっあっああっ!
 お、お前はっ! お前は、準備、いいかっ!?
 あっ! ひっ! ひっ! ひっ! いいっ!!」

 快楽に潤んだ瞳で私を見つめるカマルさん。
 絶頂が近い様だ。

 私も同時にイカせたいのだろう、膣に力が入ってくる。
 ぎゅうぎゅうと愚息に絡みつき、射精を促してきた。

「いいですよ、私も一緒にイってあげます」

「そ、そうかっ――あっあっああっああっ!
 いいか、ちゃんと中にっ! んんっ! んっ! んああっ!!
 子宮の中に、出すんだぞっ!! はぁああっ! あっ! あっ!
 それがしを、孕ませるんだっ! あっ! イクっ! あっ! もうイクっ!!」

 彼女が素早く腰を振り出した。
 私もそれに追随するように、ピストンをしてやる。
 病室には彼女の喘ぎと、肉と肉がぶつかる音、その2つが響いていた。

「あっ! あっ!! いいっ! いいぞっ!!
 もうっ! イクっ!! イクっ!! あぁああああああああああっ!!!」

 カマルさんが仰け反った。
 それと同時に、彼女の膣肉が私のイチモツを締め付ける。

「――出しますよ!」

 その刺激に、私は抗わない。
 彼女の子宮へ、自分の白濁液をたっぷり吐きだす。

「――はっ!――あっ!――あっ!――あああっ!」

 カマルさんの身体が小刻みに震える。
 その度に、女性器は精液を搾っていった。

「――うっ!――あっ!――はぁああっ!」

 幾度目かの痙攣を終え、ようやく彼女は息を整えだす。

「……はぁっ……はぁっ……た、たっぷり出したな。
 それがしの中に、お前の種を感じるぞ……」

 愛おしそうに、自分のお腹をさすっている。

「これで、妊娠されたのですか?」

「――分からん。
 実のところ、魔族は妊娠薬を使っても必ず孕むとは限らんのだ。
 魔族同士であればそれなりの確率にはなるのだが、異種族となれば――お前達人間が通常の性交で受精する率より低い位だ」

「そうなのですか」

 行為が始まる前にカマルさんが飲んでいた妊娠薬。
 魔族が子を生すときに使うそうなのだが、それをもってしても確実ではない、と。
 彼らの出生率が低いのは知っていたが、実際、なかなか苦労しているようだ。

「まあいい、今日のところはこれくらいで――」

「それでは、もっと注いであげねばなりませんね」

「――なに?」

 腰を上げ、帰ろうとするカマルさんを、私は掴んで押し留める。

「おい、別にそれがしは無理強いするつもりは無いぞ。
 お前は先ほど達したばかりだろう。
 連続でやる、など――――あ」

 彼女が息を飲む。

「も、もう、勃起していたのか」

「と言いますか、そもそも萎えてませんし」

「な、なにっ!?」

 驚くカマルさん。
 いや、一度射精した程度で収まるわけがないだろうに。

「納得して頂けたところで、次いってみましょうか」

 彼女の肩を引き、私の方へと身体を倒させる。
 お互い、密着する形。
 カマルさんの無駄肉の無いしなやかな肢体を、全身で感じる。

 互いに、顔がすぐ近く。
 少し動けば触れる距離。
 息遣いが聞こえる程だ。

「――お、おい、待て。
 それがしは、子種を貰いに来ただけだ。
 それ以上のことは――んぅっ!?」

 ぶつぶつ喋る彼女の口を唇で塞ぐ。
 魔族であっても、ソコの繊細さは変わらなかった。

「――んっんんっ――ん、んっ――ふぁっ――あ、うぅ――」

 無理やり舌をカマルさんの口内へ突き込み、中を舐めまわる。
 柔らかく、暖かい。
 2人の唾液が混じったものを、ちゅるるとすすった。

「んっ――チュッ――チュパッ――あっああ――はぁああ――」

 カマルさんの抵抗する力が弱くなってくる。
 最初こそ私から離れようとしていたのに、今や為すがままだ。

「――ああ、あぁああ――ふ、うぅぅ―――んんんっ――ぷはっ―――はぁっ」

 散々舐めまわしてから、口を離した。
 カマルさんは、少し涙目になって抗議してくる。

「――そ、それがしは、お前と愛し合うつもりなど無いんだぞ!
 愛してやるつもりなんか、無いのにっ!!
 こんな、こんなことされたら――――あっああっ!?」

 そんな言葉を聞きながら、私は股間を膣口へと近づける。
 私のイチモツが、再びカマルさんの花弁へ到達した。
 彼女の腰をぐっと掴み、膣へ挿入していく。

「――と、止まれっ!!
 今、今挿れられてしまえば、それがしはどうなるか――
 あ、あぁああっ!?
 駄目だっ! ダメっ! ヤっ! あぁああああああっ!!」

 どうのこうの言いつつ、剛直を突き刺されるとしおらしくなってしまうカマルさんであった。



 ――私は約束を守るため、日が昇るまで彼女を犯し抜く。



「……こ、ここまで、お前がスゴイとは」

 朝、ふらふらとした足取りでカマルさんはベッドを病室を去った。

「た、たくさん――――あ、はあぁぁ♪――――たくさん、注いで貰ったが。
 確実に、孕んだとは言えないので――――最後まで、こんな濃いのか♪――――また、すぐに・・・抱いて貰うぞ。
 分かったな!?」

 膣から零れてしまった精子を美味しそうに舐めながら、そう言い残して。






 さて。
 カマルさんとのセックスで調子が戻ってきたので、今日は色々出歩いてみることにする。
 とはいっても、病院内を歩くだけなのだが。

 取り急ぎ、まず向かったのは――

「おお、クロダ君じゃないか。
 お見舞いに来てくれるとは、すまないね」

「いえ。
 お元気そうで何よりです、セドリックさん」

 ――セドリックさんの病室だ。
 今回の事件で、私に次いで傷が酷かったのが、彼である。
 相当、グサグサにやられたらしい。
 ローラさんの治療が後少しでも遅れていたら、まず死んでいたそうだ。

 セドリックさんはベッドに横たわりながら、朗らかに笑う。

「はっはっは、いやぁ、死に損なってしまったよ」

「冗談でもそんなことを仰らないで下さい」

「結構本気なんだがね。
 私のような屑が、女性を庇って死ぬなんて機会、そうあるとは思えないからね。
 しかも、相手は天下の勇者様と来た。
 あの辺りが死にどころだと――思ったんだがなぁ」

「…………」

 彼は遠い目をしている。
 私は、上手く返事ができなかった。
 セドリックさんは、おそらく本気でデュストに殺されるつもりだったのだ。

「――上手くいかないもんだねぇ。
 満足して死ぬってのは、難しい」

「……セドリックさん」

「ああ、すまないね、クロダ君。
 せっかく会いに来てくれたというのに、湿っぽい話をしてしまった。
 私だって、無暗に死のうとしてるわけじゃないよ?
 シエラちゃんのこともあるしね」

 シエラさん。
 黒の焔亭でウェイトレスをしている女の子だ。
 デュストによって彼女も傷つけられたが――幸い、命に別状はない。
 それどころか、かなり“上手い具合”に斬られたそうで、傷も全く残らなかったそうだ。
 ――流石、五勇者の一人といったところか。

 私は頷きながら、セドリックさんへ答える。

「そうですね、セドリックさんはシエラさんを孕ませなければならないわけですから。
 まだまだ元気で居て貰いませんと」

「いや、実はもうそれは必要なくなったんだ」

「――と、申しますと?」

「あの子、無事孕んでくれたみたいでねぇ。
 出産はまだ大分先になるが、シエラちゃんはお母さんになったんだよ!」

「おお、それはおめでとうございます!」

 新しい生命の誕生へ、私は素直に祝福した。
 いや、まだ産まれてはいないか。

「そういうことでしたら、なおさらですよ。
 これから育児が始まるわけですし」

「うんうん。
 男の子と女の子、どっちになるかなぁ。
 できれば女の子がいいね。
 小さい時から、色々仕込めるし・・・・・・・

「夢が広がりますね!」

「正真正銘の親子丼ができちゃうねぇ!
 母娘揃って肉便器とかそうそう見れるものじゃないよ」

 にっこりと、満面の笑顔を浮かべるセドリックさん。
 確かに、私もその光景は見てみたい。

 しかし、ふと彼は笑顔を消すと。

「――しかしなんだねぇ。
 そろそろ、神様は私に天罰を下した方がいいんじゃないかな。
 これ以上犠牲が増える前に。
 割と真面目な話」

「はっはっはっはっは」

 結構ガチな口調でそんな台詞を吐くセドリックさんに、私はとりあえず笑って誤魔化した。

 ……まあ。
 その“神様”は、これから私が倒さなければならないわけだけれども。

 ――少し、気分が重くなる。

 一匹と戦っただけであの体たらく。
 それが残り五匹。
 覚悟していたこととはいえ、気が遠くなりそうだ。

 余談だが、ゲブラーと戦った周辺はほぼ壊滅状態となった。
 住民の命こそ無事だったものの、その被害にギルド長のジェラルドさんは頭を抱えていた。
 気持ちは察せるが、こちらとしても精一杯な努力の結果なので、なんとか処理をして頂きたい。

「さて、ではそろそろ私はお暇しましょう」

「なんだ、もう少しゆっくりしていけばいいのに」

「お言葉に甘えたいところですが、他にも会いたい方々がいるので」

「それもそうか。
 クロダ君、ここ数日病室から出れなかったからねぇ。
 ただ、まだ完治したわけじゃないんだあら、無理は禁物だよ?」

「ええ、大丈夫ですよ」

 セドリックさんへ一つ頷いてから、私はその部屋を後にする。






 次に向かったのは。

「あれ、黒田じゃん!
 もう、身体いいのか?」

 金髪碧眼の美少女――ではなくて美少年が、部屋に入った私を出迎える。
 ここは、陽葵さんの病室だ。
 あんな事件が起きた後でも、少年はベッドの上から愛くるしい笑顔を私に向けてくる。

 サラサラなショートヘア、美麗な眉、パッチリした瞳、筋の通った鼻、瑞々しい唇。
 美少女という言葉が裸足で逃げ出しかねない程の、愛らしさっぷり。

 ――陽葵さん、男、だったよな?
 いや、うん、少年だ、美少年。
 女の子ではなく、男の子。
 頻繁に確認・・していないと、本気で忘れそうになる。
 それくらい、陽葵さんの美貌は際立っているのだ。

「ええ、おかげさまで動ける程度には回復しました。
 ……それでですね、陽葵さん。
 此度のことは――」

「――だいたい、アンナから教えて貰ったよ。
 俺を狙ってるのは、勇者じゃなくて六龍だってことなんだろ」

「はい」

 そこで、彼は私を睨んできた。
 睨み顔もまた可愛いのだが、それは置いといて。

「……あのさぁ。
 隠し事しすぎだろ、お前!?」

「いや、本当に申し訳ありません。
 ただ、容易に発言していい内容でも無かったのです……」

 彼へ色々秘密にしていたことに関して、弁解のしようがない。

 ただ、敵は神様なんですというのは突拍子も無さすぎたのだ。
 しかもこちらにはそれに対する証拠が何かあるわけでもなく。
 仮に陽葵さんが納得したとしても、周囲は納得してくれない。
 下手すれば背信者とみなされ、周りが敵になってしまうことだってありえた。

 また、失礼を承知で言えば、陽葵さんにソレを教えても仕方がない・・・・・というのもある。
 六龍に対し、彼が何かできるというわけでもなく――いや、陽葵さんに限った話でもないが。
 勇者が本当の敵でないとはいえ、彼らと敵対しているのも事実。

 陽葵さんへ――というか、一部の人以外へ六龍のことを伏せていたのは、こういう理由からだったのである。

「まあ、いいけどさ。
 そういう事情も、アンナがアレコレ教えてくれたし」

 不承不承という形で承諾してくれる陽葵さん。

 ――アンナさん、しっかりとアフターケアをしてくれていたらしい。
 彼女もかなり傷は酷かったはずだが、事件の後も奔走していたようだ。
 頭の下がる思いである。

 ちなみに、陽葵さんの入院はダメージ云々ではなく、“経過観察”のためだ。
 何せ今、彼の身体には赤龍ゲブラーの力が宿っている。
 ゲブラーとしての“神格”は消えているものの、その力がどう陽葵さんへ影響するのか、誰も分からないのだ。
 一応、本人にもそれは伝え、了承を貰っている。
 今日、彼の元を訪れたのも、現況の把握が目的なのだ。

 とにかく、許して貰えてほっとしているところへ、陽葵さんが質問してくる。

「――ところで。
 もう、無いよな、隠し事?
 オレへ秘密にしてたことって、コレで全部だよな?」

「……はっはっはっはっはっは」

 私は穏やかに笑った。
 なるべく彼とは視線を合わせない。

「おいこらっ!?
 あるのか!?
 まだあるのか!!?
 いい加減にしろよ、お前!!」

「い、いや、そんな大したことじゃないんですよ!?」

 陽葵さんの剣幕に少し焦りながら――しかし大丈夫、この反応は予想していた。
 彼に説明すべき事柄は、予め仕分けてきている。

 陽葵さんはなおも詰め寄って来て、

「じゃあ言えよ!
 大したこと無いなら、教えてくれてもいいだろ!」

「あー、はい、そうですね。
 ……青龍ケセドが貴方のお父さんだったりとか」

「大したことだろう、それは!!!!?」

 周囲に陽葵さんの大声が響いた。
 一応、病室なのである程度自重して頂きたく。
 ……無理もないが。

「え、え、どゆこと、どゆこと?
 オレって魔王の息子ってだけじゃないの?」

「落ち着いて下さい」

 私へ問い質すために近寄ってきた陽葵さんを抑え、ベッドに座らせる。
 そのすぐ隣に、私も腰を下ろした。

 今、彼はゆったりとした病院着を着ている。
 普段のショートパンツ姿より肌の露出は少ないが、そのぶかぶかさが仇となり。
 隣からなら、簡単に胸元を覗き込めた。
 陽葵さんの薄い桜色をした乳首が、目に映る。
 まるで女性のようにむっちりとした胸の先端にある、乳首が。

 見えてしまったものは仕方ない。
 私はそっと彼の上着の中へ手を挿れ、その突起を撫でだす。

「――あっ」

 陽葵さんの口から甘い声が漏れる。
 構わず、私は言葉を続けた。

「私も聞いた話ですので、確証があるとは言えません。
 実体の持たない龍であるケセドが、魔王とどのように子を作ったのかも把握しておらず。
 ただ――ケセドは、貴方を自分の下へ連れてくることを条件として、私達に力を貸してくれたことは確かなのです」

「ん、あ、あ――ケセドの力って、ゲブラーを消したっていう、あの?」

 赤龍を消滅させた、契約文字のことを言っているのだろう。

 ――乳首がだんだんと固くなってきているのが、手の平の感触で分かる。
 そして陽葵さんは特に抵抗もせず。
 私の為すがままを、受け入れていた。

「はい。
 それ以外にも、色々力添えしてくれました」

「あっ――はぁ、あ、あ――で、でも、六龍って魔素で狂っちまったんだろ?
 ――ん、ふ、う――それがどうして?」

「……陽葵さんを授かったことで、親としての情が芽生えた、とか」

 そういうことも、あり得ないとは言い切れない。
 私は撫でるだけでなく、突起をカリカリと爪先で擦ってやる。

「――あっ――あ、ああ――
 そ、そっか、それだから、ケセドに会いに行けって話なんだな――あ、んん――
 オレ達が六龍に勝てる可能性を――あ、あ、あ――少しでも、上げるために。
 次も、上手くいくとは――うっあっあっあああっ――限ら、ないもん、な――はぁぁぁ――」

 気持ち良さそうに、陽葵さんの顔が少しずつ蕩け始める。
 大分心が落ち着いてきたのだろう。
 はっきり言って、その表情はかなりエロい。

 彼は、私が思っていたよりも状況を正確に飲み込んでいた。
 アンナさんの説明によるものか。
 しかし、心苦しいが話はもう少し続くのだ。

「ええ、そうです。
 ……ただ」

「――あ、あぅっ――た、ただ?」

「ミサキさんはこう言っていました。
 “胡散臭い。奴が善意で協力するなど、ありえない”と」

 私は陽葵さんの腰を掴んで抱え上げて、自分の上へ降ろした。
 背面座位のような姿勢だ。
 彼のプリっとしたお尻の感触が、服越しに股間へ伝わる。
 男のモノとは思えない、淫猥な曲線を描く尻肉。

「――んん――なんか、確かに言いそうな台詞だな」

「気を付けて頂きたいのは、“貴方をケセドの所へ訪れさせる”ことは、“契約”にされているということです。
 ケセドの契約は、ケセド自身にすら効果を及ぼす強力なもの。
 もし、陽葵さんがケセドに会いたくないとしても、私は貴方を無理やり・・・・連行するでしょう」

 後ろから、陽葵さんに抱き着く。
 暖かく、華奢で、柔らかい。
 女性が漂わせる、甘い匂いすら纏っている。
 それをスンスンと嗅ぎながら、首筋を舐めた。
 五感の全てで、陽葵さんを感じ取る。

「――ん、ん、んんぅ。
 そ、そうなのか――あ、ああぁぁぁ――」

 顔を赤らめながらも、表情は曇る陽葵さん。
 彼にそんな顔をさせてはならないと、両手で乳首を弄ってやった。

「――あ、あ、あ。
 気持ち、いい――はぅ、ん、んぅう」

 すぐに悦楽へ浸っていく。
 うん、やはり陽葵さんはこうでなければ。

 ……結局のところ、陽葵さんをケセドに会わせようとしているのは、その“契約”が主要因なのだ。
 果たしてコレを、“どうしても息子を守りたいがための行為”ととるか、“何か後ろ暗い企みがあるからの行為”ととるか。
 ミサキさんは、後者と判断している。
 私は――

「――はぁっ――あっ――あっ――く、黒田、は?」

「はい?」

 唐突な陽葵さんからの問いかけ。
 両方の突起を責められているため、かなり息が乱れている。

「――んんっ――あ、あぅっ――く、黒田は、どう、思ってるんだ?
 ――ん、んんぅっ――け、ケセドの、こと」

「私、ですか。
 ……正直に言いますと、私はケセドに会ったことがあります」

 陽葵さんの乳首は、もうビンビンに勃っていた。
 相当、感じいっているのだろう。
 見れば、彼の股間もまた“盛り上がって”いる。
 身体は正直なものだ。

 陽葵さんは、切なそうに身を捩りながら、

「――はあぁぁぁ――んん、マジか」

「マジです。
 その際、“信用ならない相手”という印象は、確かにありました。
 しかし――」

 ここで、両方の乳首を指でぎゅっと抓んだ。

「あ、あぁああああっ――!?」

 堪らず、陽葵さんが喘ぐ。
 胸の刺激に身体を仰け反らし、私へ身を預けてくる。

「――しかし、陽葵さんの身を案ずるような気配もあったように記憶しています。
 演技の可能性もありますが、賭けてみてもいいのではないか、と」

 六龍が敵であるという事実が明るみになっても、陽葵さんの身が危機的状況にあることは変わらない。
 奴らは、彼を魔王に代わる新たな器にしようと目論んでいるのだから。
 これもまた“聞いた話”なのだが、この“戦い”に勝利した勇者を操っていた龍が、六龍の主導権を握るとか、そういう取り決めらしい。
 はた迷惑にも程がある。

 そして――陽葵さんにとっては最悪なことに――彼を使い潰そうとしているのは、ミサキさんですら例外でない。
 つまり、このまま行けばどう転んでも陽葵さんに明るい未来はない。
 解決の糸口を掴むためにも、彼はケセドに会った方がいいと、私は考えている。

 それはそれとして、陽葵さんの乳首を指先で抓んだまま、その指をぐりぐりと動かしてやった。

「あっあっあっあっあっ――!
 やだっ! 強いっ! 強すぎだってば!」

「――ご理解、頂けましたでしょうか?」

「分かった! 分かったよ!!
 ――んんっ! あっあぅっあっあっあっ!
 ケセドに、会うっ! オレ、ケセドに会うから!!」

 乳首の快感に耐えられず、そこから逃げようとジタバタ暴れ出す陽葵さん。
 だが私は彼の身体をがっちりホールド。
 そう簡単には逃がさない。

「あっあっあっあっあっ!
 緩めてっ! 指、緩めてぇっ!!
 このままだと、オレ――あっ! あっ! あっ!――オレ、イっちゃうっ!
 イっちゃうんだってっ!!――んぁあああああっ!!」

「いいじゃないですか。
 思い切り、気持ち良くなって下さい」

 陽葵さんが絶頂を迎えられるよう、胸の先端を引っ張ったり、捻ったりと、思い切り弄ってやる。
 すると――

「あ、あぁあああああああっ!!!」

 ――陽葵さんが、身体を硬直させる。
 時を同じくして、彼の着る病院着の股間部分に、じわじわと染みが広がっていった。
 射精したのだ。

「――あっ――あっ――あっ――はあぁぁぁぁ――――」

 二度、三度と痙攣してから、陽葵さんはぐったりと後ろへ寄りかかってくる。
 私がいなければ、そのままベッドへと倒れ込んでいただろう。

「……気絶してしまったようですね」

 乳首の責めだけでイって、しかも気をやってしまう。
 相変わらず、陽葵さんは敏感体質だ。
 これから先、<次元迷宮>ではさらなる魔物からの嬲りがあるだろうに、大丈夫だろうか?

「特訓が必要かもしれませんね」

 一回犯される度に地上に戻っていては、ケセドへと辿り着くのはいつになることやら。
 彼には、もっと(性的な意味で)強くなってもらわなければならない。
 勿論、物理的に強くなってもいいのだが。

「――では」

 私は、陽葵さんをベッドへうつ伏せに寝かせた。
 そのまま、ズボンをずり下ろす。

「……綺麗ですね、陽葵さんのお尻」

 思わず感嘆の言葉が口から出た。
 何度見てもこれは飽きない。
 雌として理想的な丸みを帯びた尻なのだ。

「しかも、この感触」

 両手で陽葵さんの尻肉を揉む。
 柔らかいのに、確かな弾力がある。
 極上と呼んでいい触り心地だ。

「さて、始めますか」

 尻の割れ目をくいっと開く。
 真ん中から、艶やかな色合いの“穴”が現れる。
 こんなところまで、陽葵さんは美しい。

 私は自分の愚息を取り出し、既に勃起しているソレを後ろの穴へと突きつける。
 そして有無を言わさず――気を失っているから言いようが無いけれど――剛直を根本まで“中”へ突き挿した。

「おっ!!? おおぉぉおおおおおおおおおっ!!!?」

 寝ていたはずの陽葵さんが、雄叫びのような嬌声を上げる。



 ――今日は時間が無いので、そのまま尻穴へ3発程注ぎ込んでから私は病室を立ち去った。



 第二十五話②へ続く
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