社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第十五話 ある社畜冒険者のドキドキ・デート

②! アクセサリーショップでお買い物

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 ――そんな朝の一幕がありつつ、私は今、外へ出かけている。
 これからの任務に必要な備品を揃えるため、というの一つ。
 なにせ迷宮内で相手に気付かれないよう尾行し続けなければならないのだ、入用な物も今まではとは変わってくる。

 だがしかし実際のところそれはあくまで“ついで”。
 この買い物の主目的とは――

「んー、クロダ君とデートする日が来るとはねー」

 私に腕を絡ませながら、にこにこと笑うエレナさん。
 ――そう、今日は彼女とデートを約束していたのだ。

 歩く度に、彼女の黒髪のポニーテールがふりふりと揺れる。
 いつもの似た服装――上は少し胸元が開いたキャミソールにカーディガン、下はミニスカートで脚には黒タイツ――なのだが、今日は随分と御洒落にまとめている。
 そういうことに詳しくない私でも、一品一品が上質で、肌触りが良さそうな物に見えた。
 要するに、とても気合いを入れている。

 エレナさんは笑みを小悪魔チックなものへと変えると、

「んー、でも正直クロダ君とは、身体だけの関係で終わると思ってたよ」

 そんなことを言ってくる。
 ここ数日ミサキさんの影響で、『真面目で冷静なエレナさん』ばかり見ていたので、こういう表情が凄く懐かしく感じる。
 いや、普段まず見せない、ああいう真剣な顔というのもなかなか良いものではあったのだが。

 それはそれとして、私はエレナさんに応える。

「……それ、もう少し進んだ関係になってから言うもんじゃないですかね?」

「んん?
 なになに、もっと進んだ関係?
 愛人より先に進んじゃうの?
 ボクをお嫁さんにしてくれる?」

 意地悪そうに目元を歪めながら、上目遣いに私を見つめるエレナさん。
 ……その台詞と表情に、私は色んな意味で言葉を詰まらせてしまった。

「あー、えー、その……申し訳ありません」

「えー、謝っちゃうのー?
 ひどーい、許せなーい」

 エレナさんは口を尖らせて、不満を垂れる。
 目は笑ったままだったが。

「す、すみません。
 ……ど、どうすればいいのでしょう?」

 情けなさ、ここに極まれり。
 私は頭を下げてエレナさんに答えを請う。

「んんー?
 そうだなぁ、愛の言葉を囁いてみよっか。
 キュンキュンして、ボク、キミのこと許しちゃうかも?」

「……好きですよ、エレナさん。
 愛しています」

 彼女の目を見て、真摯な口調で囁く。
 たったそれだけのことなのだが、エレナさんの機嫌は一気に回復したようだ。

「――んっ♪
 前よりずっとスムーズに言えたねー。
 ひょっとして、練習した?」

 はい、しました。
 ……などとは言えず。

「……いえ、そんなことは。
 あー、ところでエレナさん、一つ質問してもいいでしょうか」

「んー、なーに?」

「……デートって、どんなことすればいいんですかね?」

「――――え?」

 エレナさんの笑顔が固まった。

「…………」
「…………」

 2人の間に、沈黙が降りる。
 恐る恐るといった感じで、エレナさんが口を開けた。

「……ひょっとしてクロダ君――恋愛童貞?」

「ど、ど、ど、童貞違いますよ!?
 止めて下さいよ、そういうこと言うの!?」

「じゃあさー。
 キミ――デートしたこと、何回あるの?」

「…………………恥ずかしながら」

 いや、違うんですよ。
 恋人が全くいなかったわけでは無いんですよ。
 居たには居たんですが、ちょっとそういう普通の、一般的なデートというものをしたことが無いというだけで…!

 心の中でそう自己擁護するものの、エレナさんに伝わるわけもなく。
 彼女は憐れんだ目で私を見てくる。

「あんだけ手当たり次第に女の子食い散らしてるのに、デートの経験が無いんだ……」

「……す、すいません、割と本気でへこむんで、それ位にして頂けると」

 へこへこと頭を何度も下げる私。
 ……もう許して下さい。

「仕方ないなぁ、クロダ君は。
 今日はボクの指示通り動くこと、いいね?」

 ふんすっと胸を張って、そう言ってのけるエレナさん。
 おお、なんと頼もしい。

「流石はエレナさんです。
 ちなみに、今までどれくらいデートしてきたんですか?」

「―――――」

 私の一言に、エレナさんの動きが止まってしまった。

「…………」

「…………」

 再び訪れる、沈黙。

「…………あの、エレナさん?」

「――そ、そんなの、いっぱいだよ、いっぱい!
 数え切れるわけないでしょ!?
 だ、だいたいね、クロダ君!
 そういうこと女性に聞くの、デリカシーが無いんだからね!?」

「そ、そうですよね!」

 男を誘惑しまくりなエレナさんに対して、実に愚かな問いであった。
 不自然に間が空いたのは、余りに失礼な私の発言にエレナさんの思考がストップしてしまったからだろう。
 改めて考えてみれば、女性にするには酷すぎる質問だ。

 少し怒った様子の――何故か慌てているようにも見える――エレナさんに連れられ、私は街へと街を歩いていく。



 まず訪れたのは、アクセサリショップ。
 オシャレのための服飾品だけでなく、冒険者向けに特殊効果が付与された装飾品も揃えてあるお店だ。

「んー、こっちがいいかなー?
 それともこっちかなー?」

 そんな場所で、さっきからずっとうんうん唸っているエレナさん。
 2つのアクセサリを見比べて、どちらがいいか品定めをしているのだ。
 私が、せっかくだからエレナさんにプレゼントを、と言ってから、ずっとこの調子である。

「あのー、エレナさん?」

「んー、ごめんね、クロダ君。
 もうちょっと見させて?」

「いえ……どちらも気に入っているのであれば、両方ともプレゼントしますよ?」

 私の懐事情的に、2つ買ってもそう問題のある価格ではない。
 それに、これだけ悩んでいるということは、エレナさんにとってどちらも捨てがたい意匠だということ。
 彼女に満足してもらえるなら、多少の出費など痛くも痒くもない。

「んー……惹かれる提案だけど、遠慮しとくよ」

「そうですか?
 別に私へ遠慮する必要なんてないですよ?」

「んん、まあ多少はそういうのもあるけどねー。
 でも、こういうのってやっぱり想いを込めた一品が欲しくない?
 ……できるなら、クロダ君が選んだやつが欲しいわけなんだけどー」

 ちらりと流し目でこちらを見るエレナさん。

「うっ!?
 ……申し訳ないです、こういうことには本当に疎くて……」

 実は、エレナさんは悩みだす前、私にどちらのアクセサリがいいか聞いてきたのである。
 そこでズバっと私が選んでいたならこうはならなかったのだろうが……
 どちらの装飾品もエレナさんに似合いそうに見えて、決められなかったのだ。

 片や可愛らしいデザインのイアリング。
 こちらは純粋にエレナさんの容姿によく似合っている。
 もう片方は、シックな意匠の耳飾り。
 ともすれば幼くも見える外見のエレナさんに、落ち着いた、大人らしい印象を与えてくれる。
 どちらを着けても、彼女の魅力は際立つだろう。

 今から、『こちらが良い』と提言するのはまるでただ急かしたいだけのようであるし――
 実際問題、私もどちらが良いとは判断できない。

「ん、そんなわけで、もう少しだけ考えさせてよ。
 あとちょっと……うん、もうちょっとで決めるから」

 ……まだまだ大分時間がかかりそうだ。

「――ん?」

 なんとはなしに店の外を眺めた私は、見知った姿を発見した。
 ロングの黒髪に、黒いドレスを身にまとった女性――ローラさんだ。
 どうやら、向かいのお店で買い物をしている模様。
 今はそのお店の店員さんと談笑中――或いは商談中なのかもしれないが。

「…………むむ?」

 そこで私は、彼女にある違和感を発見した。
 ただ話をしているだけだというのに、ローラさんの顔がやや赤くなっている。
 これは――

「確認しなければ」

 そう呟いて、<感覚強化エンハンスセンス>と<屈折視デフレクトヴィジョン>、ついでに<闇視ダークヴィジョン>を発動。
 彼らの様子を伺う。

 すると――

 「どうですか、ローラさん。
  いい商品、揃えてるでしょう?」

 「――え、ええ、そうですね、ログスさん。
  あ、あの、それで――あ、うぅぅ……」

 「特にコレ!
  この薬草なんてそうそう手に入らない代物ですよ」

 「――あっあっ!
  メドナ草なんて、珍し……あぁ、あぁぁああっ!?」

 ローラさんは机に並べられた商品の紹介を受けているようだが、ところどころで色っぽい喘ぎを挟む。
 それもそのはず、店員さんは商品の説明をしながら、ローラさんのお尻を――大きくて柔らかい、あの美尻を揉んでいるのだ。

 「またとない機会ですよ。
  どうです、買っていきません?」

 「――で、も、私、持ち合わせが……あっあっあっあっ!
  ログスさん、これ以上駄目ですっ!
  私、もう――あっあっあっあぁああっ!」

 店員さんはドレスの上から、的確にローラさんの弱い部分を弄っているようだった。

 「すごい乱れっぷりだ。
  いや、話を聞いたときは驚きましたが、本当だったんですね。
  ……貴女が、ド淫乱な雌犬だと」

 「……あっ!?
  そこ、駄目ですっ! そこ擦っちゃ嫌っ!!
  あっあっあっあっあっあっ!
  あぅぅうううううっ!!」

 店には他に人がおらず、2人は安心して事に及んでいるようだった。
 店員さんはドレスのスカートをめくり、直接ローラさんの下半身を触り出す。

 「もうこんなに濡れている……ちょっと触っただけで、ですよ?
  幾らなんだって感じすぎじゃないですかね」

 「あ、うぅっ! そ、それは、貴方がずっと触ってくるから――ああっ!!」

 「ローラさん、全然抵抗しないだもん。
  すぐに股濡らしちゃうしさぁ。
  そりゃ自分だって責めまくりますって!」

 店員さんは手をスカートの奥へと突っ込む。
 ――その途端に、ローラさんの身体がびくんっと跳ねた。

 「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!!
  そこ、摘まんじゃっ……あぁぁああっ!!」

 「分かりやすくぷっくりと膨らんでますねぇ、ローラさんのクリトリス。
  自分からココ弄ってくれって言ってるようなもんじゃないですか。
  抓むだけでこれなら、弾いたりしたらどうなっちゃうんです?」

 そんなことを言うと、店員さんはごそごそとスカートの中で手を動かしだす。
 そして――

 「――あっ!? ああぁぁああああああああっ!!!!」

 ローラさんが絶叫した。
 身体もがくがくと震え、商談机に倒れ込んでしまう。

 「あーらら、イっちゃったんですか。
  それで、どうです。
  うちの商品、買って頂けませんかね?」

 「はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……
  で、でも、私のお店では――――ひゃうんっ!?」

 ローラさんが返事を濁すと、また店員さんの手が動き出す。

 「あっ! あっ! あっ! あっ!!
  い、イったばかりなんですっ!
  あぅっ! あっ! あんっ! ああっ!
  や、止めて下さいっ!」

 机の上に伏せていたローラさんが、またヨガりだした。

 「えー、止めてほしいんですかぁ?
  じゃあ、この商品購入して下さいよー。
  サービスしますから――ねっ?」

 「あうっ! あうっ! あうっ! あうっ!!
  んぁああああっ! あぁうああああああっ!!
  か、買いますっ! 買いますからっ!
  ああっ! ああっ! あぁああっ!
  買いますから、止めて下さいっ!!」

 「毎度ありがとうございます♪
  ――これ、サービスですよっ……とっ!!」

 店員さんの手が、一気に激しく動く。

 「ああぁあああっ!!? あぁぁああああああああああっ!!!!」

 その責めによって、ローラさんは再度絶頂してしまったようだ。

 「ああ、あ、あ……あ、あ、あ、あ……ああぁぁぁ……」

 ぐったりとするローラさん。
 そんな彼女を後目に、店員さんは商品を包んでゆく。
 ――まあ、値札を確認する限り相場より大分安く売っているようなので、やり方はどうあれお買い得な品であることには間違いないだろう。

 「ああ、そうだ。
  コレ、おまけです」

 「……え」

 店員さんが棚からやや太い木の棒を取り出した。
 確か、あの木材も薬品の材料のはず。

 「私からの気持ちなので、遠慮なさらず。
  気に入って頂けましたら、また当店をご利用下さい」

 そう言いながら、店員は木の棒をローラさんのスカートの中へと――彼女の股へと挿し込んだ。

 「―――っ!!?
  あっああぁぁあああああっ!!!!」

 三度、絶叫を上げるローラさん。
 店員さんはそんなローラさんに笑いかける。

 「“落とさないように”注意して帰って下さいね。
  では、本日はご来店ありがとうございました」

 丁寧にお辞儀をすると、息も絶え絶えなローラさんを店外へと送り出す店員さん。
 ふらふらしながら、彼女は通りを歩いていく。

 ……どうしたものか。
 本当ならここでローラさんに声をかけたいのだが。
 しかし、私はエレナさんとのデート中。
 デートの最中に他の女性と会話しに行くというのは、いくら何でもマナーに反するだろう。
 それ位の知識は、私にだってある。

「………ふむ」

 横を見ると、エレナさんはまだ「んむむむむっ」とアクセサリを見比べていた。
 私は後ろから彼女に近づき、

「んー……やっぱりこっちが……でもなぁ、こっちはこっちで捨てがたいし……あんっ!?」

 エレナさんの口から色っぽい声が漏れ出た。
 私が彼女の胸を鷲掴みにしたからである。

「ちょっと、クロダ君?
 いきなりナニするのー?」

 突然の行動にも、エレナさんは余裕の対応。
 このあたり、他の女性達とは一線を画す。

「いえ、ちょっとムラムラ来てしまいまして」

「んんー。
 今お店の中だよ?
 我慢……できたいよねぇ、キミは」

「よくご存じで」

「そりゃボクはキミの愛人だもの♪」

 エレナさんは店内を見渡すと、

「……あっち。
 あの端っこの方ならバレないんじゃない?」

「――悪くなさそうですね」

 小声で密談をかわすと、いそいそとそちらへ移動する私達。
 目的地へ到着すると、周囲からの目が無いことを確認してから、

「――<遮音サウンドインシュレイション>」

 エレナさんが、音を『外』へ漏らさなくする魔法を唱える。
 発動エフェクトとして彼女の身体から淡い光が放たれたのだが――幸い、気づいた人もいないようだ。
 これで、何の気兼ねもなく声を出せる。

「予め言っとくけど、今は前の方ダメなんだからね」

「何故です?」

「んー? だって今ボク処女だもん。
 ……もうちょっとロマンチックな場所でキミに捧げたいなー、なんて」

「なるほど」

 そんな気配りをしていたのか。
 霊薬で偶然にも再生した処女膜(必ず再生するわけでは無いらしい)。
 大事にしたいというのが、乙女心というものだろう。
 そういう訳であるなら、女性器を使うのは諦めるか。

 私はミニスカートの中に手を突っ込み、プルンプルンとした非常にハリのあるエレナさんのお尻を触る。
 タイツに包まれた尻の肌触りは、素肌とはまた違う感触で、私を魅了する。

「代わりに――こっちの穴ですね」

「おっあっ!……う、うん、そう。
 そっちならオッケー……うっあっお、おおお……」

 尻穴あたりを指で突いてやると、エレナさんは喘ぎを漏らした。
 空いているもう片方の手で、彼女のおっぱいも揉んでやる。

「あっあっあぅう……んふふふ、ココ、もうギンギンだねー……ん、んぅううっ」

 小さく喘ぎ続けながら、私の股間を擦ってくるエレナさん。
 彼女の指摘通り、ローラさんのあられもない姿を見ていた私は、既に勃起していた。
 勿論、イチモツが反り返った要因は、弾力のあるエレナさんの柔肌にもあるわけだが。

 ――さて。
 音を消しているとはいえ、ここはれっきとした一般店。
 普通に私達の周囲を店員やお客が歩いている。
 “行為”が衆目に曝されてしまうこと自体、私は忌避していないが――それでこのお店に迷惑をかけてしまうのは頂けない。
 時間をかけるのは得策でないだろう。

「……ではちょっと失礼して」

 私はエレナさんの後ろに回り、彼女を壁に押し付ける。
 ……これで、エレナさんの姿は周りから見えにくくなったはず。

「ん、クロダ君の、固ーい」

 彼女がお尻を私に擦り付けてくる。
 密着することでエレナさんの甘い香りも感じられ、股間への柔らかい感覚と併せて私を昂らせる。

 私は手早く、彼女のタイツと下着――黒白ストライプの縞パンを脱がした。
 小ぶりだが形の良いエレナさんの尻が現れる。
 それをじっくり鑑賞したい欲求を抑え、私はエレナさんの肛門へイチモツを一気に突っ込んだ。

「んおっ!? お、おぉおおおおっ!!
 いき、なり、挿れてくる、なんてっ……あ、ああぁぁぁ……」

 驚きながらも甘い息を漏らすエレナさん。
 異物の侵入に対し、彼女の菊穴はギリギリと強く私の棒を締め上げる。
 膣による圧迫とは感覚が異なる、侵入物を排除しようとする動き。
 ソレが、女性器とは別種の刺激を股間に齎してくれる。

 そんな快感を味わいつつ、私は勢いよく腰を動かしだした。

「ん、お、おぉおおっ!
 激しいっ……お、おお、おぉおおっ! 激しいってば! あ、お、おおっ!
 おおっ! おっ! おぉおおおおっ!!」

「今回は時間をかけられませんからね。
 ほら、向こうのお客とか、私達を訝しんでいますよ?」

「あ、あっ! あっ! あぅっ! ん、んんっ!
 う、うそっ……見られ、ちゃってるっ!? あっあっあっあっあっあっ!!」

「バレてはいないと思いますけどね。
 なので、早めにイっおこうと思う訳なのですよ。
 エレナさんも協力して下さい」

「んんっ! んぅっ! んっ!! う、うん――あぅっ!
 あ、あっあっあっあっあっあっあああっ!
 んんぅうぅうううううっ!!」

 私の言葉を受けて、エレナさんが自分でも腰を振り出す。
 私の股間と彼女の尻が強くぶつかり、パンパンと大きな音が鳴り出した。

「んぁあっ! あぅっ! あっ! ああっ! ああっ!
 あぅうぅううううっ! んん、ああぁぁぁああああっ!!」

 エレナさんの直腸で扱かれる私の男根。
 激しいピストンに、射精感がどんどん高まっていく。

「んぅっ! あうっ! く、クロダ君っ! ボク、も、もう、イキそうっ!!
 おっおっおっおっおっ! おぉぉおおおっ!!」

「……私もですっ!
 出しますよっ!
 エレナさんのお尻に、全部出しますよっ!!」

「あ、くぅうううっ!! 出してっ! キミのおちんちん汁、いっぱい出してっ!!
 んんっ! んっ! んっ! んっ! んんっ! イクっ!! イっちゃうっ!!」

 互いに絶頂を迎えようとしている私達は、さらに腰を、尻を、激しく振っていく。
 昂りは最高潮に達し――

「ぐっ、出ますよ、エレナさんっ!」

「うう、あぁあああっ!! イクぅっ!!
 あぁぁぁあああああああああっ!!!」

 同時にオーガズムへ達する私とエレナさん。
 どくっどくっと彼女の後ろ穴へと精液を注いでいく。
 エレナさんもまた、ビクビクと尻穴を震わせていた。

「く、クロダ君……キス、キスして」

「……分かりました」

 エレナさんは後ろに振り向くと私に口づけを迫る。
 それに答えて、私は彼女の唇を奪った。

「――ん、ちゅっ」

 互いに互いの口内を舌で舐めまわし、キスを堪能する私達。
 数十秒か、数分か――私達は満足するまで、唇を重ね続けるのであった。


 ――幸い、この“行為”が誰かに露見することは無かった。



 アクセサリーショップでの買い物が終わった私達は(最終的に、エレナさんは耳飾りの方を購入した)、新たな目的地に向けて通りを歩いていた。
 次は服屋へ赴く予定――だったのだが。

「あの、エレナさん。
 道間違ってませんか?
 教えて頂いた服屋さんからは離れている気がするんですけれど」

「んっふっふっふっふ。
 ようやく気付いたようだね、クロダ君。
 そう、ボク達は今、そっちに向かっていないんだよ」

 不敵な笑みを浮かべて、エレナさん。
 どういうことなのだろう?

「――と、申しますと」

「ボクが目的にしているのは――あそこだっ!」

 ビシっと彼女はある建物を指さす。
 そこは、私も知っている場所だった。

「エレナさん達の宿じゃないですか」

 ジャンさん、コナーさん、エレナさんの3人が拠点として使っている宿屋だった。

「ここに何のご用事が?」

「――勝利宣言だよ」

 ゴゴゴゴゴ……という効果音が聞こえてきそうなほどの迫力をエレナさんが纏う。
 しかし発現の意味が私には分からず、聞き返してしまった。

「勝利宣言?」

「うん。
 ボクがあれこれモーションかけてやったというのに、全然手を出してこなかったあいつらに、クロダ君の愛人になったことを宣言してやるんだっ!
 んふふふふ、逃した魚がどれほど大きいか、後悔させてあげないとね」

「……それはまた――ちょっと、悪趣味じゃないですかね?」

「いいのっ!
 それ位、ボクの女のとしてのプライドはあいつらに傷つけられたんだから!」

 女として譲れない部分があるらしい。
 私の説得むなしく、彼女は力強い足取りで宿の方へ向かった。

「んー、ジャン君とコナー君は……っと。
 ――あ、居たっ!」

 宿の扉を開けたエレナさんは、首尾よく2人を発見したらしい。
 遅れて宿屋に入った私が見たのは、テーブルを囲む椅子に座って談笑する、ジャンさんとコナーさんの姿だった。

「おーい、ジャン君、コナー君――」

 エレナさんが彼らへと声をかけたまさにその時。

 「あ、コナーさーん。
  こちらにいらっしゃったんですねー」

 「あんた何昼間っから男同士でくっちゃべってるわけ?」

 2人の女性が彼らに――というか、コナーさんに話しかけてきた。

「――――」

 出鼻を挫かれ、エレナさんは2人を呼びかける姿勢で止まっている。
 彼女がそうしている間に、彼らと女性達との会話が進んでいた。

 「お、おい、コナー!
  どうしたんだ、このお嬢さん方!?」

 「……うん、そういえば説明したなかったね。
  ……こちら、マリーさんとシフォンさん。
  ……えーと、なんて言ったらいいかな」

 ジャンさんにせっつかれるものの、口を濁すコナーさん。
 そんな2人へ、女性の内の一人――マリーさんが口を挟んだ。

 「コナーの引き抜きに来たのよ」

 「な、なんだとー!?」

 ずばっと言い切った彼女の言葉に、ジャンさんが驚く。

 「コナーみたいな<聖騎士>って貴重だからね。
  未だにEランクも抜け出てないパーティーにいるより、あたしらと組んだ方がこいつも得ってもんでしょ」

 「――なっなっ!?」

 「ちょ、ちょっと、マリー。
  言いすぎですよぉ……」
 
 歯に衣着せぬ物言いにジャンさんは口をパクパクさせ、一緒にいるもう一人の女性――シフォンさんは慌てて彼女を抑える。

 ちなみに、マリーさんは長身で腰まで届く長髪の持ち主。
 スレンダーで無駄のない体つきをしている。
 職業は<戦士>。
 一方、シフォンさんはマリーさんに比べると背が低く、髪は肩に届く程度のセミショート。
 胸もお尻も大きく、男好きしそうな肢体だ。
 こちらは<魔法使い>だったはず。

 「……だ、大丈夫だよ、ジャン。
  ……そんなすぐにどうこうって話でもないから」

 「そ、そう、なのか」

 コナーさんの台詞に胸を撫で下ろすジャンさん。
 しかし。

 「ふーん、あんた、こんな美女に誘われてるってのに断るわけ?
  一緒に冒険するんだもの、あんなことやこんなことだってしてあげるつもりなんだけどなー?」

 「あのその……わたしも、コナーさんと一緒に居られれば安心できますー」

 マリーさんはコナーさんの身体へ肢体を絡ませる。
 シフォンさんはコナーさんを上目遣いに見やる。
 当のコナーさんは、割と満更でもなさそうな表情をしている。

 「――!?」

 そんなコナーさんの姿に、ジャンさんは目を見開いた。
 彼の視線には、多分に羨ましさが含まれているものと予想できる。

 「……あの、2人とも?
  ……これ以上ここで話しても、ジャンを困らせちゃうから。
  ……後は、“3人”で話そうよ」

 「――え?」

 コナーさんの提案に、真っ先に反応したのはジャンさんだった。

 「……大丈夫だよ、ジャン。
  ……本当、大丈夫だから」

 何か言いたげにするジャンさんをコナーさんは宥めてから、女性達に振り返る。

 「……じゃあ、上に行こうか、2人とも」

 「そうね、あんたがこっちに来てくれるよう、しっかり“お話”しとかないとね」

 「……が、頑張りますー」

 マリーさんとシフォンさんを連れて、宿の2階に上がっていくコナーさん。
 ……なんだろう、はた目から見ても“全然大丈夫じゃない”気がする。

 「――え、あ、う」

 3人が階段に消えていくのを、ただ呆然と見続けるジャンさん。
 余りにも突然の出来事に、彼はしばしの時間硬直し続けていた。

「…………」
「…………」

 もっとも、動けなかったのは私達も一緒なのだが。
 私もエレナさんも、予想外の事態に一言も発せられないでいた。

「……コナーさん、おもてになられたんですね」

 やっとの思いで、私はそう発言する。
 それを聞いていたのかどうか分からないが、エレナさんが呟く。

「……行こうか、クロダ君」

「もう、いいんですか?」

「んん、こんな状況で、どう話しかけろっていうのさ……」

 確かに。
 ジャンさんにしろ、コナーさんにしろ、この展開の後に私達の関係を告げるというのは、気まずい。
 特にジャンさんに対しては、追い打ちをかけることになりかねないだろう。

 ……ジャンさんとコナーさん、いったいどこで差がついたのか。
 慢心、環境の違い――まあ、厳しいことを言ってしまえば実力の差だろうか?

 私達は、立ち尽くすジャンさんに気付かれぬよう、静かに宿を後にするのだった。



 第十五話③へ続く
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