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第2話『タイムマシーンでビューンですよ!』
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家に帰った俺は、知らんおじさんと、テーブルに向かい合って座った。
「僕はフューチャーアドバイザーの、かんきだいやです!」
おっさんは、そう名乗った。
「これ、かんきだいやって読むんですか。」
「はい!」
なんかニコニコしてる……。
「で……なんですか。なんで家の前にいたんですか。」
「はい!ご説明しましょう!まず、フューチャーアドバイザーとは、あなた自身があなたの未来を手助けすることのサポートをする、お仕事です!」
「すみません……よく分かりません。」
「とにかくですね、あなたの未来はいいものではありません。」
……。だろうね。
「そこで、あなたには未来に行っていただき、未来の『堂島奏太さん』を手助けしてもらいます!」
「いよいよ意味が分かりません。未来に行くってどういう事ですか?」
「タイムマシーンでビューンですよ!」
「はぁ。……。信じませんよ。」
「あなたは!僕が怪しく見えるか!」
「はい、見えます。」
「なんで!」
「だって、この年に未来に行くだのなんだのを信じてもらえると思ってるみたいだし、おっさんなのに自分のこと僕って言ってるし。」
「失礼な!僕はまだ31ですよ!それに、未来に行けるのは事実です。」
こいつ……31歳なんだ……言われてみれば……いや、おっさんに見える。
「興味は湧きませんか?」
「うーん……湧かな……くもないです……。」
なんでだろう。この人の笑顔の奥に秘められた何か……。
「試してみませんか?お試しコース、ありますよ!」
「お試しコースがあるんですね……。」
俺の未来は、決して明るいものじゃないだろう。そんなの考えなくても分かる。もしそれが……自分の手で変えられるのならば、挑戦してみてもいい……気がする。俺だっていい人生を望んでいる。親なんかいなくたって、明るい人生を送りたい。
「どうですか?ちなみに、あっちでは僕と2人暮らしになりますけど?」
えっ。マジか。でもまぁ……女じゃねぇし。
「あの……ほんとに未来に行けるんですよね?」
「はい!保証します!試験済みです!私が!」
「私が?」
「いえ、なんでも。どうです?興味湧きました?」
興味は湧いた……。あ!
「神吉さん、なんで俺の名前を!?」
出会った瞬間、俺を「奏太くん」と呼んだ。こ、怖い。
「あはは!そりゃ、フューチャーアドバイスをする前にはそのお客様について調べ尽くしますよ!」
「怖い怖い!ストーカーですか!?」
「人聞きの悪い!仕事です!」
「そうですか……。」
「奏太くん」って……呼ばれたことねぇよ。
「さぁ、行きましょうか!」
「えっ、どこに!?」
「フューチャーアドバイス事務所KANKIに、です!」
「はぁ?俺、するなんて一言も!」
「顔がそう言ってます。それと、ビックリマークの多さが、それを語っています。」
あぁ、たしかに……。俺さっきからビックリマーク多めかもしれない……。
来てしまった……フューチャーアドバイス事務所KANKI。ん?
「神吉さんって社長なんですか?」
「いいえ、僕の父です!」
なんだ。少しでも見直すチャンスだったのに。
「なんだって思ったでしょ?はは!僕に社長なんて務まりませんよ。すぐ感情で動いちゃうし、不器用だし。」
透視!?っていうか、俺の未来を任して大丈夫なんだよな?なんだかんだ、俺は事務所に入った。
「さぁ、座って。何を食べます?ピザ?焼き鳥?」
「え、食べるって……。」
「お腹空いたでしょ?フラフラしてますよ。」
フラフラなんか……あ、してる……。気づいた瞬間、俺は足に力が入らなくった。よろけた俺を、神吉さんはガシッと受け止めた。
「ほら、だから座ってと言ったのに。」
神吉さんって、ヒョロっとした見た目に反して力があるんだな。俺は、なんとかソファに座った。
「焼き鳥、最近食べました?」
「最近はろくなもん食ってません……。」
「やっぱり!じゃあ、焼き鳥を配達してもらいましょうね!」
電話をしに行ったのか、神吉さんは事務所の奥に入っていった。俺は改めて部屋を見回してみた。壁はクリーム色、黒い時計がかかっている。後は、机が3台と小さな冷蔵庫が置いてあるだけのシンプルな部屋だ。にしてもこのソファ、気持ちいいな。う、眠い……。今日は体育が嫌すぎて早く起きてしまったんだった。あぁ、明日も学校か……。憂鬱だなぁ……。俺はこのままぶっ倒れた(ように眠った)。
「あれ、奏太くん寝ちゃった。ふふ、天使の寝顔。君もまだ、子供なんだよ。」
続く!
次回 第3話『俺といい勝負って、嫌味かよ
「僕はフューチャーアドバイザーの、かんきだいやです!」
おっさんは、そう名乗った。
「これ、かんきだいやって読むんですか。」
「はい!」
なんかニコニコしてる……。
「で……なんですか。なんで家の前にいたんですか。」
「はい!ご説明しましょう!まず、フューチャーアドバイザーとは、あなた自身があなたの未来を手助けすることのサポートをする、お仕事です!」
「すみません……よく分かりません。」
「とにかくですね、あなたの未来はいいものではありません。」
……。だろうね。
「そこで、あなたには未来に行っていただき、未来の『堂島奏太さん』を手助けしてもらいます!」
「いよいよ意味が分かりません。未来に行くってどういう事ですか?」
「タイムマシーンでビューンですよ!」
「はぁ。……。信じませんよ。」
「あなたは!僕が怪しく見えるか!」
「はい、見えます。」
「なんで!」
「だって、この年に未来に行くだのなんだのを信じてもらえると思ってるみたいだし、おっさんなのに自分のこと僕って言ってるし。」
「失礼な!僕はまだ31ですよ!それに、未来に行けるのは事実です。」
こいつ……31歳なんだ……言われてみれば……いや、おっさんに見える。
「興味は湧きませんか?」
「うーん……湧かな……くもないです……。」
なんでだろう。この人の笑顔の奥に秘められた何か……。
「試してみませんか?お試しコース、ありますよ!」
「お試しコースがあるんですね……。」
俺の未来は、決して明るいものじゃないだろう。そんなの考えなくても分かる。もしそれが……自分の手で変えられるのならば、挑戦してみてもいい……気がする。俺だっていい人生を望んでいる。親なんかいなくたって、明るい人生を送りたい。
「どうですか?ちなみに、あっちでは僕と2人暮らしになりますけど?」
えっ。マジか。でもまぁ……女じゃねぇし。
「あの……ほんとに未来に行けるんですよね?」
「はい!保証します!試験済みです!私が!」
「私が?」
「いえ、なんでも。どうです?興味湧きました?」
興味は湧いた……。あ!
「神吉さん、なんで俺の名前を!?」
出会った瞬間、俺を「奏太くん」と呼んだ。こ、怖い。
「あはは!そりゃ、フューチャーアドバイスをする前にはそのお客様について調べ尽くしますよ!」
「怖い怖い!ストーカーですか!?」
「人聞きの悪い!仕事です!」
「そうですか……。」
「奏太くん」って……呼ばれたことねぇよ。
「さぁ、行きましょうか!」
「えっ、どこに!?」
「フューチャーアドバイス事務所KANKIに、です!」
「はぁ?俺、するなんて一言も!」
「顔がそう言ってます。それと、ビックリマークの多さが、それを語っています。」
あぁ、たしかに……。俺さっきからビックリマーク多めかもしれない……。
来てしまった……フューチャーアドバイス事務所KANKI。ん?
「神吉さんって社長なんですか?」
「いいえ、僕の父です!」
なんだ。少しでも見直すチャンスだったのに。
「なんだって思ったでしょ?はは!僕に社長なんて務まりませんよ。すぐ感情で動いちゃうし、不器用だし。」
透視!?っていうか、俺の未来を任して大丈夫なんだよな?なんだかんだ、俺は事務所に入った。
「さぁ、座って。何を食べます?ピザ?焼き鳥?」
「え、食べるって……。」
「お腹空いたでしょ?フラフラしてますよ。」
フラフラなんか……あ、してる……。気づいた瞬間、俺は足に力が入らなくった。よろけた俺を、神吉さんはガシッと受け止めた。
「ほら、だから座ってと言ったのに。」
神吉さんって、ヒョロっとした見た目に反して力があるんだな。俺は、なんとかソファに座った。
「焼き鳥、最近食べました?」
「最近はろくなもん食ってません……。」
「やっぱり!じゃあ、焼き鳥を配達してもらいましょうね!」
電話をしに行ったのか、神吉さんは事務所の奥に入っていった。俺は改めて部屋を見回してみた。壁はクリーム色、黒い時計がかかっている。後は、机が3台と小さな冷蔵庫が置いてあるだけのシンプルな部屋だ。にしてもこのソファ、気持ちいいな。う、眠い……。今日は体育が嫌すぎて早く起きてしまったんだった。あぁ、明日も学校か……。憂鬱だなぁ……。俺はこのままぶっ倒れた(ように眠った)。
「あれ、奏太くん寝ちゃった。ふふ、天使の寝顔。君もまだ、子供なんだよ。」
続く!
次回 第3話『俺といい勝負って、嫌味かよ
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