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第二十一話 嵐の前
④ 助平3人寄れば――(後)
しおりを挟む「……あ……あ、う……あ、あ……」
葵さんの舌が止まったのは、エレナさんが完全に動かなくなってからだった。
全力で抵抗し身体を動かした結果、エレナさんの目隠しとボールギャグは外れかかっている。
もっとも、そこまでしてもその抵抗には何の意味もなかったのだが。
口は大きく開かれ、目隠しの下からは白目を剥きかけた瞳が顔を覗かせていた。
「ふぅ、こんなもんでしょう。
これ以上は、脳内麻薬出すぎて本気で頭おかしくなっちゃうんで。
アタシの慈悲に感謝して下さいねー」
「……あー……あー……あー……」
いや、もうかなりダメな状態だと思うのだが、葵さんの見立てではまだ大丈夫ということなのだろうか?
「さ、誠ちゃん♪
エレナは休ませておいて、今度はアタシ達が楽しみましょー?」
「そうですね、そうしますか」
私にしなだれかかってくる葵さん。
彼女の肢体の柔らかさを感じながら、私はズボンを下ろし、既に勃起しているイチモツを取り出す。
そしてソレを――ぐったりと倒れているエレナさんの膣口に突っ込んだ。
「――ん、おっ!?」
「え!?」
エレナさんの苦悶の声と、葵さんの驚きの声が同時に上がる。
それはそれとして、私は腰を振り出した。
「……おっ!……おっ!……おおっ!」
「うーむ、いつもより締まりが悪いですね。
完全に気を失っているので、無理もないですが」
度重なる葵さんの責めで下半身が麻痺しているのか、エレナさんの膣はいつものように私を締め上げなかった。
それでも、その暖かさと、いつもとは異なる反応は、私を気持ちよくさせるに十分なものであったが。
と、そこでそれまで呆然としていた葵さんが我に返る。
「いやいやいやいや、何やっちゃってるんですか!?
これ以上はまずいですって!
危ないんですよ! 言いましたよね!?」
「いえ――まだ大丈夫というようなことを先程は仰ってませんでした?」
「“まだ大丈夫”と、“まだいける”は全然意味が違いますよー!?
ちょっと! ステイ!! 誠ちゃん、ステイです!!
本気でこの子を壊しちゃうつもりですか!!?」
「そ、そうは言いましても。
もう、腰が止まりません!」
「どうなってるんですか、アナタの身体は!?」
気持ち良いのだから仕方ない。
腰のピストンが止まらないのも、全て気持ち良さが悪いのだ!!
「……お、うっ!……おっ!……あ、あ、あっ!」
苦し気に喘ぐ――いや、呻くエレナさん。
こんなエレナさんの姿を見るのは初めてだ。
そこは、葵さんに感謝せねばなるまい。
「誠ちゃん! 見て!! この子、口から泡噴いてる!!
泡噴いてるんですよ!!
本気で危険なのでこれ以上はダメーーっ!!」
当の葵さんは必死で私を止めようとしているのだが。
――くっ! 女の細腕だというのに異様な程力強い!?
勇者は伊達でないということか!!
「離して下さい!
私はやり遂げねばならんのです!!」
「何カッコいい顔して最低なこと言ってるんですかー!?
……う、嘘っ! 止められない!?
誠ちゃんの筋力能力値、アタシよりも低いはずなのに!
どうなってるんですか!?」
「能力値など所詮は杓子定規に数値化したデータに過ぎません!!
これが数値を超えた――人の、意思の力です!!」
「うわまたカッコいい台詞を!?
こんなひっどい行動で!!?」
驚く葵さんをよそに、私は腰を動かし続けた。
このアブノーマルな状況は、私の身体を一気に絶頂へと導いていく。
……葵さんのクンニを横で見ていて、ずっと興奮しっ放しだったというのも大きな要因か。
「さあ、出しますよ! イキますよ! エレナさん!
膣で、子宮で、受け止めて下さい!!」
「……おっ!……おおっ!……おごぉおおおおおっ!!?」
私に精子を注がれて、エレナさんは雄叫びに見紛うような嬌声を響かせる。
数瞬遅れて、彼女の股間から黄金色の液体がじょろじょろと流れてきた。
失禁しのだ。
「あ、あーあ、やっちゃった……
これもう、完全に頭おかしくなっちゃったでしょ、この子……」
「いえいえ、エレナさんは芯の強い女性です。
この程度で、心を壊したりはしません!」
「……嫌な信頼ですねー、それ」
苦笑いする葵さん。
実際、ミサキさんに見込まれているエレナさんの精神がこの程度でどうこうしてしまうはずがない(多分)。
とりあえず私はエレナさんから肉棒を引き抜いた。
どろりと、愛液に混じって精液も彼女の膣口から垂れていく。
「一息ついたところで――」
私は葵さんを見る。
正確には、彼女の股間を見る。
薄い生地のレギンスを履いているからだろう、股がびちょびちょに濡れていることが、一目で分かった。
何せ、愛液に濡れて生地が透け、下着が確認できてしまうのだから。
「――随分と濡らしていますね」
「あ、あんっ♪
誠ちゃん、今したばっかりなのに……?」
エレナさんを心配していた態度はどこへやら。
私が股間を触り出すと、途端に顔を綻ばせる葵さん。
寧ろ自分から私の手に股を擦り付けてくる。
「するんですか?
今ここで、エレナの横でしちゃうんですかー?」
「ええ、しますよ。
いけませんか?」
「まさか?
誠ちゃんのちんぽ、早くアタシに味合わせて下さい♪」
葵さんはテーブルに座ると、私に向けて股を開いた。
愛液によってぴったりと彼女の股に張り付いたレギンスは、割れ目の形もまたくっきり映し出している。
「いつ見ても、色っぽい身体ですね。
服の上からでも、膣の入り口がひくひく動いているのが分かりますよ?」
「だ、だって、待ちきれなかったんです!
会ったらすぐ誠ちゃんのちんぽを入れて欲しかったのに、ずっとお預けになってましたから!」
ぴちゃぴちゃ音を立て、自分で自分の股間を弄り出す葵さん。
その様子に辛抱堪らず、私は彼女をテーブルに押し倒した。
「あんっ♪
強引ですねー」
「男はいつだって獣なのですよ」
「やだー?」
イチモツがいきり立って仕方ない。
今は衣服を脱がす手間も惜しい。
私は葵さんの白い服を掴み、引き千切っていった。
「あっあっあっ――アタシ、今日はこれしか服持ってきてないのに♪
帰る時の服が無くなっちゃいますー」
「裸では帰るのは嫌ですか?」
「まさか?
全然平気ですよー♪
誠ちゃんが望むなら、街中でストリップだってやれます?」
嬉しいことを言ってくれる。
そんな会話をしている内に、私は葵さんの服の胸部分をビリっと破いた。
柔らかそうなおっぱいが丸出しになる。
「――いい胸ですね。
手が吸い付いて離れません」
「は、あぁあんっ――気に入って貰えましたか、アタシのおっぱい♪」
「ええ、とても」
語った通り、彼女のおっぱいは揉んだ感触が非常に柔らかく、掌を包み込むかのようだった。
それでいて、しっかりと揉み応えはあるという一品だ。
私はそれをぐにぐにと握ってやる。
「あっ! あぁああっ! はぁああんっ♪
いいです、気持ち、良いっ?」
喜びの声を上げる葵さん。
調子に乗って、片方の乳首を抓み、もう片方は口でしゃぶり出す。
固く立った乳首が、私の下の上でコロコロと転がる。
「あぁああっ!! あっ!! ああっ!! あぁあんっ!!
乳首ぃっ!! そこ、しゃぶられるの、好きぃっ♪」
葵さんが両手で私の頭を抱え、胸を顔に押し付けてきた。
もっと強くして欲しいのか。
望み通り、歯で彼女の先端を噛んでやる。
「あぁあああああっ!! イイっ!! イイぃっ!!
そんなに強く噛んだら、アタシの乳首千切れちゃいますぅっ♪」
「では、ここで止めますか?」
「止めないで!! 止めないでぇっ!!
千切っちゃっていいですっ!! 噛み切っちゃっていいですからぁっ!!
あとで幾らでも治しますから、もっともっと強くして下さいっ?」
「ならば――」
彼女のいう通り、乳首を千切る勢いで噛みつく。
……まあ、本気で取れるようなことが無いよう、絶妙に力を加減してはいるのだが。
「ああっ!! あああっ!! あぁああああっ!!!」
だが、葵さんが受ける刺激は絶大だったようだ。
肢体を弓のようにしならせ、絶叫する。
「――あっ――ああっ――ご、ごめんなさい、誠ちゃん。
今ので、軽くイっちゃいましたぁ♪」
「構いませんよ、そんなこと。
そんなに自分を責めないで下さい」
「あ、ありがとうございます……?」
絶頂したからか、葵さんの息は乱れていた。
私は一度、彼女のおっぱいから顔を上げる。
すると――
「誠ちゃーん、あんまり焦らさないで下さい♪
あたしのおまんこ、早く触ってぇ♪」
――葵さんからそんな要望が。
私はこくりと頷くと、もうびちょびちょになった彼女のレギンスを引き裂く。
その下からは、綺麗な意匠のレースの下着が現れた。
同時に、私の鼻に葵さんの“匂い”がつく。
「もう蒸れ蒸れですね。
凄い匂いですよ、葵さんのここ」
「言わないで下さぁい♪
ダメですか? アタシのくっさいおまんこじゃ、誠ちゃんは楽しめませんか?」
「そんなわけないでしょう。
臭いだなんてとんでもない。
良い匂いです――男を狂暴にする、発情した雌の匂いですよ」
「あ、ああ、嬉しいです♪」
本当に嬉しそうに、笑顔を浮かべる葵さん。
私は自分の言葉を証明するかのように、彼女の股間へと顔を近づける。
そして、先程葵さんがエレナさんへやったように、クンニリングスを始めた。
「あっ! あっ! ああっ!
そんな、舐めてくれるだなんてっ♪
誠ちゃん、嬉しいけどダメです、そこ、汚いですよぉっ!」
「汚い?
こんな“美味しい”ところが汚いわけないでしょうに」
下でクリトリスをつつき、膣口をなぞる。
彼女の中からは、愛液が止めどなく溢れてきた。
男を惑わすその匂いは鼻孔に充満し、味は口内に広がる。
「ああぁああっ! 誠ちゃんのべろがっ♪ アタシのあそこを擦ってぇっ♪
あっ! あっ! あぁあああんっ!!」
葵さんが喘ぎながら身を捩る。
目を閉じて、私の責めを感じ入ってるようだ。
――そろそろ、挿れようか。
「あっ? 誠ちゃんのちんぽぉっ♪」
私が挿入の準備をしだすと、葵さんはそれに目敏く気付く。
股をさらに大きく拡げ、ねだるように腰をくねらせてきた。
「は、早くっ♪ 早く、その立派なおちんぽ様をアタシに下さぁい♪」
「待ちきれないようですね。
なに、すぐに挿入して差し上げます――よっ!」
「あ、あぁああああんっ?」
私の肉棒は、一突きで葵さんの奥にまで到達した。
彼女の膣は雄を容易く受け入れ――しかし、迎え入れたモノを離すまいと、きつく絡みついてくる。
「あぁぁあああ――誠ちゃんのちんぽっ♪ 誠ちゃんのちんぽぉっ♪」
「……葵さん?」
私の声が若干トーンダウンした。
彼女が――泣いていたからだ。
目に、大粒の涙を浮かべている。
「ど、どうしました?
どこか痛みが――?」
「違うんですっ! 嬉しいんですっ!
アタシ――アタシ、ずっとこの日を夢見てました!
誠ちゃんと、またこうやって繋がれる日をっ!」
涙ながらに、葵さんは語る。
「ずっと、ずっと、誠ちゃんだけを想ってました!
“どんなに辛くても”アナタともう一度会えることを信じて、頑張ってきたんですっ!
それが、叶ったから――叶ったから、アタシ、もう――!」
「葵さん……」
今の彼女の“顔”から、何を慮るべきなのか。
……いや、何も考えるまい。
下手な邪推は、彼女も望んでいないだろうから。
私は、互いに快楽に酔いしれるべく、腰を動かし始める。
「あっ♪ 誠ちゃんのが、アタシの中を行ったり来たりして――♪
ああっ!! あああっ!! あぁあああんっ!!」
嬌声を漏らす葵さん。
私の方も、彼女の柔らかい膣壁で握られたイチモツがピストンの度に扱かれ、堪らない快感がもたらされていた。
「ああっ!! あっあっあんっ!! あぁあああっ!!
せ、誠ちゃん、キスしてっ!!
キスして下さいっ!!
もっと、誠ちゃんを感じさせてっ!!」
「いいですよ!」
彼女のお願いに従って、私は葵さんの唇に自分の唇を重ねる。
瑞々しい柔肉の感触が、唇を通して伝わってきた。
「んっ♪ ちゅっちゅっ♪
はぁああ、誠ちゃぁんっ?
ちゅっちゅっ♪ れろ、れろれろ♪
ああ、あっあぁぁあああん?」
葵さんの方から、舌を絡ませてくる。
互いの舌を味わい合い、唾液を飲み合い、口の中を舐め合う。
股間から来る刺激と併せて、頭が蕩けそうな程の快楽に襲われていた。
「あぁあああん♪ はあぁあああああんっ♪」
それは彼女も同じようだ。
激しく私の口に吸い付きながら、自ら腰も振り出し、快感を貪っている。
このまま永遠に過ごしていたいのだが、私にある衝動が去来する。
「――葵、さん!
そろそろ、イキます!!」
「はっあっあっ♪ イキそうなんですか、誠ちゃん?
いいです、イっちゃって下さい?
アタシの中に誠ちゃんの精子、いっぱいいっぱい注いで下さい?」
葵さんが、腕で私の首に抱き着き、脚を私の腰に回してきた。
絶対に子宮へ射精して欲しいという、意思表示だ。
「勿論、葵さんの中に出しますとも!
ちゃんと、受け止めて下さいね!」
「はい、はいっ♪
全部、受け入れますっ♪
誠ちゃんの精子で、絶対、孕んでみせますぅっ♪」
私と葵さん、双方の動きが早くなる。
ラストスパート。
一気に絶頂へ向けて階段を駆け上がっていく!
「――くぅっ!
出しますよ、葵さん!!」
「あ、アタシもっ!! イクっ!! イクぅぅううううううっ♪」
私が葵さんの最奥に精を解き放ったのと、彼女の膣が一際強く男根を締め付けてきたのは、同時だった。
「あっ! ああっ!!
出てますっ♪ 出てますよっ♪
誠ちゃんの精液が、子宮をいっぱいにしてます♪」
言いながら、葵さんは腰を再びくねらせた。
その動きに合わせて彼女の膣が私のイチモツを絞り――最後の一滴まで、精液を搾取してくる。
「はぁあああああ……
お腹が、熱いですー♪
誠ちゃんの精子で、満タンになっちゃってます♪」
満足そうに笑う葵さん。
しかし少しして、彼女はあることに気が付いた。
「……誠ちゃんのおちんぽ、まだ固いままですねー?」
「そりゃ、まだ1回しか出してませんから」
「エレナにも出してませんでした?」
「それを含めたって、たったの2回です」
「そ、それじゃあ――」
葵さんは私の言葉を頭で反芻しだした。
そしてにんまりと、ぞくっとするような色気のある笑みを浮かべて、
「それじゃあ、まだ、してくれるんですね?」
「当然です。
最低でも、あと3回はやりますからね!」
「あ、ああっ♪
誠ちゃん、すごぉいっ♪」
彼女の手や足が、私に絡みついてくる。
私は私で、腰を力強く前後に振り始めた。
「はぁああんっ♪ あぁあああんっ♪ あ、あぁああああああっ♪」
その日。
深夜まで、彼女の艶声は止まらなかった。
「……うーん、どうも受精した気配がありませんねー」
夜遅く。
地球の時間で言えば、日が変わってもう大分経つような時刻。
ベッドにて、私の隣で横になっている葵さんは、お腹をさすりながらそんなことを言ってきた。
「分かるもんなんですか、そんなこと」
「女の勘ってやつです」
「ほう」
彼女がそう言うからには、そうなのだろう。
「大丈夫です。
今日が無理でも、孕むまで注ぎ続けてあげますから」
「ふふふふふ♪
期待してますよ、誠ちゃん?」
葵さんが私の腕に抱き着いてくる。
互いに裸なので、柔らかい彼女の感触が直に伝わってきた。
……いかん、また勃起しだしてしまう。
ちなみに、反対側にはエレナさんが眠っている。
あれから一度も目を覚まさなかったので、そのままベッドへ運び込んだのである。
「まあ、今日はこのまま休んで下さいねー。
明日に響いちゃいけませんので。
なにせ明日は――」
そこで、彼女の口が止まった。
数秒、硬直する。
その後、
「あーーーーっ!!」
部屋に叫び声が木霊した。
すぐ近くで聞いた私の耳は、キーンと痛み出す。
「んー、なになにー?
うるさいなー」
その声で、エレナさんも起き出した。
様子を見るに――良かった、特に異常は無さそうだ。
それはそれとして、私は葵さんに問いかける。
「ど、どうされたのですか?」
「忘れてました!!
デュスト!! あいつが明日――ていうか、もう今日ですけど――またウィンガストに来るんですよ!!
誠ちゃんと戦うために!!」
「え?」
「へ?」
私とエレナさんが、実に間の抜けた声を出した。
そして次の瞬間、
「「そういうことは早く言えぇぇえええええっ!!!!」」
2人の男女による絶叫が、部屋に轟いたのだった。
第二十一話 完
早朝。
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「――楽しみだ」
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男の名は、デュスト。
“光迅”の二つ名を冠する、五勇者の一人。
彼は、今から戦うことになる相手の名をゆっくりと呟く。
「クロダ・セイイチ。
……さぁ、“開戦”といこうじゃないか」
第二十二話へ続く
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