国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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クーデターの終焉

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「どうして私がここに・・・?って、フフッ、そりゃあビックリもするわよね。どうしてか知りたいわよね?」


エーペレスは挑発するような笑みを浮かべ、ブラホードに目を向ける。
が、次の瞬間、立てた親指を地面に突き立てるジェスチャーをしながら、エーペレスは怒りの色に表情を歪めながら言った。


「裏切者のアンタがそれを知る必要はないわ。裏切り者は裏切り者らしく、相応の扱いを受けなさい」


エーペレスの言葉を合図に、ブラホード達を包囲していた騎士が一斉に動き出す。
ろくに抵抗も出来ないまま残りの全員があっと言う間に打ちのめされ、ブラホードもあっけなく拘束されてしまう。


「やれやれ・・・これでゲームセットというわけですか」


諦めがついたのか、抵抗することなくフッと苦笑いを浮かべて言うブラホード。


「いかようにもすると良いでしょう。覚悟は出来ております故」


「はっ!」


エーペレスは小ばかにしたようにブラホードを笑うと、騎士によって地面に押さえつけられたそんな彼の元につかつかと歩き出すと・・・


ドカッ


と、思いっきり顔面を蹴りつけた。
軍靴を履いたエーペレスの渾身の蹴りは、それはもう高い威力を誇る。


カツッ、と何か固いものが地面の落ちた音がした。
蹴られた際に折れたブラホードの歯だった。


「あが・・・」


口から血を出し、情けない声を上げたブラホードを見下ろしながらエーペレスは言った。


「裏切者である上に敗北した、ド底辺の負け犬が何をカッコつけているのよ。そんな余裕も出ないような扱いをしてあげるから覚悟しなさい」


「は・・・はわ・・・」


先ほどまでの余裕を装っていた態度は一変。ブラホードはすっかりエーペレスに怯え切っていた。

ただ暴力を受けただけなら、敗北者たるブラホードとてここまで心は折られない。
彼の心を折ったのは、エーペレスから放たれていた殺気だった。


「むう・・・」


オミトは思わず唸った。
エーペレスから感じる殺気・・・それは、先代当主トウシ・・・そして追放されたショウ・・・彼らルーデルの血が流れる者が放つそれと同じだったからだ。


(やはり、彼女も間違いなくルーデルの人間なのだ・・・)


オミトはエーペレスを見つめながら、そう確信した。
自分がついていくべき人なのだと。
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