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絶望から転機
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「やあやあ、良く来てくれた」
オミト達がルーデル邸へ向かおうと動き出したとき、進行方向に立ち塞がる影があった。
「・・・ブラホード・・・!」
オミトが忌々し気にその名を呼ぶと、オミトの寄り添うようにしていたドロシーが息を飲んだ。
一度は逃亡し、クーデター軍の決起させ指揮を執っていたブラホードがそこに立っていたのだ。
オミトは即座にブラホードに斬りかかろうと思わず得物に手をかけるが、間を空けず現れた騎士達に周囲を囲まれ、やむなく動きを止める。
(待ち伏せされていたか・・・)
悔しさを顔に滲ませて、オミトは歯噛みする。
可能性について考えていなかったわけではなかったが、それでも今はクーデターの成功を優先するために、大した反抗戦力でもないオミト達のためだけにブラホード自らが網を張ってはいないだろうと楽観的に考えてしまっていた。
「こんな老兵のために首謀者自ら俺を捕まえに来るとは、焼きが回ったんじゃないか?今更俺なんぞ相手にしたところでどうなる」
「オミト。君は自分を過小評価し過ぎだ。はっきり言って君は何をするかわからないから、あまり自由にはさせられないんだよね・・・実に危険なんだ。それに、君を拘束したとなれば反抗勢力の指揮も低下するだろう」
「そんなに大したことはない。ろくに剣も触れぬ老いぼれだ」
「いや、君がルーデル邸の連中と合流してしまえば、あそこの攻略に更なる遅れが出るだろう。何にせよ我々にとってはろくな影響がない」
そう言ってブラホードが手を挙げて合図をすると、クーデター軍の騎士達がジリジリとオミト達に詰め寄り出した。
随伴していた騎士が、オミトに「どうする?」と目配せをする。
徹底抗戦するか、大人しくしているかの決断をオミトに委ねていた。
オミトはチラリとドロシーを見る。
不安そうに震え、オミトの服を強く握り締めている。当初オミト達を教団信者を使って包囲していたときの貫禄は微塵もない。
投降したところで、オミト達の命が無事でいられる保証はない・・・というか、高確率で殺されるだろう。
そして死人の種のことを知られた以上、教団関係者であるドロシーも生かしておく理由がない。
そうなるとそれだけ生還率が低かろうと、出せる答えは決まっていた。
『一点突破で、この場を切り抜ける』
オミトが出した結論はそれだった。
仲間の騎士達に合図でそれを伝えると、皆が一斉に頷き、突撃する覚悟を決めた・・・ その時!
「ぐあああぁぁ!!」
それまでオミト達を取り囲んでいたクーデター軍から、所々で悲鳴が上がるようになった。
オミト達がルーデル邸へ向かおうと動き出したとき、進行方向に立ち塞がる影があった。
「・・・ブラホード・・・!」
オミトが忌々し気にその名を呼ぶと、オミトの寄り添うようにしていたドロシーが息を飲んだ。
一度は逃亡し、クーデター軍の決起させ指揮を執っていたブラホードがそこに立っていたのだ。
オミトは即座にブラホードに斬りかかろうと思わず得物に手をかけるが、間を空けず現れた騎士達に周囲を囲まれ、やむなく動きを止める。
(待ち伏せされていたか・・・)
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「こんな老兵のために首謀者自ら俺を捕まえに来るとは、焼きが回ったんじゃないか?今更俺なんぞ相手にしたところでどうなる」
「オミト。君は自分を過小評価し過ぎだ。はっきり言って君は何をするかわからないから、あまり自由にはさせられないんだよね・・・実に危険なんだ。それに、君を拘束したとなれば反抗勢力の指揮も低下するだろう」
「そんなに大したことはない。ろくに剣も触れぬ老いぼれだ」
「いや、君がルーデル邸の連中と合流してしまえば、あそこの攻略に更なる遅れが出るだろう。何にせよ我々にとってはろくな影響がない」
そう言ってブラホードが手を挙げて合図をすると、クーデター軍の騎士達がジリジリとオミト達に詰め寄り出した。
随伴していた騎士が、オミトに「どうする?」と目配せをする。
徹底抗戦するか、大人しくしているかの決断をオミトに委ねていた。
オミトはチラリとドロシーを見る。
不安そうに震え、オミトの服を強く握り締めている。当初オミト達を教団信者を使って包囲していたときの貫禄は微塵もない。
投降したところで、オミト達の命が無事でいられる保証はない・・・というか、高確率で殺されるだろう。
そして死人の種のことを知られた以上、教団関係者であるドロシーも生かしておく理由がない。
そうなるとそれだけ生還率が低かろうと、出せる答えは決まっていた。
『一点突破で、この場を切り抜ける』
オミトが出した結論はそれだった。
仲間の騎士達に合図でそれを伝えると、皆が一斉に頷き、突撃する覚悟を決めた・・・ その時!
「ぐあああぁぁ!!」
それまでオミト達を取り囲んでいたクーデター軍から、所々で悲鳴が上がるようになった。
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