43 / 119
第十三話 ウィンガスト騒乱
⑦! 悪夢の宴
しおりを挟む室坂陽葵が運ばれたのは、例の『喫茶店』だった。
ただ、最初に来たときに通された部屋ではなく、もっと殺風景なところだったが。
壁も扉も頑丈そうで――人を閉じ込めておくには適したところなのだろう。
「……くそっ」
悔しさに、呻く。
壁を叩いてみるも、びくともしない。
一度、<強撃>を試してみたが、結果は同じだった。
見た限り木造の部屋のようだったが、スキルか何かで強化しているのだろう。
「――リア」
最後まで自分を助けようとしてくれた女性の名前を呟く。
今、彼は一人でこの部屋に閉じ込められていた。
リアは別の部屋に連れていかれたのだ。
「……ちくしょう」
もう一度、呻く。
時刻は既に深夜。
だが、とても寝られるような心境では無かった。
――自分はこれからどうなるのか。
――彼女は今、どうなっているのか。
考えれば考える程、不安で心が押し潰される。
――だが、現状は最早陽葵にどうこうできるものではなく。
彼は口惜しさを噛みしめながら、この部屋で時が経つのをただ眺めていたのだった。
……どれ程時間が流れただろう。
数時間か、ひょっとしたら数分程度かもしれない。
焦りと不安と――様々な感情が入り乱れ、陽葵から時間の感覚を失わせていた。
ふと、扉をノックする音が聞こえた。
陽葵はすぐにそちらを向き、身構える。
……程なくして、ドアが開いて外から人が顔を現した。
「……先生」
「お待たせしまシタ、陽葵クン」
いつものように――陽葵が子供の頃からずっと見てきた微笑みを携えながら、煉先生が現れる。
思わず子供の頃のように先生へ縋りつきたくなるが……残念ながら、彼は敵なのだった。
陽葵はバールをきっと睨み付け、言う。
「……待ってなんかいねぇよっ」
「ハハ、嫌われたものですネ。
先生、寂しいですヨ」
「……だったら!」
本当に寂しそうな仕草をするバールに、陽葵は詰め寄った。
聞き入れられるわけがないと知って、なお懇願する。
「――だったら、せめてリアを解放してくれよ……」
「それはできまセン。
彼女は魔王様の息子を拉致するという重大な罪を犯シタのですからネ」
返答は予想通りのもの。
(……拉致したのはあんたの方だろうが!)
彼の勝手な物言いに臍を噛むが、それでどうなるものでもない。
陽葵はとつとつと、バールに問いかけた。
「……それで、オレをどうするんだ」
「どうもこうも。
陽葵クンは魔王様の後継者。
危害を加えることは致しませんヨ」
ただし、と言葉を挟んでバールは続ける。
「こういうことを何度もやられるとワタシも困ってしまいますからネ。
教育の意味で、お仕置きは必要でショウ」
「……お仕置き?」
――いったい、何をされるというのか。
訝しむ陽葵だが、バールがその問いに答える様子は無い。
「フフフフフ、まぁまぁ。
始まってみてのお楽しみですヨ。
さ、陽葵クン、ワタシについてきて下さい」
そう言うと、部屋を出ていくバール。
……彼の後を追わない、という選択肢は、今の陽葵に許されていない。
それ位のことは、彼にだって分かっていた。
――陽葵は重い足取りで、バールの後ろを歩いていく。
廊下の雰囲気は、最初に来たときと一変していた。
つい数時間前には、突如言い渡された自分の出自と周囲からの特別扱いに、期待感とときめきで心を躍らせながら通ったというのに。
今や、重い空気が蔓延り、陽葵の未来を暗示するかのように薄暗い不気味さをもった空間に見える。
……いや、廊下自体には何の変化も無い。
単に、陽葵の心情が短い間にそれほど変わったということなのだろう。
そんな通路を渡っていくと、一つの部屋の前でバールは立ち止まる。
陽葵は、彼の指し示す通りに部屋のドアを開け、中へと入った。
「――――え」
その瞬間、陽葵は絶句する。
そこには――
「んむっ! んぐっ!?
んんんんんんっ!! んぁあああっ!!」
裸に剥かれ、何人もの魔族に囲まれたリアの姿があった。
形の良いお椀型の胸が、引き締まった腰が、ハリのあるお尻が――均整のとれた、魅力的な彼女の肢体が多くの男の目に曝されている。
魔族特有の青白い肌と、銀色に輝くセミショートに伸びた髪は、この光景に非現実感もたらすが……それ故に幻想的な美しさも醸し出していた。
だが陽葵に、それを楽しむ余裕は無い。
「んぐぅうっ! あぅ、んふぅうううっ!!
んんっんっんっんっんんんっ!!」
彼女が今、自分を囲む大勢の男たちによって輪姦されていたからだ。
リアの口には魔族の肉棒が挿し込まれ、まともに口が利けないでいる。
そして、口だけではなく、女性器にも、尻穴にも、魔族達は男根を挿入していた。
「ハハ、良家のお嬢様もこうなったら形無しだな!」
「うひょお、こいつのまんこ、気っ持ちいいー!
すっげぇ締め付けてくるぜ!?」
「アナルもだ!
気の強そうな顔して、身体はエロエロじゃないか!」
「んぶっ! んむぅうううっ! んくぅっ!
んぐっんむっあぅっんああっ!!」
男達はそれぞれ勝手に腰を動かしている。
彼らの動きに合わせ、口をイチモツでふさがれたリアはくぐもった喘ぎを洩らす。
身体は揺さぶられ、彼女の胸は大きく跳ねた。
彼女の青白い乳房が淫らにぷるんぷるんと弾む。
「おっ!
俺、これ貰い!」
「んんぅうううううっ!?」
別の魔族がその乳首を加えこむ。
ちゅうちゅうとおっぱいの先端を吸い上げていく。
「んあっあぅうっんむうぅううっ! ふむぅうううううっ!!」
肢体に流れ込む快感に身を捩らせようとしても、男達がそれを許さない。
嬌声すらまともに上げられないまま、彼女は魔族に身体を弄ばれる。
「……おいおい、休むなよ!
俺のちんこの相手もしろよな!」
「こっちもだ!
怠けてんじゃねぇぞ!!」
そんな状況でなお、リアへと文句を垂れる男達。
……今のリアは、手だって休ませてはくれない。
彼女の穴にありつけなかった魔族達が、自らのイチモツを彼女に握らせ、無理やり扱かせている。
「おい、なにぼけっとしてやがる!
……たくっ! これだからお嬢様はいやなんだ。
黙ってりゃあそのうち許してもらえると思ってんだろ、ああっ!?」
「こっちはボランティアでお前を孕ませてやろうとしてるんだぞ!?
俺達への感謝をもっと態度に現せよな!!」
口々に勝手なことをのたまう魔族の男達。
リアが反応しないでいると――
「お前も動けっつってんだよ!!
分かんねぇのか、おらぁ!!」
バシンバシンと彼女のけつを叩きだした。
相当の力を込めたのだろう、リアの身体がびくっと震える。
「んぐぅううううっ!!
んむっんむぅっんっんっんんんっ!!!」
目に涙を浮かべながら、必死に手を動かし、腰を動かし、口を動かすリア。
「へっ! やりゃあできるんじゃないか。
ほらほら、こっちも頼むぜ!!」
その様子を見て、自分の愚息も扱かせる魔族。
そんな中、
「……お、お、お、いいぞ、俺そろそろイケそうだ!」
彼女の膣を占有していた男が、急に動きを速めた。
そして。
「よしっ! イクぞ! 精液イクぞ!
孕めよ、リアぁあっ!!」
「んっ! んんんんんんっ!!!」
リアの中へ、盛大に精液を吐き出す。
彼女の膣内にザーメンを塗りたくるかのように腰をグラインドさせる魔族の男。
「んっ! んんっ! んっ! んっ、んんーっ!!」
「お、なんだこいつ。
ひょっとして今のでイッたのか?」
「中に出されてイクなんてなぁ。
とんだ淫乱だ!!」
リアもまた、子宮が精液で満たされたことで絶頂してしまったらしい。
……しかし、他の男達が彼女をその余韻に浸らせない。
「おいおい、終わったんならぼうっとしてんなよっ!
交代しろ、交代!」
「わ、分かったよ!
今代わるから!
せっつくな!!」
さらには、また新しい男がリアを犯す輪に加わり――
「じゃ、いただきまーす!」
彼女の女性器を自分の肉棒で貫いた。
「んんぅううううううううっ!!!」
男の性器をしゃぶりながら、リアは新たな刺激に肢体を震わせた。
――乱交が終わる気配は、まるで無い。
そんな、あまりにも衝撃的な光景を、陽葵は呆然と眺めていた。
「り、リアぁあああああっ!!!!」
突如我に返り、彼女への暴行を止めようと走り出す陽葵。
だがその行動は、バールによって止められた。
彼は陽葵の肩を万力のような力で掴みながら、
「駄目ですよ、陽葵クン。
リアは今、贖罪の最中なのです」
いったいどんな仕組みなのか。
ただ肩を強く掴まれているだけだというのに、陽葵の全身が動かなくなった。
唯一動く、口を開いてバールに詰問する。
「……贖罪って、何だよそれ!?」
「簡易的に決めたものなのですガネ。
陽葵クンを勝手に連れ出した罰として、この街に連れてきた私の配下、全員の子を産んでもらうことにしまシタ。
部下達も、それで納得したようデ。
……魔族は人よりも寿命が長いですからネ。
まあ、やってやれないこともないでショウ」
「ふ、ふざけんな!
そんなの――あぐっ!?」
無理やり暴れようとする陽葵を、バールは手に力を込めるだけで押し留めた。
「落ち着いて下サイ。
本来ならば極刑であるところをこの程度の罰で許しているのデスヨ?
――それにほら、彼女も積極的に、自分の罪を償おうとしているでショウ?」
「そ、そんなわけ――!?」
そう言いかけた陽葵の目に入ったのは、魔族の男達が一斉にリアへ射精する姿。
「――――はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ」
一時的にせよ男達の手から解放され、倒れこんだリアは肩で息をした。
そんな彼女に、周囲から次々と声がかけられる。
「もうへばったのかよ、だらしねぇな」
「本当に名門の出なのか、こいつ?」
「根性がねぇぞ、根性が」
言いがかりに近い勝手な言葉を浴びせられる彼女。
その中の一人が、リアに一歩近寄って喋りかける。
「……おい、リア嬢ちゃん。
なんか俺らに言うことあるんじゃないのか?」
――その台詞に促され、息を整える間もなしに彼女は口を開く。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ……あ、あたしに種を下さり、ありがとう、ございました……」
自分を囲む魔族達に向けておずおずと頭を下げ……土下座するリア。
その姿勢のまま尻をくいっと上に突き出し、ふりふりと揺らしだす。、
「……はぁっ…はぁっ……ま、またあたしに、貴方達のおちんぽを、挿し込んで、下さい……
はぁっ……子種、あたしに注いで下さい……
はぁっ…はぁっ…よ、よろしく、お願いします……」
それを聞いた周囲の魔族が、一斉に笑い出した。
「ぶぁははははっ! 聞いたかよ、今の!?」
「マジで言いやがったぜ、この女!
プライドの欠片もねぇのな!!」
「親も悲しむだろうなぁ、娘がこんな情けない女に育っただなんて!」
「場末の商売女でも、こんな恥ずかしい真似できねぇぞっ!!」
ひとしきり腹をかかえて爆笑した後。
ある魔族がリアの後ろに立ち、彼女のサーモンピンク色の膣口へ自分のイチモツを添える。
「そこまで言うなら仕方ない、付き合ってやるかぁ!
優しい俺達にきっちり感謝しろよっ!!」
言い終えるのと同時に、彼はリアの女性器へと己の肉棒を突き挿した。
「ああ、あぁぁあああああんっ!!!」
再び味わう快楽を、リアは一際高い艶声をもって迎え入れた。
そして堰を切ったかのように、淫らな声を辺りに響かせる。
「あ、あぁああっ! これ、これぇえええっ!!
あっあっあっあっ! お願い、もっと、もっとあたしにちんぽを……あぅうっ! ああ、あぁああっ!
ちんぽぉ! あっあっあっあっあぁああっ!!」
リアは自ら腰をくねらせ、膣で男根を扱いていく。
その顔には、悦楽の表情を浮かばせていた。
……魔族の男達は、また我先にと彼女へ腕を伸ばしていく。
「……うそだ……リア……」
信じられないモノを見たかのように、声を震わせる陽葵。
普段のリアとはあまりにかけ離れた姿に動悸が激しくなる。
そんな彼へ、バールは優しく声をかけた。
「――ほらネ?
最初こそ抵抗していましタガ、今や自分から腰を振っているでショウ?
……まあ、あそこまで悦ばれてしまうと、罰になってないのではないかと不安になりますが。
まあ、いいデスヨ、許しマス。
お互い嫌な気持ちにならず、相手を許し合う……理想的な在り方ですよネ」
「うそだっ……うそだぁっ!!
お前が! お前らが何かやったんだろ!!
リアがあんな――あんな風になるわけねぇっ!!」
かぶりを振って、目の前で起きたことを否定する陽葵。
バールは困り顔になって、彼に答えた。
「そう言われましテモネ。
そもそも仮にワタシ達が彼女の心を乱すような手段をとったとして、陽葵クンはそれでどうするというのですカ?」
「――う、ぐっ」
何も、できない。
今の陽葵に、何かできるわけがない。
「それにネ。
陽葵クンは、他人のことを気にしている場合でもありませんヨ?」
そう言うやいなや、バールは陽葵を床へ仰向けに押し倒してきた。
突然のことに陽葵は慌てる。
「あうっ……な、何すんだよ!?」
「分かりませんカ?」
バールはするすると陽葵のジャケットを脱がしてきた。
次はシャツに手をかけ、ぐいっと上に引っ張って彼の身体から剥ぎ取っていく。
「……あ、あああ……ちょ、ちょっと……先生……?」
「陽葵クンにお仕置きをすると言ったじゃないデスカ。
……まさか彼女の姿を見せることがそれだと思ったのではないでショウネ?」
気が動転したのか、『先生』呼びに戻る陽葵。
それを気にも留めず、バールは彼の上半身を裸にした。
――きめ細かい素肌と、薄い桜の色をした陽葵の乳首、きゅっとくびれた腰つきが露わになる。
男の目を引き付けて止まないその肢体の美しさを前に、バールは思わず息を飲んだ。
「や、止めろ!
な、何考えてんだ、お前はっ!!」
「言われなくては分かりまセンカ?
……今カラネ、陽葵クンを犯そうと思っているですヨ」
今度はショートパンツに手をかけてきたバール。
脱がすのをもどかしく思ったのか、ショートパンツを下着ごと無理やり引き裂いてくる。
「……冗談だろ?
……じょ、冗談だよ、なぁ?」
とうとう、生まれたままの姿になった陽葵。
プリンッとしたお尻に、健康的でハリのある太もも――股間にある男のシンボルが無ければ、誰も彼を女だと思うことだろう。
「冗談?
ハハハ、冗談でこうはなりまセンヨ」
そんな陽葵に対し、バールもまたズボンを下ろして自分の男性器を見せつけてきた。
「う、ああ、あああっ……なに、それ……」
「分かりますカ?
陽葵クンを想って、ワタシのムスコはこんなになってしまったのですヨ」
バールの男根は勃起していた。
陽葵の裸を見て、彼は興奮しているのだ。
しかし、陽葵が言葉を失くしたのは、反り返ったバールの肉棒が――自分のモノよりはるかに大きいソレが理由ではない。
“形”が問題なのだ。
「……い、や……うあ、うあああ……」
「……ああ、ワタシのコレが気になってしまいマスカ?
実はね、東京にいるとき、真珠を入れてもらいまシテ。
いつか、こういう日が来ることを夢見てネ」
真珠を埋め込んだことで無数の“こぶ”ができた愚息を誇らしげに握り、事も無げに言ってくるバール。
彼は、陽葵と“する”ためだけに、自分のイチモツを改造したというのか。
(……うああ……ああああ……)
リアの痴態から始まり次々と起こる衝撃に、陽葵の頭は停止しかけていた。
そんな彼の肌を、バールは愛おしそうに撫でてくる。
「……フフフ、シミ一つ無いすべすべの肌ですネ。
お顔も魔王様にそっくりで――実に華麗ダ。
子供の頃からあった愛らしさを一切損なわないまま、より美しく成長してくれマシタ……」
「やだっ……先生、オレ、男……」
どうにか思考を取り戻し、バールを拒もうとする陽葵。
しかし、当の魔族は気にした様子もなく、陽葵の男性器の先端を指先でぐりぐりと押しながら、
「それがどうかしたんですカ?
陽葵クンの魅力は、性別がどうしたところで陰ったりはしまセンヨ」
「あ……あ、あっ……あうっ……」
自分の股間に走る刺激で、陽葵は思わず声を漏らしてしまう。
バールはそんな彼の胸を、尻を、太ももを揉みだす。
「……この肉の柔らかさ。
そしてワタシの手を押し返してくる弾力。
女性でもここまでの触感を持つ人はいまセン」
「ああっ……あぅっ……あっうぅっ……」
身体への愛撫に、自分の意図に反して艶声が出てしまう。
(……嘘、だろ。
こんな奴に、こんなことされて、何でオレ、気持ち良くなっちまうんだよっ)
心で毒突くも、身体は快感に逆らえなかった。
だんだんと、陽葵の棒も勃起を始める。
「初めて見たときからワタシはある想いを抱いていまシタ。
アナタと暮らしていく中で、それは日に日に強くなっタ。
――陽葵クンを、ワタシのモノにしたい、とネ」
自らの感情を吐露し、バールは陽葵の唇を奪う。
「んむっ……んんっ……んんんぅ……れろれろ……はぅぅ……」
にちゃにちゃと舌を絡ませてくる。
拒みたくともバールの力は強く、力づくで唇の隙間へ滑り込ませてきた。
バールは、サラサラと流れる陽葵の金髪を手で櫛ながら、彼の口内を蹂躙する。
「ん、んんんっ……んっ……ぷはっ」
十分に堪能したのか、バールが口を離した。
魔族は顔を下の方へ移動させ、今度は陽葵の乳首を舌で舐め上げてきた。
「あぅ、あぁぁああっ!」
胸へから来る快感に、びくっと身体を震わせる陽葵。
バールはなおも彼の胸から顔を離さず、乳首をしゃぶり、吸い上げ、甘噛みした。
「あぁぁっ……あぅうっ……あっあっあっあっ……んぁああっ!!」
断続的に襲い掛かってくる快楽の波に、陽葵は喘ぎを堪えられない。
「んんんっ! あんっあぅうっ! ああっあんっあぁあんっ!」
――しばらく陽葵の胸を堪能すると。
バールはようやく口を胸から離した。
既に陽葵の股間も、ギンギンに勃起している。
「……しかし。
凄い感度ですネェ、陽葵クン。
先程アナタの性別について云々言った直後ですが――とても、男の子とは思えまセンヨ」
陽葵をうつ伏せになるよう転がすと、バールはその背中にのしかかってくる。
どこから取り出したのか、彼は自分のイチモツにローションのような液体をかけ出した。
「――ではそろそろ、コッチの方で陽葵クンを味わうことにしまショウカ」
陽葵の尻穴に、ぬるぬるとしたバールの男根が触れる。
彼の言葉の意味を悟り、陽葵は顔から血の気が引いた。
「……あっあぁぁ……待て、待ってっ!!」
「力、抜いた方がいいデスヨ?
裂けてしまうかもしれませんカラネ」
何とかバールの手から逃れようとするも、背後からがっしりと抑え込まれた身体は捩ることすらままならない。
陽葵が覚悟する暇などなく――バールの肉棒がバックから陽葵の中に埋め込まれていく。
「おっおっおっおっおっおぉおおっ!!」
陽葵の口から自然と、雄叫びにも似た嬌声が上がる。
体内に侵入してくる“棒”が直腸を圧迫し、その“コブ”が腸壁をゴリゴリと抉る。
その刺激が、痛みが、陽葵の脳をぐわんぐわんと激しく揺さぶった。
「……もう少しで、全部、入ります、ヨ!」
「おっおっおおおっおおっおっ……おぉぉおおおおおっ!!!」
バールは最後のひと押しで、一気に男性器を陽葵の菊門の中へねじ込んだ。
「おお、お、おぉおお――――」
脳天にまで駆け上がる電撃のような衝撃で、陽葵は意識を失い――
「感じやすい身体なんですネ、陽葵クンは。
――<覚醒>」
バールのその言葉で再び覚醒する。
スキルによって、陽葵の意識を呼び戻したのだ。
「……あ?
あ、ああっ! ああぁぁああああっ!!?」
途端に尻から伝わる刺激が再度脳を焼き、絶叫する陽葵。
「ふふふ、陽葵クン。
言ったでショウ、これはお仕置きだト。
――そう簡単にお休みはさせてあげませんヨ?」
宣言して、腰を振り出すバール。
腰と尻がぶつかり、パンッ、パンッと音が鳴り響く。
「あっあっあっあっあっ!
あぅうっ! おぅうっ! おっおおっおっおおおっ!」
バールが動けば、陽葵の中は“コブ”によってゴリゴリと刺激される。
過剰な程の激痛と快感が身体を駆け巡っていった。
(――分かんないっ!
――もう、分っかんないよぉっ!!)
快楽の波に揉まれ、陽葵はもう状況の把握ができなくなっていった。
自分がどうしてここに居るのか、自分が誰に組み伏されているのか……自分のすぐ近くで犯され、淫らな声を上げている女の子が、誰なのか。
「あぁあっ! あぁぁああああああっ!!」
そして、絶頂。
陽葵の股間から、白い液体が迸る。
その余韻も味わわぬまま、彼は今度こそ意識を手放し――
「またイキましたか。
ここまでの敏感体質は見たことがありまセン。
……ああ、でも安心して下サイ、陽葵クンだけ気持ち良くなってる訳じゃありまセンヨ?
アナタの尻穴、女の性器のようにワタシに絡んできてますカラネ。
実に気持ち良い代物デス。
――さて、<覚醒>」
やはりスキルによって、目を醒まさせられる。
絶頂を迎えたことと、スキルの効果により、さらに鮮明に後ろの穴から伝わる刺激を感じる羽目になる。
「あぁぁああぅうっ! あぅっあぅっあぅっあぅっ!」
悶える陽葵を見てバールは満足げに笑うと、独り呟く。
「……感慨深いですね、とうとう陽葵クンとこうすることがでキタだなんて」
「あ、あああっ! あっあっあっあっ!
せ、せんせっ……ああっあぅうっ! せんせい、もう、やだっ! あぅうっあっあぁあっあああっ!」
呟く間も、責め続けるバール。
陽葵はなんとか拒む声を出してみるものの、聞き届かれはしない。
後背位の姿勢のままバールは陽葵の胸へと手を回し、乳首も弄り始める。
「陽葵クンにはね、ずっとハラハラさせられていたのデスヨ。
……いつ、他の男にアナタを奪われないかとネ」
「あぅう……な、なに言って……んぉおっ!?
おぅっおおっおぉおっおおおっ!!」
なおも、語るバールに、陽葵は聞き返す。
それに触発されたわけでもないだろうが、バールの腰の動きが激しくなる。
「覚えていますか、同級生の鈴原クン。
彼ね、ずっと陽葵クンのことを狙っていたんですヨ。
アナタの肢体に手をだそうと」
「くぅうっ! おっおぉっおおおっ!
……す、鈴原……?
あ、あっあっあああっ!
あぁぁあああああああああああっ!!」
話の途中で、陽葵はまたイってしまった。
勿論、すぐにバールの<覚醒>によって意識を取り戻してしまうのだが。
――鈴原。
いつも親切にしてくれた、大切な友人。
彼が親身に接してきたのは、そんな下心があったからなのか。
「担任だった滝川先生も、アナタをずっと見張っていまシタ。
彼の脂ぎった視線に覚えはないデスカ?
機会があれば、アナタを手籠めにしようとしていたんデス」
「……滝、がわ、せんせ、いが……?
おお、お、おおぉおおおっ!!
んぁああ、あぅううううっ!!!」
スキルをかけられる度に、身体が敏感になっていく気がする。
アナルを穿られ、乳首を摘ままれ、陽葵はまたすぐに絶頂へと昂らされていく。
――滝川先生。
やんちゃだった陽葵を何かと面倒みてくれた、恩師の一人。
あの先生が陽葵を見守る視線は、そんなドロドロとしたものだったのか。
「夏休みにご友人達と行った旅行、あるでショウ?
彼らはね、休みの間中、アナタを監禁してやろうと目論んでいまシタ」
「おぅっおぅっおおっ!……監禁、なん、て……そんな……
おおっお、おぉおっあうっああっああああああっ!!!」
またイって、びくびくと肢体を痙攣させる陽葵。
だが今回の絶頂では精液が出ておらず。
……女がするような、雌の絶頂だ。
――相島、佐脇、矢澤。
一緒に遊んだ、掛け替えのない仲間達。
互いに笑いあった、あの顔の裏にはそんなどす黒い感情を潜ませていたのか。
「どれもこれも、ワタシが事前に防いであげましたケドネ。
……ワタシがどれだけ肝を冷やしていたか、陽葵クンは分からないデショウ?」
「…………あ。
あ、ああっ! あっああっああっ!
おおぉ、お、おおおぉっ!」
気を失いかけるも、またしても<覚醒>スキルを使用される。
おかげで、涙を流し、涎を垂らし――自分が如何に無様なメスイキ顔を晒しているのか自覚してしまう。
だが、陽葵は自分のよがり声を止めることはできなかった。
それでも――
(――うそだ。
――うそ、だっ!!)
まだまともに動いている、極僅かな思考を使って、陽葵はバールの言葉を否定する。
……しかし、思い返す。
彼らが陽葵を見る目は、陽葵を触る手つきは――欲情した、雄のそれではなかっただろうか。
それこそ、今のバールと同じような。
そんな過去の記憶が頭を過ぎったとき。
バールが陽葵の腰をがっしりと掴んできた。
「……陽葵クン、もう私もそろそろ限界が近いようデス。
射精しますヨっ!」
言うや否や、より強く、より速く、陽葵へ腰を打ち付けてきた。
「おっ! おっ! おおっ! おっ!
んぉおっ! あっ! あぅうっ! あああっ!!」
肛門が捲り上がりそうになる程の激しさに、陽葵は絶叫を上げた。
ショートカットの髪を振り乱し、痺れる程の快感に身を悶えさせる。
(あああああああああ!
もう無理! もう無理! もう無理ぃいいいっ!!)
目がチカチカし、顎がガクガクと震える。
決定的な“ナニカ”が、陽葵に訪れようとしていた。
「イキますよっ!
ワタシのザーメン、尻穴でたっぷり味わいナサイっ!!」
「んぉああああああっ!!!
あぁぁぁああああああああああああっ!!!!」
バールのザーメンが、尻穴へと注ぎ込まれた。
その熱さを感じると同時に、陽葵の性器から透明な液体が噴出する。
――それが精液ではなく『潮』なのだと、そう考えられる頭は陽葵から吹き込んでいた。
「あっ!! ああああっ!!
……あ――――」
『潮吹き』を終えると、今度こそ陽葵はすべての感覚を手放し――思考を停止させる。
「フッフッフ、びくびくと蠢動してワタシのザーメンを搾ってきますネ。
流石は陽葵クンです。
……おかげで、また勃起してきましたヨ」
陽葵が、男とは到底思えない、淫らな、淫猥な雌の姿を見せても。
バールはまだまだ、続ける気だった。
――いや、寧ろそんな彼を見てしまったからこそ、さらに狂わせてやりたい欲求が湧いたのかもしれない。
「<覚醒>」
「――――あ」
無慈悲にスキルを使用し、陽葵を目覚めさせるバール。
陽葵は、まだまだ“行為”が終わってないのだということを認識すると――
「……も、やだ……許して、先生……
ごめんなさい……ごめん、なさい……
言うこと、聞くから……いい子に、するから……」
――涙を流して謝った。
陽葵の心は、完全に折れていた。
バールへの憎しみも、男としての矜持も、いぼ付きの巨根に屈服したのだ。
だが返ってきたのは。
「……これからずっと、犯し続けてあげますカラネ、陽葵クン」
処刑宣告に近い、そんな言葉であった。
それから――
「ああんっ! あああっ! イクっイクっイクっイクっイクゥっ!
ちんぽっ! ザーメンっ! もっとぉっ!
あぅっあうっあぅうんんぅうっ! んぁあああああっ!!」
「んぉおおっ! 許してっ! 許してっ!
おお、おぉおおっ! おおっおっおっおっ!
先生、もう許してぇえっ! おぉぉおおおぉおおっ!!」
――部屋の中に、リアと陽葵の喘ぎが、嬌声が、よがりが、延々と木霊し続ける。
……そして数時間後。
「あ……ああ……ちんぽ……ちんぽ、しゅごいの……ああ……ちんぽぉ……」
「……おお、お……お……せんせ……お、おお……せんせ、い……」
部屋には、訳のわからない言葉を呟き続ける“モノ”が2体、転がっていた。
第十三話⑧へ続く
0
お気に入りに追加
3,406
あなたにおすすめの小説


クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる