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強まる愛
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ブラホードの反乱軍によるアルス教団への攻撃は熾烈を極めていた。
何しろ彼らからすれば、アルス教団の騎士達は死人の種を取り扱っている組織を壊滅させようと、ある程度まとまった数と兵装でやってきた脅威の集団なのだ。
現状クーデターに失敗のリスクがあるとするならば、アルス教団が目下大きな脅威であるからだ。
投降は認めない。逃走もさせない。何があっても殺す。
抵抗も空しく、次々へとアルス教団側は死体の山を築く。
だが、教団側とて何もただ座して死を待つわけではない。当然ながら、圧倒的な実力差を承知で決死の思いで抵抗する者だっていた。
ブラホード軍が教団を追い詰めれば追い詰めるほど、反発は大きくなる。何があろうと必死で生き延びようとする教団員達は、それはもう自分達の持っている全ての力を注いでまで活路を見出すべく抵抗した。
そのせいだろうか、当初オミト達のいる建物を囲むようにして展開されたブラホード軍がいくらか散開し、オミト達が隙間を縫ってその場から逃げ出せるだけの瞬間的余裕が生じていた。
「丁度おあつらえ向きだな。行こう」
オミトの合図で、ドロシーと黒の騎士達が走り出す。
周りではブラホード軍と教団員が戦っているが、そう遠からずブラホード軍が勝利するだろう。そうなってからでは逃げる隙は見つけられなくなるだろう・・・
逃げ出すには今がチャンスだとオミトは思っていた。
「何とかいけたか・・・」
ブラホード軍の包囲網を抜け出たと思われたところまでオミト達が移動すると、気が抜けたようにオミトがそう呟く。
が、そのときだった。
「このっ!!」
物陰に潜んでいたと思われるブラホード軍の騎士が一人、完全に不意打ちする形でドロシーに向かって斬りかかった。
「!!」
ドロシーが気が付いた頃には、既に騎士は剣を振りかぶっていた。
ドロシーは魔法が使えるが、近接戦で即座に発動できるようなものは使えない。というかそんな魔法は存在しない。
死を覚悟したドロシーだったが、騎士の剣は彼女に振り降ろされることはなかった。
「ぐぅ・・・!」
騎士が剣を振るより先に、オミトの剣が彼を切り裂いていたからである。
「あっ・・・」
騎士は反乱軍とはいえ、元は黒の騎士団。オミトの仲間だったはずだ。
だが、オミトはドロシーを守るために躊躇いなく彼を斬った。
「無事か?」
元仲間を斬ったことなど、なんてことないようにオミトがそうドロシーに心配して問いかける。
(一度は裏切った私のこと、本当に守ってくれるなんて・・・!)
ドロシーの中で、オミトの存在が神がかったレベルで大きくなった瞬間だった。
何しろ彼らからすれば、アルス教団の騎士達は死人の種を取り扱っている組織を壊滅させようと、ある程度まとまった数と兵装でやってきた脅威の集団なのだ。
現状クーデターに失敗のリスクがあるとするならば、アルス教団が目下大きな脅威であるからだ。
投降は認めない。逃走もさせない。何があっても殺す。
抵抗も空しく、次々へとアルス教団側は死体の山を築く。
だが、教団側とて何もただ座して死を待つわけではない。当然ながら、圧倒的な実力差を承知で決死の思いで抵抗する者だっていた。
ブラホード軍が教団を追い詰めれば追い詰めるほど、反発は大きくなる。何があろうと必死で生き延びようとする教団員達は、それはもう自分達の持っている全ての力を注いでまで活路を見出すべく抵抗した。
そのせいだろうか、当初オミト達のいる建物を囲むようにして展開されたブラホード軍がいくらか散開し、オミト達が隙間を縫ってその場から逃げ出せるだけの瞬間的余裕が生じていた。
「丁度おあつらえ向きだな。行こう」
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周りではブラホード軍と教団員が戦っているが、そう遠からずブラホード軍が勝利するだろう。そうなってからでは逃げる隙は見つけられなくなるだろう・・・
逃げ出すには今がチャンスだとオミトは思っていた。
「何とかいけたか・・・」
ブラホード軍の包囲網を抜け出たと思われたところまでオミト達が移動すると、気が抜けたようにオミトがそう呟く。
が、そのときだった。
「このっ!!」
物陰に潜んでいたと思われるブラホード軍の騎士が一人、完全に不意打ちする形でドロシーに向かって斬りかかった。
「!!」
ドロシーが気が付いた頃には、既に騎士は剣を振りかぶっていた。
ドロシーは魔法が使えるが、近接戦で即座に発動できるようなものは使えない。というかそんな魔法は存在しない。
死を覚悟したドロシーだったが、騎士の剣は彼女に振り降ろされることはなかった。
「ぐぅ・・・!」
騎士が剣を振るより先に、オミトの剣が彼を切り裂いていたからである。
「あっ・・・」
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だが、オミトはドロシーを守るために躊躇いなく彼を斬った。
「無事か?」
元仲間を斬ったことなど、なんてことないようにオミトがそうドロシーに心配して問いかける。
(一度は裏切った私のこと、本当に守ってくれるなんて・・・!)
ドロシーの中で、オミトの存在が神がかったレベルで大きくなった瞬間だった。
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