アニヲタとドルヲタ

アニドル7『Let'sチャッティング！』

トゥルルルルルトゥルルルルル

   蓼丸の携帯が鳴った。知らない番号だ。
「一応出たら？」
「う、うん～。」
電話に出てみた。
「もしもし？」
「も、もしもし？あの、れ、麗亜です……。お、お電話してみました。」
「れ、麗亜さ、さん！？ほ、本物の！？」
「はい！蓼丸賢太郎さんですよね！」
「そぉですよ！」
「キャーーー！大ファンなんです～！！」
「ほ、本当ですかぁ～。」
蓼丸は、心臓がバクバクバクバク言った。よく分からないが、とにかく何かすごいことが起きている。
「え、な、何が起きたの？」
桜小路は、目が点だ。
「れ、れ、れ、れ、麗亜ちゃんからの電話だよ！電話！！」
桜小路が目を細めた。
「それ大丈夫？詐欺とかじゃないの？」
「詐欺じゃないって！」
そういうと、蓼丸はスピーカーにした。桜小路は、蓼丸を喫煙室に連れて行った。運よく誰もいない。ここなら誰も迷惑せずに済む。
「こ、こんにちは！」
「あ、こ、こんにちは。」
「あ、桜小路さん！」
「そうですー、桜小路ですー。よく分かりましたね。」
「そりゃ分かりますよ！私、ホパガールですもん！」
ホパガールと言うのは、hoperのガチファンの事だ。
「それはありがとうございます。えっと、本当にごぉですの新島麗亜さんなんですか？」
「はい！そうです！」
「へぇ、すげぇ。」
「ね？すげぇでしょー！よく電話してくれましたね！」
「一刻も早く蓼丸さんの声が聞きたくて。」
「ありがとうございます！！」
「あ、すみません、そろそろ私のシーンです……またいつか電話かけます！！」
「頑張ってください！では！」

プープープープー

蓼丸の、夢の様な時間は、約三分で終わってしまった。しかし、蓼丸はしきりに興奮しっぱなしだ。
「いやー！すごいよ！麗亜ちゃんと！電話！！」
「本当に麗亜ちゃんの声だったな。あ、でも声優さんかもよ？」
「いーやそりゃない。」
蓼丸が断言した。
「なぜならば！麗亜ちゃんの声優さんは今生放送の番組に出演中だからさ！」
我がことのように自慢気だ。
「見なくていいの！？」
「録画してある！いやさ、優くんとの予定が先に入ってたからね。」
いい奴である。



アニドル8『ラーメンとチャーハンと』へ続く！