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第二話 ある社畜冒険者の一日 仕事編
③ エレナさんと意気投合
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ジャンさんとのやり取りの後、ささっと移動してやって参りました水浴び場――だと思われる池。
上から流れてくる水がここにある岩の窪みに溜まってできたもので、下に流れ落ちる流路もあったりするから若干の注意が必要。
まだエレナさんはいない。
最短ルートを駆け抜けてしまえば、彼女からは出遅れつつも池に先回りすることなど容易いのだ。
………先回りしたのだ、と思いたい。
実は違う場所だったとしたら、恥ずかしすぎる。というか、残念過ぎる!
そんな私の疑念を打ち払うかのように、人影がこちらに近付いてきた。
――エレナさんだ。
「……!」
<闇視>を使っているのだろう、向こうもこちらに気付いたようで、まっすぐ向かってくる。
話しかけようとする私を手で制し、人差し指を唇に当てて『静かに』のポーズをとる。
どうしたのだろうか?
そう思う私をよそにエレナさんは呪文を唱え始め――
「<遮音>」
魔法を発動させる。
<遮音>とは、一定の空間にかける魔法で、その空間内で発生した音を外に漏らさなくする効果がある。
<静寂>の範囲拡大版といっても良いが、<静寂>は対象が一切音が立てられなくなるのに対し、<遮音>は効果空間内で音を出すことは可能と、少々使い勝手が異なる。
おそらくだが、少し離れた休憩場所にいるジャンさん達への配慮なのだろう。
「んんー、また会っちゃったね、クロダ君」
「ええ、またお会いしましたね、エレナさん」
軽く挨拶を交わす。
「あー、でも、困っちゃったなぁ。
ボクこれから水浴びしなくちゃいけないのに、男の人がいるとなー?」
誘惑する目付きで私を見つめながら、エレナさんは言った。
その目の誘いに一切抗わず、私は彼女へ近づく。
「いえいえ、私の事など気にせず水浴びして下さい。
何でしたら、身体を綺麗にするお手伝いも致しますよ」
「えー、クロダ君ってば、結構いやらしーんだー?」
「いやらしいだなんてそんな。
私の目の前でお尻を丸出しにしていた人には言われたくないですね」
「涙ぐむまでボクのお尻を見つめてた人の言うセリフじゃないよねー?」
お互い、すぐ触れ合える距離にまで近づいた。
何かを期待するように私を見るエレナさんに対し、私はぐっと顔を近づけてそのままキスをする。
「……んっ……んむっ……」
舌を彼女の口内に入れると、彼女の舌が絡んでくる。
女性特有の、小さくて柔らかい舌。
「んっ……んぅっ……」
私の舌を舐めまわるエレナさん。
私は彼女の腰に手を回し、ぎゅっと抱き寄せる。
「……んんっ…あっ……はぁぁ……」
今度は彼女の舌が私の口に入ってきた。
彼女にされたように、私は侵入してきた舌を舐めまわし、堪能する。
「…はぁぁ……あぁ……んぁぁ……」
彼女の吐息が私の顔にかかる。
女の甘い息が心地よい。
「……んぅっ……あぁ……んちゅっ……んんんっ……」
しばしの間、互いに口を貪り合う私達。
どちらともなく、一旦口を離す。
「……クロダ君、キス、上手いね」
「褒めて頂けて光栄です」
そう言いながら、私は腰に回していた手を下げ、彼女のお尻を触る。
スカート越しに触っても、お尻の形の良さと、その弾力が分かった。
柔らかさではローラさんに及ばないが、張りの良さではエレナさんに軍配が上がるだろう。
「やだー、クロダ君、手つきがエッチー」
「これくらい……みんなの前でオナニーに耽っていたエレナさんには負けますよ。
あれ、ばれたらどうするつもりだったんですか?」
手をスカートの中に潜り込ませる。
タイツの触り心地を堪能しつつ、お尻を揉んでいく。
揉んだ私の手を押し戻さんとばかりに働く尻の弾力。
素晴らしい。
それに対してエレナさんは、腕を私の首に巻き付け、耳元に軽くキスをしてくる。
キスの後、私の耳をチロチロと舐めながら、エレナさんが語る。
「聞こえてない聞こえてない。
むしろ、ボクを見たクロダさんの反応でバレちゃわないか心配だった位だよ」
「む、そうでしたか。
それは失礼を」
「ボクの身体に興味津々なのは分かるけどさー。
少しは周りに注意してよね」
話し終わると同時に、ふーっと私の耳に息を吹きかけるエレナさん。
……うぉおおお、今凄いぞくぞくっと来たぁああ!!
「びくってなったねー?
クロダ君、耳弱い?」
「……えー、そのようです」
負けっぱなしは癪なので、私も彼女の耳に口を近づけた。
そして、彼女の耳をその穴の中まで舐め回す。
「ふぁあああ!!」
途端に嬌声が上がる。
「エレナさんも弱いじゃないですか、耳」
「んんー、そう、みたい…んっ」
再び、キスをする。
「んぅっ……ねぇ、服、邪魔じゃない?」
「そう、ですね」
キスをしながら、お互いの舌の感触を味わいながら、互いに服を脱がしていく。
私はエレナさんのブラウスのボタンを外し、露わにしたおっぱいからブラを外す。
エレナさんは私の服を脱がしてくれるが……体格の差があるせいか、上手くいかないようだ。
「あ、あれ…?」
「大丈夫です、自分で脱ぎますよ」
そう言いながら私はエレナさんの胸にむしゃぶりついた。
「ひゃぅっ……んぁっ……もぅ、がっつきすぎだよ……あんっ…」
口でエレナさんのおっぱいを味わいながら、両手で自分の服を脱いでいく。
舌で舐めただけでも分かる、ハリと弾力のあるエレナさんのおっぱい。
形をほとんど崩さずに、プルンプルンと弾んでいる。
両方のおっぱいを一通り舐めきってから、乳首へと吸い付いた。
「はぁぁっ……んんっ……乳首、いいっ……」
上の服を脱ぎ終わって上半身裸になる私。
今度はエレナさんのスカートを脱がしにかかる。
「やだもぅ……恥ずかしいよー?……あんっ…」
くねくねと腰を曲げながら、まるで恥ずかしいとは思っていない口調でエレナさん。
スカートを脱がし、タイツとパンツを下ろす。
現れたエレナさんの女性器は、既に愛液で濡れ濡れだった。
そして私は自分でズボンを――
「待って……んっ……ズボンは、ボクが脱がしたいよ……んんっ…」
エレナさんがそう言うので、私は乳首から口を離し、彼女にズボンを任せてみる。
カチャカチャと、やや不慣れな手つきでベルトを外し、ズボンを下ろして私のイチモツを露わにさせた。
「うわぁ……おっきぃ……」
女性に自分の性器をそう評価してもらえるのは、男にとって幸せなものだ。
嬉しさがこみ上げてくる。
「………はむっ」
うっとりした顔で勃起した私の陰茎を見ていた彼女は、ぱくっとそれを口に含んだ。
そのままじゅるじゅると音を立てて、フェラを始める彼女。
彼女の口では私の愚息全てを咥えることはできないので、舐められているのは先端部だけだが、それでも十分な快楽が私に流れてきた。
「……んんっ……れろっ……あむっ……」
しばし快感に身を任せるが……それだけでは満足できないのが男のサガ。
私は自分のイチモツを彼女の口から抜いた。
「………あー…」
少し不満そうな声を出すエレナさんだが、私が言わんとしていることはすぐ理解したようだ。
私の腹や胸に舌を這わせながら、自ら脱ぎかけのタイツとパンツを外す。
私もまた、足に引っかかっていたズボンと下着を完全に脱いだ。
これで二人とも一糸纏わぬ姿になったわけだ。
私は適当な岩へ自分の上着を敷いて、その上へエレナさんを寝かせる。
「では、いきますよ」
「いいよ……来て、クロダ君…」
私は臨戦態勢が完璧に整っているイチモツを、彼女の女性器に添え、一気に押し挿れた。
……ん?
これは、なかなか、きつい……?
「……いっ……つ……」
エレナさんが苦し気な声を出す。
まさかまさか。
「エレナさん、初めて、でしたか?」
「ち、違うよ……違うんだけど、凄く久しぶりだったから……
最初は、ゆっくりしてくれると嬉しいかな…」
言われたように、私はゆっくりとピストン運動を始める。
「んっ……うん、それ位で……あぁ……」
「驚きました。
エレナさんは経験豊富そうでしたので」
「…あんっ……相手がいなくってね……んっ……最近溜まっちゃってて……それでクロダ君を誘ったわけ……はんっ…」
「お相手なら、ジャンさんやコナーさんがいるじゃないですか」
「あの二人ー?……んっ……あの二人はねー……」
正直、少なくともどちらかとはそういう仲なのだと思っていたのだが、違うようだ。
「二人ともボクの幼馴染でさ……あんっ……両方がボクに好意を持ってるみたいで……んっ……
別に抱かれてもいいかなとは思ってるんだけど……あっ……手を出してくれないんだよね……んぅっ……」
「…ちょっと信じられないですね」
こんな女性が近くに居て手を出さずにいられるなど、私にはできない所業だ。
「あんっ……ジャン君はへたれでねー、なかなか一線を越えようとしないし……んっ……
コナー君はジャン君に遠慮しちゃって、やっぱりボクに手出ししないんだ……あぁぁ……」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ……あんっ……ほら、アレを見れば分かるでしょ」
彼女が指さした方を見る。
「……あ」
そこには、岩に隠れながらからこちらを見ている、ジャンさんとコナーさんが居た。
「んっ……ボクが水浴びする度にああやって覗いてるくせに……んんっ……
あそこから一歩も近寄って来ないんだから……あっ……」
エレナさんが水浴びに行くと言ったら、ジャンさんがあっさり話を打ち切ったのはこのためか。
しかしせっかく覗いているというのに――
「エレナさんが私とセックスしているのを見ても動かないとは…」
「え?……ああ、あの二人はこっちのことなんて分かってないよ…あんっ…
暗闇を見通すスキルなんてジャン君もコナー君も持ってないし……んっ……
ボク達の音は消してるしねー……は、んっ…」
確かに、休憩場所に設置してある光だけでこの場所を覗き見ることはできないだろう。
「何も見えてないのに、覗くんですね」
「健気――って言っていいのかな?……んぅっ……そんなことせずに、ボクを直接触ればいいのに……あんっ…」
全く持って同意する。
こんなに色気を振りまく女性を放っておくなど、いっそ尊敬の念すら抱いてしまう。
「しかし、あのお二人に限らずともエレナさんが誘えば乗り気になる男は多いのでは?」
「はんっ……いつもあの二人が一緒だから、他の男を見つける機会が案外少なくって……んぅっ……
それに、ボクだって別に誰とでもやりたいって思ってるわけじゃないよ……あっ……
ある程度は信頼できる相手じゃないと」
「私は信頼に足りた、と?」
「あの『クロダ・セイイチ』だから、ね」
有名人扱いされると本当に気恥ずかしい。
未だに、何かの間違いじゃないかと思ってしまう。
―――ん?
と、いうことは。
「………ひょっとして、最初から分かってました?」
「うん……あっ……ジャン君がよく喋ってたから、一目でねー……あんっ……
んふふ、クロダ・セイイチがボクのお尻をガン見してるのを見たときは……んぅっ……驚いたよ」
「それは、お恥ずかしい…」
「んんー……んっ……会って数時間の女の子に手を出すのは、恥ずかしいことじゃないのかな?……はんっ」
「いえ、それは男の本能なので仕方がないのです」
「んふふふ、さっすがー……あんっ」
ここで、エレナさんが私の腕を握ってきた。
「ねぇ…そろそろいいよ、激しくしても」
「…分かりました」
エレナさんからの許可を貰った私は、今まで我慢していた分をぶつけるように―――全力で腰を振り始める。
「ああぁぁああっ!!? ちょ、いきなりぃ、んんんぅぅうううう!!」
今までに無い嬌声を張り上げるエレナさん。
それに呼応するように膣がぎゅうっと私の男根を締め付け、快感が私の中を迸った。
「あっあっあっあっあっ…激し…あんんっ…あぁあぁああ!?」
「気持ちいいですか、気持ちいいですか、エレナさん!」
「うんっ…あんっあんっあん…きも、ち、いい!…ああんっ! いいぃいいいいっ!!」
「思い切り、感じて下さい…!」
「感じてるっ!! あっあっあっあっ! クロダ君のちんぽボク感じてるっ! あんっあんっあんっ! すっごいよぉっ! あぁああん!」
さっきまで痛がっていたとは思えない乱れっぷり。
イチモツへの締め付けも強く、私もまた高まってくる。
さらに力を込めてピストン運動する。
「あああぁあああああっ! いいよぉぉおおお!! んぁああああ!!」
彼女の動きに合わせてプルンプルンと揺れるおっぱいを手で鷲掴みにする。
弾力のあるそれを揉みしだきながらも、腰の動きは緩めない。
「んぅぅうう! おっぱい! おっぱいもいぃい! おっぱいもっとしてぇぇええ!!」
言われた通り、おっぱいをぐにぐにと強く揉む。
手への反発が凄い。
この弾力、流石だ!
「はぁぁあああんっ! ああっああんっああんっ! 気持ちいぃいい!!」
エレナさんは、胸への感度が人一倍良いようだ。
おっぱいを弄り出してから感じ方が凄まじい。
気を良くした私は、おっぱいの先端の突起―――乳首へと片手をやり、それを思い切り抓んでやった。
「んぃいいいいいっ!? 乳首、ダメェエエエッ!! 乳首ダメだよぉおおッ!」
「ダメ? どうしてダメなんですか?」
「だってぇぇええっ! 乳首、されるとぉっ! んんんぁああ!! イッちゃうぅぅうう!!」
なるほど。
ではもう一つの手も乳首へ動かし、両方の乳首を同時に抓ってやった。
「ああぁあああああああ!!!!?」
喘ぎ声がさらに大きくなる。
同時に、膣の締め付けが最大に!
これは、私ももう限界が…!
「ダメって言ったのにぃっ! ダメって言ったのにぃっ! イッちゃうぅう! イッちゃうぅうう!!」
「いいんですよ、イッっちゃって!
私も、イきますから…!」
「あんっ! イくからねっ! イクっ! イクっ! イッくぅぅううううう!!!」
「……くっ!」
弓のように身体をそらせながら絶頂するエレナさん。
私もまた、エレナさんの膣圧に快楽が臨界点を超え、たっぷりと精液を吐き出すのだった。
「……あ、あぁあ……はっ……あんっ……」
身体をガクガクと震わせて、エレナさんは余韻に浸っている。
私もまた、一度彼女から性器を抜き出し、軽く息を整えた。
「あ、ハハハ……すごかったー……」
「大丈夫ですか、エレナさん」
「ボクを大丈夫じゃなくした人がそれを言うのー?
もう、乳首にクロダ君の爪痕がついちゃったよ」
「それはすみません……あの、治しましょうか?」
ポーションは使えば、何とか傷跡を消せないだろうか。
「いいよ、別にー。
記念に残しとく」
「記念、ですか?」
「うん……クロダ君とは、これっきりにしときたいから」
「―――え?」
完全に予想外の台詞を聞いて、私は思いっきりショックを受ける。
「…あ、あの、良くなかったですか、私は。
ちょ、調子に乗り過ぎましたか?
実は、痛かっただけですか?」
震える声で彼女に尋ねた。
エレナさんは笑いながら手をぱたぱたと横に振って、
「違う違う。
凄く良かったよー?
……ただ、良すぎちゃってさ。
何度もやったら、ド嵌まりしそうで」
彼女は岩陰に隠れる二人の方を見る。
「ボクも、あの二人に想うところが無いわけでも無いしねー。
二人を放って、君にばっかかまけてちゃ悪いから」
「な、なるほど…」
3人の仲は、私が想像していた程深くは無かったが――私が思った以上に強くはあったらしい。
「それでは、仕方ないですね」
「うん、クロダ君とは、今日で終わり。
………ごめんね?」
「いえいえお気になさらず」
元より、偶々袖が触れ合っただけの関係。
これ位で終わった方が、エレナさんのためだろう。
私は彼女の手を取って立ち上がらせる。
「ん……ありがと」
「どういたしまして」
エレナさんからの軽い感謝に、こちらも軽く返す。
そして私は彼女の後ろに回り込んで―――お尻を揉み始めた。
「あんっ………ってあれ?」
「どうしました?」
「どうしましたって……んぅっ……さっきの聞いてなかったの?
……はんっ……今日で終わりって、言ったでしょ!……やっ……」
「はい、聞きました、ですから――」
お尻をさらに揉む。
おっぱい同様、いや、それ以上の弾力。
ブルブルっと揺らしても、まるで形が崩れないお尻。
しかし、固いわけでは勿論ない。
女性としての柔らかさを持ちながらも、ハリの良さを楽しませてくれるのだ。
「――『今は』楽しみましょう」
「……ほへ?」
エレナさんが面白い声を出した。
「いや、あのさ。
『今』って言ったって、大体、キミさっき射精したばっかりで――」
私はギンギンに勃起している男根を彼女の尻に擦り付けた。
「ひゃんっ!?
う、うっそー……もう元気になってる?」
「元気になるも何も、私は一度だって萎えてはいませんが」
一度射精をした程度で萎れるほど、私のイチモツは弱くない。
「ど、どういう体力してるのクロダ君…」
「体力でしたら少しは自信があります」
まだ東京で会社勤めしていた頃、3徹で仕事をこなしたこともある。
「まあ、そんなわけでして」
尻揉みを止めて、彼女の腰を掴む。
そのまま立ちバックの体勢で、彼女の膣へ再び愚息を突き挿れた。
「んあぁぁあああっ!」
前の行為から時間が経っていないからか、彼女の性器は愛液で濡れていた。
そのため、スムーズに挿入が完了する。
そして、ピストン運動。
「も、もうっ…んっ…あんっあんっあんっ…クロダ君ってば強引すぎ、あっあっあっあっ!」
そうは言いつつ、エレナさんも十分感じているようだ。
腰を掴んでいた手を胸に回し、再びおっぱいの感触を味わってみる。
……うん、何度揉んでもいいものだ。
「はぁんっ…またおっぱい、ダメっあぁあんっ!」
おっぱいの弾力を楽しみながら、顔を彼女の耳元に近づけ、耳をぺろぺろ舐める。
「んんんんぅぅううっ! 耳、だめぇぇええっ!」
「ダメダメ尽くしですね、エレナさんは。
どこならいいんですか?」
舌・手・腰の動きを激しくして、彼女を責め立てていく。
「どこ、も……あぁんっ……だめぇええっ! ボク、感じすぎちゃってぇっ」
舌を彼女の顔に向けて這わせていく。
それを察して彼女も私に向かって顔を振り返らせてきた。
……そして、口付け。
「…んんんっ…ふぅっ…はぁあんっ…あむっ…んんぅっ…」
私と舌を絡ませながら、断続的に喘ぐエレナさん。
喘ぎ声と一緒に彼女の甘い息が顔にかかるのが、心地よい。
「…んぅっ…あぁんっ…あっ…れろっ…んぁあっ……あんっ!」
私はキスと胸揉みを止め、手を彼女の脚の方へ回す。
「…あんっあんっんぅっ………んんっ?」
疑問符を浮かべる彼女を無視して、彼女の膝の裏辺りを持ち、そのまま彼女を抱え上げた。
そして手を左右に広げ、彼女の脚を開かせる。
――おしっこポーズと言って、伝わるだろうか。
「……んぁっ……なに、これ……あんっ!」
今の私達を正面から見る人がいれば、彼女の性器に私の男根が出し入れされる様がよく分かるだろう。
他人に痴態を見せるための体勢と呼んでもいい。
その姿勢のまま、私は『あの二人』の方へ歩を進めた。
「あんっあぁんっはんっ……なぁにー?…んんぅっ…二人に見せつけちゃうの?…あぁああっ」
からかうような口調でエレナさん。
彼女はまだ、『あの二人がこちらの状況を把握していない』と思っているらしい。
その誤解を解くため、私は口を開いた。
「エレナさんが水浴びに向かった後、ジャンさんから一つお願いをされたのですよ」
「……?……あっあっああん…何を?…んっ…」
「……<闇視>を、自分達にかけてくれないか、と」
「―――――え?」
水をかけられたように、エレナさんの表情が変わった。
<闇視>の魔法は<夜目>の暗技と違い、使用者にしか効果がでないわけでは無い。
他人を対象にすることもできる。
「その時は『松明の明かりだと暗くて周囲を警戒しにくいから』と言われたのですが……覗きのためだったようですね」
「――ちょ、待って――うそっ」
そこで彼女は気づいたようだ。
彼ら二人の視線が、真っ直ぐにこちらを向いていることを。
本来であれば、この暗闇の中、どこに私達がいるかも分からないはずだというのに。
「だから信じられなかったんですよ、こんな状況になってまで、お二人が手を出さないことが。
……そういう趣向なんですかね?」
「―――やっやめ――んぁぁあああああ!!!?」
腰を激しく動かし始める。
その事実を告げてから、膣はギリギリと私の愚息を締め付け、愛液も溢れてきた。
やめろと言いかけておきながら、彼女はこの状況に興奮しているようだ。
男として、それに答えねばなるまい。
「んんぁっ! ち、違うっ! あぅっ! 違うのっ! ああぁっ! これはぁっ!」
「違う?
何も違いませんよ。
エレナさんは、ジャンさんとコナーさんに見られながら私にハメられている」
「ああんっ! そんなぁっ! あんっ! つもりじゃっ! はぁあんっ!」
「そんなつもりじゃなかった?
私を散々誘っておいて、何を言ってるんですか」
強く、強く、男性器を彼女に突き立てる。
強い締め付けと激しいピストンによる刺激は、私の快感を見る見るうちに上げていった。
「ああぁあああっ!? んぅっ! あっあっあっあっあっ!!」
「何より、エレナさんが一番楽しんでいるでしょう。
さっきから私をぐいぐいと締め付けて……痛いくらいですよ」
そして、痛さをはるかに上回る気持ち良さを与えてくれている。
彼女をさらなる快楽へ誘うため、私は二人の方へもっと近づいた。
「!!? んぁああっ! これ以上ダメっ! はぁあああんっ! これ以上はぁあっ!!」
「何を今更。
ここまで来たんです。
もう少し近寄ったところで何も変わりはしませんよ」
「あひぃいいっ!! あぅっあんっあんっあんっ! 見ないでっ! んんんぁああっ! 見ないでぇっ!」
私はぐいっとエレナさんの股間を前に突きださせる。
目の前にいる二人にもっと良く見せられるような姿勢に。
「あぁああああっ! ご、ごめっ…あうぅうっ! ごめんんっ! んぁああっ!」
「そんなこと言わずに、もっと見せつけてあげましょう」
股間の締め付けは最高潮、愛液も流れ出て腰をふるごとにじゅぽじゅぽと音が鳴る。
そろそろ、私も彼女も限界か。
「んぁあっあっあっあっあっ! ジャン君んんっ! あぁああんっ! コナー君んっ! あああぁああっ! ボクぅ、もうぅうううっ!!」
「ほら、イキなさい!
二人の前で!
二人に絶頂を見せつけるんです!」
「んひぃいいいいいっ! イクぅっ! イクぅっ! んぁぁあああああああああああっ!!!」
ぷしゃぁあっと、エレナさんの股間から潮が吹き出た。
同時に私も、彼女の中へ精液を注ぎ込む。
まさか潮吹きまでするとは。
余程、気持ちが良かったということなのだろう。
私は彼女の膣からイチモツを引き抜く。
「んっ、おっ、お、おおぉおおおお……」
彼女の膣から流し込んだザーメンがゴポゴポと流れ出てくる。
「……はーっ……はーっ……はーっ……はーっ……」
中空を見ながら、荒く息を吐くエレナさん。
彼女は放心していた。
完全に目の焦点が定まっていない。
私は彼女をそっと下ろすと、岩の上に寝そべらせた。
「……はーっ……はーっ……はーっ……はーっ……」
全身から力が抜けている。
……これは、しばらく正気に戻りそうにない。
このまま気が付くまで待っていてもいいが…
「いや、それは感傷というものか」
彼女とはこれっきりと約束した。
これ以上一緒に居ると、未練が強くなってしまう。
後ろ髪引かれるが、このまま立ち去ることにしよう。
「それでは……さようなら、エレナさん」
一応、最低限彼女の身体を布で拭いて綺麗にしてから、私はそっと呟いた。
もうこれで二度とエレナさんに会うことは無いだろう。
お互い同じ町に住む以上、顔を会わせることはあるかもしれないが――それは今日私が抱いた彼女ではないのだ。
そう自分に言い聞かせながら、『彼らにバレないよう』足早に、私はその場所を後にしたのだった。
第二話 完
後日談。
あれから3日後の夜。
私はいつものように仕事を終わらせ、いつものように黒の焔亭で食事していた。
「はーい、B定食お待たせ♪」
「ありがとうございます」
ウェイトレス姿のリアさんが、頼んでいた食事を運んでくれる。
「今日もゆっくりしていきなよ、クロダ」
「そうさせて貰います」
定番の社交辞令を交わしてから、私は食事を頂く。
ちなみに、今日のリアさんのパンツは薄い青。
相変わらず、いい胸とお尻をしている。
ローラさんの身体の柔らかさ、エレナさんの身体の弾力の良さ、どちらも素晴らしいものだが。
身体のメリハリこそグラマー&トランジスタグラマーな二人に劣っているものの、リアさんの肢体は柔らかさと弾力を高いレベルで両立させている。
その身体のメリハリにしても、形の美しさを論点にすれば、勝るとも劣らないモノを持つ。
そんなことをリアさんを眺めて考えていると、横から声がかけられた。
「隣の席、いいかな?」
「ああ、どうぞ」
反射的に返事をしてしまったが、今の声、聞き覚えがある。
話しかけてきた人へ顔を向けると、
「……エレナさん?」
「うん。こんばんはだねー、クロダ君」
あの日別れて以来会っていなかった(といっても数日程度しか経ってないが)、エレナさんがそこに居た。
今日はクロークは付けておらず、ブラウスにミニスカートの軽装だ。
まあ、探索中はともかく、日常着でマントなんて付ける人はいないか。
「これは奇遇ですね。
3日ぶり位ですか」
「うん、そうだねー」
「迷宮探索は順調ですか?
何か困りごとがあるなら、相談に乗りますよ。
私ごときでどの程度お力になれるか、保証しかねますが」
「うん、大丈夫だよー」
……何だか、反応が凄く淡白なような。
「……えー、と……」
「………」
話のとっかかりが作れず、二人に沈黙が訪れる。
「…………」
「…………」
ど、どうしようこの空気。
私が焦りを覚え始めたところで、エレナさんが口を開いた。
「で、それだけ?」
「それだけ、とは?」
私の返答に、少し怒ったような表情になるエレナさん。
「……この前のことに何か申し開きはないのかな?」
「この前……あぁ!」
そこで私は思い至る。
「すいませんでした、『嘘』をついてしまって」
「あの後、大変だったんだからね!
ボクはてっきり『キミとのことが二人にバレた』と思ってたんだから!」
「いやー、はっはっはっは」
「笑って誤魔化さないでよー」
そう、あの時ジャンさんとコナーさんには<闇視>などかかっていなかったのだ。
あれは、ジャンさん達の視線がこちらへ向いたのを見計らって、私がついた嘘。
一度こういうプレイをやってみたかったので、エレナさん達のことを知ってからやれるタイミングを伺っていたのである。
本当のジャンさんからの頼まれごとは『今度一緒に飲みませんか』ということだった。
その約束の通り、つい昨日、私はジャンさんとコナーさんとで卓を囲んだ。
男だけの飲み会というのも、変に気を使わなくていいし、楽しいものである。
夜遅くまで、お互いの身の上話や、よく使っている酒場の情報など、色々話し合った。
………その時に何も触れられなかったので、この前のことは特に問題になっていないと思っていたのだが。
「でも、まあ、気持ち良かったでしょう?」
バレたと思った瞬間からの、エレナさんの感じ方は尋常じゃなかった。
気を失う程の絶頂など、そうそうあるものではない。
「そりゃ、気持ち良かったよ?
でもそれとこれとは話は別。
話の食い違いにボクがすぐ気づいたから良かったものの……
下手したらパーティー解散の危機だったんだよ?」
「それは……申し訳ありません」
私が考えていた以上に危ないところだったようだ。
これは反省せねば。
「反省してるならさー、言葉じゃなくて物でお詫びが欲しいんだよねー」
「そうですか……幾らほど包めばよろしいでしょうか」
手持ちで足りる金額ならばいいのだが…
財布を取り出そうとする私を制して、エレナさんが話を続ける。
「お金でもいいんだけど」
エレナさんの手が私の股間に伸び、イチモツを掴む。
「ボクとしてはこっちのモノが欲しいなぁ?」
彼女が、ゆっくりと私の男根を扱きだした。
その刺激で、愚息は勃起を始める。
「………あの日で終わりにしたのでは?」
「終わりだよ、でもね…」
エレナさんの扱きが止まり、代わりに彼女は両手で私の首に抱き付いてきた。
耳元で、そっと囁く。
「あのさ、ボク、お酒に弱いの」
「……?」
「でも、ジャン君から聞いたんだけど、このお店ってお酒美味しいんでしょ。
飲んでみたいなー。
飲んだらすぐ酔っぱらって歩けなくなっちゃうんだけど、それでも飲んでみたいなー」
そこで一旦言葉を止めてから、
「……誰か、酔っぱらっちゃったボクを介抱して、部屋まで送り届けてくれる人がいたらなー?」
何かを期待している目で私を見つめる。
「そんなことしたら、色々とされてしまいますよ?」
「んんー、そうかも。
だけど、酔っぱらっちゃってるから仕方ないよね?」
「仕方、無いですか」
「うん、仕方無い」
―――そのとき、私の頭にジャンさんとコナーさんの顔がよぎった。
ダメだ、ここで流されては…!
「いえ、まだ何度も会っていない女性の部屋に、男が一人で入るわけにはいきませんよ」
「――え?」
予想外の返答だったのか、一瞬彼女の顔が強張る。
それに構わず私は続けて――
「ですから……私の家で介抱させて頂きます」
手を彼女の太ももに伸ばし、すべすべの肌を触りながら、言った。
私の家なら、ナニがあってもジャンさん達にバレる心配は無い。
私の言いたいことを理解したエレナさんは、小悪魔のような笑顔を浮かべた。
「……んふふふ、やらしーんだー、クロダ君。
じゃあ、最初はキミの家でいいよ」
「はい、しっかり面倒看ます」
「ありがと。
…ボクの部屋に来るのは、もっと深い仲になってからってことで、ね―――チュッ」
私の頬に軽くキスをしてから、エレナさんは離れた。
「それじゃ、再会を祝って、乾杯しようか。
このお店で一番強いお酒、頼んでもらえるかな?」
そして、エレナさんとの飲み会が始まった。
この後のことは―――語るまでもない。
『エレナ・グランディが仲間に加わった』
……なにか今、変なナレーションが頭に響いたような?
後日談 完
上から流れてくる水がここにある岩の窪みに溜まってできたもので、下に流れ落ちる流路もあったりするから若干の注意が必要。
まだエレナさんはいない。
最短ルートを駆け抜けてしまえば、彼女からは出遅れつつも池に先回りすることなど容易いのだ。
………先回りしたのだ、と思いたい。
実は違う場所だったとしたら、恥ずかしすぎる。というか、残念過ぎる!
そんな私の疑念を打ち払うかのように、人影がこちらに近付いてきた。
――エレナさんだ。
「……!」
<闇視>を使っているのだろう、向こうもこちらに気付いたようで、まっすぐ向かってくる。
話しかけようとする私を手で制し、人差し指を唇に当てて『静かに』のポーズをとる。
どうしたのだろうか?
そう思う私をよそにエレナさんは呪文を唱え始め――
「<遮音>」
魔法を発動させる。
<遮音>とは、一定の空間にかける魔法で、その空間内で発生した音を外に漏らさなくする効果がある。
<静寂>の範囲拡大版といっても良いが、<静寂>は対象が一切音が立てられなくなるのに対し、<遮音>は効果空間内で音を出すことは可能と、少々使い勝手が異なる。
おそらくだが、少し離れた休憩場所にいるジャンさん達への配慮なのだろう。
「んんー、また会っちゃったね、クロダ君」
「ええ、またお会いしましたね、エレナさん」
軽く挨拶を交わす。
「あー、でも、困っちゃったなぁ。
ボクこれから水浴びしなくちゃいけないのに、男の人がいるとなー?」
誘惑する目付きで私を見つめながら、エレナさんは言った。
その目の誘いに一切抗わず、私は彼女へ近づく。
「いえいえ、私の事など気にせず水浴びして下さい。
何でしたら、身体を綺麗にするお手伝いも致しますよ」
「えー、クロダ君ってば、結構いやらしーんだー?」
「いやらしいだなんてそんな。
私の目の前でお尻を丸出しにしていた人には言われたくないですね」
「涙ぐむまでボクのお尻を見つめてた人の言うセリフじゃないよねー?」
お互い、すぐ触れ合える距離にまで近づいた。
何かを期待するように私を見るエレナさんに対し、私はぐっと顔を近づけてそのままキスをする。
「……んっ……んむっ……」
舌を彼女の口内に入れると、彼女の舌が絡んでくる。
女性特有の、小さくて柔らかい舌。
「んっ……んぅっ……」
私の舌を舐めまわるエレナさん。
私は彼女の腰に手を回し、ぎゅっと抱き寄せる。
「……んんっ…あっ……はぁぁ……」
今度は彼女の舌が私の口に入ってきた。
彼女にされたように、私は侵入してきた舌を舐めまわし、堪能する。
「…はぁぁ……あぁ……んぁぁ……」
彼女の吐息が私の顔にかかる。
女の甘い息が心地よい。
「……んぅっ……あぁ……んちゅっ……んんんっ……」
しばしの間、互いに口を貪り合う私達。
どちらともなく、一旦口を離す。
「……クロダ君、キス、上手いね」
「褒めて頂けて光栄です」
そう言いながら、私は腰に回していた手を下げ、彼女のお尻を触る。
スカート越しに触っても、お尻の形の良さと、その弾力が分かった。
柔らかさではローラさんに及ばないが、張りの良さではエレナさんに軍配が上がるだろう。
「やだー、クロダ君、手つきがエッチー」
「これくらい……みんなの前でオナニーに耽っていたエレナさんには負けますよ。
あれ、ばれたらどうするつもりだったんですか?」
手をスカートの中に潜り込ませる。
タイツの触り心地を堪能しつつ、お尻を揉んでいく。
揉んだ私の手を押し戻さんとばかりに働く尻の弾力。
素晴らしい。
それに対してエレナさんは、腕を私の首に巻き付け、耳元に軽くキスをしてくる。
キスの後、私の耳をチロチロと舐めながら、エレナさんが語る。
「聞こえてない聞こえてない。
むしろ、ボクを見たクロダさんの反応でバレちゃわないか心配だった位だよ」
「む、そうでしたか。
それは失礼を」
「ボクの身体に興味津々なのは分かるけどさー。
少しは周りに注意してよね」
話し終わると同時に、ふーっと私の耳に息を吹きかけるエレナさん。
……うぉおおお、今凄いぞくぞくっと来たぁああ!!
「びくってなったねー?
クロダ君、耳弱い?」
「……えー、そのようです」
負けっぱなしは癪なので、私も彼女の耳に口を近づけた。
そして、彼女の耳をその穴の中まで舐め回す。
「ふぁあああ!!」
途端に嬌声が上がる。
「エレナさんも弱いじゃないですか、耳」
「んんー、そう、みたい…んっ」
再び、キスをする。
「んぅっ……ねぇ、服、邪魔じゃない?」
「そう、ですね」
キスをしながら、お互いの舌の感触を味わいながら、互いに服を脱がしていく。
私はエレナさんのブラウスのボタンを外し、露わにしたおっぱいからブラを外す。
エレナさんは私の服を脱がしてくれるが……体格の差があるせいか、上手くいかないようだ。
「あ、あれ…?」
「大丈夫です、自分で脱ぎますよ」
そう言いながら私はエレナさんの胸にむしゃぶりついた。
「ひゃぅっ……んぁっ……もぅ、がっつきすぎだよ……あんっ…」
口でエレナさんのおっぱいを味わいながら、両手で自分の服を脱いでいく。
舌で舐めただけでも分かる、ハリと弾力のあるエレナさんのおっぱい。
形をほとんど崩さずに、プルンプルンと弾んでいる。
両方のおっぱいを一通り舐めきってから、乳首へと吸い付いた。
「はぁぁっ……んんっ……乳首、いいっ……」
上の服を脱ぎ終わって上半身裸になる私。
今度はエレナさんのスカートを脱がしにかかる。
「やだもぅ……恥ずかしいよー?……あんっ…」
くねくねと腰を曲げながら、まるで恥ずかしいとは思っていない口調でエレナさん。
スカートを脱がし、タイツとパンツを下ろす。
現れたエレナさんの女性器は、既に愛液で濡れ濡れだった。
そして私は自分でズボンを――
「待って……んっ……ズボンは、ボクが脱がしたいよ……んんっ…」
エレナさんがそう言うので、私は乳首から口を離し、彼女にズボンを任せてみる。
カチャカチャと、やや不慣れな手つきでベルトを外し、ズボンを下ろして私のイチモツを露わにさせた。
「うわぁ……おっきぃ……」
女性に自分の性器をそう評価してもらえるのは、男にとって幸せなものだ。
嬉しさがこみ上げてくる。
「………はむっ」
うっとりした顔で勃起した私の陰茎を見ていた彼女は、ぱくっとそれを口に含んだ。
そのままじゅるじゅると音を立てて、フェラを始める彼女。
彼女の口では私の愚息全てを咥えることはできないので、舐められているのは先端部だけだが、それでも十分な快楽が私に流れてきた。
「……んんっ……れろっ……あむっ……」
しばし快感に身を任せるが……それだけでは満足できないのが男のサガ。
私は自分のイチモツを彼女の口から抜いた。
「………あー…」
少し不満そうな声を出すエレナさんだが、私が言わんとしていることはすぐ理解したようだ。
私の腹や胸に舌を這わせながら、自ら脱ぎかけのタイツとパンツを外す。
私もまた、足に引っかかっていたズボンと下着を完全に脱いだ。
これで二人とも一糸纏わぬ姿になったわけだ。
私は適当な岩へ自分の上着を敷いて、その上へエレナさんを寝かせる。
「では、いきますよ」
「いいよ……来て、クロダ君…」
私は臨戦態勢が完璧に整っているイチモツを、彼女の女性器に添え、一気に押し挿れた。
……ん?
これは、なかなか、きつい……?
「……いっ……つ……」
エレナさんが苦し気な声を出す。
まさかまさか。
「エレナさん、初めて、でしたか?」
「ち、違うよ……違うんだけど、凄く久しぶりだったから……
最初は、ゆっくりしてくれると嬉しいかな…」
言われたように、私はゆっくりとピストン運動を始める。
「んっ……うん、それ位で……あぁ……」
「驚きました。
エレナさんは経験豊富そうでしたので」
「…あんっ……相手がいなくってね……んっ……最近溜まっちゃってて……それでクロダ君を誘ったわけ……はんっ…」
「お相手なら、ジャンさんやコナーさんがいるじゃないですか」
「あの二人ー?……んっ……あの二人はねー……」
正直、少なくともどちらかとはそういう仲なのだと思っていたのだが、違うようだ。
「二人ともボクの幼馴染でさ……あんっ……両方がボクに好意を持ってるみたいで……んっ……
別に抱かれてもいいかなとは思ってるんだけど……あっ……手を出してくれないんだよね……んぅっ……」
「…ちょっと信じられないですね」
こんな女性が近くに居て手を出さずにいられるなど、私にはできない所業だ。
「あんっ……ジャン君はへたれでねー、なかなか一線を越えようとしないし……んっ……
コナー君はジャン君に遠慮しちゃって、やっぱりボクに手出ししないんだ……あぁぁ……」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ……あんっ……ほら、アレを見れば分かるでしょ」
彼女が指さした方を見る。
「……あ」
そこには、岩に隠れながらからこちらを見ている、ジャンさんとコナーさんが居た。
「んっ……ボクが水浴びする度にああやって覗いてるくせに……んんっ……
あそこから一歩も近寄って来ないんだから……あっ……」
エレナさんが水浴びに行くと言ったら、ジャンさんがあっさり話を打ち切ったのはこのためか。
しかしせっかく覗いているというのに――
「エレナさんが私とセックスしているのを見ても動かないとは…」
「え?……ああ、あの二人はこっちのことなんて分かってないよ…あんっ…
暗闇を見通すスキルなんてジャン君もコナー君も持ってないし……んっ……
ボク達の音は消してるしねー……は、んっ…」
確かに、休憩場所に設置してある光だけでこの場所を覗き見ることはできないだろう。
「何も見えてないのに、覗くんですね」
「健気――って言っていいのかな?……んぅっ……そんなことせずに、ボクを直接触ればいいのに……あんっ…」
全く持って同意する。
こんなに色気を振りまく女性を放っておくなど、いっそ尊敬の念すら抱いてしまう。
「しかし、あのお二人に限らずともエレナさんが誘えば乗り気になる男は多いのでは?」
「はんっ……いつもあの二人が一緒だから、他の男を見つける機会が案外少なくって……んぅっ……
それに、ボクだって別に誰とでもやりたいって思ってるわけじゃないよ……あっ……
ある程度は信頼できる相手じゃないと」
「私は信頼に足りた、と?」
「あの『クロダ・セイイチ』だから、ね」
有名人扱いされると本当に気恥ずかしい。
未だに、何かの間違いじゃないかと思ってしまう。
―――ん?
と、いうことは。
「………ひょっとして、最初から分かってました?」
「うん……あっ……ジャン君がよく喋ってたから、一目でねー……あんっ……
んふふ、クロダ・セイイチがボクのお尻をガン見してるのを見たときは……んぅっ……驚いたよ」
「それは、お恥ずかしい…」
「んんー……んっ……会って数時間の女の子に手を出すのは、恥ずかしいことじゃないのかな?……はんっ」
「いえ、それは男の本能なので仕方がないのです」
「んふふふ、さっすがー……あんっ」
ここで、エレナさんが私の腕を握ってきた。
「ねぇ…そろそろいいよ、激しくしても」
「…分かりました」
エレナさんからの許可を貰った私は、今まで我慢していた分をぶつけるように―――全力で腰を振り始める。
「ああぁぁああっ!!? ちょ、いきなりぃ、んんんぅぅうううう!!」
今までに無い嬌声を張り上げるエレナさん。
それに呼応するように膣がぎゅうっと私の男根を締め付け、快感が私の中を迸った。
「あっあっあっあっあっ…激し…あんんっ…あぁあぁああ!?」
「気持ちいいですか、気持ちいいですか、エレナさん!」
「うんっ…あんっあんっあん…きも、ち、いい!…ああんっ! いいぃいいいいっ!!」
「思い切り、感じて下さい…!」
「感じてるっ!! あっあっあっあっ! クロダ君のちんぽボク感じてるっ! あんっあんっあんっ! すっごいよぉっ! あぁああん!」
さっきまで痛がっていたとは思えない乱れっぷり。
イチモツへの締め付けも強く、私もまた高まってくる。
さらに力を込めてピストン運動する。
「あああぁあああああっ! いいよぉぉおおお!! んぁああああ!!」
彼女の動きに合わせてプルンプルンと揺れるおっぱいを手で鷲掴みにする。
弾力のあるそれを揉みしだきながらも、腰の動きは緩めない。
「んぅぅうう! おっぱい! おっぱいもいぃい! おっぱいもっとしてぇぇええ!!」
言われた通り、おっぱいをぐにぐにと強く揉む。
手への反発が凄い。
この弾力、流石だ!
「はぁぁあああんっ! ああっああんっああんっ! 気持ちいぃいい!!」
エレナさんは、胸への感度が人一倍良いようだ。
おっぱいを弄り出してから感じ方が凄まじい。
気を良くした私は、おっぱいの先端の突起―――乳首へと片手をやり、それを思い切り抓んでやった。
「んぃいいいいいっ!? 乳首、ダメェエエエッ!! 乳首ダメだよぉおおッ!」
「ダメ? どうしてダメなんですか?」
「だってぇぇええっ! 乳首、されるとぉっ! んんんぁああ!! イッちゃうぅぅうう!!」
なるほど。
ではもう一つの手も乳首へ動かし、両方の乳首を同時に抓ってやった。
「ああぁあああああああ!!!!?」
喘ぎ声がさらに大きくなる。
同時に、膣の締め付けが最大に!
これは、私ももう限界が…!
「ダメって言ったのにぃっ! ダメって言ったのにぃっ! イッちゃうぅう! イッちゃうぅうう!!」
「いいんですよ、イッっちゃって!
私も、イきますから…!」
「あんっ! イくからねっ! イクっ! イクっ! イッくぅぅううううう!!!」
「……くっ!」
弓のように身体をそらせながら絶頂するエレナさん。
私もまた、エレナさんの膣圧に快楽が臨界点を超え、たっぷりと精液を吐き出すのだった。
「……あ、あぁあ……はっ……あんっ……」
身体をガクガクと震わせて、エレナさんは余韻に浸っている。
私もまた、一度彼女から性器を抜き出し、軽く息を整えた。
「あ、ハハハ……すごかったー……」
「大丈夫ですか、エレナさん」
「ボクを大丈夫じゃなくした人がそれを言うのー?
もう、乳首にクロダ君の爪痕がついちゃったよ」
「それはすみません……あの、治しましょうか?」
ポーションは使えば、何とか傷跡を消せないだろうか。
「いいよ、別にー。
記念に残しとく」
「記念、ですか?」
「うん……クロダ君とは、これっきりにしときたいから」
「―――え?」
完全に予想外の台詞を聞いて、私は思いっきりショックを受ける。
「…あ、あの、良くなかったですか、私は。
ちょ、調子に乗り過ぎましたか?
実は、痛かっただけですか?」
震える声で彼女に尋ねた。
エレナさんは笑いながら手をぱたぱたと横に振って、
「違う違う。
凄く良かったよー?
……ただ、良すぎちゃってさ。
何度もやったら、ド嵌まりしそうで」
彼女は岩陰に隠れる二人の方を見る。
「ボクも、あの二人に想うところが無いわけでも無いしねー。
二人を放って、君にばっかかまけてちゃ悪いから」
「な、なるほど…」
3人の仲は、私が想像していた程深くは無かったが――私が思った以上に強くはあったらしい。
「それでは、仕方ないですね」
「うん、クロダ君とは、今日で終わり。
………ごめんね?」
「いえいえお気になさらず」
元より、偶々袖が触れ合っただけの関係。
これ位で終わった方が、エレナさんのためだろう。
私は彼女の手を取って立ち上がらせる。
「ん……ありがと」
「どういたしまして」
エレナさんからの軽い感謝に、こちらも軽く返す。
そして私は彼女の後ろに回り込んで―――お尻を揉み始めた。
「あんっ………ってあれ?」
「どうしました?」
「どうしましたって……んぅっ……さっきの聞いてなかったの?
……はんっ……今日で終わりって、言ったでしょ!……やっ……」
「はい、聞きました、ですから――」
お尻をさらに揉む。
おっぱい同様、いや、それ以上の弾力。
ブルブルっと揺らしても、まるで形が崩れないお尻。
しかし、固いわけでは勿論ない。
女性としての柔らかさを持ちながらも、ハリの良さを楽しませてくれるのだ。
「――『今は』楽しみましょう」
「……ほへ?」
エレナさんが面白い声を出した。
「いや、あのさ。
『今』って言ったって、大体、キミさっき射精したばっかりで――」
私はギンギンに勃起している男根を彼女の尻に擦り付けた。
「ひゃんっ!?
う、うっそー……もう元気になってる?」
「元気になるも何も、私は一度だって萎えてはいませんが」
一度射精をした程度で萎れるほど、私のイチモツは弱くない。
「ど、どういう体力してるのクロダ君…」
「体力でしたら少しは自信があります」
まだ東京で会社勤めしていた頃、3徹で仕事をこなしたこともある。
「まあ、そんなわけでして」
尻揉みを止めて、彼女の腰を掴む。
そのまま立ちバックの体勢で、彼女の膣へ再び愚息を突き挿れた。
「んあぁぁあああっ!」
前の行為から時間が経っていないからか、彼女の性器は愛液で濡れていた。
そのため、スムーズに挿入が完了する。
そして、ピストン運動。
「も、もうっ…んっ…あんっあんっあんっ…クロダ君ってば強引すぎ、あっあっあっあっ!」
そうは言いつつ、エレナさんも十分感じているようだ。
腰を掴んでいた手を胸に回し、再びおっぱいの感触を味わってみる。
……うん、何度揉んでもいいものだ。
「はぁんっ…またおっぱい、ダメっあぁあんっ!」
おっぱいの弾力を楽しみながら、顔を彼女の耳元に近づけ、耳をぺろぺろ舐める。
「んんんんぅぅううっ! 耳、だめぇぇええっ!」
「ダメダメ尽くしですね、エレナさんは。
どこならいいんですか?」
舌・手・腰の動きを激しくして、彼女を責め立てていく。
「どこ、も……あぁんっ……だめぇええっ! ボク、感じすぎちゃってぇっ」
舌を彼女の顔に向けて這わせていく。
それを察して彼女も私に向かって顔を振り返らせてきた。
……そして、口付け。
「…んんんっ…ふぅっ…はぁあんっ…あむっ…んんぅっ…」
私と舌を絡ませながら、断続的に喘ぐエレナさん。
喘ぎ声と一緒に彼女の甘い息が顔にかかるのが、心地よい。
「…んぅっ…あぁんっ…あっ…れろっ…んぁあっ……あんっ!」
私はキスと胸揉みを止め、手を彼女の脚の方へ回す。
「…あんっあんっんぅっ………んんっ?」
疑問符を浮かべる彼女を無視して、彼女の膝の裏辺りを持ち、そのまま彼女を抱え上げた。
そして手を左右に広げ、彼女の脚を開かせる。
――おしっこポーズと言って、伝わるだろうか。
「……んぁっ……なに、これ……あんっ!」
今の私達を正面から見る人がいれば、彼女の性器に私の男根が出し入れされる様がよく分かるだろう。
他人に痴態を見せるための体勢と呼んでもいい。
その姿勢のまま、私は『あの二人』の方へ歩を進めた。
「あんっあぁんっはんっ……なぁにー?…んんぅっ…二人に見せつけちゃうの?…あぁああっ」
からかうような口調でエレナさん。
彼女はまだ、『あの二人がこちらの状況を把握していない』と思っているらしい。
その誤解を解くため、私は口を開いた。
「エレナさんが水浴びに向かった後、ジャンさんから一つお願いをされたのですよ」
「……?……あっあっああん…何を?…んっ…」
「……<闇視>を、自分達にかけてくれないか、と」
「―――――え?」
水をかけられたように、エレナさんの表情が変わった。
<闇視>の魔法は<夜目>の暗技と違い、使用者にしか効果がでないわけでは無い。
他人を対象にすることもできる。
「その時は『松明の明かりだと暗くて周囲を警戒しにくいから』と言われたのですが……覗きのためだったようですね」
「――ちょ、待って――うそっ」
そこで彼女は気づいたようだ。
彼ら二人の視線が、真っ直ぐにこちらを向いていることを。
本来であれば、この暗闇の中、どこに私達がいるかも分からないはずだというのに。
「だから信じられなかったんですよ、こんな状況になってまで、お二人が手を出さないことが。
……そういう趣向なんですかね?」
「―――やっやめ――んぁぁあああああ!!!?」
腰を激しく動かし始める。
その事実を告げてから、膣はギリギリと私の愚息を締め付け、愛液も溢れてきた。
やめろと言いかけておきながら、彼女はこの状況に興奮しているようだ。
男として、それに答えねばなるまい。
「んんぁっ! ち、違うっ! あぅっ! 違うのっ! ああぁっ! これはぁっ!」
「違う?
何も違いませんよ。
エレナさんは、ジャンさんとコナーさんに見られながら私にハメられている」
「ああんっ! そんなぁっ! あんっ! つもりじゃっ! はぁあんっ!」
「そんなつもりじゃなかった?
私を散々誘っておいて、何を言ってるんですか」
強く、強く、男性器を彼女に突き立てる。
強い締め付けと激しいピストンによる刺激は、私の快感を見る見るうちに上げていった。
「ああぁあああっ!? んぅっ! あっあっあっあっあっ!!」
「何より、エレナさんが一番楽しんでいるでしょう。
さっきから私をぐいぐいと締め付けて……痛いくらいですよ」
そして、痛さをはるかに上回る気持ち良さを与えてくれている。
彼女をさらなる快楽へ誘うため、私は二人の方へもっと近づいた。
「!!? んぁああっ! これ以上ダメっ! はぁあああんっ! これ以上はぁあっ!!」
「何を今更。
ここまで来たんです。
もう少し近寄ったところで何も変わりはしませんよ」
「あひぃいいっ!! あぅっあんっあんっあんっ! 見ないでっ! んんんぁああっ! 見ないでぇっ!」
私はぐいっとエレナさんの股間を前に突きださせる。
目の前にいる二人にもっと良く見せられるような姿勢に。
「あぁああああっ! ご、ごめっ…あうぅうっ! ごめんんっ! んぁああっ!」
「そんなこと言わずに、もっと見せつけてあげましょう」
股間の締め付けは最高潮、愛液も流れ出て腰をふるごとにじゅぽじゅぽと音が鳴る。
そろそろ、私も彼女も限界か。
「んぁあっあっあっあっあっ! ジャン君んんっ! あぁああんっ! コナー君んっ! あああぁああっ! ボクぅ、もうぅうううっ!!」
「ほら、イキなさい!
二人の前で!
二人に絶頂を見せつけるんです!」
「んひぃいいいいいっ! イクぅっ! イクぅっ! んぁぁあああああああああああっ!!!」
ぷしゃぁあっと、エレナさんの股間から潮が吹き出た。
同時に私も、彼女の中へ精液を注ぎ込む。
まさか潮吹きまでするとは。
余程、気持ちが良かったということなのだろう。
私は彼女の膣からイチモツを引き抜く。
「んっ、おっ、お、おおぉおおおお……」
彼女の膣から流し込んだザーメンがゴポゴポと流れ出てくる。
「……はーっ……はーっ……はーっ……はーっ……」
中空を見ながら、荒く息を吐くエレナさん。
彼女は放心していた。
完全に目の焦点が定まっていない。
私は彼女をそっと下ろすと、岩の上に寝そべらせた。
「……はーっ……はーっ……はーっ……はーっ……」
全身から力が抜けている。
……これは、しばらく正気に戻りそうにない。
このまま気が付くまで待っていてもいいが…
「いや、それは感傷というものか」
彼女とはこれっきりと約束した。
これ以上一緒に居ると、未練が強くなってしまう。
後ろ髪引かれるが、このまま立ち去ることにしよう。
「それでは……さようなら、エレナさん」
一応、最低限彼女の身体を布で拭いて綺麗にしてから、私はそっと呟いた。
もうこれで二度とエレナさんに会うことは無いだろう。
お互い同じ町に住む以上、顔を会わせることはあるかもしれないが――それは今日私が抱いた彼女ではないのだ。
そう自分に言い聞かせながら、『彼らにバレないよう』足早に、私はその場所を後にしたのだった。
第二話 完
後日談。
あれから3日後の夜。
私はいつものように仕事を終わらせ、いつものように黒の焔亭で食事していた。
「はーい、B定食お待たせ♪」
「ありがとうございます」
ウェイトレス姿のリアさんが、頼んでいた食事を運んでくれる。
「今日もゆっくりしていきなよ、クロダ」
「そうさせて貰います」
定番の社交辞令を交わしてから、私は食事を頂く。
ちなみに、今日のリアさんのパンツは薄い青。
相変わらず、いい胸とお尻をしている。
ローラさんの身体の柔らかさ、エレナさんの身体の弾力の良さ、どちらも素晴らしいものだが。
身体のメリハリこそグラマー&トランジスタグラマーな二人に劣っているものの、リアさんの肢体は柔らかさと弾力を高いレベルで両立させている。
その身体のメリハリにしても、形の美しさを論点にすれば、勝るとも劣らないモノを持つ。
そんなことをリアさんを眺めて考えていると、横から声がかけられた。
「隣の席、いいかな?」
「ああ、どうぞ」
反射的に返事をしてしまったが、今の声、聞き覚えがある。
話しかけてきた人へ顔を向けると、
「……エレナさん?」
「うん。こんばんはだねー、クロダ君」
あの日別れて以来会っていなかった(といっても数日程度しか経ってないが)、エレナさんがそこに居た。
今日はクロークは付けておらず、ブラウスにミニスカートの軽装だ。
まあ、探索中はともかく、日常着でマントなんて付ける人はいないか。
「これは奇遇ですね。
3日ぶり位ですか」
「うん、そうだねー」
「迷宮探索は順調ですか?
何か困りごとがあるなら、相談に乗りますよ。
私ごときでどの程度お力になれるか、保証しかねますが」
「うん、大丈夫だよー」
……何だか、反応が凄く淡白なような。
「……えー、と……」
「………」
話のとっかかりが作れず、二人に沈黙が訪れる。
「…………」
「…………」
ど、どうしようこの空気。
私が焦りを覚え始めたところで、エレナさんが口を開いた。
「で、それだけ?」
「それだけ、とは?」
私の返答に、少し怒ったような表情になるエレナさん。
「……この前のことに何か申し開きはないのかな?」
「この前……あぁ!」
そこで私は思い至る。
「すいませんでした、『嘘』をついてしまって」
「あの後、大変だったんだからね!
ボクはてっきり『キミとのことが二人にバレた』と思ってたんだから!」
「いやー、はっはっはっは」
「笑って誤魔化さないでよー」
そう、あの時ジャンさんとコナーさんには<闇視>などかかっていなかったのだ。
あれは、ジャンさん達の視線がこちらへ向いたのを見計らって、私がついた嘘。
一度こういうプレイをやってみたかったので、エレナさん達のことを知ってからやれるタイミングを伺っていたのである。
本当のジャンさんからの頼まれごとは『今度一緒に飲みませんか』ということだった。
その約束の通り、つい昨日、私はジャンさんとコナーさんとで卓を囲んだ。
男だけの飲み会というのも、変に気を使わなくていいし、楽しいものである。
夜遅くまで、お互いの身の上話や、よく使っている酒場の情報など、色々話し合った。
………その時に何も触れられなかったので、この前のことは特に問題になっていないと思っていたのだが。
「でも、まあ、気持ち良かったでしょう?」
バレたと思った瞬間からの、エレナさんの感じ方は尋常じゃなかった。
気を失う程の絶頂など、そうそうあるものではない。
「そりゃ、気持ち良かったよ?
でもそれとこれとは話は別。
話の食い違いにボクがすぐ気づいたから良かったものの……
下手したらパーティー解散の危機だったんだよ?」
「それは……申し訳ありません」
私が考えていた以上に危ないところだったようだ。
これは反省せねば。
「反省してるならさー、言葉じゃなくて物でお詫びが欲しいんだよねー」
「そうですか……幾らほど包めばよろしいでしょうか」
手持ちで足りる金額ならばいいのだが…
財布を取り出そうとする私を制して、エレナさんが話を続ける。
「お金でもいいんだけど」
エレナさんの手が私の股間に伸び、イチモツを掴む。
「ボクとしてはこっちのモノが欲しいなぁ?」
彼女が、ゆっくりと私の男根を扱きだした。
その刺激で、愚息は勃起を始める。
「………あの日で終わりにしたのでは?」
「終わりだよ、でもね…」
エレナさんの扱きが止まり、代わりに彼女は両手で私の首に抱き付いてきた。
耳元で、そっと囁く。
「あのさ、ボク、お酒に弱いの」
「……?」
「でも、ジャン君から聞いたんだけど、このお店ってお酒美味しいんでしょ。
飲んでみたいなー。
飲んだらすぐ酔っぱらって歩けなくなっちゃうんだけど、それでも飲んでみたいなー」
そこで一旦言葉を止めてから、
「……誰か、酔っぱらっちゃったボクを介抱して、部屋まで送り届けてくれる人がいたらなー?」
何かを期待している目で私を見つめる。
「そんなことしたら、色々とされてしまいますよ?」
「んんー、そうかも。
だけど、酔っぱらっちゃってるから仕方ないよね?」
「仕方、無いですか」
「うん、仕方無い」
―――そのとき、私の頭にジャンさんとコナーさんの顔がよぎった。
ダメだ、ここで流されては…!
「いえ、まだ何度も会っていない女性の部屋に、男が一人で入るわけにはいきませんよ」
「――え?」
予想外の返答だったのか、一瞬彼女の顔が強張る。
それに構わず私は続けて――
「ですから……私の家で介抱させて頂きます」
手を彼女の太ももに伸ばし、すべすべの肌を触りながら、言った。
私の家なら、ナニがあってもジャンさん達にバレる心配は無い。
私の言いたいことを理解したエレナさんは、小悪魔のような笑顔を浮かべた。
「……んふふふ、やらしーんだー、クロダ君。
じゃあ、最初はキミの家でいいよ」
「はい、しっかり面倒看ます」
「ありがと。
…ボクの部屋に来るのは、もっと深い仲になってからってことで、ね―――チュッ」
私の頬に軽くキスをしてから、エレナさんは離れた。
「それじゃ、再会を祝って、乾杯しようか。
このお店で一番強いお酒、頼んでもらえるかな?」
そして、エレナさんとの飲み会が始まった。
この後のことは―――語るまでもない。
『エレナ・グランディが仲間に加わった』
……なにか今、変なナレーションが頭に響いたような?
後日談 完
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