社畜冒険者の異世界変態記

ぐうたら怪人Z

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第七話 ある社畜冒険者の新人教育 四日目

② レイプ犯(未遂)と危うく仲良くなりかけて

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 ……いかん、耐えきれず、つい私も突っ込んでしまった。

「あ、クロダ君!」

「どうもこんばんは、エレナさん」

 案の定、すぐ発見される私。
 今更な気もするが、とりあえず彼らに近寄る。

「すみません、かなり前に到着はしていたんですが、どこで出ればいいか分からなくて…」

「謝らなくていいよ、気持ちはなんとなく分かるから」

 ともすれば怯えて出てこれなかったと思われても仕方ない態度であったが、幸いにもエレナさんは理解を示してくれた。

「あ、兄貴! 出ましたぜ、きっとこいつがこの女の彼氏に違いありゃあせん!
 さささ、兄貴自慢の刀でズバッとやって力の差ってもんを――ぐはぁっ!?」

 兄貴が三下を再び殴り飛ばした。

「ぶったぁ!! またぐーでぶったぁ!!」

「やかましい!!
 ……お前がこの女の恋人なのか?」

「いえ、私は――」

「うん、この人がボクの彼氏だよ」

 兄貴の質問に私が答えようとする前に、エレナさんが返答する。
 彼女は腕を私に絡ませ、身体も密着させてきた。
 おっぱいの感触が心地よい。

「あの、エレナさん?」

「――これ以上事態をややこしくさせないでよ」

 小声でエレナさんとやり取りする。
 まあ確かに、ただでさえよく分からない状況を無駄に混乱させる必要は無いか。

「そうか……夜は物騒だからな。
 しっかり送り届けてやりな」

「――分かりました」

 正しく貴方が物騒な人そのものであることは指摘しないでおく。
 話はまとまったのだから、拗れさせても利益は無い。

「では、失礼します」

「じゃあねー」

 襲ってきた相手にする必要があるかは分からないが、一応別れの挨拶をして、その場を後にする――と。

「ちょっと待て」

 兄貴が待ったをかけてきた。

「――クロダ、と言ったな。
 ひょっとしてお前、クロダ・セイイチか?」

「はい、そうですけれども」

 何も考えず、馬鹿正直に答えを返す私。
 もう少し考えて行動をすべきだったと思う。

「そうか……はは、お前がクロダ・セイイチか!」

 楽しそうに表情を歪める兄貴。
 笑顔とは、本来攻撃的な表情である――嫌な言葉を思い浮かべてしまった。

「聞いているぞ、Eランクにも関わらず、豪く腕の立つ男だとな」

「…えー、恐縮です。
 それでは、急ぐ用事もありますので私達はこれで」

 悪い予感がビンビンにするので、足早に立ち去ろうとするのだが――身を翻したその先に、つまりは私達の後ろ側に、いつの間にやら兄貴の姿があった。
 移動系のスキルを使った、のか?

「待て、気が変わった。
 お前、少し俺と死合っていけ」

 仕合じゃなくて、死合なんですね。
 文字で書かれなくても分かってしまう程の殺気が、彼から伝わってくる。

「あー、いえ、付き合ってもいいのですが、何と申しますか、余り意味がないのではないかな、と」

「意味ならある。俺が楽しい」

 私は楽しくない。
 冷や汗が背中に垂れるのを感じながら、何とか兄貴を説得しようと試みる。

「いやー、私などと仕合いをするより、綺麗なお姉さんと一杯やった方がきっと楽しいですよ」

「馬鹿を言うな。
 この世の享楽は強者との殺し合いにこそある。
 女を抱くのはその合間の暇つぶしに過ぎんだろうが」

 説得失敗。
 やばい、三下がキャラ濃いなと思っていたら、兄貴も十分濃い人だった。
 強い人を見たら戦わずにはいられないとか、どこの戦闘モノ作品の登場人物だ。
 私は野菜に関連した宇宙人でも無ければ、柳生某でも無いというのに。

「ちなみに、断ったら?」

「その女を抱えて俺から逃げ切れると思うなら、そうすればいい」

「もし私が負けたら?」

「安心しろ、そうなっても女には手を出さん」

 ……そういう条件なら、戦ってもいいか。
 負けても私が死ぬだけで済むようであるし。

「……分かりました。
 今の言葉、決して違わぬよう」

「そうこなくてはな」

 兄貴の表情は、喜色満面といった様子。
 本当に嬉しそうである。

「ちょ、ちょっとクロダ君、何こんなところで戦おうとしてるの!?」

「そうは申しましても、一戦交えないと帰してくれそうにありませんよ」

「逃げるとか、無理?」

「先程の動きを見るに、かなり厳しそうです」

 或いは私一人なら逃げられるかもしれないが、エレナさんの無事が保証されない以上それに意味は無い。

「まあ、どちらにせよエレナさんは無事帰れますから、ご安心を」

「全然安心できないよ!
 クロダ君、勝てるんだよね?」

「……何とも言えませんね」

「そんな……」

 絶句するエレナさん。
 万に一つでも巻き込むことが無いよう、私は彼女から離れた。

 ――本当に兄貴がBランク冒険者だとして、装備から見て職業は<戦士>系で間違いないだろう。
 <魔法使い>が<戦士>に接近戦を挑むなど、正気の沙汰では無い。
 つまり私は、彼の接近を許す前に仕留める必要があるわけだ。
 おそらくは移動系のスキルを高い熟練度で習得しているであろう彼に、それが可能かどうか。

「さて、始めましょうか」

「……いいのか?
 最後の別れになるかもしれん会話だ、少しくらいなら待ってやってもいいんだぞ」

「あまり話過ぎても未練が増えますからね」

「なるほど、そういう考えもあるか」

 そう言いながら、兄貴は上段に武器を構える。
 長い刀身を持つ曲剣――日本刀に酷似した刃物だ。
 街灯の明かりに照らされた刃は、美しく光る。
 なかなかの業物と見た。

「おおっとぉ、兄貴が刀を抜いちまったぁ……
 けへへへへ、あんたもうダメだぜぇ、死んじまうぜぇ!!
 血の雨が降っちまうぜぇ!!?」

「「「五月蠅い黙れ」」」

「あ、はい」

 懲りずに喋り出す三下を3人が同時に黙らせる。
 意外にも素直に聞いてくれた。

「お前も構えろ、クロダ」

「……ええ」

 携帯していた矢筒より矢を取り出し、鏃を兄貴の方へ向ける。
 同時に少し腰を落とし、即座に移動できるような体勢へ。

「変わった構えだな。
 <射出>を用いた専用の戦闘スタイルということか」

「……まあ、そんなところです」

 私程<射出>スキルの熟練度を上げ、それをメインに戦闘をしている冒険者は他にいないのだから、珍しいのは間違いない。
 ただ、相手に私が使うスキルがバレているのは頂けない。
 私は相手の手口がまるで分からないというのに。

 ――まあ、不平不満を言っても何も解決しない。
 今は、相手の一挙一動に全神経を向けねば。

「―――いくぞ」

「―――!!」

 敢えて開始を教えてくれるとは、意外と親切なお方だ。
 兄貴の身体が一瞬ぶれた――ような気がした。
 次の瞬間、彼の姿が私の前から消えた。


  「―――――ぐぁっ!!?」


 ……勝負は一瞬だった。

 <射出>によって放たれた矢は兄貴の肩に命中し、そのまま彼を後方の壁にまで吹き飛ばす。
 そして、矢は彼の身体を貫通し、壁に縫いとめた。

「な、んだ、この威力…!?」

 兄貴は刺さった矢を抜こうともがくが、上手くいかないようだ。
 矢の半分近くが石壁に埋まっているのだから、そう簡単なことでは無いだろう。
 そういう風になるように放ったのだから。

「勝負有りということでよろしいでしょうか?」

「ぬ、う……」

 矢筒から新たな矢を抜き出し、兄貴に突きつける。
 もしまだ勝負がついていない等と言われたら、これを彼に撃ち込むつもりだ。

「……二つ、確認したいことがある」

「何でしょう?」

「お前、俺の動きが見えていたのか?」

「まあ、目はいい方なので」

 これは別にはったりではなく、本当のことだ。
 彼の動きは確かに早く、それに体を反応させるのはかなり難しい。
 しかし、ただ彼の動きを目で追うだけならば、そこまで困難な作業ではなかった。
 <感覚強化>で視覚を強化していたのも大きな勝因だ。
 おそらく高い熟練度によってスキルの準備時間を最短にしていたのだろうが、それでもよく観察すれば発動の前兆を見て取ることができた。
 それと、彼が始まりを態々してくれたのも有り難かった。

「もう一つ、これは本当に<射出>なのか?
 石壁を貫く程の勢いで矢を撃ち出す<射出>なんぞ、聞いたこともないぞ」

「<射出>を使う人自体、ほとんどいないですからね。
 熟練度を上げていけば、これ位にはなるということですよ」

 これも嘘偽りない事実である。
 尤も、ここまでにするには相当の熟練度が必要になるのだが。

「そうか……ありがとう、納得できた。
 俺の負けだ、手間をかけさせてすまなかったな」

 負けを認めてくれたようだ。
 潔い人で助かった。

「……う、嘘だ、兄貴の<神速オーバークロック>が負けるなんて」

 少し離れたところで三下が呆然と呟いている。
<神速>とは、自分の動作・思考を高速化する<戦士>の上級スキルだ。
 そんなものを高い熟練度で覚えているあたり、兄貴は本当に凄腕なのだろう。
 もっと近い位置から始められたら、この結果は逆になっていたように思う。

「さ、方は付きましたので、帰りましょう」

「………」

 エレナさんに話しかけたのだが、返事がない。

「……エレナさん? 終わりましたよ?」

「………」

 エレナさんは、私の方をじっと見つめるだけで、言葉を発しようとしなかった。

「あの、エレナさん?」

「………クロダ君」

 ぼそりとエレナさんが口を開く。

「……キミ、滅茶苦茶強いじゃん」

「いや、それ程ではありませんよ」

「今さらそんなこと言われてもさ。
 なんなの今の。ボク、何にも見えなかったんだけど」

 どうやら先程の展開に驚いていたらしい。

「こんなに強いんだったら、不安なこと言わないでよー」

「戦いは水物ですから、どう転ぶかは分かりませんよ」

「んんー、そうかもしれないけどー。
 ボク、本当に心配してたんだよ?」

 大分心労をかけてしまったようだ。

「それはすみませんでした」

「クロダ君が謝ることじゃないけどね。
 元はと言えば、悪いのこいつらなんだから」

「返す言葉もない」

 兄貴が返事する。
 見れば、三下の手も借りてどうにか矢を引き抜いたようだ。

「敗者の務めだ、有り金程度なら置いていくが?
 ―――ただ、この刀だけは勘弁して貰いたい」

「では、お金を貰っておきます」

「分かった」

 兄貴が懐から革袋を取り出すと、こちらへ投げてくる。
 受け取ると、かなり重い。
 中を見れば結構な金額が入っていた。

「ちょ、兄貴、いいんですか!?」

「何がだ?」

「……あー、いえ、兄貴が気にしないって言うならいいです」

 三下は一瞬不満げな顔をしたが、兄貴の判断に異を唱えることは無いようだ。

「んん、意外とちゃっかりしてるね。
 てっきり、そんなものはいらないとか言っちゃうと思ったよ」

「貰えるものは貰っておきますよ。
 命を懸けていたのは間違いないのですから」

 兄貴が提案してこなかったら、特に請求しないつもりだったのだが。
 この手のタイプの人間と色々拗らせたくないので。

「ではな、クロダ。
 もう二度と会わないことを願っておくことだ」

「……ひょっとして再戦とか考えてます?」

「当たり前だろう」

「……全力で貴方との再会を回避しようと思います」

 今回かなりあっさり相手の誘いに乗ったので誤解されてしまうかもしれないが、私は基本的に無益な争い事は嫌いなのだ。
 自分の命がかかるとなれば、なおさらである。

「なるほどな。
 クロダ・セイイチ―――女が関わらんと無関心を貫く男と聞いている」

「ちょっと待って下さい。
 なんですかその評価は」

「違うのか?
 お前は、ほら、あれだろう。
 男が困っていても別に気にしないタイプの人間だろう?」

「そんなことありませんよ!」

 酷い言いがかりだ。
 私はそんな人によって態度を変える薄情な人間ではない。
 エレナさんも私を弁護するように兄貴へ突っかかっていく。

「そうだよ、クロダ君は別に男相手だって構わず手を出すんだよ!」

「エレナさん、その言い方だと大分ニュアンスが違いませんかね!?」

 まるで私が男女構わず手を出しているみたいではないか。
 私だって最低限の節操は弁えている。

「なんだ、それでは金よりも俺の尻の方が――」

「違います」

「それでしたらあっしが」

「違うっつってんだろ」

 あんまりしつこいと本気で掘るぞお前ら。




 ――その後しばらくしてからあの連中とは別れた。
 案外に面白い人たちで色々と話が弾んでしまったが、別にお互い話し合う必然性が無かったことに気づいたのだ。
 いや、なんであんなに仲良く話をしてしまったのだろう?

 そして今私が何をしているかと言うと。

「……それにしても本当にいいんですか。
 夕食を奢って頂くなんて」

「いいのいいの。
 クロダ君に助けられたんだから」

 エレナさんと一緒に黒の焔亭に向かっていた。
 しかも彼女持ちで夕飯を頂く約束までしている。

 ――男としては女性に奢ってもらうことに抵抗はあるものの、最近は陽葵さんの装備代で台所事情が厳しいので、有り難くお言葉に甘えることにした。

「とうちゃーく!
 さささ、入ろ入ろ!」

 彼女に手を引かれてお店に入る。
 久々の開店だというのに、或いは久々の開店だからか、いつものこの時間帯よりもお客は多いようだった。

「あっ、クロダ、来たの?」

「おや、リアさん、こんばんは。
 早速店長の料理を味わいに来ました」

「そう。ごめん、手があんま空いてないから、適当なとこ座ってて」

「はい、わかりました」

 ウェイトレスのリアさんがちょうど近くを通ったので、軽く挨拶。
 彼女はセミショートの茶髪を靡かせながら、忙しなくホールを動いている。
 言われた通り、私達は店の奥にある丁度よさげな席に座った。

「……ねーねー、クロダ君」

「何でしょうか」

 席につくなり、エレナさんが私に話しかけてきた。

「さっきの娘、誰?
 結構親し気だったよね?」

「リアさんのことですか。
 1か月前からここのお店でウェイトレスをやってる人ですね。
 まあ、私は常連ですから、その縁で知り合ったわけです」

「ふーん?」

 なんだか納得いっていないようだったが、それ以上の追求はしてこなかった。
 今のエレナさんの目、何かを測っているような、そんな感じだ。

 その後、適当に料理を注文しつつ、エレナさんとの談笑を楽しむ。

「へー、それじゃあ、あんまりスキルを色々覚えるのって意味ないんだ?」

「意味がない……ということは無いのですが、それよりも熟練度を上げる方が有効だと思いますよ。
 熟練度の高い下級スキルを上手く扱えば、上級スキルと同等かそれ以上の効果を発揮できることもありますから」

「んんー、じゃあスキルの取得はよく考えなくちゃだねー」

 今日はかなり真面目な冒険者としての講義である。
 どうもエレナさん、先程の仕合で何か触発されてしまったらしい。

「そうですね。
 それと、熟練度を上げるスキルはできるだけ汎用性の高いものを選択すると良いかと」

「ん、クロダ君の<射出>もそうなの?」

「はい、矢以外にも色々と撃てますので、汎用性は高いと思います。
 とはいえ、やや特殊な使い勝手のスキルですのでお勧めは致しかねますね。
 他にも使いやすい下級スキルは多いですから」

「んんん、改めて考えてみると下級スキルって応用性の高い奴が揃ってるね」

「ええ、その通りです」

 全てに当てはまることではないが、中級・上級のスキルは『下級スキルを応用した動作・組み合わせた動作』であることが多い。
 本来であれば多くの修練を積んで覚える『スキルの特殊な使用方法』を、別のスキルとして習得することにより短時間で身に着けるわけだ。
 ―――まあ、スキルというのは下級も含めて全てそういうものなのだが。

 であるからして、スキルの熟練度を徹底して高くすることは、そのスキルを基礎とした他のスキルを周到するに等しい行為なわけである。
 例えば、爆発によって一定範囲内の敵を攻撃する<炎爆ブラスト>という中級スキルは、<火炎ファイア>の熟練度を上げて炎を広範囲に展開できるようになれば全く同じ効果が得られる――等々。

「はーい、定食お待ち」

 そうこうしている内に、リアさんが料理を運んできてくれた。
 テーブルに料理を置くと、隣にいるエレナさんに少し目をやる。

「ねえクロダ、この子が前に言ってた――」

「はい、エレナさんです」

 私が簡単に紹介をすると、リアさんは微笑みながらエレナさんに話しかけた。

「へー、あんたがクロダの“ただの冒険者仲間”なエレナね?」

「うん、そうだよ。
 よろしくね、クロダ君の“ただの知り合い”なリアちゃん」

 お互い笑顔で挨拶を交わしている――のだが。
 なんだろう、気のせいかこの二人、仲がよろしく無いように見える。

「じゃ、ヒナタも待ってるんだし今日はさっさと食事済ませて帰りなさいよ」

「んー、ごめんねーリアちゃん。
 クロダ君は今夜“ボクとゆっくりお話する”予定なんだ」

「……ふーん、それならゆっくりしていけば?
 あっそうだクロダ、明日の朝、“あたしの朝食”用意しておいてよ。
 今日は遅くなるから、明日の朝しんどそうなのよね」

「え、ああ、はい、お安い御用です」

 ヒナタさんを迎えにいくついでに作っておけばいいだろう。

「……ん、クロダ君、料理作ることあるんだね。
 今度ボクも食べてみたいなー」

 エレナさんが私の腕に抱きつきながら、そう言ってきた。

「……あれ、エレナはまだクロダの料理食べたこと無いんだ?
 結構美味しいわよ。
 まあ、ただの冒険者仲間じゃ、そういう機会が少ないのかもしれないけど」

 私がエレナさんに答えるより先に、リアさんが発言する。

「………」

「………」

 笑顔で互いに見つめあうエレナさんとリアさん。

 ――く、空気が重い!?
 なんなんだこの二人!

 「おーいリア!
 3番席の注文行ってくれるか!」

 そんな所に、救いの声――店長の声が届く。
 リアさんはそれを聞くと踵を返しながら、エレナさんに声をかける。

「それじゃあ、ゆっくりしていってね、エレナ」

「うん、リアちゃんもお仕事頑張ってね」

 最後まで笑顔のまま二人は別れた。
 ……色々と聞きたいことはあるが、私の本能がそこに触れるなと警報を鳴らしている。
 さらっと流しておいた方がいいだろう、私の身のためには。


 第七話③へ続く
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