社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第十八話裏 その頃イルマは……

②! 夜中のお話

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■夜


 辺りはもう暗くなっている。
 イルマは黒田への夜食を持って、廊下を歩く。

(……冷静に考えてみれば、渡す位どってことないんですよね!
 パッと渡してサッと帰ってくればいいんですから!)

 そう自分に言い聞かすイルマ。
 本当に冷静になっているのであれば、彼女が黒田へ夜食を持っていく必要すらないことに気付くはずなのだが。

(大丈夫、あいつが何かしてくる前に部屋を出ればいいんです!
 食事を押し付けて、すぐ逃げてしまえば!)

 胸中でそんなことを何度も繰り返しながら、不安に――或いは期待に――震える足を進めていく。

「……もう、着いちゃいましたね」

 ぼそっと呟く。
 イルマは既に黒田が借りている部屋の前に居た。
 まあ、そう大きな宿では無いのだから、移動に長い時間がかかるわけがない。

「渡したらすぐ後ろへ走る……渡したらすぐ後ろへ走る……」

 呪文のように繰り返す。
 イルマ的には、イメージトレーニングは完璧だった。
 他者から見れば滑稽極まりない姿ではあるものの、彼女は真剣である。

「よし、それじゃっ」

 イルマはドアノブに手をかけた。
 軽くノックをしてから、ドアを開ける。

「クロダ、夜食を届けに来ま――」

 言葉は最後まで言えなかった。
 部屋の中の様子が、イルマの想像と大きく乖離していたからだ。

「おぅっ! おぅっ! おぅっ! おぅっ! おぅっ!
 んぉおおっ!! あ、あひぁああああっ!!!」

 そこでは、何も身に着けていない見知らぬ少女が悲鳴に近い嬌声をあげて悶えていた。

「――あ、え?」

 思考がついてこず、変な声を漏らしてしまう。
 ……正直、予想してしかるべき展開であったろうが――黒田に抱かれることで頭がいっぱいだったイルマとしては予想外だったのだ。

「おっおっおおっおっおぉおおっ!!
 やっ! もうっ! やめっ! んぅううううううっ!!」

「いいですよ、ミーシャさん。
 きつきつの膣が実に気持ち良いです」

 少女を喘がせている張本人であり、かつこの部屋を使用している人物でもある、黒田誠一が呟いた。
 どうやらあの少女は、ミーシャという名前らしい。

 ミーシャは、銀髪の髪を短く切り揃えられた、どことなく中性的な顔立ちをした美少女だった。
 小柄な体と凹凸の少ない肢体から、ともすれば美少年にも見えてしまう。
 裸ではなく少年のような服装をしていたら、イルマも勘違いしてしまったかもしれない。

(あんな、私より幼そうな子を相手に――)

 イルマは、黒田の節操無さに驚愕した。
 ――実のところ、ミーシャはイルマより年上だったりするのだが、容貌からそれを知る術はない。

「んぉお、お、お、おお、お、おおおっ!!
 あ、あぁああっ! あっあっああぁぁああて!!」

 部屋には延々とミーシャの艶声が響いていた。

 黒田は器用に少女の太ももを持って後ろから抱き上げ、股を広げさせた姿勢で男根を膣に嵌めている。
 俗に、背面駅弁とも呼ばれる体位だ。

(……す、凄い)

 イルマは思わず2人を――2人の結合部を凝視してしまう。
 あの姿勢だと、黒田の陰茎がミーシャという少女の膣内に出入りする様子がよく見えた。
 太く長い男根がぐちょぐちょと音を立てて小さな女性器を責め立てている。

 あれ程大きな肉棒が収まっているのが不思議な程、小柄な体型のミーシャ。
 少し目を凝らすと、剛直が入る度に彼女の腹がぷくっと膨れていた。
 ……男性器に、腹を内側から押し出されているのか。

「あっ! あっ! あぅっ! あっ! ああっ!
 ん、いぃいいいいっ!! イクっ! イクっ! イクっ! イクぅっ!」

「いいですよ、ミーシャさん。
 またイッて下さい」

 柔らかな口調のまま、黒田はえげつない速度で腰を振り始めた。
 ミーシャの小さな身体が、大きく上下に揺さぶられる。

「あっ! あっ!! あっ!! あっ!!
 イクっ! ああっ!! またイクっ!! んぁあああああぁぁぁあああああっ!!!」

 少女は身を仰け反らし、痙攣し始めた。

(ぜ、絶頂したんですね……?)

 恍惚としたミーシャの顔を見ると、イルマは身体をぶるっと震わせた。
 自分の肢体が熱くなっているのが、嫌でも分かってしまう。

「あっ……あっ……あっ……あっ……」

 黒田に抱きかかえられたまま、ミーシャは荒く息をついていた。
 ――ところが、まだ余韻を味わっている最中に、彼女の身体は再び動き始める。

「――おっ!? あっ! あっ!! あっ!!!
 僕、もうイったぁぁっ!! イったのぉぉっ!! ああぁぁああああっ!!」

 またしても悶え始めるミーシャ。
 言うまでも無く、黒田がイチモツで突き上げ始めたのだ。

 彼女はヨガりながらも黒田に抗議し出す。

「うっあっあっあっあっあっ!!! 一回だけって言ったのに!
 “あの時”のお礼に、一回だけって言ったのにぃいいっ!!
 あっあっあっあっあっあっあああああっ!!」

「ええ、確かに。
 霊薬エリクサーのお礼替わりとして一回だけ抱かせて頂くというお話でしたね」

「な、なのにっ!
 なんで、こんなにするのさぁっ!!
 んんっ! んっ! あぅっ! あぅっ! あぁあっ! あぁぁっ!!
 も、もう、一回どころじゃっ!! んぁあああああっ!!!」

「と、申されましても。
 まだ私は一度も射精をしていないわけでして」

 困った表情で黒田は答えた。
 会話をしている最中でも、彼は責めをまるで緩めない。

「なんでっ!? なんでっ!? なんで、なんでっ!!?
 もう、ずっとしてるじゃないっ!! あぅっ! あぅっ! ああっ! あぅうううっ!!
 夕方から、もうずっとぉおおおっ!!!」

(ゆ、夕方からされているんですか……!?)

 もう日が沈んでから数時間経過している。
 その間、ずっとミーシャはこうやって責め立てられていたというのか。
 だとすれば、彼女の嬌声が悲鳴のようになっていることにも頷ける。

(……まあ、一晩中ヤってたりしてましたからね、あいつ)

 今朝、マリーやシフォンとしたいた時も、エレナとしていた時も、黒田はかなりの長時間セックスをし続けていた。
 このミーシャという少女は、そんな黒田の底なしの体力を知らなかったらしい。

 黒田は余裕たっぷりに返事をする。

「まあ、たった一度だけの行為ですからね。
 たくさん楽しまなければいけないと、気合いを入れております」

「気合いってそんなっ!! あっあっあっあっああああっ!!
 そんな、のでっ!? あっ! んぉおおっ! おっ! おっ! おっ!!」

 ミーシャの瞳孔が大きく開かれる。
 快感に耐え難くなったのだろう。

 彼女は大きく身を捩り、黒田の手から逃れようとする。
 だがミーシャの肢体はがっちりと抱えられており、その程度では抜け出すことは叶わなかった。

「も、もうイヤ、イヤぁあっ!!
 ああっ! あっ! あっ! あっ! あぁああっ!!
 忘れられなくなるっ!! 君のちんぽ、忘れられなくなるぅうっ!!」

 涙を流し、涎を垂らしながらミーシャは悶えた。
 彼女がそんな状態になっても、なお黒田は変わらず責め立てる。

(あ、あ、あ……あんなに……あんなになっても、ヤられちゃうんですか……?)

 ミーシャの有様を見て、イルマの肢体はさらに熱くなっていく。
 夜食を乗せたトレイは、いつの間にか床に落としていたが――今の彼女には、もうどうでもいいことだった。

(私も――私も、あんな風に――)

 イルマの手が、自然と胸と股に伸びてしまう。
 自分の意思とは無関係に、乳首を捏ね、陰核を擦り出した。

(あ、もう、こんなに濡れて……?)

 秘所がもうびちょびちょになっていることに、自分自身が驚いてしまう。
 イルマが考えていた以上に、彼女の身体は興奮しているのだ。

「イクっ! イグっ!! イグゥっ!!! またイグぅううううううっ!!!!!」

 一方でミーシャの方は、再度絶頂に達したようだ。
 次の瞬間、彼女の股間から透明な液体が噴き出る。
 快感のあまり、潮を吹いたのだ。

 ……だというのに、黒田の腰の動きは一向に止まらない。
 絶頂したミーシャへの責めを続行していた。

「――おっ!?――おぉおおっ!!?――おっ!! おっ!! おぉおおっ!!
 ダメェぇぇぇっ!!!――ヤメテぇぇぇっ!!――んぁああっ! ああっ! あぁぁああっ!!
 僕、おかしくなるぅううっ!! おかしくなっちゃうぅううっ!!!」

 ミーシャは白目を剥きかけながら絶叫している。

「いいじゃないですか、おかしくなっちゃいましょう。
 大丈夫、どれだけ乱れても問題ありませんよ」

 そんな、今にも壊れそうな彼女を、黒田は気にも留めない。
 いや、寧ろ――

(――ほ、本気で彼女を壊そうとしてる?)

 そうとして思えなかった。
 黒田は、あの少女の理性を、心を、破壊しにかかっているのだ。

「あぁああああああっ!!!! あぁああああああああっ!!!!」

 自分の末路を想像してしまったのか、大声を出して必死にもがくミーシャ。
 相当暴れているのだが、黒田の身体は揺らぎもしなかった。
 淡々とミーシャを壊す作業を続けている。

「あぁぁあああっ!! イクっ!! あぁああああああっ!!!!」

 その言葉の通り、ミーシャはまたしてもアクメを迎える。
 しかし、やはり黒田は責めを緩めない。

(――あ、逃げなきゃ。
 逃げなきゃ、私もああやって――)

 きっと、黒田に“壊される”。
 そんな確信を抱くものの、イルマの身体は動こうとしなかった。
 ただ、自分を慰める手の動きが激しくなるだけ。

「は、あぁぁ……ん、んぅうう……」

 甘い声が漏れる。

 イルマの大きなおっぱいがゆさゆさと揺れた。
 クリトリスは痛い程刺激され、快感が湧き上がってくる。
 なのに。

(イケ、ない……?
 なんで、私、イケないんですか……?)

 いつもであれば絶頂してもおかしくない程の快楽を、このオナニーでイルマは味わっていた。
 なのに、イケない。
 彼女の身体は、さらに大きな快感を欲しがっている。

(見ちゃったから?
 もっと、凄い快感があるのを知っちゃったから?)

 黒田に身を委ねれば、あれ程の快楽を――自我が崩壊する程の快楽を味わえる。
 それを知ったが故に、それを欲するが故に、イルマの身体は絶頂できないのだ。

(ほ、欲しい――欲しい、欲しい!
 あいつのでっかいちんぽを、私のまんこに突っ込んで欲しいっ!)

 イルマはまだ処女である。
 だから、膣や子宮への刺激による快楽を知らない。
 ――知らないからこそ、期待が大きく膨らんでしまった。
 まんこを抉られる快感を妄想し、早くそれが欲しいと願ってしまった。

「あ、あぁぁ……欲し、い……ん、あぁぁ……欲しい……」

 知らず知らずのうちに、イルマの口からも願望が垂れ流しになる。
 黒田とミーシャの痴態を見つめながら、彼女はオナニーに耽っていく。

「んぉおおおっ! おっ! おぉおっ! おぉおおおっ!!!
 あああああっ!! イクぅううっ!! もうずっとイってるぅうううっ!!!」

 イルマを置いてきぼりにして、2人のセックスは続いていた。
 何度ミーシャが絶頂しても、黒田の動きは変わらない。
 大きくそそり立ったイチモツで、ミーシャを嬲っている。
 ……驚異的なことに、彼はこれだけして一度も射精していなかった。


 そして、とうとう――

「あぁあああっ!!!! ごめん、ごめん、サン、ごめんっ!!
 もうダメぇっ!! 僕、もうダメぇぇええっ!!!!
 まんこ、こいつの形になっちゃったぁっ!!
 こいつのちんぽじゃなきゃダメになっちゃったぁっ!!」

 ――涙を流しながら、ここには居ない“誰か”へと謝罪するミーシャ。
 彼女の身体が、黒田に屈したのだ。

「それ程感じて頂けたのであれば嬉しいですね。
 ただ――今日一度きりしかミーシャさんを抱けないのが残念ですが」

「そんな、の、もう、関係ないぃっ!!
 抱いてぇぇっ! いっぱい抱いてぇぇええっ!!
 僕に、精子注ぎ込んでぇぇぇえええっ!!!」

「おや、そうですか?
 では――」

 言うや否や、黒田は自分の男根を膣の奥底へ深く深く突き入れた。
 ミーシャの声が、動きが、一瞬停止する。

「――あっ――あっ――あっ――は、入ってくる――!!
 君の、精子が――僕の子宮、叩いてる――!!」

 蕩けきった表情のミーシャ。
 黒田の射精によって、ひときわ大きなアクメを迎えたのだ。

 彼女の股からは、膣内に収まりきらなかった精液がドロドロと流れ出てきていた。

「は――あ――あ――あぁぁぁぁ――」

 ミーシャの瞳は閉ざされ、全身がだらりと垂れる。
 完全に意識が飛んでしまったようだ。

(お、終わった――?)

 そう、終わった。
 ミーシャという少女は、終わってしまった。
 もう黒田でなければ、彼女は満足できないだろう。

「さてと、イルマさん」

 ミーシャをベッドに横たえさせた黒田が、イルマに話しかけてくる。

「夜食、床に落としてしまったようですが――代わりに、貴女の身体を頂いても?」

 股間を隠そうともせず。
 射精したばかりだというのに大きく反り返ったイチモツを見せつけながら、黒田はイルマに近寄ってくる。

 それに対し、イルマは。

「――は、はい。
 お願い、します」

 自らスカートを捲りあげ、愛液でびっしょりと濡れた恥部を露わにする。
 今は、一刻も早く彼のイチモツを味わいたかったのだ。



 ……しばしの後。



「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」

 部屋の中には、先程までとは違う声色の喘ぎが響いていた。
 声の主は勿論、イルマだ。

「凄いっ! これっ! 凄い、ですっ!
 あっ! ああっ! あぅっ! あんっ! あぁああっ!」

 彼女は今、産まれたままの姿になって黒田に正面から抱きかかえられ、そのまま彼と繋がっていた。

 たわわに実った大きなおっぱいがプルンプルンと揺れる様は、男に欲情を抱かせるに十分な色気を放つ。
 胸に比べるとまだ未成熟な小さいお尻も、その不釣り合いさが逆に淫猥な雰囲気を醸し出している。
 そして、初めて異物を迎え入れるイルマの女性器は、数刻前まで処女であったとは思えない程に黒田のイチモツに馴染んでいた。

「はぁあああああんっ!! あっ! あっ! もっとっ! あぁああんっ!!」

 さらに気持ち良くして欲しいと、黒田にねだる。
 彼はそれに応えて、より強く腰をぶつけてきた。

「あ、あぁあああああっ!!」

 望み通りに大きな快感を与えられ、イルマは悦びに打ち震えた。

 お返しとばかりに黒田を強く抱きしめる。
 イルマの大きな胸が彼の胸板に押し付けられ、押し潰されるように形を変える。

(気持ち、いいっ!!
 まんこが貫かれて――こんなの、オナニーじゃ味わえないっ!!)

 うっとりとしながら、肉棒に貫かれる快感を味わうイルマ。
 彼女の身体はあっという間に黒田のちんこの虜になっていた。

 彼に一つ突かれる毎に、頭のてっぺんにまで快感が駆け上がるのだ。
 これを知ってしまったら、通常の自慰行為ではもう満足に絶頂できないだろう。

(……まあ、最初に挿れられた時は痛かったですけどね)

 流石に処女膜が破られた時は激しい痛みに襲われた。
 しかしそれもすぐ消え、イルマはただ純粋に雌としての悦びを堪能している。
 ――黒田によると、ローション替わりに治癒用ポーションを用いることで破瓜の痛みが薄れるのだとか。

(そんなテクニックがあったとは)

 よくそんなことを知っていたなと、単純に感心してしまったイルマである。

「はっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」

(そうだと知っていれば、いちいち怖気づいたりしなかったのに)

 掃除の際に、黒田の申し出を断ってしまったことを心底公開する。

(そうすれば、もっと、早く、この快感を味わえたのに!)

 いや、その時と言わず、エレナと黒田が交わっていた時に自分も混ぜて貰えばよかったのだ。

(クロダのことですから、どうせ拒むわけありませんし)

「あひっ! あっ! あひぃっ! んっ! んぁあっ!」

 そうなっていれば、毎日のようにこの快楽に耽っていられたかもしれない。
 ……もしもの話をしても仕方のないことだけれど。

(でも、これからはこのちんぽを貰えるんですよね!
 いつでも私に突き挿してくれるんですよね!!)

 そう考えると、期待が膨らんでさらに肢体が熱くなる。
 少しでも黒田のちんこを堪能しようと、膣が蠢動してしまっているのが自分で分かった。

(私、なんてバカだったんでしょう!
 こんな気持ちいいこと、我慢しちゃってただなんて!
 あー、私のバカバカ――――あれ?)

 その時、イルマの胸に疑問が去来した。
 自分が黒田との性交を拒否したのは、ただ怖かったからだけだっただろうか?
 処女を失うという未知の痛みに、恐怖してしまっただけだっただろうか?

(――何か、他に、あったような。
 大切な、理由が、あったような――?)

 一度気になってしまうと、なかなかソレは頭から離れなかった。
 そのせいで、黒田とのセックスにいまいち集中できなくなってしまう。

「……どうしました、イルマさん?」

 そんな彼女に気付いたのか、黒田が心配げにイルマの顔をのぞき込んできた。
 肉棒のピストンは止めないあたり、実にかれらしかったが。

「あっああっあっああっあ!
 べ、別になんでも無い、です――あっああぁああっ!」

 返答するが、心は晴れない。
 自分は何かを忘れている――そんな気持ちになってしまったのだ。

(私は、何を――――あっ!)

 その時、イルマの頭にある情景が浮かび上がってくる。
 それは、ある青年の姿。
 蒼の鱗亭の常連である、なんのかんの言いつつも優しく接してくれた、若い冒険者。

「――ジャン」

 心の中で考えていたことが、ついつい口に出てしまった。

「……ジャンさん?
 彼と何かあったのですか?」

 黒田もイルマの呟きが聞こえたらしく、尋ねてくる。
 どう返したものかと悩みつつ、彼女はほっとしていた。

(――――なんだ、そんなことでしたか)

 イルマの中に渦巻いていたモヤモヤは消え去った。
 分かってみれば、実につまらないことだった。
 “自分がジャンに想いを寄せていた”などと、そんな『どうでもいいこと』を気にしていたらしい。

 なので、イルマはそのことを正直に口に出す。

「あっああっ! あんな奴――あぁあんっ!――もう、どうでもいいですっ! あぁああっ!
 あなたの、あなたのちんぽの方が――あぁぁあああっ!」

「おやおや」

 しかし、黒田はそこで眉を顰めた。

「どうでもいい、というのは感心しませんね」

 言いながら、彼はイチモツをイルマの膣の奥に――子宮口にねじ込んでくる。

「あっあっあっあっあっあっ!? すごい、深いぃっ!!!」

 腹の奥を起点に全身へ快感が走る――その新しい感覚に、イルマは歓喜の嬌声を上げた。
 そのまま黒田は子宮の壁を亀頭で叩きながら、彼女に話しかけてくる。

「察するに、イルマさん。
 貴女はジャンさんのことが好きなんですね?」

「あっあぅっああっ! ま、まあ、そう、でしたけどっ!
 ああっ! あっ! んぁぁああああっ!!」

 快楽に頭がぼやけているせいか、普段ならとても肯定できないことに頷くイルマ。
 黒田はそれを確認したうえで、さらに続ける。

「好きな相手を、“どうでもいい”などと言ってはいけませんよ。
 そうでなくとも、彼は私から見ても好青年ですしね、知り合いが誹謗中傷されるのは気分のいいものじゃありません」

「あ、え――? あっ! あんっ! ああっ! あぁああっ!!
 で、でも、私――あ、あぅうっ!――クロダとのセックスが、気持ち、良くて――あっ! あああっ! んぅううううっ!!」

「それに何か問題が?
 私に抱かれるのは気持ち良い、でもジャンさんのことは好き。
 別にそれでいいじゃないですか」

「え、え、い、いいんですか?――あ、あんっ!!」

「勿論ですよ。
 快感を得るのは身体の問題で、好きなのは心の問題でしょう?
 そこは切り離して考えませんと」

 黒田はそう断言してきた。

(そ、そんなものなんでしょうか……?)

 まあ、彼が言うからにはそういうことなのだろう。

(ジャンのことが好きで、でもクロダに抱かれて。
 ……それで、いい?)

 それは、なんとも甘美な誘惑に聞こえた。

「今度、ジャンさんともセックスしてみて下さい。
 好きな人との交わりは、充足感もまた格別でしょう」

「あ、あんっ! そ、そうなんです、か――?」

「ええ、勿論です」

 やはり断言する黒田。
 それで話は終わったとばかりに、彼はピストンを速めてくる。

「あぁああああっ!! あっあっあっああっ!!」

 堪らず、イルマは悶えた。
 今日一番の快感が彼女を捉えたのだ。

「さて、そろそろ私も射精したいですし、一気にいきますよ、イルマさん。
 さらに激しくヤりますからね!」

「は、はいっ! あっ! あっ! あぁあっ! ああんっ! き、気持ちいいですっ! あっあっあっあっあぁあんっ!
 もっと、もっとして下さいっ! クロダっ!! あぁぁああああっ!!!!」

 振り落とされそうになる程、強く強く腰を動かすクロダ。
 イルマは彼の身体にしがみ付きながら、力強いストロークに自分の女性器が抉られる悦楽に身を蕩けさせた。

「あっ!! イクっ!! イキますっ!! 私、イキますっ!!」

「いいですよ、イって下さい。
 私も、出しますからね」

「ああっ!! イクっ! イクぅっ!! イクイクイクイクっ!!
 あぁぁああああああああっ!!!!」

 イルマが絶頂するのと、黒田が射精するのは同時であった。
 今までの人生で一度として味わったことの無かった、とてつもないエクスタシーに、彼女の意識は一瞬飛びそうになる。

「あっ!…あっ!…あっ!…あっ!…あっ!」

 ビクビクと痙攣する子宮に、大量の精液が注がれていく。
 それがなんとも言えず、心地よい。
 自然と、恍惚の笑みを浮かべてしまう。

(ああ言われたことですし、今度ジャンともしてみますか)

 絶頂の余韻で朦朧とする意識の中、頭のどこかでそんな思考を巡らせる。
 こう言っては何だが、ちょっと誘惑してやればジャンはすぐに応じるようにも思えた。
 彼と性交するのは、とても容易だろう。
 とはいえ――

(絶対、クロダとの方が気持ち良いでしょうけど)

 ――黒田以上のセックスをジャンがしくれるとは、とても思えないイルマだった。



 第十八話裏 完
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